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カテゴリー: ダム問題

2019年9月議会一般質問 動画と質疑「西日本豪雨を教訓とした水害対策 他」


原稿メモ(正式なものは 2ヶ月後ぐらいに鶴岡市議会より発表されます。

1)6月議会でとりあげた「ジロデ荘内、シュタットベルケについて」

先ず、冒頭6月にとりあげた9月9日、「ジロデ庄内」ご協力ありがとうございました。大雨の中でしたけれども200キロ、65キロ、76人エントリー、無事皆様完走。私も65kmサポートライダー完走してまいりました。来年度1000人規模にするためにぜひ市としても更なるご協力をお願い申し上げます。

また、シュタットベルケについてですが、本日、日本シュタットベルケネットワーク1周年の日独のシンポジウムが国連大学で開かれ170名超満員とのことです。人口減少する地域を如何に持続可能にするかという視点で全国の自治体が動き始めています。今般、関係者をを招いて学んだり、可能性を検討できる環境省補助金をお伝えしていますので、ぜひ前向きにに取り組んで頂きたい。これは提言にとどめます。

2)西日本豪雨を教訓とした水害、防災、避難所改善 対策等について

この6月18日には大阪北部地震、7月6日西日本豪雨水害をはじめ当地でも床上、床下浸水などの水害が頻発しました。西日本豪雨では、満杯になったダムが本体を守るために、ダムへの流入量をそのまま放水する以上洪水時防災操作が8つのダムでおこなわれました。愛媛県肱川では、野村ダムの緊急放流により、水害を大きくしてしまい、5名の犠牲をだしてしまいました。もはやダムがあるから安全というのは通用せず、逆に危険なのだということは先ず教訓とすべきと思います。

私は6月24日大阪茨木市、7月10日には倉敷市真備地区に入り、それ以降、岡山広島と現地いりし、8月7日には今本博健 元京大防災研所長や大熊孝新潟大学名誉教授、山崎誠衆議院議員、高井たかし衆議院議員 柚木道義衆議院議員 ら、国会議員の現地調査団に同行しました。そして真備地区の水害の教訓から、「ダム偏重で命を守る事ができない」日本の河川行政の転換を訴える」という主旨で8月23日、外国人特派員協会で、河川工学の権威である大熊孝新潟大名誉教授、前滋賀県知事、嘉田由紀子氏による記者会見をコーディネートいたしました。今般はそれと当市の水害等を踏まえて質問します。

 

岡山県倉敷市真備地域の水害は小田川や支流、末政(すえまさ)川、高馬(たかま)川が決壊し4600世帯が浸水し51名もの犠牲。その9割が高齢者であり自宅で2Fにあがれないで亡くなる。痛ましいケースでありました。

昭和50年代から、堤防の強化の研究を行ってきた大熊 孝 新潟大学教授は小田川の河道内に繁茂していた樹木が流下能力を下げていた事を指摘し、河川整備とともに「堤防の強化」の必要性を訴えました。日本の堤防は基本的に越流すると直ぐに決壊してしまう土堤で、脆弱なものであると指摘。堤防の強化については連続地中壁工法、TRD工法など様々な技術があり。それをおこなっていれば今般のような被害にならなかったと強調されました。それを踏まえ提言いたします。私は、赤川等の堤防の強化を国県に働きかける事を提言いたします。

又、嘉田前滋賀県知事は滋賀県で2014年に先例をつくった「地先の安全度マップ」と、ハードソフト両面で「どんな洪水であっても命だけは守る」流域治水政策を訴えました。

現在、市が市民に配布しているハザードマップは、大河川からの1000年に一度の洪水氾濫が想定であります。それに対して、川からの洪水だけではなく、豪雨により10年100年200年確率で浸水被害が地域によってどの程度出るか、用水路や下水道など内水氾濫などを加味し、その危険度を表したのが滋賀県が2014年に作成し公開した「地先の安全度マップ」です。 鶴岡市内でも駅前の床上浸水など、現在のハザードマップでは反映されない用水路や下水等の内水氾濫などによって今般床上床下浸水がありましたが、これを踏まえ、地先の安全度マップが我が市でも必要と感じました。
今般の100年に一度確立の豪雨で実際に浸水した箇所を書き込んだり、国や県の情報を共有し、早急に整備をされることを提言いたします。

危機管理監 佐藤利洋

一に地先の安全度マップの整備についてお答えします。

地先の安全度マップは、大河川だけでなく、中小河川や農業用水路、雨水、側溝があふれた場合、河川氾濫だけでなく、内水氾濫も考慮してシミュレーションした最大浸水深図であり、10年に1度の大雨が降った際にどこでアンダーパスの冠水や床上、床下浸水が発生するかを示すなど、さまざまな治水対策を検討する基礎資料として活用することを目的に滋賀県が独自に作成したものとお聞きしております。滋賀県はその結果を市内の各市町ごとに公表し、各市町はハザードマップに組みこんで活用しているものと伺っております。

山形県におきましては、今のところ地先安全度マップの作成の予定はないとお聞きしておりますが、この整備につきましては、大変な時間と労力が必要と伺っており、市レベルで単独での作成は困難なことから、県の動向を注視して参ります。以上です。

 

建設部長 増田 享

それでは建設部からは議員より提言がございました堤防の強化についてお答えいたします。国土交通省におきましては、昨今の激甚化が著しい水害などに対しまして、防災に対する住民理解を高める意識社会への転換を図りながら、ハード、そしてソフトを総動員いたしました防災、減災対策を推進するとうかがっております。国では、これまでも赤川の出水対策整備を行ってきております。今年度も洪水氾濫を未然に防ぐ対策として、河道掘削、そして危機管理型ハードル対策としての堤防強化工事にこれから工事に着手するとのことでありますが、強化が必要な箇所は順次整備をする予定であると伺っております。提言いただきました内容につきましては、市としても重要な事項として受け止めておりますけれども、ただいま提言いただきました内容につきましては機会を捉えまして堤防強化についても要望活動などの際にお伝えしたいというふうに思います

 

草島

ありがとうございます。ぜひ前向きに捕らえて県、国にしっかりと提言をしていただきたいと要望していただきたいと思います。

防災について続けます。

災害時要支援者マップ これ要援護者マップと言う方もいらっしゃいますが、これは2004年の新潟水害で垂直避難ができないがたために高齢者が溺死したケースの教訓から全国で進められてきた取り組みなんです。残念ながら今回の倉敷真備では活かされませんでした。わが市の状況はいかがでしょうか。充実させていたくなどと答弁がありましたが、改めて今回の真備地域の教訓からきちっと学んで、全域整備状況を確認するとともにリスクの高井ところはしっかりと整備をしていくように、これはお願いしたいと思います。

次に防災士についてであります。市が把握されている防災士が現状19名ということでありますが、先般大阪北部地震の際に訪れた茨木市では、実際の避難所などの現場で地域防災のリーダーとして市が提供したベストを着用した防災士が大活躍しておりました。市に伺うと、年間6,7回市が主催する防災士部会の研修会などで研修を積み、防災訓練などでも役割を果たしているとうかがった。市も地域防災の講習等はさかんにおこなっておられるとおもいますけれども、研修した防災士も連動させ、実際の災害の際に役割を担う仕組みが必要と思うがいかがでしょうか。

