持続可能な鶴岡ブログ

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ノロウィルスに注意を!


昨晩名古屋から戻りました。出張中、父の具合が悪いという電話をもらっており、心配していたのですが、どうも宴会の後、下痢が続いているとのこと。「すわっ、ノロか?」とも思い本日、かかりつけの医師にも相談して急患で荘内病院へ。先生からは「ノロだともっと「がおって」くる患者さんが多いので、ノロではないと思いますとのこと。
しかしながら、血圧を診ていただいて「脱水症状がある」とのことで2時間の点滴で水分を回復し、随分元気を取り戻しました。

荘内病院の先生曰く、「ノロ、今はやっています」とのこと。で、ノロウィルスについては、ネット上でも諸々見解があるようですが、「疑わしい場合は病院に行った方がいい」とのこと。
特効薬は未だないので、2日間ぐらいピークアウトするまで安静にしていることが大事だそうなのですが、特に高齢者の方々は、「脱水症状」が危ないのだということ。先生曰く「ノロで亡くなる人はいないが、ノロに起因する脱水症状で亡くなるんです」ということでした。
 結局うちの父の場合は、点滴を受けて順調に回復しているようですが、もし、激しい嘔吐、下痢が続くようでしたら疑ってみていいようです。かかりつけの医師、また病院へ。

ノロウィルスの対策としては、徹底的な手洗いだそうです。外出したらしっかりと石けんで手を洗う習慣をつけましょう。  はーい(本人)

以上。

2013年の元旦のあいさつ


持続可能な 鶴岡・庄内・山形へ 前進!

あけましておめでとうございます。
皆様にとっていい一年である事を心から祈念いたします。
2011年の東日本大震災から1年9ヶ月が過ぎましたが未だ原発事故は収束できず、約15万人の福島県民は故郷にもどれない状況にあります。
また、津波被害の避難者の多くが仮設住宅で不自由な暮らしを強いられています。
国の政治は年末の選挙で自公政権へと政権交代がおこなわれました。脱原発の結集は残念な結果となりました。
 山形県政、私は今年度は、商工労働観光常任委員会、人口減少問題対策特別委員会に所属して活動をして参りました。
 私は一貫して、3.11を教訓とし、持続不可能な社会から、持続可能な社会への転換を訴え、吉村知事の卒原発宣言を支持し、更に、「原子力ムラ」などの既得権と同様の構造のダム問題に取り組み、真に持続可能な社会のインフラづくりを通じての経済、又、生物多様性など 、自然と共生した経済への転換を訴え続けてきました。

 今年度、再生可能エネルギー元年というエネルギーシフトを大きなチャンスととらえ、如何に産業転換し雇用創出できるか。また、足下の自然の資本を活かして観光や農林水産業、食文化、手業の文化を如何に磨き、新たな経済にすることができるか。

環境経済学会、エネルギー関連の政策学習会などで様々な先生方にお会いし、現場を歩き、政策提言を続けて参りました。
 2013年.持続可能な鶴岡、庄内、山形へ。一歩前へ進む政治を心がけ邁進いたします。どうぞご支援の程また、ご指導、ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いいたします。


吉村知事 再選にあたり。


吉村知事が再選。予想はしていたが、無投票再選だった。

私は吉村知事を支持し応援していたので、先ずはおめでとうございます。とお伝えしたい。

農林水産業の再生、トップセールスに加え、全国の知事の中で、嘉田知事とともに二人だけ、「卒原発」を唱えて再生可能エネルギーに力を注ぐ姿勢を大きく評価している。
しかしながら、私はこれまで、小国川ダムの問題などについて反対の立場で討論にたってきた。
これまで全国のダム問題の理不尽と、小国川流域の現場の皆さんとここ8年間ぐらいおつきあいさせて頂いて、絶対にダムなどつくってはならない場所だから、そして、こうした「ダムありき」の構造は、「原子力ムラ」と同様の構造で、これを打破することこそ311の教訓なのだ。と考えてきたからだ。
間違いなく、小国川ダム問題は、生物多様性の山形戦略、そして持続可能な開発への転換への砦だと考えている。
 知事には、より流域の住民の真の声に耳を傾けて頂きたいし、良識ある科学者の声にもう一度耳を傾けて頂きたいと、そして、滋賀県で嘉田知事が成し遂げようとしている「流域治水」「総合治水」の流れをぜひお学びいただき、河川ムラ、ダムムラに支配される構造をなんとか打破して、真の治水を叶えていただきたいと思う。

