持続可能な鶴岡ブログ

持続可能な鶴岡ブログ
トップページ > 持続可能な鶴岡ブログ > カテゴリー: 風力発電開発
カテゴリー: 風力発電開発

ラムサール湿地近接風発?JRE加茂は撤退!矢引も撤退を!



ラムサール湿地に近接して風力発電計画?
 
大山・上池下池に飛来する渡り性水鳥たちを守ろう!  

Time Line


2023.10.16 JREが加茂風発事業の撤退を市に報告!

クマタカと雁が加茂風車を止めた! 一万人署名もありがとうございました!


矢引の風発4.3MW×7基も、国際的渡り鳥ルートに悪影響

不眠症リスク71名!→風車騒音問題ページへ


矢引風発も撤退を! 2024.3.28

矢引ゾーンMaster

 

矢引の風車建設の反対理由
1)ラムサール条約湿地・大山上池下池を経由し、秋田八郎潟―新潟福島潟間などを飛び交う天然記念物のマガン、オオヒシクイなどのガン・カモ・コハクチョウ等の渡り鳥に影響する。JREは「多い月で約1,000羽以上のガン・コハクチョウの飛来状況を予定地で確認」を加茂の撤退理由にした。矢引風発も加茂同様の渡りルート上に位置(図参照)更に三瀬で稀少猛禽類のクマタカのバードストライクが発生!JREの影響回避策の欠陥が明らかになった。
2)風車騒音と睡眠障害の問題 矢引で由良、三瀬、矢引等住民71名の不眠症リスク。入眠妨害リスク6500人。4MW風発だと2km離す必要あり。(図参照)

→ 関連サイト風車騒音と健康被害)国会 厚生労働委員会で川田龍平議員が2023.5.16初めて議論(風車騒音と健康被害
3)矢引界隈は土砂災害の西目と同様の地層が確認。尾根の開発は土砂災害などの増災の危険性がある。
4)三瀬八森の事後調査 騒音データは非科学的(識者指摘)。鳥類調査は月2回と頻度不足(環境省指摘)。風車周辺5自治会に年500万円の地域貢献費は、自治を歪める恐れ。
●2023年2月5日の市民学習会「加茂地域の風力発電を考える集いでJREは説明拒否。クマタカ・バードストライク以降、全く市民に説明責任を果たしていない。


鶴岡でやるなら、浮体式の洋上風力発電を20Km鶴岡沖へ! 



BB4DB8A8-FC2B-444B-A8A9-53971B3098392023.10月、会派・市民の声・鶴岡で、日本で初の浮体式風力発電の商用運転中の長崎県、五島市の2MW浮体式風力発電「はえんかぜ」。建設現場、メンテナンス事業者などを視察。又、世界の洋上風車事情に詳しい長崎大の海洋未来イノベーション機構 織田洋一教授を尋ね取材。織田洋一 教授より

●日本の洋上風発は沿岸から60kmの海域で、今の国内電力需要の2倍を超えるポテンシャルがあるが、その98%が「浮体式」に適した海域。 

●浮体式洋上風発は、着床式より約2割高額だが、沖は風速が速く効率がいい。風車は風速が2倍なると発電量は8倍になる。
●設備利用率として着床式は概ね30%に対し浮体式は50%の実績がある。

◆普及の課題は国の制度。世界では、MSP(マリンスパーシャルプランニング:海洋空間利用計画 領海、EEZまでの海域の海事、軍事、漁業、鳥類等保護地域、風車建設地域の区割り)が、国主導で決定されている。欧米、台湾、韓国、ベトナムで整備済みだが、日本では未整備。台湾は15年先を進んでいる。日本は5km以内の共同漁業権以内の法的リスクの調整までしかできないのが現状。

●世界では着床式の洋上風力発電が1991年から30年。2025年から本格的に着床式と浮体式の時代になる。浮体式は2009年商用機エクイノール社(ノルウエー企業)が初で14年実績。2030年以降は1GWクラス(15MW×90基)の開発が増える
長崎大学海洋未来イノベーション機構は海洋エネルギー研究等の為に2016年4月に設置され2022年から秋田大学ともコンソーシアムを形成。長崎海洋アカデミーは、2020開講の技術者と作業員の養成拠点。
●浮体式風車の躯体の半分(水中部)はコンクリート製で地元業者が受注。


草島 鶴岡市沖の浮体式洋上風車実現の為に、国にEEZまでの国主導のMSP設定を強く求めてはどうか?又、長崎大と東北公益文科大学との連携やコンソーシアムを大学や県に提案しては?

市民部長 検討する


●遊佐沖2kmに15MW風車が52基立ち並ぶ、着床式洋上風発計画は、250名の不眠症を引き起こす騒音の問題、国際的なガンカモ類の渡り鳥のルートの影響、漁業への影響の懸念があり、国際的にも非常識(台湾でも10MW級は40km沖) 

関連サイト風車騒音と健康被害)国会 厚生労働委員会で川田龍平議員が2023.5.16初めて議論(風車騒音と健康被害

421_1

遊佐風車は、モノパイル基礎の着床式。視察した五島市の「はえんかぜ」はスパー型の浮体式。(図参照)
着床型風車は水深50Mまで。それ以上の水深は浮体式の海域。

浮体式風車の最新はエクイノール社の8MW風車 ハイウインド・タンペン HywindTampen 
ノルウエーの 125Km沖、水深250mの箇所にに建設2022年から稼働。


 

 


加茂風発事業 6MW×8 2023.10.16撤退!

風車モンタージュ3-1              左端は加茂水族館 10月30日JREが示したフォトモンタージュを見やすくしました。

大山         風車計画予定図 制作:NPOおうらの里おおやま再生プロジェクト 

夏大山上池下池

             大山 下池です。


ラムサール条約指定湿地(2008.10登録) 大山(おおやま) 上池・下池(かみいけ・しもいけ)国内53箇所、東北日本海側では唯一、山形県内では唯一の登録湿地です。
ここの2K〜3Kに出力6MWの大型風車(高さ最大182m)8基の建設計画の風況調査が発表されました。

IMG_3349


2023.10.16 午後 JREが加茂風発事業の撤退を市に伝えました!皆様のおかげです!

署名、反対運動へのご協力に感謝します。誠にありがとうございました!

 


10月16日、6:45PM
鶴岡市より、発表がありました。

_____________________________
2023年10月16日
 鶴岡市加茂地区における(仮称)JRE加茂風力発電事業計画について、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社より事業撤退を社内決断した旨、本日午後に、本市に対して報告がありました。
 本市といたしましては、豊かな自然環境や歴史・文化的環境等の保全と再生可能エネルギー導入促進との調和を図ることは重要な課題でありますので、今後ともその両立に向けて取り組んでまいります。

令和5年10月16日
鶴岡市長  皆川 治


JRE撤退報告
JRE撤退説明事業方針
JRE 撤退根拠資料 大山自治会が公開したものを入手。
●大山・下池を利用しない渡り鳥ルートになっている!?
●大山上池・下池で休息する鳥類が対象事業実施区域を飛翔して往来する行動はほとんど確認できなかった為、
風力事業が大山・下池に生息する鳥類に与える直接的な影響はほとんどないと考えられます。!?

●それではこれはどう説明を?マガンが大山・上池から1日間の朝だけで1000羽以上飛び立ち
多くは通過しているかもしれないが、大山上池・下池で休息するものもある。と考え得る。



—————————————————————————–

2023.8.3共同 報道

風車近くにクマタカの死骸、山形 バードストライクか

配信

 

共同通信

 

絶滅危惧種のクマタカ(環境省提供)

 山形県鶴岡市の民間の風力発電所付近で、絶滅危惧種クマタカ1羽の死骸が見つかっていたことが3日、同市への取材で分かった。風車に衝突した「バードストライク」の可能性があり、環境省東北地方環境事務所は近く現場の状況や死因について調査を行う。  死骸が見つかったのは再生可能エネルギー発電大手「ジャパン・リニューアブル・エナジー」(JRE、東京)が運営する風力発電所の近く。2021年11月から高さ約140メートルの風車5基が稼働している。  JREによると、今年6月24日、環境影響評価法に基づく事後調査の際に、調査員が施設の5号機付近で死骸を発見、回収した。




手書きの署名、又、Chenge.orgを通じてご署名いただいた皆様(1508名)合わせて1万名を超える皆様。
 本当にありがとうございました!
ご署名を頂いてからも、これまで動向を見守って頂いた皆様、大変ご心配をおかけしました。誠にありがとうございました。皆様のおかげさまです。

 JREからの発表は10月17日4時現在、未だありません。撤退の理由など、発表され次第、こちらでもアップしてまいります。

 今年で登録から15年になるラムサール指定湿地、大山上池・下池の最新情報として10月14日(土)国連が定める「世界渡り鳥の日 World Migratory Bird Day」の大山上池・下池の様子をお伝えします。(草島進一撮影)



この日、マガン約80羽の飛び立ちが確認されました。
コハクチョウは1400羽、カモは、上池1万羽、下池1万羽、合計2万羽渡来しています。(4K映像)

下池は環境省の委託事業として13年にわたりMさんが調査を続けておられますが、今年から上池でも、私が新潟県やJanetの取り組みに合わせ、毎週金曜早朝の観測を9月29日よりはじめ、現在継続中です。
 今後、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(渡り性水鳥保全連携協力事業: EAAFP) の加盟、また、今般問題となった加茂地域を含む「庄内海岸アルプスロード」界隈の雑木林地帯を30by30の生物多様性保全地域にするなど、ネイチャーポジティブ政策をしっかりと具現化していきたいと考えております。

 又、カーボンニュートラル政策として、再生可能エネルギーについても、今後は浮体式で22キロ沖の海洋への風力発電をコミュニティパワーとして可能な限り植民地型ではない方策で展開する。又、屋根上や農地の上へのソーラーシェアリングを進める等、取り組みをしっかりと政策提言してまいりたいと思います。

 鶴岡市のラムサール湿地・大山上池・下池。近くの湯野浜温泉から車で5分で来れる場所にあります。ぜひ宿泊されて、早朝のガン(オオヒシクイ、マガン)やコハクチョウの飛び立ち、カモ類のねぐらいり などの観察にぜひおいでくださいませ。10月14日現在、飛び立ちは5時15分ぐらいから6時半すぎまで、ご覧になれます。

 今後とも、かけがえのない、鶴岡の自然を未来に手渡すために、又、真に持続可能な社会づくりに、ご協力を何とぞよろしく お願い申しあげます。

(文責 ラムサール湿地近接風車建設に反対する会 事務局 鶴岡市議会議員 草島進一)


大山上池で 稀少ガン シジュウカラガンが確認されました。

 2/21映像です。シジュウカラガン10羽が飛び立ちます。

 

マガン オオヒシクイ 1000羽 以上 池から飛びたちました。2/17 映像です。

コハクチョウは5千羽、カモ類は3万羽、カモを求めてオジロワシ、オオワシが北海道から渡ってきます。


【最新情報】

2023.8.29 JRE加茂風車に反対する署名が1万筆突破。鶴岡市長に手渡しました。


2023.6.30 鶴岡市議会 本会議 請願3号「市長のJRE中止要請の撤回を求める」に反対討論

鶴岡市の予防原則に基づく中止判断は国際的にも妥当。これまでの野鳥生態調査、有識者見解などの調査で、判断するのに十分。なぜ、加茂に風車を建ててはならないのか、5つの問題点。

 

討論要旨

1)請願の賛成者は、加茂住民の半数以下

2)野鳥の調査は中止判断に十分

3)風車騒音と健康被害 39名の不眠症リスク、1680名の入眠妨害 データを無視するな!

4)尾根の開発は将来土砂災害を引き起こす増災の恐れ

5)JREは、渡り鳥の事後調査でガイドライン違反。騒音調査はデタラメ。求められたのに学習会に参加を拒み
  説明責任を果たさぬ企業。CSR、コンプライアンス違反 即撤退すべき!

 



討論原稿  
●請願3号に対して、市民の声・鶴岡を代表し、反対の立場で討論します。

 

この請願は市長が、2月1日にJREに対しておこなった事業の中止要請に対して撤回を求めるものであります。市全体の政策判断について真っ向から撤回を求める、とても重大な請願であると、とらえます。

1)請願は加茂住民の総意か? ーー住民の半数にも満たない賛同署名。総意ではない。

まず、この請願でありますが、あたかも、加茂住民を代表する、ようなかたちで3月議会に提出されたものでありますが、これは加茂住民の総意なのか、何パーセントの方々の、賛同によるものなのか。この間、調査をいたしました。

 

請願には、加茂地域の振興会の会長、町内会連合会の会長、PTA 会長の名前が記されているようですが、地域を代表しているということではなく、あくまで有志3名とのことでありました。

で先日、確認したところ、6月15日現在、請願に対して、署名数 2023筆 ということですが、加茂地区 住民数4月1日現在、881名のうち、請願に賛成する署名393筆。 率として44.6% とのことであります。加茂住民の半数も満たしていないということであります。又、この3月、4月は、各自治会の総会の時期だったと思いますが、この請願は、総会などで住民の総意とする決議などは全くおこなわれていなかった。そういう類(たぐい)のものであるということを確認いたしました。


つまり、この請願は、加茂住民の総意ではない。加茂住民の半数にも満たない方々の請願であるということが明らかになりました。

 地域の中でさえ、過半数にも満たない。地域一丸となった請願ではない。このことは、市の決定に対して、政策転換を求める地域住民の声としては、強いものとはいえない。市が検討するに値しない、という事だと思います。

 
市当局や議員の判断材料として、このことは、先ず踏まえるべきであります。

 

次に、
ラムサール条約湿地に飛来する、水鳥への影響についてです。

 

●請願賛成論者からは、調査がおこなわれていない。調査をおこなってから判断をすべきだ。などという主張も聞かれましたが、ラムサール条約湿地である大山上池、下池に飛来する水鳥については、毎年10月から4月までは、月7回の頻度でこれまで13年間にわたって、明け方から数時間、飛び立ちと生息数を確認する調査が、環境省の委託事業で、下池の湖畔にお住まいの調査員の方によって、完璧におこなわれています。

その調査では、ガンカモ、コハクチョウの飛来数の他、オオワシ、オジロワシ、クマタカ、オオタカ、稀少猛禽類の営巣地を含む詳細にわたる調査がおこなわれ、環境省のデータとなっています。