またもう一つ質問を続けます。私は所属するNPO等を通じ、2004年中越地震の被災地支援からプライバシー確保、エコノミークラス症候群防止の観点でテントや簡易ベッドの普及の活動をおこない、熊本地震からはエコノミークラス症候群の日本の権威である新潟大学 榛澤和彦先生を代表理事とする避難所避難生活学会の先生方と「災害関連死ゼロを目指し、避難所の風景を変えよう」を掲げ簡易ベッドの普及の活動をおこなっております。。今日お配りした参考資料は学会の先生方と共同執筆し5月発刊した書籍であります。今般大阪北部地震では茨木市職員用にキャンプ用ベッドを貸与し避難所で段ボールベッドを並べました。

又西日本豪雨では、7月10日に倉敷市にキャンプ用ベッドを11台提供し13日に真備地区の避難所で段ボールベッドを搬入し、14日にその避難所 薗省の避難所ですけれど、約300名被災者全員をベッド生活に変える事ができました。

榛澤医師によれば避難所はゴミ、埃、衛生面を考慮したり、起き上がりやすさを考慮すれば、病院と同様にベッドが必需品を標準にしてほしい。ということであります。難民支援のための最低限の基準であるスフィア基準でもベッドは必需品になっています。

今般は、政府によるプッシュ型で配備したはずのベッドなのですが、自治体でかなり捉え方にばらつきがあり未だにならんでいないところもあるというのが現状でございます。

 

又、被災地で自治体職員は寝る暇もなく災害対応に追われるのが常でありますが、これまでの被災地で地べたに布団や寝袋で仮眠する光景も何度か目にしました。

こうした経験から提言をしたいんですが、私は当市では避難民全員にベッドを支給すること。職員には簡易ベッド等で仮眠を取る、を常識にしていただきたいと思います。 小規模災害の避難所対応、市役所職員用そういうことをとして50台〜100台程度のキャンプ用ベッド、コットを早期に備品として整備されることを提言します。
段ボールベッドも速やかに並べられるように、導入に際しての協定を結ぶことを提言します。

ドーム型のキャンプ用テントは体育館などの避難所で着替えやプライバシー確保に有用であり、少数からで結構ですので整備を提言します。又、車中泊の避難も十分想定されますのでエコノミークラス症候群対策として、弾性ストッキングが非常に有効とされております。これは市民の皆さんにぜひ呼びかけて頂きたい、これを提言をいたします。答弁を求めます。

 

危機管理監 佐藤利洋

それでは最初に防災士の連動についてお答えいたします。

防災士は認定特定非営利法人日本防災士気候が認証する民間資格であり、山形県では平成27年度からの地域の自主防災力強化のため、自主防災組織における訓練の企画、指導や防災知識の普及活動、災害発生時における応急対策活動に当たられる人材の育成を目的に、防災士の養成事業にとりくんでおります。本市でもその事業を活用し、受講を希望された19名の方が市の推薦を受け、地域における防災活動や避難所の開設運営、災害発生時の仕組み、災害に関する情報などについて研修し、防災士の資格を習得されております。個人の資格であるため、県外や他機関で習得された方につきましては、把握できておりませんが、県の事業で所得した10名につきましては、自主防災組織や消防団など各自所属する地域や組織で習得、研修で言えた知識を活用し、積極的に活動に当たられ、それぞれの立場で市と連動して、本市の防災力の向上に貢献していただいているものと認識しております。

次に職員用簡易ベッドの整備についてお応えします。被災地の自治体職員については、厳しい環境の中で災害に対応されていると伺っております。簡易ベッドの整備につきましては、配置場所の確保といった課題もあるかと思いますが、実際に導入している自治体の調査をするなど検討をしてまいります。

次に段ボールベッドにつきましては、最近では熊本地震や西日本豪雨災害における避難所で費用実績から簡易ベッドとともに被災者の疲労を軽減するものと認識しております。本市でも今年度検証用としてダンボ0-ルベッド4台を購入いたしました。今月23日の鶴岡市総合防災訓練において使用し、実際に参加者から組み立てや寝心地を体験していただきます。こうした訓練での使用による検証の他、被災地での使用状況についても調査研究してまいります。

 

災害救助法に該当sする大規模な災害になった場合は、国から救援物資として被災自治体に供給されますが、届くまでに日数を要しますので、避難所に速やかに供給できる体制作りとして、協定を締結することは有効であることから、段ボール製品の供給に関して協定を締結している他の自治体を参考に検討してまいります。

次に避難所におけるテントの整備についてお答えします。本市では、避難所のプライバシー確保対策として、避難所の施設内に更衣室を設け、着替えや妊婦授乳者などのスペースとして利用するほか、間仕切りを活用した居住スペースの確保を想定しております。しかし、長期間にわたる避難所生活において、被災者のプライベートな空間の確保として、テントも有効な手段の一つであると認識しております。今後被災自治体の使用例やスペース面の課題などを調査研究してまいります。

次に災害関連死ゼロを目指した必要な物資の整備についてお答えします。熊本地震では亡くなられた269名の内、災害関連死は214名にのぼり、避難生活の疲労や環境の悪化が大きく影響しているものと認識しております‘。避難所ではふだんどおりの生活ができず、被災者はさまざまなストレスを受け、災害関連死の原因となるエコノミークラス症候群や感染症が発生しやくなるため、避難所生活における災害関連死の予防策や被災者の移住空間の確保についても、さらに検討する必要があると考えております。議員ご紹介の弾性ストッキングは、下肢に圧力を加え、うっ血症状を改善するストッキングであり、主にエコノミークラス症候群を防止する効果を持つとお聞きしております。’

 本市では、発災後に不足するトイレや寒冷地の対策として、暖房器具の配備に取り組んでおりますが、弾性ストッキングなども含め今後更に被災自治体から避難所で必要とされた物資について、情報を収集し、被災者のケアについてもあわせて調査研究して参ります。以上です。

 

草島 ありがとうございます。

難民支援のためのスフィア基準では一人あたり3.5m2 最低畳2畳の確保が必要。女性用トイレは男性用の3倍必要。イタリアの被災地では24時間以内にベッドが並び、あたたかい食糧が振る舞われ、ストレスなく使えるトレイラー型のトイレが配備される。74時間以内には家族だけのスペースが確保できるエアコン付きのテントが支給される。それを基準に備蓄すべしと言うことは学会で掲げて国に提言をしているが、鶴岡市でも災害関連死ゼロを目指し必要な物資を整備しておくことを提言いたします。

3)ソーラーシェアリングについて

次にソーラーシェアリングの導入検討について質問いたします。

先日、千葉県の匝瑳市とともに、秋田県の井川町を訪れ、米づくりと太陽光発電による売電事業を並行して実施しているソーラーシェアリング実証事業の実例を見てきました。昨年の5月から事業を開始しており、稲作を行っている水田内約4Mの高さに細型のソーラーパネル70キロワットを設置しているもので、昨年の米の収量の実績は480㎏で、平年収量の540㎏に対し約1割の減収であったのに対して、売電実績は想定計画より7%ほど多い、年間の売電額では162万円ほどの実績との事でした。