 昨年は、評論家、佐高信先生に出会えたことが、大変大きな励みとなった。9月に新庄で「最上小国川ダム問題を考える」と題して講演会を開催することができ、多くの方々にこの問題の真相をお伝えすることができたと思う。佐高先生は、「荘内日報」「サンデー毎日」にこの問題を執筆して下さった。そして、年末には、元朝日新聞論説委員の高成田享さんと佐高先生とご一緒に登壇していただき「なぜ知事はダムにこだわるのか!?」シンポジウムを開催することができた。

その中でご発言をいただいた高成田さんは。集会の後、WEBマガジンJBpressで、「ダムの建設を中止して、赤倉温泉の再活性化プラン作りに切り替えれば、大きな話題になるとともに、全国から渓流を楽しんだり、「脱ダム」の視察に来たりする人々でにぎわうだろう。自然と共生する思想は、もはや時代が共有する考え方で、民主党も自民党も第三極もないはずだ。」と書いて下さった。

 自然と共生、そして真に住民の生命と財産を守るには。これまでの発想の転換が必要な時なのだと考えている。
 
 僕は、吉村県政のいいところは徹底的に応援して伸ばしていきたいし、同時に正さねばならぬことは、はっきりと正していく。それが真の県政発展につながると考えるからだ。

是々非々で、ひたすらに、自然と共生し、持続可能な社会へ進む政治をとりくみたい。



田中正造、南方熊楠とナチュラルステップ、そして出羽庄内。


私達はどこに向かうべきなのか。
2013年、年頭。改めて、これからは、刹那的な景気浮揚などの成り行きに任せたフォアキャスト的な発想では立ちゆかず、確実に何を目指すか。そのポイントからバックキャストして今からの一歩一歩を行動して、そのポイントに向かう事でなければならない。

深夜。NHKで田中正造と南方熊楠をとりあげた特集の再放送をやっていた。
明治時代に自然との共生思想を説き、時代に闘った二人の思想や行動は今、ポスト311を生きる私達に重要な示唆を与えてくれる。

田中正造は、足尾銅山の鉱害を国会で訴え続け、後に国会に失望し議員を辞職し、その後、谷中村に入り、渡瀬川を歩き、水害調査途中、71才 倒れている。


水は自由に高きより低くに行かんのみ
水は法律理屈の下に屈服せぬ
水は人類に左右されるものでない。
水は誠に神の如きもので
人類 誠にへぼな人類なぞの
きめた事に服従はしない

真の文明は
山を荒らさず
川を荒らさず
村を破らず
人を殺さざるべし

そして南方熊楠は神社合祀令による村の神社の解体、神木の伐採の動きに反対した。

そもそも日本にエコロジーを「エコロギー」と伝えた方だ。

自然と人の心。自然と神との関係性を説いている。

二人とも、あくまで民の側に付き、敢然と政府の自然破壊に立ちむかっている。

二人の意思や目指す日本型エコロジー思想を受け止めつつ、現実として最上小国川ダムについて絶対建設反対、ダムに依らない治水を叶えることことそ、赤倉温泉や流域地域の真の発展の方策だと改めて訴えたい。
ポスト311を乗り切る僕らは、大いにこの思想、行動を受け止め、今を生きる人、次世代に継承せねばらないと改めて感じた。

では一体 どんな社会を目指すべきなのか。


そして、冒頭のバックキャスティング型で考える目標は「持続可能な社会」だろう。改めてこれも示しておきたいが、これには4つの判断基準がある。

1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない。
3)自然が物理的に劣化しない
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない。