特にカモ類は2万から3万羽、東アジアの1%もの数がこの地に飛来する。それがここのラムサール湿地としての要件を満たす数になっています。

 

3月議会でも、示しましたが、上池では稀少なガン類の1種である、シジュウカラガンの飛来が確認され、天然記念物に指定されているマガン、オオヒシクイ1000羽の飛び立ちも確認できました。コハクチョウは約5千羽が飛来しています。

カモ類を求めて、サハリンや北海道からオオワシ、オジロワシが渡来しており、熱心に下池に通って撮影する多くの市民の方がいらっしゃる事も確認しました。

冬を過ぎても、この6月1日には、上池で珍しい、沖縄原産のシロハラクイナが観察されたり、カンムリカイツブリの繁殖が確認されたりしています。

 

●国際的な水鳥の生息地を保護するため、各国で特別保護地区などに指定されているラムサール条約湿地は、世界172カ国、2493箇所 共通のミッションとして、特に、ガン・カモ・ハクチョウ類などの水鳥にとって楽園、サンクチュアリでなければならない湿地であります。サンクチュアリということは、そこに来ることで、安心して生命(いのち)の維持をはかれるということです。
 その鳥たちがねぐらにする上池・下池から5km圏内は採餌や飛翔のための行動区間であり、国際的にも、その、5キロ圏内に、鳥たちにとって脅威となる風車、それも6MWもの巨大風車が建っている事例は見当たりません。その区間に鳥たちにバードストライクなどの脅威となる構造物の建設をすることは、当然ながら、おこなっては、ならないのであります。

 

●加茂から三瀬の尾根伝いとその周辺全体は、秋田の大潟村から新潟の福島潟や佐潟に飛ぶガン、カモ、コハクチョウの渡りルートであることは、山階(やましな)鳥類研究所などで実際に発信機をつけたガンの調査などで明らかになっており、私も上池で、高舘山から尾根伝いに新潟に向かって飛ぶガンの群れを目視しています。

 

又、渡りルートはその日、その時の風況にあわせて、上昇気流を上手に使って渡りをおこなうため、尾根づたい、海側および内陸側に幅2〜3kmの回廊がそのルートになる事は、鳥類の研究では常識的であります。

 

昨年の2022年ラムサール締約国会議 で日本人で初のワイズユース賞と山階(やましな)賞をダブル受賞、そしてこの6月16日に環境省 環境保全功労者表彰 環境大臣賞に輝いた、世界が認める、ガン・カモ類の野鳥研究者でありシジュウカラガンやハクガンを、3羽まで減った、絶滅の危機から実際に1万羽まで回復をさせた保護活動家である呉地正行さんは、このように指摘しています。
 

「大山・上池・下池は、日本海側を渡る大型水鳥の、コハクチョウやオオヒシクイなどの多くのガン類、及び他に例をみないほど多くのマガモなどにとって欠かすことができない重要な生息地です。
 そのために国際的に重要な湿地の保全、賢明な利用、啓発普及をめざす、ラムサール条約湿地に登録されています。

上池・下池を訪れるこれらのハクチョウやガン類の多くは、冬になると北の繁殖地から国境を越えて渡ってきます。

またここに滞在中は、夜は上池・下池をねぐらとし、日中は周辺の広い水田地帯で採食し、頻繁にこれらの地域を飛び回って移動します。

これらの渡り鳥の生活圏内に計画されている風発事業が計画通り行われると、上池・下池をねぐらとする、ハクチョウ類やガン類などに重大な影響を与える恐れがあります。またその影響は、ラムサール条約湿地としての同池と、周辺の自然資源の価値を著しく損なうことと、なるので、この風発計画は中止を強く求めます。」

更に具体的な指摘として。
上池・下池に飛来する、ガン、カモ、ハクチョウ類は、秋と春に、渡りの経路となっている日本海の海岸線沿いに南下、北上するものが多く、風発建設予定地を含む丘陵部を越えて上池・下池に立ち寄ると考えられる。予定通りに風発が建設された場合、上池下池を飛び立ったハクチョウ類が、同池からの距離が1.8-2.0㎞と近い標高120-150mの丘陵稜線に建設される高さ182mの風車を飛び越えることは、物理的に困難である。
その理由は、上池下池の水面と風発のブレード先端までの高度差は、282-312mあり、その仰角は、8.03-9.80度となる。

これはハクチョウ類の上昇能力をはるかに超え、風発への衝突やそれを回避するための体力の消耗への影響が、風発建設後は継続的に起きることになり、ガンやカモ類をはじめ他の鳥類にもその影響は及び、その結果上池下池への渡来数が減少し、ラムサール条約湿地としての基準を満たさなくなる可能性もある。

 

この世界的な鳥類研究者である、呉地さんの声、は大変重いものです。

今、世界レベルで、山形県唯一のラムサール条約登録湿地の扱いに注目が集まっています。これを無視した行政判断ができないと言う事は 当然であります。山形県もこの国際条約登録の湿地の近くでは風発建設は望ましくないとし、鶴岡市の中止の判断は、国際的な視点からも妥当であります。

 

また、日本野鳥の会 自然保護室 主任研究員、浦 達也さん。この方は国内をはじめ、海外へも派遣調査に行っており、世界中の風車と野鳥との問題やゾーニングの状況を調査し、現在、環境省の環境影響評価のあり方に関する検討会などに参画され、国内では最もこうした問題の真相を知っている方です。鶴岡の状況を視察した上で見解をいただいています。

浦さんからは、加茂風車は、ラムサール湿地に2キロ位の風車であり、近すぎると、現地視察を通じて、改めて思いました。これを許すと、全国、世界のラムサール登録湿地の悪しき先例になってしまうので、世界的な視点でも、絶対に阻止しなければならない。との見解でありました。

 

また、現在の環境アセスの課題として、事業者はよく調査結果を見たうえで、事業の白紙撤回もあり得ると言うが、しかし実際には、アセスが進めば進むほど、つまり事業の進行に費用をかけるほど、事業者は事業の根本的な見直しや撤退を行うことはほとんどなくなる。見直したとしても、当初から計画した風車の本数を1,2本減ずるぐらいの対応が常である。

こうした、そもそも問題が大きい事案は、アセスが進む以前に、予防原則として判断することが賢明であり、今般の鶴岡市の判断は妥当である。との見解であります。

 

又、今、ラムサール湿地から5km地点の矢引 風発事業について、環境アセスの準備書の手前の段階になっていますが、5kmであっても事業者に対して、ラムサール湿地が周辺に存在するので、影響回避方策を講ずるべきという、環境大臣意見、経産省意見が提出されています。矢引よりも、ラムサール湿地に更に1.5kから3kmなどと近接する、6MWと巨大な風車の影響は、鳥類にとって甚大と考える事は容易であり、これを考慮しても、認めてはならないと判断する事は当然であります。

 

●又、酒田には、庄内唯一の風力発電事業者がいらっしゃいます。その環境影響調査の担当の声をいただきました。そのご担当は、三瀬から加茂地域について風車建設のための調査したが、ラムサール湿地に飛来するガンカモ類の渡りルートに影響することを踏まえ、地元の、有識者の聴き取りの段階で、早々と計画の中止の判断をした。とのことでした。

そのご担当からは特に加茂区域は、絶対にやめていただきたい。とお話をうかがいました。また、御指摘として、JREは、文献調査はおこなっているかもしれないが、地元の野鳥研究者の話を全く聴いておらず、それこそ最大の問題ではないのか。その声をしっかりと受け止めれば、建設できない地域であることは容易に解るはずだ。

所詮、風力発電事業者がおこなう調査というのは、月に何回かレーダーで調査をしたりするようなものだ。事業者としては「飛んでいない」データを求めようとする傾向がある。そんな、にわかに、おこなう調査結果よりも、この地で長年、日々調査をしてきた情報の方が断然信憑性がある。というご見解も伺いました。

 

市長や市は、特に2008年に登録したラムサール条約湿地に飛来する水鳥、猛禽類への影響について、

これまでの環境省の委託調査をはじめ、地域の調査員や、呉地さんや浦さんのような専門家から聴取した調査データ、渡りルート、保護の考え方、又、環境省自然環境局から示された累積的影響や予防原則を踏まえ、中止を判断するに十分なデータがそろった。として1月末に判断をし、2月1日にJREに中止を要請したものであります。

 

これに対して請願賛成論者の「調査もしていないのに判断した」等の見解は全く論外であります。請願賛成の議員ならびに加茂風車に賛成の市民の皆さんには、国際的な条約である、ラムサール条約が如何に重要で、鳥類の調査とはどういうもので、どのように保全をはかっていかねばならないか。きちんと学び直していただきたいと思います。


また、次に風車騒音と健康被害の影響についてであります。

 

昨年12月の質問以降、この案件については、5月16日、国会、参議院厚生労働委員会にて、立憲民主党 川田龍平議員が質問をしました。

まず、事業者がよく根拠にする環境省指針「国内外で得られた研究結果を踏まえると、風力発電施設から発生する騒音が 人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。」という点について、影山隆之 元国立環境研究所主任研究員、大分看護科学大教授らが1000人規模の疫学調査で、住宅に近接した風車騒音により、明らかに睡眠影響、睡眠妨害が発生しているということを示し、指針の見直しを求め、又、欧州WHO勧告が求める上限値を定めた規制値を求めています。環境省は風車の睡眠影響について認める答弁をし、厚労大臣は今年度おこなわれる睡眠指針の見直しの際に提言を踏まえ検討していく旨答弁をしました。

 影山先生の疫学調査結果を踏まえた学会誌で発表されたソフト、(H-Risk)でのシミュレーション結果では加茂の風車計画では39名の不眠症リスク、入眠妨害1680名というリスクがでています。これについて委員会で請願紹介議員に質問がおこなわれていましたが、JREの見解を鵜呑みした「問題なし」という答弁でした。最新の知見や科学を無視し、住民に生じかねない健康リスクを、全く踏まえない発言であり、ひどいものだと思いました。

6MW風車では1基でも2.5KMの住宅からの離隔距離をとることが必要であるということを、北大 田鎖助教が示されています。これを踏まえても、この計画地域内には、一本も風車を建てることができないことは明白であります。

 

もう一つ、土砂災害のリスクについて、加茂住民の方からも懸念が表明されておられました。
今回の風車の計画で想定される山の尾根の開発について、これは山梨大学教授、防災推進機構 理事長 鈴木毅泰(すずきたけやす)先生の見解をお伝えしたいと思います。

 

先生は、山の、特に尾根の開発で森林伐採をし、風車の部品を運ぶための道路や設置場所をつくる、今回の加茂、矢引のような建設の際の問題を指摘されています。

尾根の樹木、特に加茂地区の広葉樹などの場合、樹根と菌糸により、生態系と地盤の安定を保っています。樹木の根が岩盤をおさえており、広葉樹がアンモニア態窒素や硝酸態窒素を吸収してくれている。しかし、尾根を開発すると、こうした地盤の安定や、保水能力、水涵養機能が消失する。

要は第2、第3の、昨年末の西目の土砂災害のような事を将来的に誘因(ゆういん)するリスク、つまり、「増災」が生じるということであります。

こうした問題は、将来世代にわたっての地域住民のいのちに関わる問題であります。きちんと問題意識をもつべきであります。


●次に事業者、JREの問題についであります

 

一般質問などでJREと市とのやりとりで、市の方に問題があるなどという見解がみられたので調査をしました。

 市ではガイドラインを設置しています。そのガイドラインには、風力発電施設の想定事業区域から 2km 以内の範囲に含まれる住民自治会 などに対して、 事前に説明会を実施し、景観の変化を視覚的に表現したシミュレーション画像 等具体的な資料を提示し合意形成を図るものとする。

 風況調査開始前、又は環境アセスメント手続き開始 6か月前のいずれか早い時期までに、当該事業の計画概要について風力発電事業の実施に係る事前協議届出書に、必要な資料等を添付し、市に対して事前に説明を行なうものとする。とあります。

JREは、6月24日に事前協議届け出書を提出しにきたが、後日、その時点では、住民自治会などの合意形成がおこなわれていなかったことがわかったことから、市は受理しなかった。
 その後JREは住民自治会への合意形成をおこない必要書類をそろえて11月29日に市に提出し、12月7日にその内容の説明をした。市はその時が提出日と答えた、ということと、確認できました。
 その後JREは、社の都合で、受理を6月にしてほしいなどと、ガイドラインに反する要求をしてきた。市はそれには応じられないと拒否した。こういう経過であり、市に全く非はありません。非があるのはガイドラインを踏まえないで不当な要求を繰り返すJREの方ということであると、改めて認識いたしました。

 

JREには更に問題があります。

 

●三瀬で稼働している風発事業についてであります。
▽JREは三瀬の風車稼働以降、クマタカ、バードストライク、コウモリのバットストライクの調査をおこなっています。しかしながら、月2回の頻度ではバードストライクの調査としては成り立たないのであります。なぜか。落下してから1週間以上放置されればきつねなどに食べられて痕跡がなくなるのが常なのであります。

環境省からガイドラインがでていて、最低でも月3回の頻度で事後調査をおこなわれなければならないとされています。それに完全に違反しています。

稀少猛禽類のクマタカ、天然記念物 ニッポンユビナガコウモリが、ストライクされて死んでいるかも知れません。野生生物の生態系影響に関して、「調査結果がないから影響はないかと」という見解。こういうデタラメは、即やめていただきたいし、渡り鳥のルート上に風車を建設している、事業者の姿勢が、最も問われる事であります。

▽また、風車騒音の調査については、頻度、風況とともに科学的な事後の検証がおこなわれていない。田鎖北大助教は調査手法がデタラメだと、言及されておられます。 私は、先日三瀬地区を歩いて聴き取りをする中、実際に風車から1km位の住民から、家の二重窓を閉めても相当音が聞こえます。という声をいただきました。騒音の実態や、睡眠障害が生じていないかなど、しっかりと事後の調査をおこなうべきであります。

 

▽又、由良、三瀬地域が北限で知られる、コシノコバイモなど、稀少植物の植生について移植して保全するとしていまたが、事後の詳細報告が全くおこなわれていません。移植してどのように活着したのか、未だに報告がなされていないのであります。

 