また、架台やソーラーパネルの設置費用は約1,500万円程で、再生可能エネルギー固定価格買取制度による現在の売電価格による償還は11年程度で完了し、その後は利益が出るとの試算であると伺いました。今、若手農業者の支援として地元の信用金庫も融資メニューを組み立て、更に井川町では利子補給をおこなう事を検討する等、地域をあげての取り組みをおこなう姿勢がみられました。

 

こういった取り組みは、農業者の所得向上につながり、農業を持続可能にする道かと思います。ぜひ本市でも水田を活用したソーラーシェアリング導入に向けて実証実験などを進めては思いますがいかがでしょうか。市の所見を伺います。

 

 

農林水産部長

まず最初に、本市において農地を転用し、発電だけを目的に太陽光発電施設を世知している件数につきましては、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が開始された平成24年度から29年度までの6年間で11件、面積にしますと1.8ヘクタールとなっております。一報で、ご質問のソーラーシェアリング、いわゆる営農型太陽光発電はm、農作物を作付けしているほ場の上に、発電パネルを設置して農産物の生産と売電を同時におこなう営農形態であり、農業所得の向上につながることが期待されますが、本市においては、これまで導入している実績がないのが現状でございます。

議員からご紹介がありました事例を含めまして、ソーラーシェアリングの取り組みは平成28年度までに全国でみますと1269件になっておりますが、いずれもまだ小規模の実証段階のものになっているようでございます。また、太陽光発電施設を設置する際の課題の一つとして、優良農地は設置できないことや近隣の農地への影響を及ぼさないことのほか、農地からの収穫量を地域平均の8割異常に確保する必要があることなどが農地法上の制限がございます。さらに、発電施設の導入費用についても、一般的に10アール辺りで1000万円か2000万程度を要し、高額なものになりますと、そのほかにもパネルや支柱の設置により防除や草刈りなどの農作業が煩雑になるとの課題もございます。県でも一部実証してございまして、その中でワラビやミョウガでの実証実験では、売電単価によっては設備の耐用年数内に導入費用を回収できないおそれがあるとの結果もありますことから、採算性を十分に検討した上で導入を進めていく必要があるというふうに考えてございます。

ソーラーシェアリングにつきましては、これまで申しあげましたように、課題も多くありますが、これからの本市の農業振興、さらには再生可能エネルギーの導入拡大にとりましても、大切な視点の一つでありますので、引き続き情報収集をおこないながら、県をはじめとしする研究機関やJA等とも連携し、どのようなカタチで実証が可能か検討を進めて参りたいという風に考えてございます。以上です。

 

草島 ありがとうございます。ぜひ部長、現場を見に行って、どんな状況なのかを確認をして、ぜひ来年も実証実験、国のお金つきそうですからぜひ検討していただきたいと思います。

4)慶応大学先端研究所について

次に慶応先端研の質問をおこないます。

今般第四期の最終年になります。今年度まで18年間、市は補助金、出資金、施設整備合わせて69億2100万円。県や周辺町村と合わせると171億7500万円税を投入してまいりました。これまで170億円の税の投入をもとに先生方や研究者のみなさまも頑張って頂いて、上場するベンチャー企業も産み出し、また地域開発にも着手でき、一定の成果を産み出したものと私は捉えています。しかしながら、当初計画を立てた平成13年のころはまだ今後は人口は微増するかもしれないと当局が答えていた時代でございまして、1200人ずつ人口減少している今は、全く環境が異なっております。今後も年間3億5000万円の市の税金を固定費のように注ぎ続けるべきか、私は今全ての課に最大5%シーリングをかけざるを得ない財政の現状を踏まえれば、限界に達しているんじゃないかなと思うんです。

 提案をします。今必要なのは 、経済波及効果を500万円かけてそれを県の検証にかけるということではありません。今、必要なのは、オンブズマンの視点でこの3億5千万円の税の投入を現状600億しかない市財政でおこなうことが公共投資として適切かどうかを忖度抜きで、客観的に観ることができる有識者を集め、市が主体となって検討する第三者委員会屋事業仕分けのような手法で、できる限り市民にオープンなかたちで検証すべきではないかと私は考えますけれども如何でしょうか。

企画部長 高坂信司

慶応先端研の補助金についてオンブズマンの視点で検討する第三者委員会などをつくり、そういったカタチで検証すべきではないかという主旨のご質問かとうふうに思います。

慶応先端研の取り組みへの支援につきましては、現在県が中心となって慶応先端研の研究成果などの評価会議を設置し、第四期協定における評価検証作業を進めているところでございます。また、市では独自に取り組んでいる経済波及効果分析の中で、地域の経済波及効果の将来予測やサイエンスパークの取り組みをのばしていくための課題の分析をおこなうなどして、これまでの政策の評価検証をおこない、新たな協定の締結や支援のあり方について検討することとしております。

 評価会議の評価結果は、県のホームページで公表されることになっております。県の評価会議は

研究成果、地域貢献度、人材育成などに精通した専門家で構成されており、きゃっkン的かつ公平、厚生な視点で評価がなされておりますので、新たに第三者委員会が必要とは考えておらないところでございます。なお、研究教育活動に対する市の補助金3億5000万円につきましては、支援内容やその使途について、市民への透明性を高め、幅広い理解が得られるよう情報提供につとめてまいりたいというふうに考えております。

 

草島

今、お答え頂きました。県の検証というのは、県の財政6000億円で3億5千万円の当市が適切かという、そういう検証にならざるをえないんです。私どもは600億の財政で3億5千万円、適切なのか、これ極めて高度那政治判断が必要だと思いますけれども、それをやるにあたってのいろんな素材が必要だと思うんです。それと、今、透明性を確保すると入ったけれども、透明性確保されていません。ほとんど何やっているかわかんないし、どういうチェックをして毎年慶応側からていじされているもの、この研究だったら適切かということをきちっとやっているか。今回、宇宙生物学の研究とか、何か最近バドミントンの話もでていますけれども、何か、たがが外れているんじゃないかと思うんです。きちっとちぇっくする仕組みが、今の時代にふさわしいチェックの仕組みが必要だと思いますけれど、市長いかがですか。このままいきますか。

 

市長 皆川治

慶応先端研への取り組みの支援につきましては、先ほど企画部長から答弁もうしあげましたとおり、県の評価委員会の中で評価をおこなう事としております。その上で、この補助金、市としても3億5000万円という額は非常に大きな額でございますので、透明性を高めて市民に情報提供していく必要性があるということは、ご指摘のとおりだというふうに思っております。補助の実績につきましては、毎年度実績報告所というものも頂戴しております。‘こうしたものももう少し市民の方に分かり易く情報を提供できるようなしくみづくりについて検討してまいります。

 

草島

千葉県ではかずさDNA研究所というのがあるんですが、補助金の削減スキームを今組んでいます。自治体の補助金依存体質から段階的に独立させることは、持続可能な研究所の畝井としても重要であることが述べられておりまして、今、研究所からスピンアウトした企業で上場しているところもあります。そうした企業が自分たちを育ててくれた研究所を支援していく、基礎研究を支えていく、これは一私企業として当たり前のことなんです。こういうカタチのことをスキームとして加えて、段階的に市、県の補助金を削減する。来年は5000万円削減するとか、一億円削減するとか、削減のスキームをあわせてぜひご検討頂きたいとおもいます。そしてあくまで市が主体です。

