総選挙。12月5日、小国川を守ろう!緊急集会 と12月議会。
明日から衆議院選挙がはじまりますね。それと同時に県議会は明日4日より12月議会です。

高成田さんは、元朝日新聞論説委員、アメリカ総支局長、報道ステーションでコメンテーターを務められた後、石巻支局長に2年。東日本大震災後、石巻で精力的に取材、支援活動を進めている方です。
集会では佐高信さんの講演、高成田さんの講演とともに、11月27日裁判の口頭弁論の報告、小国川漁協、沼沢さんからの報告などを行います。どうぞお集まりください。
山形県議会は、明日12月4日から20日まで12月議会がおこなわれます。冒頭、23年度の決算について、私が討論する予定です。
さて、明日からの選挙。私は、脱原発、脱ダム、反TPP、反消費税増税、憲法9条守 というスタンスの候補、そして、草の根民主主義が解る、持続可能な社会を叶える軸をもった政治を支持しています。
嘉田さん、飯田さんが立ち上げた日本未来の党には大いに共感、その政策、趣旨に賛同しています。
また、脱ダム宣言元祖の新党日本の田中康夫さんは、あいかわらず、さすがの政策を掲げています。(尼崎の方はよろしく。)
この選挙がポスト311、持続可能な日本へのターニングポイントになることを心から念じつつ、行動をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
ダム強行時の知事発言。
ダム強行の式典、そして私たちの抗議行動の、9月29日の知事発言が県のホームページで公開されています。焦点となっているダム関連のところを抜き出します。
全文や動画は県のホームページでご覧頂けます。こちらもどうぞ。
ダムをやりつつ内水面漁業の振興って、!? 皆さんのコメントをお願いします。
記者
山形テレビ田島でございます。
本日ですね、最上小国川ダム、穴あきダムの建設工事の安全祈願祭が現地で行われております。県のお考えは決まっていると思いますけれども、改めて知事のお考えですね、最上小国川ダム建設についてお聞かせください。
知事
赤倉地区の住民の皆さんの安全・安心を守っていくということがやはり私の責務だと思っているところでございます。そういう意味でも、やはり早期に穴あきダムに取りかからなければならないと考えております。ただ、様々な皆さん方のご理解をいただかなければいけないし、話し合いをしっかりやらなければいけないという思いで、様々取組みを今まで行って進めてきておりました。現在は工事用道路の工事について進めているものでございます。そして、漁協の皆さんが大変心配されている、内水面漁業につきましても、やはり県政を預かる者として、皆さん方と内水面の漁業振興策ということにつきまして、これからもですね、しっかりと話をしていかなければならないと考えているところでございます。
内水面で生業をということもありますし、また、観光ということもございますので、そういったことも含めて、しっかりとそういった分野の皆さん方とも話し合いをしながら進めていきたいと思っているところでございます。
記者
漁協の皆さんは、絶対的にですね、話もしたくないんだというふうにもおっしゃっております。それで今後の話になってくるとは思うのですが、例えば漁業権の強制収用とか、法的には認められております。そういったことも含めまして、今後についてはどのように対応されていこうというお考えでございましょうか。
知事