である。この判断基準を満たすのが持続可能な社会だ。その方向を考えていったら、原発やダムは明かに論外ということになる。私は、2008年、鶴岡に訪れ、講演をしていただいたたスウェーデンナチュラルステップ ESAM のグンナルブルーンディーンさんらに、実際にこの4つのシステム条件をまちづくりの基本指針に掲げて、その社会を目指している自治体があり、5月にその国際会議があるということを伺った。そして、その会議に鎌仲監督と一緒に訪れたのだった。実際77のスウェーデンの自治体がその羅針盤を持ち、運営している。そしてカナダのウィスラー市など国際的にその動きが広がっていた。
 僕はそのとき一つの確信を得たのだった。我々が進むべき道はこれだ。と。

2011年3月11日の震災と原発事故を受けて、今、改めてそのサスティナブルな社会への道へ、いよいよ持続不可能な社会を持続可能な社会へと転換する。それを今こそやるべきだと。改めて思っている。

環境の3要素、化石燃料からの脱却、化学物質依存からの脱却 生物多様性の尊重は、実は経済を持続可能なものにするために重要な要素だ。ナチュラルキャピタル(自然資本)は改めてカウントされなければならない。

そして社会のあり方として、多くの方々が平等にチャレンジができる社会にするように、人々の基本的なニーズとは 生命維持の他に保護、愛情、理解、自由、参加、創造、休養、アイデンティティ、と全部で9つのニーズがあり、それを満たすことを妨げないことと、ナチュラルステップでは定義づけしている。この9つのfundamental needs はチリ在住の経済学者、マンフレッドマックスニーフによるものだ。

今、ひたすらに、持続可能な社会への転換を訴えたい。

草島進一 2013.1.3





ラムサール条約の下池での野鳥観察会


1月2日早朝はここ毎年恒例で、大山下池に出かけている。尾浦の自然を守る会を立ち上げたときから続く野鳥観察会があるからだ。6時半集合に、10分ほど遅くなったが、観察小屋に近づいたところで、グアグアと声を上げながらオオヒシクイの編隊が飛び立った。その後5回ぐらいに分け50羽程。このオオヒシクイの飛び立ちを初めて観たときはその迫力に大いに感動した。その迫力は今も変わらず、野生の力強さを感じずにはいられない。 先ずはこのオオヒシクイの飛び立ちがメインプログラムなので、なんとかミッション達成。その後、上池のほとりに住んでいらっしゃる太田さんに今年の周辺状況を伺う。白鳥1000羽。今年は特にカモ類が1000ぐらいと少ないのだそうだ。しばらくして、「オジロだ!」との声に双眼鏡を向けるとと、優雅に飛ぶオジロワシ。周辺ではアトリの群舞や、シジュウカラも観ることができた。
 ここは2008年ラムサール条約指定湿地になっている。太田さんをはじめ、尾浦の自然を守る会の皆さんの努力の賜物だ。
 さて、生物多様性地域戦略の策定の委員会が昨年12月25日に初会合としてはじまっている。
ラムサール条約指定湿地のある鶴岡から、生物多様性のモデルを提示していかねばならないという思いからも昨年の9月の予算委員会質疑で取り上げた。
 
豊かな経済を育むためにも、地域の宝である自然を破壊する時代ではない。まさに自然資本(ナチュラルキャピタル)というものに目を向けながら、それを如何に磨き、活かすか、そのところは僕が掲げる持続可能な社会を構成する大きな要素だと考えている。

太田さんとは、安倍政権の不安。311以降の原子力ムラをはじめとする「ムラ」構造からの脱却。御用学者の問題など諸々意見交換。水野さんからは、貴重昆虫、植生についてなど、貴重なご示唆をいただいた。今後ともご指導を賜りたい。


謹賀新年


大晦日、昨年に引き続き、京都大心の未来研究センター教授の鎌田東二先生とともに出羽三山神社の松例祭へ。若い衆と混じり大明綱ひき。国分け神事。その後、午前3時。出羽三山神社の歳旦祭で玉串拝礼し、年が明けました。