6000億もっている県は主体ではありません。あくまで600億円しかない財政の中で、3億5千万円本当に出していいのか、これ、市民がきちっとわかって出すならいいけど、これまでの不透明な前、市政、前前市政かわかりませんが、そこから不透明なかたちで、誰も何も言えない。そういったかたちで進んできた。これはやっぱり変えていただきたいと思います。

以上で終わります。


パタゴニア・ツール会義2016。参加して得れた大きな力


以前からご招待いただきながらスケジュールがかみ合わず参加叶わずで、今の介護職現場の夏休みを遅くにずらしてとらせていただいたようやく参加することができた「パタゴニアツール会義2016」。帰路のバスの中からです。ダム問題、原発問題、地球温暖化、森林開発問題など、全国で孤独に闘っている活動家とともに、如何になかなか伝わらないことを伝えるか。プロの課題解決ファシリテータ、広告マン、WEB開発のプロ、そしてパタゴニアスタッフの皆さんと自分達の問題と向き合った3日間。残念ながら日曜日予定があり最終日を残して帰路についたけれど、随分頭も体もつかい、いろんな視点からアイデアや指摘を頂き僕自身相当活性化してもどってきた感がある。僕自身、県議会とリンクしながら活動してきたダム問題やエネルギー問題など、持続可能な社会に向けて動き続けてきた活動に改めて向き合い、何を取り組み、そして何をつかみ取ってきたのか、そしてより浮き彫りにしなければならないポイントや伝わっていないことは何か。何をピックアップすべきなのか。随分と考えさせられた。そもそも僕自身、なんでこんな活動をしはじめたのか。何を変えたいのか。何を求めているのか。という自分自身のこれまでを振り返り、棚卸しができた貴重な3日間だったように思える。ダム問題についても、結局は山形県民みんなに影響することであり、伝えたい。それも、ちょっと楽しく。それだけじゃない。市議会、県議会を通じて経験してきたこれまでの活動とここまでの経験の中で、ぜひとも伝えて、参画していただき、社会を変えていきたいことがムキムキと顔をだしてきたようにも思える。初めて訪れることができた八ヶ岳1400メートル標高の清泉寮での3日間。おいしいごはんも頂きつつ最高というか至福の環境の中で思考を深めることができた。
10年後の未来像からバックキャストして今後1年と3年を考える。そして戦略を練り実際に紙におとしこむ。これを何度か繰り返しながら浮かんできた言葉を書き留め繋いでいった。
 
死んだ地球ではどんな経済も成り立たない "There is no business to be done on a dead planet."
 
と言うデビッドブラウアー氏の言葉が支社長のプレゼンに登場したとき既に僕は熱くなっていた。その後の講師のみなさんの示唆に富んだレクチャーとコンサルティングは秀逸で、問題を浮き彫りにし、キャンペーンとは何か。そして如何に戦略を立てるか。随分と励まされつつも、ダメだしを頂き、随分頭と体が揉まれた感がある。
会の高桑氏がまだ現地にいて今日最終日。いいキャンペーンを導きだしたい。
皆様に感謝。
 
patagonia ツール会義って何という方はこちらをご覧下さい。

3.11から5年。 持続可能な未来へ向かっているのか?


本日3.11  2万1千名の犠牲になられた皆様に、改めて心からご冥福をお祈りします。

5年前の3.11。津波に呑まれる家、車。強い地震の揺れの後、テレビで見たあの映像は忘れることができません。当時私は県議選の準備の真っ最中でした。3.12、午後から有志とともに現場へ。その晩、名取市で神戸から活動を共にしていた皆と合流。その後、20日には石巻でNPO、行政共同の会議を立ち上げ2日間進行役を引き受けるも、予定どおりおこなわれることになった選挙のために地元に戻ったのでした。 原発災害と津波災害、余震で停電も伴うどたばたの中の選挙戦で、市民の皆様の支持を頂き当選させていただきました。県議になって、東北の心の復興と「311を持続不可能社会から持続可能社会へのターニングポイントにする」を掲げつつ、活動しようと誓い新たなスタートを切ったのでした。 それ以降は、県議としての活動と、時間があれば神戸からの仲間達が運営している石巻の絆ベース(後にOPENJAPAN)を被災地を訪れ支援活動に参加するといった日々でした。県政では、吉村県政が掲げる卒原発と再生可能エネルギーをとにかく進めようと再生可能エネルギー政策や持続可能社会づくりについて、国内のNGOや研究者、ドイツ、スウェーデンの関係者など、つてをたどりつつ学ばせていただき、「コミュニティパワー(エネルギーの地産地消)家の燃費制度」等、提言を続けてきました。  同時に、生態系サービス、自然資本をテーマに、それまではNGOとして取り組み続けてきた最上小国川ダム問題について、沼沢組合長をはじめ  地元漁協の有志とともに運動を展開しました。これも原発と同様に開発に群がる政治やカネで科学的根拠がねじ曲がっているとしか思えなかったのです。原子力ムラに例えれば、「河川ムラ」との闘いがはじまったのでした  どこに打開策があるのか。どうしたら多くの県民に真実を伝えうるか、探し続けて全国的なダム問題に取り組む河川工学、生態学などの先生方や元国土交通省河川局長、防災課長他、諸々の方々ににこの問題を伝え現地にご参集いただきました。そしてダムに替わる、治水方策の代替プランは明確にある事や現プランの問題は科学的に随分と明らかになっていました。「アユ効果年22億円」と経済効果も新たな分析から導き出しました。観光的にも持続可能な道はどっちかということを提示していただきました。しかしながら、県民、住民へ真実の浸透という課題は私の努力不足もあり大変厳しく、問題を解決する力までには全く届きませんでした。その結果が昨年春の選挙で現れてしまったのだと今さらながら思います。