事業者JREの姿勢に完全に欠陥がある。と私が判断したのは、2月5日の加茂住民他、有志が企画した学習会への出席を拒み、説明責任を果たさなかったことであります。
 2月5日の学習会に、ほぼ、一月前から実行委員長がJREに対して出席要請をおこない、私もJREのCSR担当に何度もメールや電話をおこなって依頼の催促をしました。親会社のENEOSのCSR担当者にも連絡し出席を促しました。

結局、全く受け付けず、説明を拒否し、住民の抱く疑問に全く応えることがなかったのであります。風車事業の説明文書すら、提供を拒まれました。

この事をもって、この事業者は完全に失格だと私は認識をしました。

 

 先日、6月15日には、加茂地区の住民に限定して非公開で説明会を開いていましたが、市民を区別、差別するような姿勢であり、大変失礼千万。論外であります。JREは、企業としてCSR、コンプライアンス、完全に失格であります。

 

 先日の加茂地区住民限定の非公開説明会では、加茂住民の方を対象に4つの地域貢献ということが示されていました。1)奨学金制度 2)5万円のランドセル購入費補助 3)学習コンテンツノートの配布 4)企業版ふるさと納税
であります。
 また、現在稼働している三瀬八森山の風車では、風車に近接する5自治会に対して、年500万円、例えば三瀬自治会には年240万円が地域貢献費用として納入されているとのことでありました。 こういうの、ありがたいと思う自治会はあるかもしれませんが、私には、住民の顔を札束でひっぱたいて、懐柔(かいじゅう)しているようにしか受け取れません。

風車の建設の賛否などについて、正しい住民の判断ができなくなると考えますし、住民自治への介入ではないでしょうか。

20年で約1億円ですが、全体で、推定で約200億の儲けと見込まれる事業のほんの一握りであります。

加茂の場合も、こうした補助金を当てにしての、風車推進の請願なのでしょうか。
加茂の森林の管理にこうした風発事業者からの補助金を充てたいと言うことでしょうか。森林管理は森林管理として、きちんと地域で取り組むべき事ではないでしょうか。

 私のところには、こうした姿勢の地域の議員や町内会のやり方に呆れて、加茂を離れました。引っ越しました。という方から報告がきております。地域のリーダー達が、ミスリードして、地域の中で、分断を引き起こしているのでは ありませんか?

風車事業者の地域還元については、庄内町のように、自治体に還元するのであればわかりますが、事業者が、立地地域の自治会に直接補助金を納入し、住民自治に介入するようなやり方は、辞めていただくべきであります。

 

事業者にいいたい。
こんなカネがあるなら、先ずは三瀬八森山の事後調査の手抜きやデタラメを直ぐに改めていただきたい。

又、現在、9000名を超える署名を集めている、疑問をもつ市民に対して先ずはしっかりと説明責任を果たすべきであります。

そして、市の中止要請を真正面から受け止め、早々に撤退をしていただきたい。

もうあなた方に、信頼はできない。加茂、矢引含めて、早く撤退をしてください。

 

請願の紹介議員に言いたいのは、

問題行動が続いている事業者の、いわば不当な要求にのみ耳を傾け、市を糾弾するような姿勢は、完全に間違っています。

今すぐに改めていただきたいと思います。

以上の点をもって、この請願に対し,断固反対を表明いたします。


又、万が一請願が採択されたとしても、市が、2月1日の事業者への中止要請を撤回すべき理由は、どこにもありません。優先順位は自明であります。
 

今回、まさに今、カーボンニュートラルに並ぶ目標である、ネイチャーポジティブの時代にふさわしい判断をした、市長及び市当局を私は絶対的に支持をします。

ラムサール湿地を守ろうと署名を書いてくださった約9000名の市民の思いとともに、又、世界を行き交う水鳥たちを守るために、世界172カ国、2493箇所のラムサール登録湿地の保全に日々ご尽力されている、世界の方々と連帯して、信念を、ぜひ貫いていただきたいと思います。

そして、ぜひ以前から私も提案をし、先日も市民の方々から求められた、ラムサール湿地から5k圏内を、早期にバッファゾーンとしてガイドライン上の保護地区にしていただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

この請願は調査を求めるとは、なっていますが、市が、詳細、慎重の調査をした上で、予防原則に基づいた判断した事に対して、要は風車を認めろと言っていることに他なりません。

議員のみなさん。

こんな請願に賛成し、世界に例がない、ラムサール条約湿地の5キロ圏内に、巨大風車を認めるべし、なんて議会が決議したら、それこそ、世界の非常識として、議会の見識が問われ、国際社会から非難されますよ。

そんな恥ずかしい議会にならないように、みなさんの賢明なご判断を求めるものであります。‘

以上であります。

 


2月5日、JREも招き、考えるつどいを開催するつもりでした。(市民有志の実行委員会主催)→JREが出席と説明文書提供を拒否 主催者に1/27、2/3 草島抗議と要請、再要請提出。ENEOS CSR担当にも「コンプライアンス違反ではないか?」と連絡し、出席を求めました。2/3、15:30 最終的にJREは出席拒否。当日の映像です。


 


2/1鶴岡市長が、臨時記者会見でJREの加茂風車、中止を求めることを表明 

市長会見
本日、昨年11月29日付けで、鶴岡市における風力発電施設の設置等に係るガイドラインに基づく届出のありました、ラムサール条約登録湿地に近接した、(仮称)JRE加茂風力発電事業について、事業者に対し中止を求めることとし、先ほど当該事業者に申し入れを行ったところでございます。 中止を求めることとした理由を申し上げます。 山形県におきましては、山形県再生可能エネルギー活用可能性調査報告書におきまして、風力発電の導入の候補地として抽出しておりますが、ラムサール条約登録湿地近傍であり、望ましくないと公表しているところでございます。 国では、当地は、国際的に価値があるラムサール条約登録湿地が近接しており、バードストライクや鳥の営巣、採餌場などへの影響を強く懸念しております。 また、一定の地域に複数の事業が集中する場合には、飛来ルート、採餌場への移動などへの累積的な影響が懸念される場合があります。 特に、ラムサール条約湿地に登録されるような、重要な生態系では、事前に慎重に判断することが重要との助言を各方面よりいただきました。 本市といたしましては、これら自然環境に詳しい方などに聞き取りを行った結果、(仮称)JRE加茂風力発電事業に関しては、県で唯一登録されているラムサール条約登録湿地の近傍であり、クマタカなどの猛禽類の生息・営巣や、渡り鳥の生息への影響、また、自然環境、景観への影響が懸念されることから、「鶴岡市における風力発電施設の設置等に係るガイドライン」の制限対象区域に掲げる、日本遺産認定の「出羽三山」及び国指定名勝「金峯山」に関連する区域など、本市の豊かな自然環境や、歴史・文化的資源から構成され良好な景観を形成する区域に相当すると判断をしたところでございます。 以上のことから、予防的措置の観点も含め、今回の事業に関しては、中止を求めたところでごさいます。
→大英断におおきな拍手を送ります。

NHK 報道
朝日新聞デジタル報道


1月15日、午後1時30分〜 ラムサール賞受賞者 呉地正行 講演会
ガンのいる風景  大山、上池・下池に飛来するガン オオヒシクイ、マガンなどの生態の現状や課題がよくわかります。

 


12/15朝日新聞山形版に掲載

 

10月16日2022 6:10AM. 大山・下池 コハクチョウのねぐら立ち
ここから2Kmに風車計画!?


▽11.8 現地時間11.7  スイスジュネーブで 第14回ラムサール条約締結国会議 表彰式がおこなわれ、大山 上池・下池の登録にもご尽力いただいた、呉地正行さんが受賞されました。当会、大山上池、下池へのメッセージも頂きました。


▽議会報告会11.2 行いました。前半30分間、風発問題をとりあげ、参加者と質疑応答。しています。

 

▽11.4 市長記者会見の場で、大山、加茂、上郷 3地域の自治会で風況調査に応じる事に同意した事が明らかになった。(山形新聞報道より)

▽11.2 「ラムサール湿地近接風車建設に反対する会」設立、 署名開始記者会見をおこないました。

 当日会見全編動画

さくらんぼTV報道 11.2

産経新聞ーYAHOO報道 11.3


▽10月30日 今泉自治会でのJRE説明会を傍聴しました。(草島)
暫定位置図が9月に大山自治会にモンタージュを示した時と変わっていることを発見。No5が、海側から山側へ移動。対応する自治会によって、風車の位置を変えて、フォトモンタージュを作成しているのでしょうか? おかしくないですか?

10月30日 今泉自治会へ示した暫定位置図
JRE位置図

9月13日、大山自治会に示された暫定位置図 住民のお一人より入手IMG_3377


▽10.24  今年、日本人3人目のラムサール賞、山階芳麿賞をW受賞された、日本雁を保護する会 代表 ラムサール・ネットワーク日本 理事 呉地正行さんからメッセージが届きました。

「大山・上池・下池は、日本海側を渡る大型水鳥の、コハクチョウやオオヒシクイなどの多くのガン類、及び他に例をみないほど多くのマガモなどにとって欠かすことができない重要な生息地です。そのために国際的に重要な湿地の保全、賢明な利用、啓発普及をめざす、ラムサール条約湿地に登録されています。上池・下池を訪れるこれらのハクチョウやガン類の多くは、冬になると北の繁殖地から国境を越えて渡ってきます。またここに滞在中は、夜は上池・下池をねぐらとし、日中は周辺の広い水田地帯で採食し、頻繁にこれらの地域を飛び回って移動します。これらの渡り鳥の生活圏内に計画されている風発事業が予定通り行われると、上池・下池をねぐらとする、ハクチョウ類やガン類などに重大な影響を与える恐れがあります。またその影響はラムサール条約湿地としての同池と周辺の自然資源の価値を著しく損なうことなるので、この風発計画は中止を強く求めます。」

呉地さんは大山 上池・下池の登録に際し、2000年当時に足繁く現地に足をお運びいただき「ラムサール条約」について、当時の「尾浦の自然を守る会」のメンバー等に情報提供いただいた方で、大山 上池・下池の登録への立役者ともいえる方です。

▽10.19 Change.org 「ラムサール湿地の近くに風力発電所はいらない」署名開始


▽10.18 「ラムサール湿地近接風発事業に反対する会」立ち上げミーティング
▽9.30  9.7の環境保護団体の中止要請について鶴岡市からの回答がありました。

「加茂地区風力発電事業に対する本市の意見等については、今後の環境影響の手続きとそれに係る現地調査等を踏まえ、国・県の助言をいただきながら、鳥類等自然環境と景観等に対する影響を精査し、検討してまいります」

▽9.16.   地元紙「コミュニティしんぶん」令和4年9月16日号に掲載 鶴岡市のNPO法人「おうらの里おおやま再生プロジェクト」と環境保護団体「出羽三山の自然を守る会」が反対。

▽9.13  大山自治会で、JREのフォトモンタージュが示される中で協議 風況調査をおこなうことに賛成多数で承認。


9月12日(月)草島、加茂地区風力発電問題で、一般質問をおこないました。

質問と答弁 全文はこちらへ リンク(9/15更新) 

主な質疑内容

▽草島 条約湿地から2Km〜3Kmと、全国一ラムサール条約湿地に近い場所への風力発電計画として、条約委員会が発行する「モントルーレコード」に掲載される危惧があるのではないか?

●市民部長「計画地がラムサール登録湿地に近傍しており、本市としても、その影響に対して慎重に検討する必要がある。」


▽草島 ラムサール条例湿地から半径5キロのバッファゾーンを含めて設置を認めない」と市の風力発電ガイドラインの制限区域に加えることを求めるがどうか?

●市民部長.    本市ガイドラインの制限対象区域として、具体的に例示している区域は、出羽三山および金峰山に関連する区域となっております。同じく、制限対象区域としては、本市の豊かな自然環境や、歴史文化的資源から構成される良好な景観を形成する地域としており、この度の計画区域につきましては、ラムサール条約登録湿地に近接していることなどから、その区域に該当する可能性がございます。したがって、住民の同意や鳥類などの生態系及び景観等への影響について、専門家等にも相談して慎重に判断していく必要があると考えております。


▽草島 同事業者が進める湿地から5Kの矢引発電所計画の時点で、野鳥に影響が懸念され調査を求める環境大臣意見、経産大臣意見が付されている。ラムサール湿地周辺の調査資料は、矢引の段階で業者は調査が課せられている。まずは矢引の段階での調査の報告を求め公開すべきと考えるがどうか。

●市民部長 矢引の計画は法アセスの最中。業者は県、国の環境大臣意見、経産大臣勧告を受けて、調査結果と環境保全対策を書いた準備書の策定段階。今後提出される準備書を市はインターネット等で公開する。


ラムサール条約湿地認証自治体への登録を提案 
▽風発事業者のミチゲーション代替保全を地域貢献として促すなど西茨新田湿地の保全を提案 
生物多様性締結国会義COP15での新たな枠組 30BY30を踏まえた生物多様性地域戦略を提案

▽草島 風力発電事業ですが、上池・下池から5Kmの矢引の計画の時点で、環境大臣も経産大臣も野鳥への影響を懸念していますし私も懸念しています。でも矢引までは認めたいと思います。再エネを進めたいですから。でもその先は絶対NGです。地域還元の薄い植民地型開発という点でも、矢引までにしていただきたい。と思います。
 国際的な保護地域であるラムサール条約湿地と半径5kmのバッファゾーンは、30By30を踏まえた保全地域として認定登録するなどをおこない、善寶寺から高舘、荒倉、由良までぶな林の自然豊かな14Kmを散策できる通称 「庄内海岸アルプスロード」を、新たなハイキングトレイルとして発信するなど、「鶴岡だからこそできる」生物多様性戦略を前に進めていただきたいと考えます。 市長の見解を求めます。

市長 今、草島進一議員さんからご質問をいただいた点でございますけれども、議員が2001年3月議会でラムサール条約の指定について、提案をされていたということについて、改めて敬意を表する次第でございます。国際的な動向、30by30のお話もございましたけれども、この生物多様性戦略、大変重要だと私も受け止めております。この度の計画はラムサール登録湿地の大山上池・下池、自然休養林の高舘山に近接しておりまして、多様な動植物の生態系が活用されている大変重要な場所でございます。また、環境大臣、経産大臣についてのお話もありましたけれども、山形県におきましても、平成20年3月の報告書におきまして、ラムサール湿地が近傍であり、望ましくないというような注意書きを付して風力の候補地の抽出がおこなわれております。この現在ですね、地元の説明会、住民説明会がおこなわれているところでございますので、先ず住民の合意のゆくえも注意しつつ、そして、国や県、そして専門家にも十分ご意見を頂いて、この生物多様性ということに十分配慮した取り組みを推進していく必要があると認識をしております。