私はやはり、そういう強制的なことというようなものはできるだけ採用したくはないというのが考えです。ただ、住民の皆さんの安全・安心を守らなければいけない、それに対して漁協の皆さんが反対なさるわけではないと思っています。やはり漁協の皆さんの真の意図というものは、アユなり、内水面漁業というものをしっかりと振興していく、そのことではないかと思うのですね。ですから安全・安心を確保するということ、そして内水面漁業というものを振興する、そのことをやはりしっかりと両面を取り組んでいく、対話をさせていただきながら取り組んでいくのが県としての役割であり姿勢でありますので、もっとしっかりお話をさせていただきたいと思っております。
記者
今、知事も触れていらっしゃいましたけれども、当然その安全・安心は漁協の皆さんもおっしゃっています。ただそのダムではなくて、やり方は別にあるでしょうと、こういうふうにおっしゃっています。この辺はいかがなんでしょうか。
知事
私が知事に就任した時といいますか、する前といいますか、その時に私は全く白紙の状態でした。それで、就任してから様々なその方策について検討しました。これまでの経過を聞き、検討し、また、現場に行って確認もしたところでございます。そういう経過をきちんと踏んでおりますので、その上での判断ということを私はご理解いただきたいと思っておりますし、また、その漁協の皆さん方のお考えというものをできるだけ尊重するということで、当初は穴あきでなかったものが穴あきダムになった、通常、普通どおりに水が流れている状況のダムになったということが1つあります。
それから、先ほど来申し上げている、内水面漁業ですが、その振興ということについて、もっともっときっちりと、県土整備部だけでなくて農林水産部とも連携して、これからもっともっと話し合いを進めていかなければならないと私は思っております。
やはり、ダムにだけ視点がいくわけではなく、その内水面漁業というところにも力を入れていかなければならないと思っております。
記者
読売新聞の吉岡です。今おっしゃった内水面漁業の振興ということなんですけれども、ダムを建設するとアユの数自体が減るという指摘もありますが、どのようにその振興策を両立するというお考えなんでしょうか。
知事
ダムを作ると必ず減るというようなことですが、そこははっきりは分からないという言葉はおかしいのですけれども、そういう具体的な例というものはないのではないかなと思っております。
そうなるのではないかというような恐れや大変心配な声が大きいことは間違いなく聞いておりますけれども、だからこそ、定期的にしっかりと確認をしながらアユの数が減らないように、あるいはアユがいる川が県内にも他にたくさんございますけれども、どうやって維持しているのかというようなこともきっちりと調査をして対策を立てなければならないのではないかというふうに思っています。
「危険!」とされる赤倉温泉地域の川沿いに新築の建物 事実確認に2週間以上経過。
先日、というか9月議会予算特別委員会の質疑の後に私は、当局の答弁、姿勢について10月10日、抗議と要請書を提出している。その中には、
県は、浸水被害を殊更に強調し、現在、赤倉温泉は危険なのだという認識に立っていると感じますが、それではなぜ、危険とされ、治水論の議論がおこなわれている箇所の川に面して、新しい建築物(平成23年完成)が立つんですか、県はその危険箇所になぜ、建築許可ができるんでしょうか。
この建物は、約2Mの耐水壁を設置し、治水対策をおこないつつ、建設がなされております。以前、赤倉温泉地域の目標となる340トンの基本高水水量が流れた際、基準点で1.42Mの水位上昇すると県は示しました。
この壁はそれを想定して2Mにしているかのように見えます。要するに、こうした壁をつくるなど、建物の耐水化をはかることによって、治水対策は十分可能なのではないでしょうか。
よく県は浸水被害と強調しますが、たとえば21年水害で、3 件の浸水被害といわれていますが、この時は川はあふれたのですか?