2013年。あけましておめでとうございます。

私達はポスト311の新しい社会をつくらねばならない、大きなターニングポイントといえる時を
今、過ごしています。時の政権がどうあれ、地球温暖化、ピークオイル、生物多様性の消失、そして日本では人口減少社会、少子高齢化、景気の低迷。これまでの時代には解らなかった諸課題を乗り越え、いかに持続可能な社会を実現していくか。いかにサスティナブルな社会を実現していくか。が至上命題であると考えます。
 原発事故。大規模な放射能汚染。ハード整備だけでは防ぎきれなかった津波による犠牲。その教訓が生きた社会にしなければ。そしてこの数十年にわたり、日本国土の生物多様性が消滅し続けてきた。その教訓が生きた社会にしなければ。私達の生存さえ、命さえ危惧されるのです。
 そして、経済も、刹那的な、今、一握りの方々だけが、享受される豊かさだけでいいのか、もう一度考えねばなりません。多くの方々が信頼の絆の元で豊かさを享受できる社会、次世代にもツケだけがまわるような事ではない社会を目指す経済を打ち立てていかねばならないと思います。

2013年。お山と向き合うところから、出羽庄内、山形県の真の発展のために、持続可能な未来をつくることを目標に、しっかりと歩み続けることをお誓いし、年頭のごあいさつといたします。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
 

最上小国川の、内水面漁業の振興策とは


最上小国川の問題。12月の予算特別委員会でも渡辺議員がとりあげた。

知事は、「一日も早く、住民の安全安心を確保することが私の責務だが、内水面漁業の振興も重要な課題だ。地域の人たちと話し合いをしながら、しっかりと取り組む」

としているが、内水面漁業の振興で最もふさわしいのは、ダムをつくらないことだ。

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(読売新聞の記事を転載します)

ダム漁業権問題で知事、話し合う意向(最上小国川ダム)

(読売新聞山形版 2012年12月13日) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20121212-OYT8T01345.htm


県が建設を計画する最上小国川ダム(最上町)に対して、流域の漁業権を持つ小国川漁協が反対している問題で、吉村知事は12日、「漁業権の(強制)収用はできるだけしたくない」と述べ、話し合いによって漁協側の理解を得たいとの考えを示した。

県議会予算特別委員会で共産党の渡辺ゆり子議員の質問に答えた。

県は10月から、同ダム建設に向けて作業用道路の取り付け工事を行っている。

一方、小国川漁協は「ダム建設に同意する意志は全くない。補償交渉にも応じない」と一切の交渉を拒否する姿勢を見せている。

知事は答弁の中で「一日も早く、住民の安全安心を確保することが私の責務だが、内水面漁業の振興も重要な課題だ。地域の人たちと話し合いをしながら、しっかりと取り組む」と決意を述べた。

JBPRESS に小国川ダム問題が掲載されました。


JAPAN BUSINESS PRESS 日本ビジネスプレス 12/18版に、最上小国川ダム問題の記事。
必読です。高成田享(元朝日新聞論説委員 報道ステーション)


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36760


以下、転載します。

先日、山形市で開かれた「知事はなぜ、ダムにこだわるのか!?」と題した集会に参加した。山形県が同県最上町に計画している最上小国川(もがみおぐにがわ)ダムの建設に反対する「最上小国川の清流を守る会」が主催したもので、同県出身の評論家、佐高信さんや、山形大学の地質学者、川辺孝之教授、小国川漁協組合長の沼沢勝善さんらがこのダム計画の無謀さを語った。

 実は、私も登壇したのだが、この問題にはそれほど詳しくないので、「震災とコンクリート文明」と題して、漁業資源よりも漁港作りに力を入れてきた水産行政の失敗が今回の震災で露わになった、という話をした。

 私が小国川ダムの建設計画を知ったのは2004年10月に最上町の赤倉温泉で開かれた「東北自然保護の集い」に参加したときのこと。鮎釣りのメッカである小国川でのダム計画だけに、これが実現すれば鮎の生態に大きな影響を与えると心配する釣り人が多かった。

 その後、「コンクリートから人へ」を掲げる民主党政権ができたので、この計画は白紙になったはずだと思っていたのだが、今回の集会で、白紙どころか、ダム建設を前提にした周辺道路の工事が始まったと聞いて驚いた。

穴あき型ダムでも防げない赤倉温泉の洪水被害


山形県のホームページにある小国川ダムの概念図
 山形県のホームページから、「最上小国川ダムの概要」を探し出すと、小国川が最上川の支流で、山のふもとに建設しようとしていることが分かる。ダムのイラストはもちろん美しく描かれているが、渓流をせき止める人工物の異物感はぬぐい去れない。