●計画の位置関係
JREは、
▽三瀬八森山に風車建設 5基17MW (ラムサール条約湿地から8Km)2021年12月から稼働
▽矢引(現在環境アセス中)7基30MW(条約湿地から5km)
▽加茂(新たに風況調査申請)8基40MW(条約湿地から2Km)IMG_3349


一般質問の際、市長や市民部長が示した「山形県再生可能エネルギー活用可能性調査 報告書」18Pの記述。「候補地が抽出されるがラムサール湿地近傍であり望ましくない」とあります。

IMG_2893


IMG_3345
荘内日報2022.9.14


山形新聞2022.9.13に掲載


質問文中、 「バッファゾーン」とは、「緩衝地帯」のことです。
世界遺産などで指定された保護すべきコア部分を守るために必ずバッファゾーン(緩衝地帯)が設けられています。特に鳥類などを守るためには必須であると考えます。植物相でも白神山地や屋久島などで設定されています。

 

http://www.gakugeipub.jp/judi/semina/s0406/ku013.htm 
画像を引用しました。


9/17更新 議会質問で指摘した「矢引風力発電」の環境配慮書に対する調査報告書より
「風力発電におけるセンシビティマップ(環境省)より。この、大山地区は、大変重要な渡りルートであることがよくわかります。JREは、現在「矢引風力発電」の方法書への指摘に対し、準備書の提出が未だの状態です。

センシティビティ

9.13  大山住民へ示された暫定配置図 加茂集落から600m 今泉から300m!  加茂水族館から600m 大型風力で最近話題の超低周波問題など十分に考えられる距離だと思います。

IMG_3377

以下、9/13 大山自治会に示されたフォトモンタージュの一枚。 高さ180mで本当に想定してつくっているのか?誤魔化していないか?疑問が沸いてきます。

IMG_3374


9月7日、出羽三山の自然を守る会 佐久間憲生氏、鶴岡自然調査会 水野重紀氏が、皆川市長に風車建設の中止の要望書を提出しました。


R0061860

IMG_2919 2

要望事項                             
加茂地区の風力発電計画は中止させていただきたい。

要望理由

1 計画されている地域は、2008年10月にラムサール条約に指定    された「大山上池・下池」に隣接します。高館山や都沢湿地を含めて    約200種の野鳥が確認され、秋にはコハクチョウ・マガモを中心とした冬鳥の飛来地となっており、その貴重さは周知のことです。また、これらの渡り鳥のルートにもあたり風車に対する野鳥の衝突の可能性が高く危険です。

2 計画されている加茂地区は日本遺産として「荒波を越えた男たちの    夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」として2019年に    追加認定された地域です。この認定にあたり、当時の鶴岡市は2017年に既に指定されていた酒田市と同等の貴重な地域である事を強調して追加認定に至ったもので、自他共に大切にしなければならない地域です。鶴岡市のガイドラインでも日本遺産には風力発電施設は設置しない、としています。

3 高館山から荒倉山、由良に至る尾根筋は現在、「日本海アルプス」と    紹介され、低山の山歩きに広く利用されております。また多くの山野    草が自生し、帰化植物が少なく自然度の高い、市民が手軽に訪れるこ    とのできる花の山として脚光を浴びております。計画はこの地帯にあ    って、市民の利用は制限され自然の破壊につながるだけでなく、景観    をも壊します。

4 計画されている地域は住宅地と隣接し、鶴岡市の風力発電施設の建設    に関するガイドラインの、住宅地から600m以上離れていることに    抵触します。


山形新聞9.8に掲載

TV https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tuy/146280?display=1&fbclid=IwAR2GPuky2D3g4gZfo3bLd12wLPSRiHbJotH0LrSsadyVUZZQnnguOuvHE08

https://www.yts.co.jp/news/news-94127/?fbclid=IwAR2zyWoY_wNOm9EqICNqXp_7Fpp7ODeURblvWL4JuzQvPJzpLC0rLmtZHtU

https://www.sakuranbo.co.jp/news/2022/09/08/2022090800000004.html


2022.7.12、大山コミセンで「加茂風力発電開発事業」についてのJREの説明会がありました。

ラムサール条約指定湿地の隣で風力発電開発!?

上池から尤も近いもので約1.7km. 約2km~4Kmまでの間に8箇所、高さ180Mの風車が乱立する計画。開発者はJRE(ジャパン・リニューアブル・エナジー)

一連の説明の後 住民の方々の質問に続いて、質問。

全国53箇所しかない、水鳥の生息地として国際的に重要とされる、ラムサール条約指定湿地である下池、上池に隣接しての計画であり、もしも影響があったら条約剥奪の恐れもあるのでは。認識は?予防原則に基づいて検討すべきではないか?
なんとなく、粛々と環境アセスや風況調査を進めるというような回答で、事の重大さに気づいていない感じがした。  

 渡り鳥の聖地(サンクチュアリ)、ラムサール条約指定湿地 の隣で風力発電開発。 

 これは、さすがにないな。こんな計画を認めたら、環境省的にも、国際的にも大問題になりそうな気がする。なによりこの高舘周辺の自然環境をこよなく愛し、保護、保全を行ってきた地域住民、鶴岡市民に申し訳ない。

 ラムサール条約の指定については、富塚市政時代、2001年3月に市議会で初めて提言したものでもあり、私にも思い入れがある。 

 これは流石に、早めに撤退頂いた方がいい。ご意見求めます。


JRE の説明資料(加茂地区での説明会で配布されたもの)PDF
 

IMG_1421

暫定配置図(1月加茂説明会であったが、大山説明会では省かれていた。)
水色が大山下池、上池。ラムサール条約指定湿地に登録されている。(筆者着色)
       ラムサール風力鶴岡

尤も近い暫定配置ポイント(WT06)と上池の距離は1.7Km. 約2Kmしか離れていないことがわかる。
2Kmから3.5Kmの付近に8基並ぶ計画であることがわかる。

IMG_1504
IMG_1427 2

高さ182m 出力6000Kw  三瀬のが出力3400kw 最近の風車は大型化の傾向がある。採算性重視のため、最大値を目指して建設すると想定される。
IMG_1422

IMG_1423 IMG_1424


ラムサール条約指定について(鶴岡市のホームページより)


大山上池・下池は、国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」湿地として認められており、平成20年(2008年)10月30日、韓国・昌原(チャンウォン)市で開かれた第10回ラムサール条約締約国会議にて登録証が授与されています。


 ラムサール条約指定湿地について、私は平成13年(2001年)3月、9月鶴岡市議会で提案をしています。(以下議事録参照)その後、環境省からのはたらきかけもあり、市当局や、大山の地元自治会、土地改良区の理解が深まり、正式申請。平成20年 2008年10月、当時の神尾議長や大山自治会の会長ら市民8名と当時の市の企画部長小林貢氏が韓国の会場に行き、登録証を授与されたものです。

下記の図のように、山形県内、東北の日本海側で唯一の登録湿地が鶴岡の大山、上池、下池です。野鳥の集団飛来地としては山形県唯一の国指定鳥獣保護区 特別保護地域でもあります。

2022.8現在 コハクチョウ3千羽以上、2万から3万羽のマガモの他、
国の天然記念物に指定されている 準絶滅危惧種 オオヒシクイ 1000羽、
絶滅危惧種Ⅱ類のヒシクイ200羽 準絶滅危惧種マガン200羽 
珍しいものとしては
絶滅危惧種ⅠA類ハクガン30羽 ⅠA類シジュウカラガン 若干
又、高舘山と荒倉山の中間にあたる建設予定地には絶滅危惧ⅠB類であるクマタカの営巣地があること。又、秋ごろからいずれも国の天然記念物の絶滅危惧ⅠB類 イヌワシ、絶滅危惧Ⅱ類のオオワシ、オジロワシが周辺で頻繁に見られるという事を確認しました。
現在 計189種の野鳥の生息が確認される国際的な特別保護地区であります。(9.12一般質問)

位置図_ラムサール条約登録湿地_53ヶ所のコピー

 

ラムサール条約 について 詳しくは、環境省のページhttps://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/About_RamarConvention.html

国指定鳥獣保護区 特別保護地区
https://www.env.go.jp/council/12nature/y125-21b/900434645.pdf


IMG_1674そうえんしゃ 2010.3 発刊 水鳥たちの楽園 太田 威

大山下池、上池の自然について、上池のほとりに住まいし、長年にわたって観察記録、撮影をおこなってきた太田 威さんが、2010年発刊した「水鳥たちの楽園」この写真集には、カモを追いかけるオジロワシの貴重な写真も掲載されています。ラムサール条約指定湿地を象徴する写真集となっています。IMG_2916

 

この写真集には以下のような記述があります。

わたしが子どものころは、上池・下池には、秋になると、遠く北国のシベリアなどから、マガモやマガン、オオヒシクイなどの水鳥が、数多く渡ってきました。冬になると、毎日猛吹雪が1週間以上もつづき、また雪が50〜60CMもつもるため、カモ、マガン、オオヒシクイなどは、雪におおわれた池や庄内平野のたんぼでは、えさをとることができず、もっと雪の少ない南の地方での越冬生活をしに、姿を消しました。ところが、今から22年前(1988年)の冬、突然上池・下池に約400羽のコハクチョウがすがたをあらわし、地元の人たちをおどろかせました。それまでコハクチョウは飛来してきていませんでした。このハクチョウたちの飛来を機に、マガモが、上池に2万羽、下池に4万羽あつまりました。さらには、アオサギ、オオバン、オオヒシクイ、オシドリ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワアイサ、カワウ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、コガモ、シマアジ、スズガモ、ダイサギ、トモエガモ、ハジビロガモ、ハジロカイツブリ、ヒシクイ、ヒドリガモ、ホオジロガモ、ホシハジロ、マガモ、マガン、ミコアイサ、ヨシガモなどがあつまり、ときには珍鳥の、アオハクガン、アメリカコガモ、アメリカコハクチョウ、アメリカヒドリガモ、コウノトリ、サカツラガン、ツクシガモ、ハクガンなども記録され、その数は合計で6万5千羽以上になりました。こうして、数多くの水鳥たちがこの荘内地方で越冬生活ができ「水鳥たちの楽園」が誕生したのです。
2008年10月末には、ここ、上池と下池が国際的に大切な湿地と水鳥を守るラムサール条約に指定登録されました。

 


ラムサール条約指定湿地の提案について  
2001年3月、9月 草島議会質問より

2001年の3月、9月と、鶴岡市議会でラムサール条約指定湿地を提案しておりました。
当時は天然記念物 オオヒシクイが2000羽以上も飛来していました。再確認。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

平成13年3月議会

ラムサール条約指定湿地の提言(議事録から抜粋)

今回環境基本条例、冒頭には多様で美しい自然と豊かな恵みという項目がありますが、鶴岡にある全国でも特出すべき豊かな自然として、野鳥の楽園としての顔があるのではないでしょうか。特に高館山周辺の大山の下池、上池、都沢などの周辺には、冬になれば6万羽のカモ類が毎年飛来しています。また、一昨年から昨年にかけては国の天然記念物であるオオイシクイが2,300羽の飛来をし、ことしも800羽ほど確認されています。また、特にことしは、これも天然記念物であり、非常に貴重な種であり、全国的にも9例しか報告のないハクガンが6羽大山下池地域で確認がされ、東北地方の野鳥の愛好家のビッグニュースだったと伺っております。こうした貴重種だけでなく、イヌワシ、オジロワシ、クマタカ、チョウゲンボウなど、猛禽類の数も非常に多く、県内では類を見ない、まさに野鳥の宝庫であると評価される専門家の方も多くいらっしゃいます。

  この周辺地域は、これから春にかけてはカタクリやオオミスミソウの群生が見られ、野草の宝庫としても県内一円からハイカーが訪れる場所でもあり、私もこうした貴重な生態系、種の多様性が残る地域を次の世代に残さなければいけない、そう感じる次第でありますが、さてこの地域について地元の自然保護団体などでは、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約であるラムサール条約登録湿地としての条件をとうに満たすところから、その登録湿地にしようという動きが出ているようですけれども、これは今回制定されようとしている環境基本条例や第3次総合計画の方向性からすれば、鶴岡のこの地域に特有の貴重な生態系としての価値を、その認識を深めるためにも市民と共同して関係機関に働きかけるなどの展開をして当然と思われますが、この件についてどのようにお考えになりますか、お尋ねをします。

◎環境衛生部長(三浦惇) 

今回提案しております環境条例に基づきまして、環境基本計画を13、14の2か年にわたって策定したいと
考えております。これは、15年3月までの考えでございます。そして、新年度におきましては現況調査、資料
収集を実施しながら、地域環境の把握、またアンケート調査、公聴会、市民の意見をさらに聞きながら集約し
てまいりたいと思っております。
  それで、先ほどお話ありました環境影響調査とか、それからラムサール条約での自然環境の保全の関係
ですが、これにつきましてはその計画の策定段階で地域環境の分析、評価、さらに生態系の維持、それから
人と自然との共生の関係、確保の関係、それから環境へ負荷の少ない持続的発展可能な社会の構築、それ
から地球環境保全の推進、これらを含めまして先ほどお話ありましたことも一緒になって検討させていただき
たいと思います。

◆1番(草島進一議員) 1点だけ、特に大山地区ラムサール条約指定については、昨年全国野鳥の会と
いうのも八幡町でありまして、市長もこれに参加をし、それなりの認識をお持ちであると思いますので、
この辺市長にこういったラムサール条約登録湿地への動きについてどのようになるかお聞きしたいんですが。

答弁前に時間切れ

平成13年9月議会 草島 質問 

次に大山の自然博物園構想について質問します。以前にも指摘しましたが、この自然博物園構想の地域には、6万羽のカモ、天然記念物のオオヒシクイ2,300羽、天然記念物の猛禽類、イヌワシ、クマタカ、オジロワシ、オオワシなどが飛来していることが野鳥の会の調査報告書にもあり、先日県の自然保護担当者がこの地を訪れ、県内随一の野鳥の飛来地と評価なさったようです。さて、市ではそうした貴重な要素をどのように生かし、この構想の中にどのように反映しようとしているのかお尋ねをします。