ーーーーーーーーーーー 3.11をターニングポイントに。持続可能な社会を目指して。

これを行動指針としてここまでやってきました。 今、2万1千名もの犠牲と、今もなお17万4千人もの方々がふるさとに戻れず山形県内にも3400名もの方が避難している状況。この間の被災3県の孤独死は188人にものぼり、今後も心のケアが問われています。 再生可能エネルギーは、FITと、自然エネルギー財団やISEP、ご当地発電のネットワークなど、様々な運動のおかげもあってある程度は普及しました。しかしながら、政府の原発依存のために世界の潮流からは未だ遅れをとっています。安倍政治は昨日の記者会見でも「経済的にも地球温暖化にも原発は欠かせない」と大昔と変わらない詭弁を繰り返しています。そして、福島第一原発は今も全く収束できておらず、メルトスルーの際のデブリが回収できず、汚染水は垂れ流しの状態です。そして安倍政治ではオリンピック誘致の際、この状況をUNDER CONTROL (コントロールされている)と言及、メルトダウン対策のコアキャッチャーやテロ対策の防護壁もない原発を世界最高基準の安全性を備えたと表明し、再稼働の動きが続いています。福島原発事故の検証も対策も未だ道半ば、そして放射性廃棄物の問題も全く未解決なのに、再稼働という話はありえないと私は考えます。 津波対策の防潮堤はどうでしょうか? 何度かテレビにも登場したと思いますが、その1兆円もの莫大な予算の投入と海洋生態系の中で重要な渚環境が失われ、景観も破壊される大きな問題が、地域によってはほとんど地域で議論も進まず、環境アセスなし(!)の状態で強行されていきました。5年たってようやく全貌が明らかになりつつある防潮堤を眺めて住民が驚愕の声をあげているような状態ではないでしょうか。 今、改めて、持続可能な開発としての復興が進んでいるのか? 僕らは持続可能な社会へ向かっているのか。が問われるのだと思います。 持続可能な社会の定義を改めておさらいしておきましょう。 1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない 2)人間が作り出した物質の濃度が増え続けない 3)自然が物理的に劣化しない(生物多様性の維持) 4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない。 (ナチュラルステップ 持続可能な社会の4つのシステム条件。) この4つの条件や例えば「熱力学の法則」は、政治やカネの力では変えることができない科学的な真実です。 この原則で考えると、1から4までに違反する原発も、3と4に違反するダムは明確にこの法則に反した開発行為となります。 特に、「原子力ムラ」等、科学的な真理、真実が政治やカネ、組織維持などの力でねじまげられてしまう構造はまさに病理といっていいと思いますし、これこそ日本病なのだと思います。 こうした病理を正し、環境的にも社会的にも明確な持続可能な社会の理想からバックキャストするようにコマを進めていかなければならないのだと思うのです。 改めて僕らは問われています。 今、持続可能か、持続不可能か、どっちの方向に向かっているのでしょうか? 5年の間におこなった社会的投資や開発行為は、持続可能といえるものだったのでしょうか? そして「心の復興」といえるものになっているのでしょうか 今、改めて検証することが必要かと思います。そして、改めて、明確な持続可能な社会目標(サスティナブルプラン)を掲げ、まさに持続可能な社会の方向に向かって歩みを進めていかなくてはならないと考えます。 2万1千名の犠牲や今も故郷へ戻れない17万4千名の方々への責任として。                


日本の河川の民主主義


1991年。東京でデモがあった。当時、全国に残るダムのない一本の美しい大河、長良川を守ろう。河口堰建設反対!を訴えるものだった。写真は東京デモの宣伝看板。当時26歳の僕が生まれてはじめて参加した初めてのデモだった。天野礼子さんや椎名誠さん、野田知佑さん、夢枕獏さん、立松和平さん、近藤正臣さん、CWニコルさんらがよびかけていた。僕らはその後、毎年、時には年に数回、長良川現地の河川敷でカヌーデモや大規模集会に結集した。カヌーデモの仲間で長良川や気田川、那珂川を毎週のように下るのが当時の唯一の楽しみだった。 長良川の河口堰は建設されたけれど、この長良川の闘いを教訓に1997年、河川法が変わった。住民参加と環境が加わった。住民投票運動で吉野川の河口堰建設は住民が止めた。いくつかのダム建設は止まった。このときも一人一人の市民の力は微力だったかもしれないが、一つの社会現象をつくりだし、良心のある官僚の心を動かし、頑固な国の政策を変えたのだ。

 しかしながら河川には、原発推進の原発ムラがあるように河川ムラがあるようで、川の民主主義を未だ羽交い締めする。多数工作により科学的真実が未だにねじまがっていて、真実の言葉を排除してしまう政治がまかりとおっている。手遅れになる前に真実を多数化しなければならない。戦後70年の立憲デモクラシーも、平和主義も、今大きなピンチを迎えている。今、空気に流されず、真実を見、信念をもって行動すること。か。

 ちなみにキャンプが得意なカヌーデモ仲間は95年阪神淡路大震災の現場にも当初に駆けつけてくれ、実に頼りがいがあった。災害の立て直しも世直しも同じなのだ。今もかけがえのない仲間だ。写真は今も行動を続けている仲間がUPしてくれた。僕もがんばろう。

 

 


27年度山形県予算案、請願案件の小国川ダム関連に反対討論 3月16日


本日山形県議会本会議、27年度予算案並びに条例、請願案件について、 ダム事業予算と慶応関連について反対の立場で討論をしました。3分。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

山形県議会での討論。 議第27号 平成27年度山形県一般会計予算の内、慶応先端研の補助金、最上小国川ダム事業のみについて。また、 請願87号を不採択とすることについて反対の立場で討論します。

‘ ●まず、慶応先端研について、これまで鶴岡市と県あわせて143億円の公金が投入されました。更に来年度からも年7億円とする補助金が計上されていますが、その金額の根拠について、未だに不明であり承認しかねます。今後を見据えた支援スキーム変更について改めて要請するものです。

次に最上小国川ダムについてであります。  

この案件については知事をはじめ当局は、「流水型ダムならば、従来のダムとは違い環境にやさしいなどと説明を続けていましたが、流水型ダムでも流域のアユやサクラマスの生態や品質に影響を与えうる事がアユ研究の権威など最新の知見、実例などによって明らかになりました。  そして、流域の安全安心の確保は、赤倉温泉街の河道改修によって十分に可能であり、それにともなう「まちづくり治水としての赤倉温泉の再生事業こそ持続可能な流域に貢献しうることが複数の科学者により立証されています。

しかし今、当局は、こうした最新の知見に対して、説明責任を全く果たしておりません。このままダム本体工事を強行することは許されないのであります。

今、ダム先進国だった米国では700以上も「ダム撤去」が実際に進んでおり、それを主題にした映画「ダムネーション」が話題であります。国内でも熊本県の球磨川では2012年より荒瀬ダムの撤去工事が進み、それともに川が再生し、流域の市民が歓喜の声をあげています。  

もはや、国際的にも国内でもダムの時代は終わり、ダムによらない流域治水で生命と財産を守り、自然を再生する時代であります。  

また、私は人口減少下の地方創生の時代に、最も大切にすべきことは、今、山形にしかない価値や魅力を絶対に失ってはならない、という事と考えます。  

 今、岐阜県では、「清流・長良川のアユ」を国とともに「世界農業遺産登録」に向けて動きだしています。  こうした時代に、わが山形県では県内の最後の清流、そして「松原アユ」という貴重な食文化を失うのでしょうか。山形県の価値を失いかねない、このダム事業の強行は、今の時代に逆行し、将来に禍根を残す愚行とならないでしょうか。

「川の力を失ったら、どんなことをやっても漁業振興にならない」 今、流域では、沼沢前組合長の遺志を継ぐ漁業者が財産権の侵害を訴えております。県はその声までをも踏みつぶすかたちでダムを強行すべきではありません。

以上、本ダム事業の今の時代を見据えた見直しを求め、反対討論とします。


地球の声に応えて2ー山形に自然資本経営を


地球の声に応えて1では、スウェーデンに行って学んできた持続可能な社会の定義についてお伝えしました。で、鶴岡で、山形でその実践をどうすべきか。何をやってきたのか。を中心にお伝えします。

私は1998年の2月に神戸から鶴岡にもどってきました。もどってきて環境NGO、Waterwatchnetwork ウォーターワッチネットワークを3人で立ち上げました。このグループでおこなったのは、2つ。1998年の3月14日をはじめとして月山ダムと地下水の問題に着手して勉強会をおこなうこと。そして、1998年の4月に調査型のビーチクリーンアップを湯野浜海水浴場でおこなうこと。でした。

岸ゴミの問題は97年の福井県重油災害の際4ヶ月現地で活動する中で、当時海上災害防止センターの方から「実は重油災害よりもプラスチックゴミのほうが問題だ」という話をうかがったこと。そして以前から交流があり実際に湘南海岸のクリーンアップに参加させていただいていたJEANの小島さんの調査型のビーチクリーンアップを故郷でもやろうと決めていたこと。からでした。