 このページを見ながら面白いと思ったのは、「参考資料」として、従来の貯留型ダムと、小国川に計画している穴あき型ダムとの違いが図入りで出ていて、穴あき型は貯留型と違って、土砂の堆積や富栄養化がないと説明されていることだ。穴あき型は洪水発生時だけ川の流れをふさいで貯水し、平常時は貯水を行わない。

まるで従来の貯留型は欠陥ダムで、それと違って穴あき型は素晴らしいというわけだ。

 近年、「脱ダム」の動きが盛り上がったときに、その根拠の1つとなったのがダムは長年使っているうちに土砂が堆積して、ダムとしての機能が低下するということだった。山形県の説明を見れば、まさにそのことが事実として描かれている。

 こういう情報は、県独自で作るのではなく、国交省の「ご指導」の下に作られるはずだから、国交省も従来のダムは、土砂の堆積や富栄養化などの欠陥があることを当たり前のこととして認めていることになる。

 ダムを建設するときには、こうした懸念はあり得ないと説明していたはずだから、日本中の多くのダムが土砂の堆積で機能低下が起きていることは「想定外」ということになるのだろう。それなら、もうダムという発想はやめよう、とならず、穴あき型ダムというコンクリートで解決しようというところが、建設省の血脈が流れる国交省ということなのだろう。

 川辺教授は、穴あき型でも流木などで穴がつまり、貯留型と同じことになると解説していた。東日本大震災の津波に対して、三陸自動車道などが陸地の防潮堤として役立ったのは、自動車道の下を横切る一般道路が流木やがれきでふさがれ、津波が一般道から流れ込むことが少なかったからだ。私の直感でも、穴あき型は、何度か豪雨を経験すれば詰まってしまうし、それを取り除くには大変な労力と費用がかかるだろうと思う。穴あき型の限界は、すでに「想定内」になっているのだ。

 川辺教授によると、小国川沿いに建つ赤倉温泉の旅館は、河床よりも低い位置にあるので、豪雨になれば、山伝いに流れてくる水によって、冠水する可能性があるという。つまり、治水のためにダムを造って川の水を抑えても、山から温泉に流れてきた水を、それよりも水位の高い小国川に流すことはできないので、洪水・冠水の可能性は残るという。ダムが根本的な解決にはならないというのだ。

解決策はダムだけではないはず

 このダム計画は、赤倉温泉が洪水で冠水するのを防ぐのが目的だ。ダムに反対する人たちは、ダムの代わりに、川を深く掘り下げる、堤防を高くする、上流の山々を間伐などで丈夫にして「緑のダム」にする、などの組み合わせを提案している。

県は、洪水時に想定する水量、ダムによって制限する放水量などの数字を示して、穴あきダムがいかに有効であるかを示す一方、代替案では、河床の掘削によって温泉の源泉が枯れるなどの影響が出るおそれがあると説明しているという。

 そのデータや説明にうそはないと思うが、それなら本当かと問えば、与えられた条件の下では本当、という答えが返ってくるだけだろう。

 かつて、長良川の河口堰問題が起きたときに、建設省の役人の説明を受けたことがあるが、私は反対派の人たちが説明していた環境破壊への懸念の方に説得力があると思った。それにしても、そのときの役人たちの熱心さはすさまじく、まるで新興宗教の信者みたいだと感じた。あれから15年、現状は、自然保護団体などによれば、環境破壊が進んでいるというが、国交省は特段の問題が起きていない、という判断のようだ。つまり、地元の漁師たちが環境の悪化を訴えても、国交省はそれも認めないということだ。

 私は、小国川ダムに反対か賛成かという議論は、それだけなら不毛だと思っている。釣り人も渓流釣りを楽しみ、赤倉温泉街も今よりも洪水の被害が少なくなり、多くの人々が訪れるようにするには、どうしたらよいかを考えれば、ダムとは異なる結論が出てくると思うからだ。

 ダムを建設すれば、「ダムのない渓流」という小国川の大きな魅力はなくなる。温泉街も洪水の被害が少なくなるのなら、ダムはない方がいいはずだ。八ッ場ダムのように利水がからむと、ダムそのものの必要性が問われ、上流と下流の人々の間で利害の衝突が起こるが、小国川ダムでは、治水が目的だから、そこで多くが納得するプランができれば、ダムは二の次になる。