◎総務部長(芳賀肇) 庄内自然博物園についての考え方でありますけども、基本的には主に、子供たちが自然の不思議を実体験しながら、その成長過程において心のよりどころとなる自然との親和的一体感を醸成するための支援を行うということで、方向づけとしましては、一つは高館山や上池、下池周辺の貴重な自然をしっかり保全すると。二つ目としては、地域の自然についてきっちり研究する。3番目としましては、息づいている自然をじっくり観察して、自然界の不思議を感じる。4番目としましては、豊かな自然の中で生き物や人間相互の生命的交流を図る。5番目としては、自然と触れ合い、自然を楽しみ、ゆっくりするというような基本的方向性のもとに計画を進めておりまして、自然環境の保全を含めながらも大山地区の振興の一環として計画を進めていると理解しております。

◆1番(草島進一議員) 初めに、それでは大山の自然博物園構想について一つ要望だけなのですが、非常に 県内随一の野鳥の飛来地ということで県の担当者、これは自然保護の担当者だと思うんですが、なかなか地 域の今話している会合には出席なさっていない方なんですが、こういった考え方というのも非常に大事なことだ と思いますので、ぜひそういった方が来られる場というのも設定してはいかがかと思います。

  また、全国、世界を結ぶ渡り鳥の条約のラムサール条約というのもありまして、そういったこともぜひいろんな
形で検討されてはいかがかと思います、資料はたくさんありますので。また、宮城県には蕪栗沼というところが
あります。また、新潟には佐潟というところがあります。あとは、サンクチュアリとしては加賀市の鴨池というのが
あります。いろんな形で視察に行ったり、また今話し合いをしているワーキンググループのツアーなどを企画さ
れてはいかがでしょうか。そういったところで、本当に慎重にこの公園がつくられ、子供たちの本当に一つでも
多くの笑顔をつくり出す、そういったことになればいいなと私も考えています。
  今参加されている委員の方が一ついいお言葉を提言されていますので、ここでちょっと御紹介しますと、「風
光明媚な庄内の風土から子供たちに大きな影響を与えてきた情緒性の喪失は、高度成長期における負の遺
産と言うべきであろう。目下進めつつある庄内自然博物園構想は、病んでいる地球のささやかな修復であり、21
世紀の子供たちに送るために、ぜひ成功させたいと念願してやまない」、こういった心強い委員の方もいらっしゃ
るようですので、今後しっかり検討して、いい公園にしていただきたいと思います。

 


問い合わせ、ご意見など お寄せ下さい メール s.kusajima@gmail.com


風車騒音・低周波音と健康被害・TimeLine



風車の騒音・低周波音と健康被害について

ー2022.12 一-2023.9 議会質問・ 解説・公開質問状


TIME LINE

2023.9.1 山形県・国が遊佐洋上風力発電の計画地域を促進地域にすることへの意見書面
2023.7.12 山形県知事宛 再再質問状を提出
2013.6.30 第2回GXに向けた基本方針についての全国説明・意見交換会 関東にてオンラインで意見。
2023.6.28 山形県から回答
2023.6.20 山形県議会、山形県知事に対して陳情書を提出(陳情書にリンク)
2023.5.16 国会 参議院厚生労働委員会で川田龍平議員 が質問
2023.4.20 山形県へ再質問状を提出 記者会見
2023.3.28 山形県から回答あり
2023.3.2 鶴岡市議会 一般質問で更に質問
2022.12月22日 一般質問 解説 山形県、JREへの公開質問状提出
隔離距離論 今後の再エネ普及の道まで 
2022.12.2 鶴岡市議会 一般質問で質問


2023年 5月16日、国会で風車騒音による健康被害問題 初質問!

 
参議院厚生労働委員会 川田龍平参議院議員 



参議院 厚生労働委員会 議事録(クリックするとダウンロード可)

当日、参議院厚生労働委員会で配布した資料

スライド1スライド2スライド3
 

スライド4


最新 2023年2月13日 後段の「隔離距離」に2022年10月発表 名古屋大 宮脇勝先生の「洋上風力発電施設の景観に関わる「海洋計画」と「離岸距離」に関する国際比較 を追加しました。


【参考】離岸距離1kmで15MW級風車 高さ270M を建てると景観はこう推定されます。騒音による不眠症リスクは255人。入眠妨害は13000名! 山形県 遊佐沖風力発電  フォトモンタージュ 遊佐沖風力発電を考える会提供271583522_468036324947460_1774209507894919637_n


遊佐沖風力発電 今の計画のままでやると、こうなります。不眠症255人yuza-fuminsho 52-15MW

入眠妨害 13000人  13万人(135,246人)の方々が被曝し、10人に1人が入眠妨害をうける。
yuza-sansyochi


日本海沿岸の美しい景観を守ろう! 洋上風力発電は浮体式にして22 km 沖に建設を!  2023.4.1 署名運動スタート!change.org/JapanseaSOS


4月20日、山形県知事に対し、遊佐洋上風力発電への再質問状を提出しました。会見の模様です。

提出した再質問状PDF


2月6日公開  
●田鎖順太 北海道大学 助教 ●影山隆之 大分県立看護科学大学 教授 元 国立科学研究所 主任研究員 の見解動画(5分)
2017年5月24日環境省指針「これまでに国内外で得られた研究結果を踏まえると、風力発電施設から発生する騒音が 人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。」について、どのように捉えるべきか。を解説していただいています。先生方の見解をまとめれば、「風車騒音は、睡眠の妨害をし、健康に影響を及ぼす」となるのではないでしょうか? この指針の問題については後段「解説」の項目に詳しく述べていますのでご参照ください。

以下、書き起こし


田鎖先生

2016年に発表された論文 なんですけれども。風車騒音と不眠症のリスク が全国規模で1079名を対象にして調査された論文です。でこれは41デシベル以上のグループで有意義リスクが上昇している四倍五倍になってるとまあこういうことを考えると「風車騒音によって健康影響が生じるっていうのは もう明らかなのではないか」

影山隆之先生

風力発電所の風車ではよく超低周波音が悪さをしているという話が話題に出るんですけれども、聞こえる音も確かに出ているんです。じゃあ、それをたくさんの風力発電所で測ってみようじゃないか 。同時に、人体に何か影響を及ぼすとすれば、睡眠影響が一番影響出やすいだろうから、それを調べよう。

そういうことを考えまして、一方、人の影響の方なんですが、私たちはある程度深刻なものだけを拾うような質問のしかたを開発しました。これは国際的な精神障害の診断基準の中でこれぐらい頻度とか程度が 深刻であれば不眠といってよいだろうというふうなものです。全国に三つの調査チームを編成して東日本と西日本へ、それぞれ3年くらいに分けてですね 風車の周りの住民の方に一軒一軒まわって聞き取りをした結果であります。で実際に分析してみると、確かに屋外の騒音レベルが高いところでは、不眠の方が多い。結果的に有意に多いということがわかります 。外にですね、風車のような音があってシュッシュッと規則的に騒音を発している場合には 睡眠に影響することがあって当然だろうと言うふうに考えています。

よく眠れないという状況が長く続けば、その何がしかの健康影響が他にですね、他に発生してきても、おかしくないので、放置して良い状況ではないと いうふうに私たちは考えています。

 不眠があるかないか、一かゼロかのデータですね、一かゼロかに分けて何倍ぐらい多いか、明らかに多ければ、統計学的に優位だと。 けれども五倍であれば、充分なんかあると言うふうに一般的に考えます。間欠的に発することっていうのは定常的な音よりも睡眠を妨害しやすいっていうことがわかっていて 、同じ音圧でも睡眠に影響しやすいタイプの音だ いうことが実は言えるので。又、睡眠影響は生活影響で健康影響ではないと言い張る人がいるんですが、私はそれは(WHOによる)健康影響の一種だと考えています。

 環境要因によって充分眠れないと になると言う状況は充分、今の定義に当たる健康が侵害されているといってよいだろうと思います。 風車によるそうレベルが高いような場所に人家が存在するというふうな条件で、建設すべきではないと言うことですね。結構音が目立ちますので。立地条件としては十分に人家から距離をとる。 規模が大きいものほど、それを考えるべきだろうと思います。 風車騒音が、睡眠を妨害しているというデータは、我々が出しておりますので、これから新規で建てる場合には、そういうことを増やさないように、 家の外で41デシベル以上高い数値にならないような計画を工夫するべきだろうと思います

(2017年 環境省指針について)直接的な健康被害というのは、その睡眠以外の病気を 直接的に引き起こしていると、このデータからじかに言えるかっていうと、ほかの病名はつかないよと言う程度のことであって、眠れなくても構わないのかっていうと、私は問題だと思っています。ですから、ちょっとその言い方は正しくないだろうなと思っております。

 実際にある計画があった時にどの程度の範囲まで影響が及ぶ可能性があるのかと計算すると言うのは、自治体とか住民の側には簡単ではありません。例えば位置とか規模とかでどうなるかっていうことを、色々シュミレーションをすることが容易になったという点で、非常に便利なソフトだというふうに評価しています。これから風車を建設するべきか すべきでないかと議論するときにですね、こういう客観的なツールを活かして行くのがいいんじゃないかと思います。


 


2022.12.27 公開。 

【風力発電の騒音による健康被害】12月27日、15時30分。 
川田龍平 参議院議員×田鎖順太 北大助教×草島進一でZOOM収録した、youtube配信をスタート!

後半、鶴岡市での健康影響の試算状況についての解説もあります。

山形、秋田 他、風車計画に直面している全国の皆さん。

自治体職員の皆さんにも是非ご覧いただきたい内容です。


風車騒音 鶴岡市三瀬 風車から800M離れたところから撮影。こんな音がします。3.4MW ×5基 シーメンス ガメサ


鶴岡市議会3月2日一般質問

草島
前回、風車騒音による健康被害は、1,000人 規模の疫学調査で明らかになっているという北 大、田鎖先生の見解を御紹介いたしました。今 般、その疫学調査を実際に行った元国立環境研究所 主任研究員、大分県立看護科学大学、影山隆之教授に大分市でお会いし、インタビューを してまいりました。影山先生のチームは、風車騒音による睡眠影響を調べようということで、 国際的な精神障害の診断基準の中で深刻な不眠 と思える方だけを拾うような質問の仕方を開発。 全国3つの調査チームに分けて、一件一件訪問 して聞き取るという手法で3年にわたり調査を し、2年間分析した結果、風車音が41デシベル 以上で不眠となる確率は5倍になることが分か り、統計学的に有意と結論したとのことであり ました。騒音などによって深刻な不眠になって いるという状況は、健康が侵害されていると言 ってよい。風車音のように規則的、間欠的に発 する音は、定常的な音よりも睡眠を妨害しやす い。風車騒音は睡眠を妨害し、健康被害をもた らすので、風車の騒音レベルが高い場所に人家 があるべきではない。十分な隔離距離を取るべ きであるとの見解をいただきました。

また、北大の田鎖先生が開発されたソフトウ エアは、風車建設を検討する際に大変有用で、 自治体などで大いに活用すべきという見解もい ただきました。田鎖先生は、4メガワット風車 では、1基でも隔離距離が2キロメートル以上 必要と示されております。また、加茂の風車で は39人、矢引では71人の不眠症のリスクという 試算結果が出ております。以上を踏まえ、特に 大型風車と民家の隔離距離について、ガイドラ インの見直しを改めて求めます。見解をお伺いします。また、現在稼働中の三瀬八森山の風車 音は、800メーター離れた場所からも風切り音 が空を鳴らす耳障りな反復音が確認できます。 JREの事後報告の資料からは、入眠妨害のレ ベルである80ヘルツ、41デシベル以上の地域も 見られます。睡眠障害が生じていないか、三瀬 小波渡などでしっかり調査を行う必要があると 思いますが、見解をお伺いします。

市民部長 伊藤慶也  風車騒音と健康被害につ いてお答えいたします。国においては、現在のところ、低周波音による健康への影響に関する基準値は明示されておりません。一方で、国の指針では、静かな環境 では風車騒音が35から40デシベルを超過すると、 煩わしさの程度が上がり、睡眠への影響のリス クを増加させる可能性があることが示唆されて おります。本市においては、数値のみで判断す るのではなく、年々風力発電施設の大型化や出 力が増大している状況でございますので、国が 示す指針などの動向を注視しながら、本市のガ イドラインの見直しの必要性について検討してまいりたいと考えております。

  また、鶴岡八森山風力発電事業における風車騒音に関する睡眠障害などにつきましては、現時点で地元自治会からはお話をいただいておりません。アンケート調査等につきましては、地元自治会の意向を伺いながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

草島  この風車騒音については、 今後国の動きもあろうと思いますので、しっかりと注視していっていただきたいというふうに思います。三瀬の風車、八森山の風車の関連に ついては、これは自治会に尋ねていても駄目で、 しっかりと市として悉皆調査をやっていただき たいと思います。ということで、改めてお願いしたいと思います。


2022.12.25 鶴岡市民用 議会報告を作成しました。→PDFダウンロードしてご覧下さい

2022.12.22 JRE宛、山形県知事宛、公開質問状を提出しました。

●山形県知事宛、JRE社長様宛、公開質問状を提出しました。
知事宛12月22日 午後5時05分 庄内支庁総務部総務課 受領確認済み
●JRE 社長様宛 経営統括本部 広報CSR部 午後7時35分 送付  23日 受領確認済み

JRE ジャパンリニューアブルエナジー 社長様宛 
加茂、三瀬矢引風発の騒音・低周波音の健康被害について 質問状(PDF)

●JREから1/26 回答がきました。JREからの回答(PDF) 2月7日現在、山形県からの回答は未だありません。

ご回答(JRE)0126ーJpeg

●コメント→ この回答ですが、経産省が「アセス省令」から除外しているのは20Hz 以下の「超低周波音」の事で、可聴域の20〜100Hzは除外ではありません。4MWで2Kmの隔離については、12月議会と一緒で何も応えていません。先日、三瀬風車の事後報告として、風車騒音についてのデータが一応示されましたが、概ね科学的なデータとは言えず、北大田鎖先生曰く「いいかげんな事後報告書」と酷評をいただきました。更にこの回答には、?しかありません。