これは明らかに内水氾濫による浸水被害ではないでしょうか。
これまでの水害浸水被害において、どの被害で溢水(いっすい)などがおこっているのか。明らかに示して頂きたいと考えます。
また、知事は、歴史ある温泉街を現状のまま存続させると答弁しました。しかし、現在、明らかに河道に迫り出したままの温泉旅館があり、危険を自らつくりだしているように思えますが今般の治水事業でこうした河川管理者として不適切と思える箇所について工事をおこなわないのでしょうか。
また、河川占有許可の表示がある電信柱よりも川に張り出して立地する温泉旅館があります。これについても「そのまま存続」ということでしょうか。
更に、河川管理者である県の事業で明らかに川を狭め、流下能力を下げている護岸がありますが、これもそのままにするのでしょうか。
と問うている。
11月2日(金曜日)午後3時ごろ、改めてその回答を求めた。現場の工事はどんどん進んでいるのだからある。実は提出の際からずっと求め続けている。すると、河川課長と竹内ダム担当は、「本日はまだ回答できない。」「裁判案件なので部長決裁までしてからお知らせする、今日は部長がいないので即答はしかねる」「今までは直接すぐに答えられていたが今後はいいかげんな事は答えられませんから」などと答えた。「んじゃこれまでの僕に対する答えのどれはいいかげんな事なのか?どれが間違ったことだったのか?」と僕。10月10日の申し入れ案件、それも事実確認をとるだけの作業にどれだけ日数がかかるのだ?それも工事は強行されているのに。
今回の案件は治水対策への疑義そのものなのだ。
なお、本日は、昨日日東道のシンポで酒田にいらしていた佐高信 先生と会食しつつ今後の打ち合わせの機会を得た。先生にも随分がんばっていただいている 感謝。
山形新聞社説に小国川ダム問題が掲載。
本日の山形新聞 社説に最上小国川ダム建設問題がとりあげられました。
まずは皆さん、ご一読ください。「賛否のすれ違い解いて」との内容です。
漁業権問題はそれこそ強制収用ともなれば全国初事例でありますので、県民の多くの方々にこの問題を知って頂きたいと思います。そしてこのダム問題の現場は、貴重な生物多様性の宝庫であることを知って頂きたいと思います。
ただ、この中でいくつか問題と思える点がありますので、指摘しておきます。
私達は、ただ、感情論で反対を言っているわけではありません。鮎が大事か人の命が大事か。という論点でもの申している訳でもありません。
科学的に検討をしてくださる学識者の見解も得ながら、真に、流域の安全安心とともに流域の持続可能な発展を叶えられる、持続可能な地域づくりのために何が適切なのか。とまさに「真の治水」を考慮した上で、私達は、あまりにも一方的、乱暴な推論によってダム治水が良しと強行されている事に疑義をもつのです。
自然は一度破壊されたら100年かけても元にはもどりません。自然の改変を伴う公共事業は、未来への責務として、もっと慎重にやらねばならないと思うのですが、県の今の工事は、これから主流になりつつある「ダムによらない治水論」を踏襲し、検討したふりをしながら、実際には強く検討することもなく、ほぼ無視したまま、ダム治水をあまりにも安易に、採用し、強行に至っているということです。
「ダムの目的は何なのか」−川に自分で迫り出した旅館を含む、赤倉温泉街だけ、
約40件の治水対策に巨額なダムをつくろうとしている!?
1.洪水被害の実態について
1975年(昭和49年)8月の集中豪雨ですが、赤倉温泉から下流域一帯で300戸以上浸水とあります。この中で、赤倉温泉地域の浸水被害は約40件でした。この時の資料を見ても、どこから水が越流したのか、定かではありません。内水被害が半分以上とみられます。で、赤倉温泉地域の下流域は、治水対策工事を県がおこなっており、下流域の川に隣接している民家などは、ほぼ50年に1回の治水対策が施されています。なので、最大を見積もっても赤倉温泉地域だけ約40件の治水対策が目的としてのダムということになります。県は、278件とか300件とか、流域全体の数値を提示しますが、「赤倉温泉地域の水害は何件か」と問われると県は「当時の赤倉温泉地域内の件数は残っていないなど答え続け、「たった数十件」と書かれないようにしてきたのです。そこは勘違いしてほしくないのです。今般の、実際的過去の水害で被害が及んだ治水対象の件数は、赤倉温泉地域内の約40件、そのうち内水氾濫被害も含むという実態です。