 実際に98年の4月22日、アースデイにちなんで海岸ごみ調査、クリーンアップをおこない、「レジンペレットが多数みつかる」等の報道もされました。その後毎年のように春と秋にクリーンアップをおこない、調査データを発信し続けてきました。FM山形主催のクリーンアップイベントでコーディネーターをつとめさせていただいた事もありました。ビーチクリーンアップ、海岸ゴミ問題については、パートナーシップオフィスの金子さん(酒田)がその後大きく展開していただき、飛島のクリーンアップが定例でおこなわれるようになり、そして今も県とパートナーシップを組んだ事業に発展しています。昨今は東日本大震災で発生した太平洋への漂流物を通じた国際的なクリーンアップ団体との根本解決のための国際フォーラムに参加(仙台)しました。海岸ごみは、日常の私たちの生活の鏡でもあり、排出抑制など、根本解決のために何をおこなえばいいかを調査し、取り組んでいます。

 月山ダムと地下水の問題は、98年より1年間かけて周辺を調査をし、地下水を調査されておられた桑原英夫先生、柴崎達雄先生にお会いすることができました。国土交通省月山ダム所長をはじめ、県、市の関係者を一同に介し、ジャーナリスト保屋野初子さん、新潟大学 鷲見一夫先生を招いたフォーラムを1999年の3月14日におこないました。1000円の参加費にかかわらず、150人市民が集まり、5時間、熱の入った議論が続き、問題があぶりだされたカタチになりました。私はこうした大きな問題が議会で議論されないのはおかしい!と感じ、その当日に市議会出馬を決め、市議会に挑戦しました。市議会当選後、6月初議会から真っ正面から水問題を質問。「美味しい水を守る」地下水源を守る運動を展開。2000年10月、「月山ダムの水源に切り替えるか否か」住民投票の直接請求署名運動をおこない、14000名を超える署名をいただきながらも、議会が否決。住民投票すらできなかったこの制度矛盾は今も忘れられません。水道水源はその後2001年10月にダム水100%に切り替えられました。「クローズアップ現代」「日経ビジネス」「世界」に特集「金曜日」に執筆 

この広域水道水と地下水の保全の問題については、市議会での徹底調査追及の後、山形県議会でも「広域水道事業」そのものが人口減社会で構造破綻をしているのではないか。また、市民への街頭アンケートなどを通じ75%の方々が水道の水の質の悪化に辟易している状況を議会で伝え、事業をすすめた県としての検証、そして地下水ブレンド、料金高騰問題への対処として責任水量の変更などの提案。又、地下水源については、現在新潟資本の企業がくみ上げペットボトル水として売り出している現状や工業用水としても、また消雪用にくみ上げられていても揚水量の届け出義務もないことから無秩序状態になっている事。また、元水源地の周辺で田所改良などとして砂利採取などが進み、地下水源そのものに影響しかねない事などをとりあげつつ、地下水の保全と利活用について問いかけをし続けています。更に、先般認可された食文化創造都市の食文化を根底で支える食材としてもその価値を認め直し、公水として位置づけ、きちんと秩序化して次世代に残す事を念頭に提言をし続けています。また、地下水資源については現在も鶴岡市内の数カ所で福島大学柴崎直明先生に定点観測を継続していただいています。

 

 鶴岡にもどった1998年、写真家、太田威さんが呼びかける大山下池の生き物救出作戦に参加したことを覚えています。下池からの小川の改修工事に伴うものでした。


 市議会では水問題の他、大山下池付近の湿地湿原の開発問題に直面しました。
 

下池の周辺7ヘクタールを加茂トンネル掘削からでるの土砂で一旦埋めてから「こどもの国」をつくる、などという市の計画に反対する「尾浦の自然を守る会」を地元有志や私も含む自然保護関係者で立ち上げました。当時鴨類が5万羽、オオヒシクイが2000羽以上飛来することを雁を守る会 呉地さん、岩渕先生らとともにフォーラムで示し、ラムサール条約指定湿地を目指し、市議会ではじめてラムサール条約指定湿地への運動を呼びかけつつ湿原保存を求め運動しました。
 その運動は実を結び、市は方向転換し、湿原は守られ、ラムサール条約指定湿地にも加盟することができました。ラムサール関係では蕪栗沼、伊豆沼などのラムサールシンポジウムなどにも参加してきました。
 大山の自然には小学校の教師であった父とともに「教育フォーラム」春の自然観察会に指導員のアシスタントとして関わりつつ 春の山野草の魅力(スプリングエフェメラル)に取り憑かれている一人です。また、正月明けの毎年の野鳥観察会は恒例で参加。2015年の今年はオオヒシクイは観れませんでしたがオジロワシを観ることができ、感動しました。「ほとりあ」も完成し、今後、さらにそれを活かすか、エコツーリズムの拠点として更に活動が進むように提言を続けていきます。

 

最上小国川ダムの問題 故沼沢組合長と一緒に闘ってきたダム問題 

漁民の立場でかけがえのない清流を守る。

2002年ぐらいから最上小国川という清流にダムをつくる話がある事を聞いていました。県が地元住民や漁協と協議を進めるという情報を聞きつけ、市議会の時代に傍聴に通いました。そして30名ぐらいいる会議の中で2人。その後の会議で10名の委員の内一人でダムに拠らない治水を唱える沼沢勝善前小国川漁協組合長にお会いし、意気投合。初めてお会いしたときに自宅でアユ飯を食べながら諸々お話したことは忘れられません。なんとしても沼沢さんの思いを受け止め、この問題を世に伝え、清流を守りたい。そう決めて動きだしました。当時は、地元の議会は共産党も含め賛成状態。長良川河口堰問題で関係のあった天野礼子さん。当時穴あきダム問題に最も詳しい今本博健先生、新潟大学の大熊孝先生、山形出身で公共事業問題の師である五十嵐敬喜先生、また菅直人衆議院議員などを招聘し、現地視察、シンポジウム、フォーラムを開催。そこで論じられたことを当時社民党の田辺省二県議にはたらきかけ、議会で質問をしていただいた事などもありました。

その後、沼沢さんとは2004年の新潟水害の現場検証の場に桑原英夫先生と三人で行き、ダムが2つあっても水害で死者をだした五十嵐川の水害の現場を訪れたり、当時長野県知事で脱ダム宣言を発表された田中康夫さんの長井での講演の際には沼沢さんと一緒にステージに立ったりしました。

 

琵琶湖のアユを断り、小国川産のアユから採卵し、独自にふ化したアユを放流する。こうした事業を全国に先駆けておこなったのが沼沢さんでした。そしてダイワ、がまかつなど国内大手の釣り具メーカーの鮎釣り大会を誘致したのも沼沢さん。川の力を活かした漁業振興を求め続ける沼沢さんの信念と行動に打たれつつ、なんとかしたいという思いでこれまで活動をしてきました。県議会では、山形のかけがえのない清流という宝を守るということを念頭に、今全国で取り組み始めているダムに拠らない「流域治水」方策、さらには「県が環境にやさしい」とする穴あきダムの検証などに向けて懸命に調査し続け、全国の有識者の力をお借りしながら最新の知見を基に県議会での論戦をおこなってきました。2011年 12月には国土交通大臣にダムによらない治水プランを要請しました。 