山形県知事宛 
(仮)遊佐洋上風力発電事業の騒音・低周波音の健康被害について 質問状(PDF)

 


2023.3.28付けで以下、山形県知事からの回答がきました。

令和4年12月22日 (仮称) 山形県遊佐町沖洋上風力発電事業の低周波音の健康被害

についての公開質問状に対する回答


風力発電施設から発生する騒音について

風車が音を発するのは風車が稼働する風況下であるため、風や波の音などの自然環境音が同時に発生することとなります。

また、それらの音を評価する環境影響評価法に基づくアセス手続きでは、現地において環境騒音の現状値を実際に測定したうえで風車が建った後の予測評価をすることとなりますが、その評価にあたっては、一般に、以下の事項等が考慮されております。

① 「残留騒音」 (一過性の特定できる騒音を除いた騒音) からの増加量が5dBに収まるよう努めること

② 屋内の生活環境保全を考慮し、 屋外で昼夜毎に予測・評価すること

③ 風車が稼働する代表的な風況下において予測・評価すること

ご提示されました資料は、 周囲が無音で施設が稼働した場合のみの条件で試算したものと推察されますが、 ① 「残留騒音」 (一過性の特定できる騒音を除いた騒音) からの増加量や、② 屋外 屋内の別、 昼夜の別、 ③ 風車が稼働する代表的な風況下であること等の条件付与が不明であります。

また、試算を行ったソフトウェアの正確性に対する評価についても現状では不明確であるため、当該ソフトウェアの試算値だけをもって一概に影響があるという評価は難しいと考えております。

なお、 環境省に確認したところ、風や波の音などの自然環境音が同時に発生する風車稼働風況下において、 風車騒音だけを評価することは困難であると伺っております。

風力発電施設から発生する超低周波音及び低周波音について

「風力発電等による低周波音への人への影響評価に関する研究」 (環境省、平成22年~24年度) では、 風力発電所から発生する超低周波音領域 (~20Hz) における音圧レベル (dB) は、聴覚閾値を下回っていることが現地調査及び聴覚実験で明らかにされております。

また、 「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会」(平成28年11月)では、「20Hz 以下の超低周波音については、諸外国においても、 我が国での実測結果と同様に風力発電施設周辺地域の住宅でのレベルは一般的に感覚閾値を大きく下回るとされていた。

また、 風力発電施設から発生する超低周波音 (~20Hz) 及び低周波音 ( ~ 100Hz) と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認できなかった」と報告されております。

このことについては、環境省水・大気環境局長通知 「風力発電施設から発生する騒音に関する指針について」 (平成29年5月) において、

①20Hz 以下の超低周波音については人間の知覚閾値を下回ること

②超低周波音・低周波音と健康影響について明らかな関連を示す知見は確認できないこと(ただし、 風力発電施設から発生する騒音によって、 わずらわしさ (アノイアンス)の程度が上がり、睡眠への影響のリスクを増加させる可能性があることは示唆されている。)が結論づけられており、 風力発電施設からの騒音については、わずらわしさ (アノイアンス) と睡眠影響に着目して、 屋内の生活環境が保全されるよう、 通常可聴周波数範囲 ( 20Hz~20,000Hz) の騒音として取り扱うことが適当であると考えております。

今後の対応について県としましては、これまでも様々な機会を設け住民の皆様に説明してまいりましたが、一方で、 環境や生活への影響について懸念する声なども依然としてありますので、 先に記載した科学的知見に基づいた国の公式見解などについて、 住民説明会等を通し住民の皆様に丁寧に説明するなど、 今後とも不安払拭に努めてまいりたいと考えております。

なお、第2回法定協議会においては、県として、 「騒音及び低周波 (超低周波を含む)、 風車の影による影響について、 環境影響評価法その他関係法令に基づき、 環境影響評価を適切に行うとともに、地域住民に対し丁寧に説明すること」を求めたところであり、 今後の法定協議会の意見とりまとめにしっかり反映させていきたいと考えております。

また、今後の環境影響評価法に基づくアセス手続きにおいても、予測調査の結果が提示される準備書段階で、 知事、市町長から事業計画について環境保全の見地から意見を述べますので、騒音による健康被害の懸念がある際は、 影響の回避等を申し入れてまいります。


反論4月12日


これに対して、影山隆之、田鎖順太 両先生から以下のコメントをいただきました。

●議論の焦点をすり替えている印象をもった。

●環境アセスやリスクコミュニケーション,予防原則を、よく理解していないような回答で、合意できない。

●「必要な隔離距離や住民の健康を保護するために許容される風車の建設位置は,騒音の予測値と過去の科学的知見と比較して検討すべきではないか。」 という質問への回答が全くない。

●評価することは困難,という表現で,難しいから評価しない,と暗に言っているのか? と感じた

私は

●風車騒音と健康被害に関して、5年がかりでおこなわれた国内1000人規模の疫学調査と、そのデータをはじめ、国際的な論文で発表されたデータを組みこんで制作され、学会誌で発表されたソフトウエアの科学的なシミュレーション結果に対して、正に論点ずらしと、全く科学的な反証がなく軽率な回答になっ ており、長年この分野で研究されている先生方に対して大変失礼な回答だ。

改めて、この回答書で全く答えていない「必要な隔離距離や住民の健康を保護するために許容される風車の建設位置は,騒音の予測値と過去の科学的知見と比較して検討すべきではないでしょうか。」 に答えを求めたいと思います。



2022.12.2  鶴岡市議会 草島進一 一般質問 


 
4MW風車 で2Km。 6MW風車で2.5Km 
隔離距離が必要 (田鎖 北海道大助教)

加茂に計画の風車で39人不眠症リスクの恐れ

1)三瀬の風車の事後調査について

三瀬八森山にJREが建設した風車3.4メガワット5基 が稼働から1年になります。

そこで、環境アセスで示していた、風車建設後の環境影響調査について、事業者はどのようにおこなっているか、確認をしたいと思います。

●環境アセスの準備書によれば、建設改変区域内にクマタカの営巣地が1箇所、500m以上離れたところに2箇所営巣地があることが確認されていました。環境アセスの環境配慮として、設置数が9基から5基となり、位置の変更等をおこなった経過があったと思います。風車建設後、実際にクマタカは以前と同様に生息が確認されているのか。事業者の調査報告についてうかがいます。

●又、天然記念物 ニッポンユビナガコウモリの北限の生息地として知られる三瀬葉山が隣接しており、影響が懸念されていましたが、建設の影響はどうだったのか、確認します。

●又、建設地は、鶴岡市の当該地域が北限であるコシノコバイモの生息地でありました。事業者の説明では移植するとのことでしたが、何㎡(へいべい)移植し、新たな地で生息が確認されているか。うかがいます。

●また、この1年での実際の発電量はどうだったのか。確認します。

伊藤市民部長  それでは、八森山風力発電事業の事業調査についてお答えいたします 。
はじめに風力発電所を稼働後の事後調査につきましては環境影響評価法に基づく環境影響評価の項目にかかる調査環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令第31条の規定により環境影響の 制度が著しいものとなる恐れがある者について 環境の状況を把握するために実施することと規定されているものでございます その八森山 風力発電事業の事業調査につきましては 事後調査につきましては令和3年11月12日の運転開始後約一年間の環境影響評価書における事後調査の速報として11月21日付けで事業者より市に対して提出がございました。

 事後調査の調査項目については猛禽類調査植物に関する移植固体及び改変区域周辺個体のモニタリング調査などでございます 猛禽類調査については事業実施区域周辺で液晶猛禽類のイヌワシやクマタカ、およびその他 猛禽について調査しており、工事期間中ではイヌワシは確認されず、クマタカについては沢内川と五十川合流部 北側の地点において、成長の巣材運搬や幼鳥のが確認されております 供用開始後の調査についてはイヌワシは確認されず、クマタカについては成鳥や若鶏が確認されていると報告がございます。

 またニッポンユビナガコウモリにつきつきましては、風車の近傍でコウモリ類の2例の死骸が確認されております。 一例はミイラ化しており、種の判別ができない状態であり、でもう一例は日本ユビナガコウモリではない旨の報告がございます。 

 次に植物に関する移植固体及び改変区域周辺個体のモニタリング調査については工事前事業区域に多くの個体が見られたコシノコバイモ含めた対象種について 事業区域周辺に移植や種をまいております。移植時の面積は測定していないとのことでございますけれども 57個体を移植したコシノコバイモの生育状況については移植の66.7%から75%が生育し、開花も見られ、また それ以外の対象種についても生存が確認されているとの報告がございます。

次に一年経過しての発電量と売電収益につきましては、売電収益は開示していないとのことでございますが、発電量に関しては、風況調査時に計画していた3690万kWアワー 相当を得られているとの回答がございました。なお八森山風力発電事業については本市と事業者とで環境保全協定を締結しておりますことから、振動や低周波音の測定結果、バードストライクやバットストライクの発生状況について、事業者に対しまして継続して調査の報告を求めてまいります。以上でございます

草島進一 はい、ありがとうございました クマタカ、コウモリあとは山野草ですね。ご心配の方も結構いらっしゃいます。まず今報告になった事業者の事後の調査報告書の詳細について、きちんと市のホームページ等で開示をしていただきたいと思います それと植生の改変や鳥類など市としても独自に調査をして確認をしてください。私も来春、調査したいと思います。これは要望しておきます、よろしくお願いします


2)風車による低周波音の被害について、であります。

まず初めに、低周波音についてですが、

私達が聞いている音というのは周波数20へルツから2万ヘルツの音であります。

低周波音とは、周波数100ヘルツまでの低い周波数の事をいいます。

低周波音の特徴としては、

●距離減衰しにくく、遠くまで届く。

●ガラスや壁、屋根では防げず 透過(とうか)しやすい。

●屋内で共鳴を生じる場合があり、屋外より屋内で大きくなる時がある。などがあります。

風車ではこの低周波音が卓越する事が知られています。

2016年10月に発刊された、故 汐見文隆 医師の著作 「低周波音被害を追って」では、汐見先生が意見書をお書きになった2009年、東伊豆町熱川(あたがわ)温泉別荘地の住民7名が、国の公害等調整委員会に原因査定申請書を提出した案件が記されています。IMG_6944

 

●その際の住民意見では、1.5メガワット 10基の風車から700メートルの住民の訴えとして

家の中では音は聞こえないが、朝起きると肩が張り、時には吐き気がするときがある。

頭痛もする。夜中に目覚めて後は眠れない。

350メートルの住民の訴えでは

音が異常で起きて歩けなくなった、体が硬直したようになり、手足はしばらく動かない。

頭が重く、視野が狭くなり目の前がよく見えなくなった。

いずれの方も家を離れると症状はなくなる、という意見が報告されています。

その後、この熱川別荘地 隣接の風車は、夜間止めるなどの対処をし、被害を訴えた数件の住民は転居されたとのことであります。

又、三重県伊賀市青山高原でも、0.75メガワット20基の風車から1.4〜1.7キロの、住民6世帯から睡眠障害や頭痛の訴えがありました。

近隣でも、秋田県内、にかほ市や由利本庄市住民への2018年から2021までの聞き取り調査の報告書を、私も入手し、当局とも共有していますが、21名の方々が、睡眠障害、耳鳴り、頭痛などを訴えているものでありました。中には風車から2キロにお住まいの方で、睡眠障害を訴えているものがありました。

●「風車の近くの住民が、睡眠障害や、めまい、頭痛、耳鳴りなどを生じる。」

こうした訴えは、2009年、米国ジョンズホプキンズ大学のニーナ・ピアポント医学博士が、風車から1.5から3キロにお住まいの10家族38名の健康被害をインタビュー調査した研究報告書で「ウインド・タービン・シンドローム」と名付けられ、国内でも「風車病」として、この10年ほど次々と国内外で研究がおこなわれ報告されております。

医学的にも、低周波音は耳の中の「前庭」という部分を刺激し、圧迫感や振動感で睡眠障害を引き起こしたり、めまい、頭痛、などの原因と考えられるとの研究報告があります。

しかし、国は2017年の指針で「これまでに国内外で得られた研究結果を踏まえると、風車騒音が人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる」としています。

それゆえ、国内の現状では、健康被害について、ほとんど問題がないように扱う事業者と市民、行政の間で、全くリスクコミュニケーションが成立していない状況であったと考えます。

●しかしながら、この風力発電所から発生する低周波音と健康被害については、

環境省が委託した、国内の疫学調査 2016年「大分県立看護科学大学 影山 隆之(かげやまたかゆき) 教授の研究グループによるもので、全国50か所の被験者1,079名(回答率 52%)について、不眠症の有病率を調査したものがあります。その研究では、

●風車による低周波音、屋外騒音レべル 41から45dB(デシベル)の曝露(ばくろ)で,不眠症の有病率が約5倍になっており,このリスク上昇が統計学的に有意であったとの結果が報告されています。

この報告は、風車の低周波音による直接的な健康影響が示された、疫学調査結果であります。

こうした低周波音と健康被害の研究をおこなっている、北海道大学大学院 環境工学 田鎖順太 助教の試算では,

発電出力4MW(メガワット)の風車1基であっても,中心周波数80Hzのレベルが、睡眠障害など、心身に係(かかわ)る 苦情に関する 環境省・参照値の41dB(デジベル)を下回るためには、2kmの隔離距離が必要とのことでした。複数の風車であればそれ以上の隔離距離が必要ということになります。

又、今般、加茂地区で計画されている、6MWの風車では、最低でも2.5kmの隔離距離が必要、との試算結果をいただきました。

又、田鎖先生が開発し、学会誌 騒音制御 に今年2022年 5月に発表された、風車による健康リスク評価ソフトウエア「H-リスク」に今般、加茂に計画されている、風車のデータをインプットてみました。

6メガワット風車8基だと、加茂、油戸、菱津などで、疫学研究に基づく推定値で39人不眠症リスクが生じる。加茂不眠症

環境省 参照値 80ヘルツ 41デシベルでは、ほぼ大山地区全体までが影響圏内にはいり、16,808人に影響し、 そのうち10人に一人、1,680人が、眠りに入る 入眠時「気になる」と回答する音圧レベルとなります。