「洪水が度重なり」のほとんどは、内水被害であります。それと、赤倉温泉の旅館の実態は、堤防の上から河道内に旅館の建物が迫り出しているような実態であり、これはこれを認めてきた河川管理者の責任を問わなければならない問題なのだということを踏まえるべきです。
更に言えば、最近水があがりやすい(といっても堤防を越える被害はないのですが)原因は、県がつくったと最近になってようやく認めた堰なのです。以前は粗だや板でくんでいて、洪水時には流されていたものを、県がコンクリートで造ってあげた。そのために土砂がその上流にむけて溜まっている。その上流は溜まった後に更に床止めをつくって、更に土砂が溜まっている。結果として、河床上昇し、溢水しやすく、排水処理も困難になっているということなのです。
要するに「県がつくった構造物が浸水被害を引き起こしやすい原因をつくりだしている」疑惑が歴然として存在するということです。
2.治水対策の科学的な曲解、誤解について
「県が穴あきダム」方式を決めるまでには河道改修や遊水池、放水路建設などの手法も検討してきた。国交省も事業採択に際し専門化(家)による有志医者会議を重ね、最も現実的で環境への負荷が少ない方法としてダム建設を採用した」
とありますが、これら会議自体に問題があるということです。最も大きな問題は、河床の土砂除去を全く考慮していないという点です。実際に県が依頼して実際の調査にあたった川辺孝幸 山形大学教授は、温泉湯脈に影響を与えずに河床の土砂除去、掘削は可能と主張していますが、県はそれを曲解、全く無視したままです。
基本高水の水量もご多分にもれず過大といえる数値と評価されています。
今本博健 元防災研所長、大熊孝 新潟大名誉教授 は、現地に数回訪れ、不自然な、土砂堆積の現状を指摘しています。
河川環境の問題については、たかはし河川生物調査事務所 高橋勇夫先生が、「穴あきダムでも甚大な環境への影響が考え得る。「これまでの県の委員会の議論は考慮すべき点を考慮していない」と批判しています。
こうした科学を無視したまま、結論を出してきた。要するに「ダムムラの内輪の研究者の推論」でしか検討をおこなってこなかったことを県は猛省すべきです。
なので、漁業権をもつ漁協に、ただ、今のダムありき論調で、「丁寧な説明をすればいい」ということではないことを、読者の皆さんにはご理解いただきたいと強く思う次第です。
まずは、説明責任不足のまま突き進む、理不尽なダム強行を止めて、徹底議論、再検証のテーブルをつくることです。
草島進一 文責
最上小国川ダムを強行するな!抗議行動をおこないました。
本日抗議行動。先ほど午後6時のニュースで各社とりあげてくれました。ローカルな価値が重んじられる時代、最上町や舟形町にとって、この清流はその地域に住んでいる方々のアイデンティティそのものだと思っています。本日も、デモの後、赤倉温泉流域の食堂のお母さんとお話しましたが、そもそもの赤倉の住民の要望は、「川があふれるのでなんとかしてほしい」じゃなくて、「裏山から来る内水被害をなんとかしてほしい」だったとのこと。それと、「川があふれそうだ」ということも、川床に土砂が堆積してしまったことで河床があがっていることが原因になっていることを実感した次第です。

「もともと内水氾濫対策などで家が水につかるのを早くなんとかしてほしい」「川があふれているわけではない」という住民の要望を「ダム事業を早くしてほしい」にすり替えられている。説明会にいっても疑問だった。そうしたのは誰なのか。と前述の食堂のお母さんは真摯にお話されていました。
吉村知事、あなたは声の大きい、ダム推進の旅館のおかみや土建業者の声だけしか聞かないできたのではないですか?