 ダムの建設を中止して、赤倉温泉の再活性化プラン作りに切り替えれば、大きな話題になるとともに、全国から渓流を楽しんだり、「脱ダム」の視察に来たり する人々でにぎわうだろう。自然と共生する思想は、もはや時代が共有する考え方で、民主党も自民党も第三極もないはずだ。


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地域振興策の考え方について、今の時代、生物多様性を活かすことが、地域の振興策になるのだということを9月の山形議会の予算審議で正した。

年間22億円の経済効果があると近畿大の有路先生が試算してくださったアユ効果を活かすことが地域振興なのだということ。また、今年7月に、黄金アユを守ろうとして照葉樹林伐採計画に反対したところからはじまった、宮崎県 綾町は、国連MAB計画、ユネスコエコパークとなって、国際的な発信をはじめたこと。また、島根県の高津川流域では、清流日本一とアユの流域を更に磨きをかけようと、国の特区として、森里海連環の振興策を、森林整備、アユのCAS冷凍保存流通、河川の自然再生などに取り組んでいる事などを紹介しながら、実は小国川流域は、森里海連環のユネスコエコパークのモデルとなりうることを提起し、ダムをつくれば、それが全て台無しになることを示して知事に見直しを迫った。

ここで高成田さんが書いて下さった

「ダムの建設を中止して、赤倉温泉の再活性化プラン作りに切り替えれば、大きな話題になるとともに、全国から渓流を楽しんだり、「脱ダム」の視察に来たりする人々でにぎわうだろう。自然と共生する思想は、もはや時代が共有する考え方で、民主党も自民党も第三極もないはずだ。」

こそ、まさに正論であり、今の時代におこなわれるべき、地域振興の姿だと考える。

山形県の今後の発展を考える、経済人の皆様にこそ、ぜひ考えて頂きたいのだ。









景気対策のためにも、脱原発!金子勝さんの論功に大賛同。


選挙が近づいています。

マスコミが取り上げる論点の第一位は、景気対策だそうです。
なので、結構各党、10年で200兆円の公共事業投資とか、減災なんとか対策で100兆円とか、それが景気対策として唱われていますが、実は脱原発こそ、景気対策、経済対策なのだ。ということ。経済学者の金子勝先生の以下のインタビュー記事は実にわかりやすく、実に腑に落ちました。
今、とても大事な論功だと思います。

出典「マガジン9:http://www.magazine9.jp/」より。


この人に聞きたい

金子勝さんに聞いた
脱原発こそが、日本を救う経済政策
選挙の大きな争点の一つが「景気対策」です。15年以上つづくデフレは、格差を助長し雇用を減らし、若い人たちの就職はますます厳しくなり、閉塞感がただよっています。日本社会が沈没しないために「デフレ脱却」「景気回復」しなければいけないのは、誰の目にも明らかです。しかし、話題になっている自民党の「経済政策」でそれは可能なのでしょうか? 選挙直前に金子勝さんに緊急インタビューしました。

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かねこ・まさる
経済学者。慶應義塾大学経済学部教授。専門は、制度経済学、財政学、地方財政論。経済理論学会所属。著書に『新・反グローバリズム 金融資本主義を超えて』(岩波現代文庫)、『「脱原発」成長論 新しい産業革命へ』(筑摩書房)、『失われた30年 逆転への最後の提言』(NHK出版)など多数。オフィシャルブログ:金子勝ブログ

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過去の反省のない自民党の脱デフレ・景気対策は小手先だけの経済政策