加茂参照値

又、現在稼働する三瀬八森5基の隣に 矢引に計画されている4.2メガワット風車7基を建てると、由良、三瀬、矢引周辺で71人の不眠症リスクが生じる。三瀬矢引不眠症

参照値には7440名が影響下にあり、744人が入眠時「気になる」入眠妨害のレベルという事になる。との試算ができました。

三瀬ー矢引参照値
この試算結果を踏まえれば、加茂の計画は大山まで影響が波及し、矢引の計画は、三瀬の風車と相乗効果で特に三瀬地区、由良地区の住民に影響を与えかねないという事になり、どちらも睡眠障害などの健康被害のリスクが高い。という結果であります。

市の現行のガイドラインは、風車と民家は600メートルの隔離距離となっていますが、

田鎖先生からは、600mは,健康影響を考慮した数値ではなく,風車に関わる様々な事故や視覚的なわずらわしさを回避するための数値ではないか。

大型風車で距離600mでは,健康影響が出て然るべき,という状況ではないかと懸念する。

安全マージンも考慮して,十分な離隔距離を検討するように事業者に指導するのが,行政に最初に求められる役割ではないか。

との見解をいただいております。私も全く同感であります。

近年の風車の大型化によって、隔離距離もより十分に確保する必要があると思いますし、

今般、加茂に計画されている6MWの風車に対して、低周波音と健康被害の観点から、国内の疫学調査を踏まえ、科学的な試算の上、提起された「最低でも2.5Kmの隔離距離が必要という数値。

又、現在の計画では地域で39人の不眠症リスク、又、1680人で入眠妨害の恐れありという試算は、無視できないものと考えます。

先生の4MW風車だと2Km 6MW風車だと2.5Km隔離距離が必要。という指摘について、先日当局にもお伝えし、事業者の見解を求めて頂いたと思いますが、事業者からは、どのような回答が来ているか。うかがいます。

 

伊藤市民部長  北海道大学の田鎖助教の調査結果に対する事業者の見解についてお答えいたします。事業者によります低周波音の事後調査は5地点で行われております なお数値につきましては音の振動である周波数のうち低周波音として80Hzの場合の音の大きさであるデシベルで表示されて示されております。調査は昼間と夜間に実施され数値の高い昼間においての公示前の実測値との比較では、三瀬地区では実測値と同じ45デシベル、小波渡地区では3デシベル高い41デシベル 堅苔沢地区では8デシベル高い46デシベル  あずち 自治区では、2デシベル高い38デシベル  山戸川地区では1デシベル低い39デシベルとの調査結果を受けております  

事業者からは各地区の調査結果について環境省において参照値としている値41デシベルを超過する箇所もございましたが、工事前の風車近傍での低周波音と同程度であることから風車の稼働による影響は小さいものと考えられるとの 報告をいただいておるところでございます。

 

次に 低周波と健康被害の観点から科学的知見を踏まえたガイドラインの見直しについてお答えいたします 国においては現在のところ低周波音による心身にかかる健康への影響に関する基準値を明示しておりません。また風力発電施設から発生する音については国においては風力発電施設から発生する低周波音と 健康への影響に関して明らかな関連を示す知見は確認されていないとしております。なお鶴岡八森山風力発電事業における低周波音に関する健康への影響について、地元自治会に確認したところ現段階では苦情などは寄せられていないと伺っております。 市といたしましては数値のみで判断するのではなく 事業者による継続しての調査や 定期的な地元自治会に聞き取りするとともに定期的に地元自治会に聞き取りするとともに年々風力発電施設の大型化、出力が増大している状況がございますので、国が示す指針などの動向を注視しながら本紙のガイドラインの見直しの必要性について検討して参りたいと 考えております


草島  今お答えいただきましたが、まあ先ほどの事業者の答えでは全く納得がいきません。 詳細についてきちんと協議する必要があると考えます。

この課題は、この環境アセス上でも矢引の計画ではもう準備書の前の段階最終段階に入っていると思いますが、これまでも殆ど議論されていない。 

ほぼほぼすべての環境アセスがそのようですが、今お示ししたものは最新の知見であります 。この田鎖先生のこの2km 2.5kmの試算、それとソフトウェア上での試算、今回提示を致しました。

矢引と加茂の計画に対して、この数値を事業者にきちんと示していただき、市民と行政とそして事業者のリスクコミュニケーションの協議の場、これを行政としてきちんと主導して設置することを求めたいと思いますけれどもいかがでしょうか。

伊藤部長  風車と住宅等の距離にかかるガイドラインの見直し等にも関係しますけれども、低周波音と健康への影響につきましては重要なことと認識しております。今後 アセスの手続き等におきましても 住民説明会等の機会もございますし、そういった機会で検討させていただきたいと思います。なお本日といたしましてはその低周波と生活環境の影響について国や県にも充分確認しながらその対応の必要性について、検討して参りたいと考えております。

 草島  ぜひ、この協議の場については約束をしていただきたいというふうに思います。今、国、県がどうこうという話もありましたが。今この問題については、残念ながら国も県も アテになりません。

しかしながら実際に住民に睡眠障害を生じたらどんな対応するつもりですか 。ピアポント博士が調査した10家族の中9家族は転居されてます

東伊豆でも転居しています。転居しなければ症状は回復しなかったからです 。

低周波音で転居を強いられる住民が出てきたら、その費用は誰が責任取るんですか。これ訴えたところで国も県も責任とってくれないんですよ。

要は住民にもっとも身近な自治体の対応が求められていると、言うことであります。

だとしたら、どういう風に対応するのか これは野鳥の問題と同様に、予防原則というのが大切であります。

予防原則とは社会の諸問題について科学による全容の解明には時間がかかるので、危険性が科学的に示唆されたとき、例えリスクが不確かであっても重大な影響を回避することを原則として行動すべきであるという考え方 ということであります 。

でこの予防原則に従わなかった過去の教訓というのは、水俣病であります

熊本大は初期から有機水銀の影響を指摘しておりましたけれども当時の通産省は原因は厳密には特定できないとしてチッソの操業を止めなかった。それゆえ2000人弱の死者を伴う大きな被害が出たのであります 。風力発電の低周波問題はこの水俣病と同じ状況になっているのではないか、という指摘が複数の科学者がからありまして、私も同感であります。

またSDGsの誰一人取り残さないと言う理念からすれば低周波音の問題は少数の訴えだからといって、無視してはならないということであると考えます。

 一人でも睡眠障害などの健康被害を、引き起こしてはならない。これを鉄則にしていただきたい。

 科学的見地から導き出された数値を受け止め、さらに余裕を持ってガイドライン設定をすること、これが必要だと思いますがいかがでしょうか。もう一回質問したいと思います。

 

伊藤市民部長  ただ今のガイドライン直し等に関する質問にお答えいたします。繰り返しになりますけれども、低周波音と健康への影響というのは充分重要なことと言うふうに捉えております。その上で先ほども答弁申し上げましたけれども、国や県の指針なども注視して参りたいと思いますし、確認も必要というふうに存じております。なお数値だけで判断するのではなくて地域の方々からの声も充分伺いながら、見直し等の必要性、まあどういった見直しが必要か そういった検討をさせていただきたいと存じます 。

 

草島  目下、田鎖先生と共に、環境省とはこの件ですね、協議中であります。しっかりと今後の対応をしていただきたいと思います。


草島  次に地域への経済効果の問題についてであります。

先日、庄内町でおこなった地元企業3社と地域金融のプロジェクトファイナンスによる風車建設事業について、うかがってきました。この事業は、農産漁村再生可能エネルギー基本計画に基づく事業で、事業者は再エネ開発行為について、一定の町の農林漁業の健全な発展に資する取り組みとして、一定の寄付金を町に納める協定を結んだ事業でありました。

町ででは風車1本につき100万円。1社4本で400万円を毎年町に寄付することとしており、3社で20年間に2億4千万円を納めることが協定書に明記されておりました。12本の風車の20年の固定資産税は約8億円とのことで、あわせて約10億円余りが町の収入になるとのことでした。

全体の概算もお示し頂きましたが、1基1.87MWの出力風車でFIT価格20円で、大体一基、1億円ぐらいの売電が見込まれるとのことでありまして、12基の20年で、約240億円の売電価格ということになります。庄内町の場合は地元企業が主体となり地元金融が融資しての事業ですから、この240億円は、そのほとんどが地域に回ることになります。

それに対して、東京の外部大手企業 等による開発では、数百億という売電収益は、ほとんどすべて外に流出するということになります。

風という地域資源を活用して地域経済にも貢献できるチャンスを逃し、外部の大手企業にいわば搾取されるだけの事業と考える事ができるのではないでしょうか。

私はこうした事業を、植民地型事業と何度か述べてきましたが、陸上風力10本程度の事業は、もはや地域の金融機関も、プロジェクトファイナンスを認め、地元企業が十分にできる事業であります。

庄内町の事業では、あらかじめ開発地を町が決め、一般公募によるプロポーザル方式によって開発行為を行うことのできる業者を決定したとのことでしたが、町は地元3社の共同の企業を選択し、JREは落選しております。

これまでも地域所有、地域の意思決定、地域分配などのコミュニティパワー3原則を掲げて意見してきたように、私は再エネ事業というのは、地域外企業による事業については抑制的にし、確実に地域にお金が循環する地域や地元出資の事業を促進させる必要があると考えます。

●先ずお伺いしますが、市は、今般の事業者、三瀬、矢引、加茂の事業で、一体どのぐらいの収益を求めての開発行為との報告があり、当局が把握されているか それぞれをうかがいます。

三瀬風車の場合、その何パーセントが市や地域に還元されていると試算できるのか。確認します。

●又、最近宮城県では、森林の乱開発を避け、適地に誘導をはかるために、森林を開発しておこなわれる風車やメガソーラーなどの再エネ事業に対して、税を課すことを表明し、来年度に向けて準備段階であると窺っております。又、それに先行して岡山県 美作市(みまさかし)では、大規模な野立てソーラーを規制する主旨で、ソーラーパネル税を昨年12月に市議会で議決しております。

こうした事例に準じて、風力発電の開発などで、地域企業が主導し、地域金融が関わるコミュニティパワーに誘導する為の再エネ税のようなものが検討できないか、

又、圧倒的に地域還元率が低い、地域外事業者に対しては、自治体へ還元する一定額のルールを設け、協定締結をおこなうなどの条例制定ができないか、と考えますが、見解をうかがいします。

 


伊藤市民部長  地域経済への貢献等に関してのご質問にお答えさせていただきます。

事業者からは収益については開示を受けておりませんので、収益等に関する還元についての比率等いについては、把握しておりません。ただ 一般的には風力発電施設ができることによる地域の利点と致しましては固定資産税や雇用創出などがあると言う風に考えているところでございます

また議員よりご紹介いただきました庄内町や宮城県における取り組みについては、事業者主導の再エネ施設の導入から市や地域へも事業に関わっていく一つの手法でございますので、再エネ施設の普及と地域との共生共存の課題解決にもつながるものと考えております 。なお再エネ施設への税制の検討や、地域外事業者に対する自治体への還元方法、それから協定締結などの条例化につきましては、他市の先進的な事例の情報収集に努め、調査研究を進めてまいります。以上でございます


草島 しっかりと検討していただきたいと思います

ここまでが風車問題についてですが、特に低周波音の課題については、市として毅然とした姿勢で対応いただきたいと思っておりますが、市長の見解を求めたいと思います

皆川市長  草島議員さんから 低周波と生活環境、健康に関するご意見をですね、いただいたところで ございます 先ほど市民部長からご答弁をさせていただきましたけれども この国におけるこの低周波についての 基準値に等ですね、なかなかこが示されていないと言うようなこともございまして、この市町村としてどのような対応を取るのかというのが非常に難しいところがございます

現時点では例えば地元の自治会の方に確認したところでは苦情などは寄せられていないというようなことでございますがなお、情報収集を致しまして国や県にも確認をしながら生活環境への影響について注視してまいりたいというふうに考えております

草島 この低周波音問題‘は、大変難しい課題ではあると思います、今、最新の知見とともにですね、国でも議論をしてもらわなければいけない状況に来ておりまして今、丁度議論中というところでもあります 。ただ 健康被害が生じてしまっては ならないということでありまして、これは是非、先ほど申し上げた、予防原則もそうですし、今回提示された2キロないし2.5キロを離さないと影響が生じると、これは先ほど、ピアポント博士のことをお伝えしましたが、その時 2009年の時点でも、最低でも2キロ、山間部だと3.2キロ 離すことが賢明だと言う報告も行なわれています。なので、この値というのは、確信を持てる値ではないかと思いますので、今後しっかりと市独自にも調査をしていただいてー最新の知見に基づいて、リスクコミュニケーションを図ると、いうことに努めていただきたいと思います。

ありがとうございました。


 

解説.   2022.12.18 
風車の低周波音と健康被害  問題は、2017年5月26日の環境省の指針。 

(市議会一般質問を前後し、11.22、12.16、 川田龍平 参議院議員、環境省担当者 北海道大学 田鎖順太助教 と意見交換しました。中間報告です。)

●風車騒音について、2018年WHO欧州地域事務局がガイドラインで勧告値を45db で設定しているのに対して、未だに日本は基準値がありません。


320155006_2621386828034660_3697883719984484951_n

北海道大学 松井利仁 先生の講演より

https://www.youtube.com/watch?v=HuuV08K-_2c
この映像の49分ぐらいからをどうぞご覧下さい。NHKの2018ニュース映像。いかに日本の騒音規制が遅れているかがわかります。

 

●日本の風車の低周波音の環境省の指針は2017年5月26日のものです。 
都道府県知事 市長・特別区長 に宛てて 環境省水・大気環境局長より
風力発電施設から発生する騒音に関する指針について として 提出されています。

この中、2P上段に、

これまでに国内外で得られた研究結果を踏まえると、風力発電施設から発生する騒音が 人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。また、風力発電施設から発生 する超低周波音・低周波音と健康影響については、明らかな関連を示す知見は確認できない。

という記述があります。

これが大問題で、各地の風発建設計画の説明会などで、事業者や行政が、「低周波音? 大丈夫です。環境省でもこういう見解ですから」と住民の疑問に応える根拠になっています。

 今般の市の答弁「国においては現在のところ、低周波音による心身にかかる健康への影響に関する基準値を明示しておりません。また風力発電施設から発生する音については国においては風力発電施設から発生する低周波音と 健康への影響に関して明らかな関連を示す知見は確認されていないとしております。」の根拠もここにあります。