本当に川やこの地域の自然とともに生きてきた、本当の住民、県民の声に耳かたむけて下さいよ。それと、研究者生命をかけて提言をしている河川の専門家を無視し続けてるっておかしくないですか。
と声を大にして訴えたいのです。
ダム問題、現地の伐採が進んでいます。漁協も意思表示。
昨日は午前中、桑原先生と打ち合わせ。午後から小国川ダム建設の現場へ。森林伐採がかなり進んでいた。先週漁協が改めて反対表明をし、それ以前に差し止めの訴訟もおこなわれているというのに、まさに工事が強行されている。

赤倉温泉地域の危険な箇所に新設の建物が建った件。
本日の午後4時まで、県議会 商工労働観光常任委員会の視察。 企業訪問DKK、肘折温泉地域の観光政策、株式会社ウエノ、加茂水族館、庄内映画村、慶応先端研を訪れ、視察、質疑す。加茂水族館の課題は、駐車場と経営マネジメントの。館長の徹底現場主義で柔軟な経営のおかげで、加茂水族館はV字回復し、今年は27万人を上回る勢いとうかがっている。クラゲ展示の立役者である副館長の奥泉さんが説明してくれた。今後の課題は、周辺の駐車場対策。それとこれまでのような経営方策ができるかということ。この辺りはまた詳しく紹介したい。

それと、先般の漁協の会見中に当局に渡した、昭和49年8月豪雨の際の赤倉温泉地域の水害状況を示した地図を示して、災害状況の詳細を提出すること。それを求めた。
来週あけにはしっかり示して欲しい。こうした疑問点をないがしろにしながら、工事を強行するのはやめてほしい。と改めて工事中止、予算執行の停止を求めた。
検討不足のダム建設、ストップ!知事に申し入れ。
以下、午後3時に申し入れしました。

この建物は、約2Mの耐水壁を設置し、治水対策をおこないつつ、建設がなされております。以前、赤倉温泉地域の目標となる340トンの基本高水水量が流れた際、基準点で1.42Mの水位上昇すると県は示しました。
この壁はそれを想定して2Mにしているかのように見えます。要するに、こうした壁をつくるなど、建物の耐水化をはかることによって、治水対策は十分可能なのではないでしょうか。
よく県は浸水被害と強調しますが、たとえば21年水害で、3 件の浸水被害といわれていますが、この時は川はあふれたのですか?
これは明らかに内水氾濫による浸水被害ではないでしょうか。
これまでの水害浸水被害において、どの被害で溢水などがおこっているのか。明らかに示して頂きたいと考えます。
また、知事は、歴史ある温泉街を現状のまま存続させると答弁しました。しかし、現在、明らかに河道に迫り出したままの温泉旅館があり、危険を自らつくりだしているように思えますが今般の治水事業でこうした河川管理者として不適切と思える箇所について工事をおこなわないのでしょうか。
また、河川占有許可の表示がある電信柱よりも川に張り出して立地する温泉旅館があります。これについても「そのまま存続」ということでしょうか。
更に、河川管理者である県の事業で明らかに川を狭め、流下能力を下げている護岸がありますが、これもそのままにするのでしょうか。
生命と財産を守る治水対策についてですが、なぜ県は最近の実例や3.11の教訓から学べていないのでしょうか。
2004年7月の新潟 7.13水害では、上流にダムが2つあり、その一つは穴あきダムある五十嵐川で堤防が決壊し、七千棟以上の床上床下浸水、死者9名の犠牲者を出しました。昨年9月の豪雨災害があった和歌山県では、3つのダムが満杯で治水の役目を果たしていなかったことが報道されています。和歌山県日高川に「100年に一度の雨に対応する」「つば山ダム」がありますが、氾濫し、家屋59棟が全壊、3人も死亡しています。
それに対して新潟の五十嵐川では04年水害を教訓に、下流部200戸の移転をともなう河道拡幅をおこないました。昨年7月末の豪雨ではそれが幸いし、下流域で犠牲をだすことはありませんでした。
想定を越える超過洪水の際にはダムは機能せず、それに対して危険箇所の屋移転と河道拡幅など、ダムに依らない治水が効果的でした。これは最近の実際の現場あるいは、3.11の潮止め堤防を越えた津波被害からの教訓であります。