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 自然の価値を価値化するには?  2008年から参画させていただいている東北大学グローバルCOEのコンソーシアムメンバーとして生態学研究室の皆さんと交流しつつ、環境経済政策学会などにも参加し、環境経済学を学びました。

小国川の価値を示すことができないか。全国の研究者をあたり、近畿大学有路昌彦先生とその研究室に、年間3万人小国川に来る経済効果について試算していただきました。そして初めての山形県議会一般質問で発表し、質疑をおこないました。この時の一般質問は全国のダムや治水事業を調査し続けてきた集大成というべきものです。小国川に鮎釣りに来る3万人を試算すると、年22億円の経済効果。ダムで自然を失った場合、アンケートでは半数が来ないと答えた事からダムで自然を失えば年10億円の損失。これが自然資本の価値です。この事は議会審議後、朝日新聞で大きくとりあげていただきました。

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自然の価値は、開発優先の政治の下で、優先順位が低く、どんどん失われていきました。生物多様性の価値。こうした自然資本の試算は県政初でありました。

私は、基本的に生物多様性を今以上に失わない。「ノーネットロス」総量が減らない。を大原則。そして、その生物多様性が地域的に貴重で「釣り人を惹き付ける」など地域の観光などに貢献している場合「ノーロス」でなければならないと考えています。

治水方策はダムの他にも、いや、この小国川の場合は、ダムよりも有効な治水方策が可能なことを複数の河川工学者、温泉研究者が論証し、その方が地域の持続可能なまちづくりに貢献することは明白。ダム建設ではない治水対策を行うことを求め続けてきました。 国際的にもTEEBとして生態系と生物多様性の経済学(The Economics of Ecosystem and B iodiversity)」が名古屋で2010年に開催された生物多様性国際会議COP10から明確になり、その後、金融機関による「自然資本宣言」が発表され、自然資本経営が問われはじめています。

私は、自然と文明が調和する理想郷を目指す山形こそ、自然本来の力を活かした自然資本経営をやっていくべきだと考え、提言を続けています。

先般2月15日、沼沢組合長の追悼集会がありました。ダムのない本来の川の力を活かした漁業振興を求め続けた沼沢さんの思いに如何に応えていくか。行動で示す事だということを改めて再確認した次第です。

県は今、治水論でも、環境論でも、最新の知見を無視したまま、ダム建設推進に動いています。更に漁業法の解釈について、漁業で生計をたてている方々の漁業行使権を財産権として認めない姿勢を固持しています。それに対して漁民有志の立場に立ち、熊本一規 を交渉代理人になっていただき、反論を突きつけています。漁業権案件については12月11日の予算審議でも真っ正面から問いただしました。

私は絶対にあきらめません。

「ああ、昔の小国川の清流は良かった。」などという昔話にしたくはありません。

「ほら、泳いでごらん、釣りしてみなよ。沼沢さんが、そして、僕らが命がけでこの川を守ったんだよ。だから今、こうした清流があるんだ。」と言いたいのです。

未来世代からの借り物である自然を今、この時代に破壊することは絶対に許されない事だと思うのです。なんとしても、自然の美しさ、おいしさなど、かけがえのない価値を未来世代に手渡したい。と考えています。

山形随一の清流、小国川のダム建設の問題は、岩波書店「世界」「釣り人」「フライフィッシャー」WEB版ダイヤモンド などに掲載したいただきました。追ってこちらもご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 


2/25 26年度補正、小国川ダム建設の締結について反対討論


議第1号平成26年度山形県一般会計補正予算、第6号の最上小国川ダム関連予算について、

議第23号 最上小国川流水型ダム堤体工事請負契約の締結に

ついて、反対の立場で討論いたします。

 

先の2月15日、昨年自死された故沼沢勝善(かつよし)組合長一周忌の追悼集会がおこなわれました。「ダムのない清流を孫子の代に手渡したい」という信念をもちつつ憤死された、故沼沢組合長をしのび、その遺志を受け継いでいくことを多くの漁協組合員や県民有志と再確認しました。

2月23日、漁協組合員有志と県との交渉の場がありました。

交渉代理人としていらした、熊本一規明治学院大学教授が、「漁民が漁業を営む漁業行使権は物権であり、これこそ財産権である。つまり補償もなくこの権利は奪えないものである。ということについて、漁業法、民法を根拠として確固とした論証をおこないました。それに対して県は何ら法的根拠ある反論ができず、完全に論破されたままでありました。

 ダム着工には、漁協さえ同意すればいいのだ。漁民一人一人の権利など、同意などとる必要もなく、無視しておればいいのだ。という県の姿勢は、法的に手続き違反であることがその場で明らかになりました。

そもそも漁業で生計を営む漁民の権利を、何の補償もなく奪えることが当然であるとする、血も涙もない姿勢は、吉村県政が掲げる「あったかい県政」とは真逆であります。この法解釈は今すぐに改めていただかなくてはいけません。

又、有識者による「流水型ダムでもアユ等に影響を与えるという科学的知見、又、裁判で立証されている、ダムに拠らない治水対策の方が有効であるという科学的知見についても、県はなんら反論できず、その知見を無視排除したままであります。

これらに対して説明責任を果たさないまま、工事を進める事は絶対に許されません。

 自然と文明が調和する理想郷を目指すなら、こうした乱暴な科学の扱いを直ちに改め、説明を尽くすことは当然であります。

 

以上、ダム事業の見直しを求め反対討論とします。


2.22誕生日にあたりーー地球の声、宇宙の声に応えた政治を目指して


 
バウさんとともに222

神戸元気村の代表、山田和尚、バウさんを送る会が母校明治大学の近く、山の上ホテルであり参加。神戸や被災地救援、平和活動、ストップフロン問題、などに共に取り組んだ有志。音楽家、イベントクリエイター、小説家、そして元総理まで、多彩な顔ぶれが集まりバウさんの49日で天に召される集いを行いました。奇しくもその日は私の誕生日でもありました。私は、3年間活動した神戸を離れる際にみんなからプレゼントされたパドルに、バウさんが書いてくれた一言を紹介しました。改めてシェアします。

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ほかのものに頼ってはいけない

三次元にいる自分自身をよりどころにして

地球と宇宙の真理につくしなさい。

まずは、うごき出せ

 

神々とともに

光とともに

仲間とともに

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神戸でバウさんと出会い、あの場に残り行動をしなかったら、今の僕はありません。神戸にはいって3日後「ここに残る」と決めた瞬間から全てがはじまりました。その日から何か水を得た魚のように体が軽くなり、1週間ぐらいほどんど寝なくても全く平気な、「今」という時を懸命に生きる、自分がありました。目の前には太い「今」しかない。毎日、毎日それからは、日々それまでの1週間分ぐらいに匹敵する仕事が待っていましたが。朝携帯で起こされ気がつくと明け方みたいな、、、。僕という人間を受け止めてくれたバウさんがいたからそれはできたのです。いろんな場面で向き合って、魂に響く言葉をくれたバウさん。魂の恩師にあらためて感謝します。ありがとうございました。