編集部
 最新の世論調査などによると、投票したい政党を選ぶ理由の第一位が「景気回復」で、原発問題は第3位になっていました。また、安倍晋三自民党総裁がマスコミの前で語る「これまでの次元をこえた大胆な金融緩和でデフレ脱却に挑む」という言葉が注目を集めていますが、彼らの政策でデフレ回復は期待できるのでしょうか?
金子
 そもそも、脱原発と景気対策などを別に語ったり、世論調査の質問項目を分けることが間違いなんです。それについてはあとでお話しするとして、「日銀の改正法」などを言い出し、「日銀に物価目標達成の責任を負わせるべき」、というようなことを言ってるのは、安倍さんだけでなく、日本維新の会の政策ブレーンを務める竹中平蔵氏を始め、他にもいますが、ほとんどが小泉「構造改革」の失敗組と重なるんですね。自民党時代に行った金融緩和政策と市場原理主義、そしてIT戦略の失敗という組み合わせが、猛烈な格差社会とデフレを生んだんです。
 理由は、自分たちの生活状況を考えればわかると思いますが、「構造改革」による雇用流動化政策で雇用が不安定になり非正規雇用が増えて、給料が下がっているのに、モノをジャンジャン買おうってなりますか? 我慢しておこう、生活費を切り詰めようということにもなるでしょう。量的金融緩和はこの10年間ほどずっと続けてきていました。96年からほぼずっとゼロ金利です。日銀がいくらマネーを供給しても、日銀にある各金融機関の当座預金に積み上がっていくだけです。要するに過剰準備になっている状態です。なぜか? 不良債権処理に失敗して長引くうちに、やがて産業や地域の衰退が進んでいき、雇用の解体で消費も停滞してしまうと、銀行もどこに投資、融資すればいいのか、「信用」でお金を融資する先がなくなってしまっている、というのが現状なのです。こういったことの原因を作り出した、すなわち「構造改革」をあおってきた張本人たちが、責任のがれのためにデフレを全部日銀のせいにしている、という無責任体制が事の本質なんだと私は考えています。
編集部
 日本は先進国で唯一、15年間もデフレが続いているそうですね。
金子
 その間、信用が回復していませんからね。経済というのは、投資したり融資したり消費したり、そしてローンが膨らんだりしていかないと拡大していかないものです。そもそもデフレを作り出した人たちが、自分の責任をとらないで、日銀のせいだと言っているわけです。わかりやすく言えば、結核にかかっているのに、風邪薬を与え薬がきかないからと、風邪薬をもっと飲ませなくちゃいけない、といっているようなもんなんです。
編集部
 治療法が間違っているわけですね。
金子
 彼らは広がった格差を是正しなくてはいけないとか、一言もいわないでしょう。で、景気が悪いのは日銀のせいだといっている。ただ、これはわかりにくいでしょうね。お金をどんどん刷って市中に大量に出せば、なんとなく景気がよくなると思うでしょうし。
編集部
 お金が流通し、公共事業をやれば、とりあえずまわるのかなとは思いますね。
金子
 回らないんですね。ずっと金融緩和はやってきていたんです。でもデフレは続いているでしょう。この「失われた20年」はツケの先送りの繰り返しだったんですね。バブルがはじけて金融機関は不良債権を隠し、貸し渋りをし、その結果中小企業が衰退していった。これが最初の行き詰まりです。で、この状況を克服するために何をやったかというと…景気が悪くなると、公共事業をやって当面もたせる。多少よくなると、「構造改革」路線になる。また景気が悪くなると、公共事業で景気対策です。
「構造改革」論は一種の呪術のようです。「市場に任せれば、自動的に産業が生まれ、競争によって新しい企業が生まれてくる」という、「風が吹けば桶屋が儲かる」というようなロジックですね。でも現実は悲惨なものでした。小泉さんは「痛みを伴う構造改革だ。これを乗り越えれば必ず成長がやってくる」と言ったけれど、やってきたのは痛みだけ。この「構造改革」路線を引く継いでいるのが、みんなの党も維新。で、自民党はまた逆戻り路線です。「失われた20年」と何も変わっていない。このままでは「失われた30年」になります。
イノベーションなき経済成長はない

金子
 今の電気産業がなぜここまで悲惨な状況に追い込まれたのか、ということもきちんと検証をしておく必要があると思います。原因の一つはバブルの後処理の失敗でしょう。そして小泉構造改革の結果、雇用の流動化がおこり、賃金を下げ、儲かった分はみんな企業の内部留保にした。企業が成長すると、トリクルダウンしてくるはずなんだけれど、ぜんぜんトリクルダウンが効かなかった。企業は米国型経営ということで、当面の利益を上げるために、技術開発投資を怠り、コスト削減競争に走った