傾向として近年広範囲にわたる豪雨が発生している今、治水政策のトレンドは、「どのような洪水であっても人命が失われることを避ける。」ことであります。そのために、ダムにたよる以前に、まずは段階的に河道内の流下能力を改善すること、雨水貯留(うすいちょりゅう)、また、土地利用規制や耐水化建築などの「氾濫原の減災対策」、そして「地域防災力の向上」を組み合わせた「総合治水」対策を極限まで、とりくむべきであります。これは兵庫県、滋賀県などが率先してとりくんでいます。
更に質疑で指摘したように、温泉湯脈の影響について、川辺山形大教授の見解が全く排除されたままになっております。河床掘削のリスク回避のための集中管理の検討も十分におこなっていないことが解りました。
山形県は、治水に他に有効な手段あるにもかかわらず、そうしたダムだけに頼らない治水策等を唱える河川工学者や温泉研究者などを排除したかたちで、検討を進めた結果、ダム治水に偏重していると考えます。全くの検討不足であります。
2)環境への影響について。
穴あきダムの環境影響について、全国的に小国川のような清流域に造られる穴あきダムは初ケースであります。これまでこうした清流域で穴あきダムが造られたケースがないため、「環境に影響が少ない」の科学的実証根拠は全くないといっていい状況です。
清流環境として小国川と匹敵する河川は、九州熊本の川辺川でありますが、蒲島熊本県知事が「清流こそ守るべき宝」と白紙撤回した「川辺川ダム」も穴あき(流水型)ダムでありました。
小国川ダムと同様の穴あきダムの先例は、島根県益田川ダムであります。
直接今年視察してみると、コンクリートのダム本体とその下流にある副ダムの間に土砂がたまり、一部はヘドロ化しておりました。通常のダム同様、巨大な構造物には変わりなく、河川環境に甚大な悪影響を与えるダムそのものだ。ということを実感しました。また、工事期間中には白濁し、釣りや漁業が全くといっていいほど、できなかったことを、流域住民から確認しております。これまでのダム計画等でも国土交通省などが、環境に影響がないといって、影響がない事例はなく、今般の流水型ダムも同様ととらえます。
先行事例の島根県益田川ダム、石川県 金沢の辰巳ダム上流には大型のダムがあり、新規ダムが造られる以前に大型ダムで環境がすで破壊され、清流とはいえない環境でありました。
県は県が招聘した環境影響委員会のみの判断で、どこから見ても浅はかな検討だけで「環境に影響が少ない」などと結論づけております。
高知県「たかはし河川生物調査事務所」の高橋所長は、この検討プロセスを全くの「検討不足」と指摘しています。この判断は極めて危険なものだと考えます。
生態系に影響するかどうかは、最低20年の実証がなければ判断できないことは、現在国交省でおこなっている自然再生事業の元になっている「近自然学」等河川生態学の分野では当然なのですが、この穴あき流水型ダムは、全く科学的な実証もされていないのに「環境に影響が少ない」などと県によって勝手に判断されています。大規模な環境破壊を行う前に、この新型ダムによる影響の徹底的な再検証、再検討を求めるものであります。
3)総合的な検討について
観光面、水産業への影響など、総合的な検討が全く不十分であります。
私は、昨年9月の一般質問で、「鮎釣り効果」を年間21.8億円の経済効果を専門の研究者により現地調査をしていただいた上で科学的に試算し、昨年の9月議会より問題提起をし「自然資本の価値」を失った場合の流域経済への影響と指摘をしてきました。そしてこのたびの質問でも、こうした資本の損失についての影響を知事に尋ねましたが、それに対する答えが全くありませんでした。
このことは、今般の商工労働観
小国川ダム事業 工事の強行は許せない。
昨日、最上小国川、ダム事業のための取り付け道路の測量がはじまったと伺った。ダムに依らない治水が可能なのにダムに偏重していると訴状があがり、漁業権をもつ漁協が反対しているため、本体着工ができない。それなのに周辺工事に手をかけようとしている。
なし崩し的に外堀を埋めて、漁協を孤立させて、同意をはかろうとしているのか。それは卑怯というものだ。漁業権ダム建設工事が81%で止まり、結局2100億円がムダになった川辺川ダムの実例から学ぼうとしないのか。甚だ疑問である。
そのような思いを込め、本日吉村知事宛に、県議会議員として申し入れをおこなう。午後2時。
小国川ダムの件、朝日新聞山形版に掲載

今朝の朝日新聞、山形版に先般9月27日の予算特別委員会の質問でとりあげた、漁業権をもつ漁協の同意をとらずに強行しようとしている小国川ダム建設について掲載されました。どうぞご覧下さい。