そして今、私は地方政治の場にいます。 「愛を真ん中に動くこと」とともに、「地球を守ること」を熱く実践をもって教えてくれたバウさんの志を胸に、地球や宇宙の声に応える政治をやっていきます。

森を守り、川を守り、水を守り、魚たちや動物たちをまもり、そして、平和を守り、市民社会を育み、未来を開いていきます。

バウさん、次は僕らの番です。

どうか天から見ていてください。 ありがとうございました。

 

                          2015.2.22 50歳の誕生日に 草島進一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


1月11日は、ダムネーション上映会へ


 

 

1970424_806722176015687_337217237603909303_nこのブログでは直前のお知らせになり、申し訳ありません。1月11日、映画ダムネーションの上映会をおこないます。どうぞ皆様お越しください。

このダムネーション。世界のアウトドアブランド、パタゴニアがプロデュースしており、映画にも社長のイヴォンシュイナードでています。現在700以上のダムを撤去して川を再生している、ダム先進国だった米国の状況。ダムとは何なのか。を把握できるとてもいい映画です。上映後若干の時間を使って、最上小国川ダム問題。他、山形のダム問題についてお伝えしたいと思います。どうぞお誘い合わせの上、お越しくださいませ。鶴岡まちなかきねま 7時開場、7時15分から1回のみ上映 9時まで。

上映後若干の時間を使って、最上小国川ダム問題。他、山形のダム問題についてお伝えしたいと思います。

FACEBOOKイベントページ

https://www.facebook.com/events/1520726198206443/?ref_newsfeed_story_type=regular&fref=nf

80名の会場。まだ大丈夫です。参加希望の方は人数把握のため、イベントページの参加を一押しください。


最上小国川ダム問題ー「決着」「着工決定」はまだまだだ。


小国川ダム問題。本日の山形新聞2面に「着工決定」「ようやく決着」など、奇妙な記事が載っている。最上小国川の問題。まず水害についてだが、「昭和20年以降、15回の大規模な洪水が発生、旅館や橋の流出、護岸決壊、越水による床上、床下浸水など大きな被害にみまわれた。」とある。昭和20年の水害は旅館が流出としながらも県に詳細な資料がない。近隣の旅館の話でいえば、もともと危険なところにたっていたという話さえある。そして、15回の大規模な水害とは何か?http://www.pref.yamagata.jp/…/314074/mo_d…/saigai_140110.pdf
このうち、赤倉温泉地域の下流域は、1/50の水害に耐えうる治水工事がおこなわれている。昭和49年の被害の全壊、半壊は、支川の白川が流入した後の下流域での被害がほとんどだ。
これが15回すべて大規模な水害といえるのか。よく見てみていただきたい。
「基本的に堀込み河道で安全な河川」(大熊孝新潟大名誉教授)と言及される小国川でこれまで死者をともなう水害は皆無だ。

 死者をともなう2004.7.13新潟豪雨などの現場でボランティアをしつつ、水害の脅威を体感している私にとって「床下浸水」は「大規模な水害」とはいえない。それからこれは県に確認済みだが「床上」となっているものも、もとより川に旅館の部屋がせり出している(これは違法建築との指摘がある)箇所が水で浸された事を床上としてカウントされている

 なにより、危険だ危険だと騒がれている赤倉温泉の川に面して、平成23年に新規の建物が建った。県は問題なしとしているわけだが、結局「流域住民の悲願」とかといわれても、「それほど危険じゃない」ということを証明している。「実際に危険だとしたら新規の建物など建つはずはない」ことは常識的に考えれば納得いただけるだろう。

 この記事は、「ダム建設が正しいのかそうでないのかは、誰にもわからない。人の生命と環境保護とをてんびんに掛けることも違和感を覚える。未来の子供たちは川と親しみながら成長し、流域は発展しているだろうか、「建設は正しかった」と誰もが思える未来があることを願ってやまない。」などと結んでいる。

 今になって、「人の生命と環境保護とをてんびんに」と言及するとは全く不勉強もは甚だしい。よく推進派が集まる集会にいくと、議論をしたくない人達がよくそんな発言をして本来的な議論をすまいとしたことを覚えている。僕らは全くそんな話はしていない。流域の真の安全安心と未来を見据えた持続可能な流域振興を考えた上での「ダムによらない治水」を故沼沢組合長とともに僕らは提案をし続けてきたのだ。

 この3年間あまり、裁判の中や科学者からの意見書などで立証された「ダムによらない治水は可能であり、それのほうが流域の持続可能な発展に有利であること」「流水型ダムでも環境に影響があり穴閉塞などリスクがあること」を完全に無視して、なんだか、目をつむったまま、突き進んでも「正しかった」ことを願う。などとする、この記事はあまりにもひどい内容である。全く無責任だ。

 

27年前の悲願の発端は「ダム湖にボートを浮かべるダム観光のためのダム」だった。その頃は「ダムがくれば流域は数百億円でもうかる。」と有力政治家が言い放っていたことを流域の方から伺っている。今やそんな時代ではない。

 この時代、そして人口減少、地域消滅の中で「観光立県」「地方創世」をかなえなければならない山形県の今後を見据えて僕らは「ダムなしで赤倉温泉のまちづくり治水」を提言し続けてきたのだ。

 今こそ、これまでの歴史とこれからの時代を見据えて、様々な懸念材料に対して十分に県民に説明責任を果たし、判断をしなければならない。一度破壊されたら元の生物多様性はもどってこない。20年前と今では時代はちがう。この40年ぐらいでダムやコンクリート護岸での河川環境の悪化、それによってウナギの絶滅危惧種指定。そして県魚サクラマスも国の準絶滅危惧種になった。その反省に立って河川法が変わり、環境と住民参加がはいった。そしてダムに拠らない流域治水も国際的な潮流となっている。この時代を踏まえたら、ダムに拠らない治水が可能とする科学的見解をきちんと受け止めて、徹底議論をおこなわなくてはならないと考える。

 今年8月の川那部浩哉 京大名誉教授をはじめ錚錚たる魚類生態学者がまとめた意見書。そしてこれまでの裁判の意見陳述でおこなわれる中で「県が河床掘削が不可能としていた原因として流布し続けてきた金山荘事件(対岸の護岸工事によって湯温の低下がおきたとして県が損害賠償を支払った事件)は県の資料によって湯温低下の時期と工事時期が大幅にずれており、結局河道改修ができないという論拠は崩れているということ。温泉湯脈に影響なく河道改修は可能なのだということ。そして「ダムに拠らない治水」の方が内水被害の根本解決になり、河川環境の大幅な改変を避けることができる。更に河川改修に伴い老朽化した温泉旅館をセットバックしたり一部縮小化する改修費を街の再生につながる「まちづくり治水」ができるということだ。しかし県政や最上、舟形両町政はそれらを全く無視し続けてきた。

今般の議会の中で知事に「無視し続けるのですか?」と問うた。さすがに「そうではない」「踏まえていく」ということを吉村知事は言及したのだ。

 
 何が「混迷27年 ようやく決着」だ。 裁判で立証されたことへの十分な反論もなければ、漁業者、組合員への漁業補償の締結についても漁業法の本意に照らせば締結できていない。組合員の「権利侵害」を無視して着工すれば「漁業行使権の侵害」となり漁業法143条違反になる。

県民への説明責任を果たさずしてこのままダム着工は絶対にありえない話だ。