12月議会 23年度決算の3項目に「知事らしくない」と反対討論。


本日より山形県議会12月議会。

12月議会冒頭。平成23年度決算審議。委員長報告と討論がおこなわれました。
諸々考慮した上、これまでも取り組んできた懸案事業3点についてのみ「知事らしくない」事業として
討論いたしました。


平成23年度 山形県一般会計 決算の一部、並びに
 山形県 水道用水供給事業 会計 決算の一部についてのみ、反対の立場で討論いたします。

23年度は、3月11日の東日本大震災発生後、当局一丸となって、被災地、避難者への迅速な復旧・復興支援 又、放射能汚染対策などにご尽力された事、又、知事におかれては「卒原発宣言」とともに、対話や現場の声を重視しつつ邁進された政治姿勢について、大いに評価し、支持するものであります。
しかし以下3点については、知事らしくない事業として認定しかねますので、それらにのみ反対を表明いたします。

▽先ず慶応大学先端生命科学研究所 支援事業であります。研究所開設後11年目である平成23年度末まで県費、鶴岡市費あわせて123億円が投入されました。第3期として年7億円の支援が続いておりますが、その7億円の妥当性には論拠が乏しく、地域への還元はルール化されておらず、この巨額の公的支出にふさわしいガバナンスが行われているか、疑問であります。
今後自率的な運営や地域還元のルールの早期構築を要請いたします。

▽次に最上小国川ダム建設事業についてです。
私は、昨年の一般質問の際、平成22年「できるだけダムに頼らない」治水対策の再検証の要請で、県が設置した「治水と活性化を考える懇談会」をはじめとする3つの会議、いずれにも、河川工学者が存在せず、本来のダム検証がおこなわれていなかった実態を指摘いたしました。
 そして特にダム以外の案の河川工学者を交えた、再検証や公開討論会を求めました。しかし当局は、それに応じず、ダムに固執する治水のあり方に多くの疑問が取り残され、その結果として今年住民訴訟が提訴されているのであります。
ダム本体着工に必要不可欠な漁協の同意も先送りのまま、周辺事業に突き進んだ姿勢も、対話の県政から全くかけ離れているのではないでしょうか。

▽最後に庄内広域水道事業関連でありますが、鶴岡では、10年前の水源切替え後、約2倍の水道料金高騰、水質悪化、水温不安定などに困惑している多くの市民がおられます。昨年度、県は月山ダム水源水のPRとして「おいしい山形の水」ペットボトル水を製造販売しました。これは良質な地下水に慣れ親しんできた鶴岡市民にとっては失笑を買うだけの事業であり、おこなうべきはまず、住民の実情を把握することであります。

なお、人口減少下での広域水道事業はその構造が破綻しかねません。問題を先送りせず、解決にあたられる事を強く要請いたします。

以上、3点について、政策転換を求め、反対討論といたします。

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その後、自民党代表から3項目について賛成の討論があり、、県政クラブ代表が全体について賛成討論あり、共産党から一部反対だけれども賛成の立場での討論がありました。

私は吉村知事を支持する一人でありますが、しかし大政翼賛であってはガバナンスは進化しない。おかしな事はおかしいとはっきり言う。そして役所の中の停滞ムードを払拭することこそ、私の使命と考えています。小国川ダム問題は、清流がもたらす経済、長期的な視点をもって、流域を考えればもっともっとダムに依らない治水対策を検討すべきです。全国の理不尽ダム事業と同様、まだまだ「逃げ、ごまかし、嘘」が周辺に見られます。だから訴訟も起きているわけですが。
それと慶応先端研については、研究所そのものについて否定しているわけではなく、僕も理解に努めているつもりですが、年間7億円、これまで123億円の県費、市費投入に対してのガバナンスのありようはもっと精査しなければならないと考えています。研究所の皆さんにもがんばっていただいているのは理解しますが、果たして県民が、その多額の税の投入と成果を理解しているか。理解していただけるようなルール付けなり、還元のあり方のスキームがもっと示されなくてはならない。そう感じています。あとは、月山ダム水をペットボトルにいれて販売した事は鶴岡市民にとっては、「勘違い事業」
そのものだったと率直に思っています。広域水道事業の問題は今後深刻な問題です。

とりあえず以上コメントまで。