 山形県も今年提出された遊佐沖風力の公開質問状に対して「風車の音に関する専門家である日本大学の町田名誉教授が令和元年 12 月の 秋田県由利本荘市沖の法定協議会で示した資料(根拠は平成 28 年 11 月の 環境省報告書)では、国内外で得られた科学的知見を踏まえると、1km 程度離れると風車の騒音(低周波を含む)が減衰し、人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いとされている。」などと応えています。
 (この山形県見解は、曲解も含んでいる感があり、環境省にも紹介し注意喚起を求めました。)

無視された!? 1000人規模の疫学調査結果

しかしながら、2017年5月の指針「風力発電施設から発生する騒音が 人の健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。」以前の2016年3月に、国内の疫学調査の論文(影山2016)「大分県立看護科学大学 教授 影山 隆之 先生 他」の論文が発表されていました。

影山先生らは,全国50か所被験者1,079名(回答率 52%)について不眠症の有病率を調査し、その結果

●屋外騒音レベル41-45dBの曝露で,不眠症の有病率が約5倍になっており,このリスク上昇が統計学的に有意であった。

論文の結論
騒音曝露レベルが40dBを超える地域では,自己申告の症状に基づき診断される不眠症の有病率は有意に高度であり,風車が立地する地域において住民が風車騒音(WTN: wind turbine noise)による睡眠妨害を受けたことを示している

と報告しています。詳しくは、下記資料に掲載しています。

環境省では「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会」が平成25年5月27日から平成28年11月11日 までおこなわれ

https://www.env.go.jp/air/noise/wpg/conf_method.html

検討会の末に「報告書」がH28年11月 2016年11月に公開されています。

その中に以下の記述があります。

「一般的に騒音による影響には、聴力損失への影響(聴力影響)、会話を妨 害される影響(会話影響)、睡眠を妨げられる影響(睡眠影響)、不快感/わ ずらわしさ(アノイアンス)等がある。風車騒音による影響については、風 車騒音のレベルとわずらわしさ(アノイアンス)を感じる程度の間には統計 的に有意な関連が複数の論文で報告されている。また、睡眠影響については、 風車騒音のレベルとの直接的な関係性、またはわずらわしさ(アノイアンス) の程度が上がる結果としての間接的な関係性がある可能性を示唆する知見 が報告されている。ただし、睡眠影響との関連の科学的根拠は現段階ではわずらわしさ(アノイアンス)に関するものよりも限定的である。一方、聴力 影響、頭痛、耳鳴り、糖尿病、高血圧、循環器疾患等の健康影響については、 統計的に有意な根拠は認められていない。以上の知見により、風車騒音は、 わずらわしさ(アノイアンス)に伴う睡眠影響を生じる可能性はあるものの、 健康に直接的に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。」

●この「報告書」の段階で、影山 隆之 先生らが1,079名 屋外騒音レベル41-45dBの曝露で,不眠症の有病率が約5倍になっており,このリスク上昇が統計学的に有意であった。騒音曝露レベルが40dBを超える地域では,自己申告の症状に基づき診断される不眠症の有病率は有意に高度であり,風車が立地する地域において住民が風車騒音による睡眠妨害を受けたことを示している。というまさに、「健康に直接的に影響を及ぼす」ことを裏付けた研究報告が「無視」されていると感じました。
 環境省と意見交換をおこなう中で、大変重要な「知見」が、この検討会の表舞台で、全く議論されていない事を確認できました。なぜ、検討会で無視されたのか。更に、確認が必要と思いました。

●また、睡眠障害や不眠症によって、糖尿病・高血圧・循環器疾患等,様々な疾患のリスクが大きくなることは、医学の通説であり、一般的な常識です。
 しかしながら日本の指針では、アノイアンス(わずらわしさ)や、睡眠影響と、まるで、睡眠障害、不眠症という疾病を矮小化しているような、報告書の見解になっています。

要は、環境省指針に、1.重要な疫学調査の結果を無視して、「健康影響が少ない」と結論づけていた。という重大な欠陥がわかりました。先ずは、1000人規模の疫学調査結果を踏まえ「風車から発する低周波音は、41-45dBの暴露で健康に直接的に影響を及ぼす。と修正する事が必要です。

なぜ、風車騒音に関する科学的根拠なしに「残留騒音+5dB」を採用? 上限なく、やりたい放題に。

●又、2017指針で示している 残留騒音+5dB という指針は、 S. Kono, T. Sone and T. Nimura. “Personal Reactio to Daily Noise Exposure”, Noise Control Engineering, vol. 19, no.1, (1982) という、風車騒音とは全く関係のない研究成果から持ち出されていることが明らかになりました。イギリス等でも同様の指針はあるという見解もありましたが、イギリスの場合は他に明確な規定値35dB〜40dBなど、複数の規定値を定めています。*資料参照
 又、日本の場合は、+5dBに、上限を設けず、下限値だけがもうけられています。 上限が設けられていなければ、規制がないのと一緒で、際限なく開発可能。ということになります。もちろんコンター(影響図)なども描けません。2018年WHO勧告値でも騒音種別にそれぞれの基準勧告値を決めていて、2018年45dBがさだめられているのに対して、日本は、40年も前の古い知見で、「残留騒音+5dB」のみ。全くリスクコミュ二ケーションができないし、基本的な規制が全くおこなわれていない現状である事を確認しました。早急に改善が必要です。

2.風車騒音に関する科学的根拠なしに「残留騒音+5dB」という指針値が設定されたこと,に重大な欠陥があります。又、WHO勧告38.7dB(2018)を踏まえた「上限を規定する「規制値」が無い」という重大な欠陥があります。早期の「規制値」の設定が必要です。

●環境省は低周波音に対して 低周波音問題対応のための「評価指針」 – 環境省 参照値を示しています。https://www.env.go.jp/content/900405760.pdf
この値によって、エコキュートの低周波音について、規制がはたらくことになりました。

しかしながら、環境省は「参照値値は風車には使えない」などの見解を示しています。指針で「残留騒音+5db」と風車以外の騒音研究を持ち出しおきながら、参照値では風車は例外とする事には先ず納得いきません。
  理由は変動音だからという見解でしたが、「風車の翼の回転に伴い発生する音は、騒音レベルが周期的に変動して聞こえ、騒音レベルは低いものの、より耳につきやすく、わずらわしさ(アノイアンス)につながる場合がある。」と、検討会報告書に記載されています。

又、デンマークでは

●低周波音を,周波数10-160 Hzの成分に関するA特性音圧レベル(LAFeq,10min)で評価する

夜間・屋内のLAFeq,10minの規制値(limit value)は,20dBとする。 

と、規制値が定められています。これを踏まえれば、参照値は無論、規制値を設定し、明確化する事が必要です。

以上の根拠として

●風車の翼の回転に伴い発生する音は、騒音レベルが周期的に変動して聞こえ<中略>,騒音レベルは低いものの,より耳につきやすく,わずらわしさ(アノイアンス)につながる場合がある。(環境省:風力発電施設から発生する騒音に関する指針について)

●風車騒音の振幅変動が大きいほど不快に感じる(アノイアンスがある)ことについて,十分な科学的知見が存在する(英国エネルギー・気候変動省委託「Review of the evidence on the response to amplitude modulation from wind turbines 」)

という根拠があります。


現在の日本の風車の低周波音の問題は、環境省2017年5月指針。

●指針の根拠となった環境省主催の「検討会」(平成25年5月27日から平成28年11月11日)で、科学的知見「大規模な1000人規模の疫学調査屋外騒音レベル41-45dBの曝露で,不眠症の有病率が約5倍 2016」という、明らかに直接的な健康障害を示す、重要な調査研究結果が無視され、議論されず、その結果「直接的な健康影響が低い」と指針で示されている

●指針とする「残留騒音+5dB」 は、風車と全く関係のない1982年の騒音研究からもちだしてきた数値であり、40年も前のままである。イギリスも「残留騒音+5dB」指針はあるが、他に35dB〜40dBという上限規制値がある。 風車騒音に関する科学的根拠なしに「残留騒音+5dB」という指針値が設定されたこと,に重大な欠陥がある。
日本には未だ確実な上限規制値がない。残留騒音+5dBでは、科学的に隔離距離などを算出することはできない

●先進諸国が設定している、風車騒音の基準値がない。規制値もない。
●2018 WHO欧州委員会 勧告の38.7dBの勧告があっても、2017年5月の指針のまま。

まとめ

風力発電計画の低周波音と健康障害 について 早急に改善すべき2点
1)「風車から発する低周波音は、直接的な健康影響を及ぼす。」と訂正する事。
2)WHO勧告38.7dB(2018)を踏まえた、「規制値」を早期に設定する事。

お伝えしたい事

風力発電計画で悩んでおられる皆様へ

●北海道大学 田鎖順太助教が開発されたソフトウエア「H-RISK」は、国内外の研究文献、大規模疫学調査、環境省参照値、全国統計人口、風車データなどを踏まえて開発したものであり、 
日本国内の騒音、低周波音 を扱う、国内学会 公益社団法人 日本騒音制御工学会 学会誌「騒音制御」vol.46 No4 2022 p176-182 に発表されたものです。オープンソースです。このページからダウンロードできます

皆様の地域の風車の情報をインプットして、事業者、行政と科学的なリスクコミュニケーションを行って下さい。

資料集 (一般質問の前後で調査した文献、動画などを掲載。更に最新の知見があればご一報ください。)

●WHO欧州地域事務局の勧告値45dB、38.7dBの考え方について

規定された勧告値は,風車騒音による不快感の反応率に基づくものであり,勧告値と等しい曝露下において10%の住民が強い不快感(テクニカルタームで「高度の不快感」と表現しますが)を訴えます。

また,45dBは,夕方に+5dB,夜間に+10dBの補正を施した後の値です。

昼間45dB,夕方40dB,夜間35dBの騒音曝露であれば,ちょうど,補正後の値は45dBになります。

ただし,(例外はありますが)実際には風車は昼夜関係なく回り続けますから,

昼間38.7dB,夕方38.7dB,夜間38.7dB,これで,補正後の値は45dBになります。

24時間稼働の風車の勧告値として捉えるならば,「45dB」よりもむしろ「38.7dB」の方が適当と考えます。

●風車の騒音 各国の規制値(noise limit) について 2018年の論文より

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003682X17311428

●イギリス

ETSU-R-97
England
LA90(10min) No financial Involvement Day ≤30 to 35 dB 35 to 40 dB
ETSU-R-97
England
LA90(10min) No financial Involvement Day >30 to 35 dB BKGND + 5 dB
ETSU-R-97
England
LA90(10min) No financial Involvement Night ≤38 dB 43 dB
ETSU-R-97
England
LA90(10min) No financial Involvement Night >38 dB BKGND + 5 dB
ETSU-R-97
England
LA90(10min) Financial Involvement Any ≤40 dB 45 dB
ETSU-R-97
England
LA90(10min) Financial Involvement Any >40 dB BKGND + 5 dB

●デンマーク

Demark LAeq, 8 m/s@10 m Standard Any Any 44 dB
Demark LAeq, 6 m/s@10 m Standard Any Any 42 dB
Demark LAeq, 8 m/s@10 m Noise Sensitive Any Any 39 dB
Demark LAeq, 6 m/s@10 m Noise Sensitive Any Any 37 dB

スウェーデン

Sweden LAeq, 8 m/s@10 m Standard Any Any 40 dB
Sweden LAeq, 8 m/s@10 m Quiet Any Any 35 dB
●オランダ
Netherlands LAden Any Any Any 47 dB
Netherlands LAeq Any Night Any 41 dB
       



 

 

実際の健康被害報告があります。秋田県(2021)

●秋田 由利本荘市 にかほ市の風車による低周波音の健康被害 一覧表 1(PDF)

●秋田 由利本荘市 にかほ市の風車による低周波音の健康被害について 訴えの詳細 2(PDF)

 

● 2017年 H29年5月指針で述べている、「直接的な健康影響が生じる可能性は低いと考えられる」について

→直接的な健康影響が生じると結論づけた疫学調査結果があります。

国内の疫学調査の論文(影山2016)「大分県立看護科学大学 教授 影山 隆之 先生 他」について
Kageyama, Takayuki., Yano, Takashi., Kuwano, Sonoko., Sueoka, Shinichi., & Tachibana, Hideki. (2016). Noise and Health, 18(81), 53‒61 
 

●影山らは,全国50か所被験者1,079名(回答率 52%)について不眠症の有病率を調査した

●屋外騒音レベル41-45dBの曝露で,不眠症の有病率が約5倍になっており,このリスク上昇が統計学的に有意であった 

 

Conclusions
●Insomnia diagnosed on the basis of self-reported symptoms was significantly prevalent in the areas where noise exposure levels exceeded 40 dB, showing that WTN disturbed sleep among residents in the WT sites. No evidence was obtained concerning the adverse effects of WTN on physical/mental health on the basis of self-reported symptoms. Insomnia and these symptoms also seemed to be affected by personal features expressed as noise sensitivity and the feeling of visual annoyance with wind turbines. These features may show the tendency to be sensitive to environmental stimuli or changes in their homeostasis and should be considered in future field studies on the association between WTN and health.
 
結論
騒音曝露レベルが40dBを超える地域では,自己申告の症状に基づき診断される不眠症の有病率は有意に高度であり,風車が立地する地域において住民が風車騒音(WTN: wind turbine noise)による睡眠妨害を受けたことを示している。風車騒音による,自己申告の症状に基づく身体的・精神的な健康影響に関しては,明らかな知見は得られなかった。また,不眠症およびこれらの健康影響は,騒音に対する感受性や風車に対する視覚的な不快感の程度等の個人的な特性に影響を受けると考えられる。これらの個人的な特性は,環境中の刺激あるいは恒常性の変化に対して敏感であるという傾向を表している可能性があり,風車騒音による健康影響に関する将来の疫学研究において考慮すべきであろう。

*補足
自己申告に基づく不眠症:
疫学研究では,質問紙を用いて睡眠障害の有無が調査されることが多く,「自己申告に基づく不眠症」等と表現されます。
なお,この研究においては「アテネ不眠尺度」と呼ばれるWHOが開発した質問紙が用いられています。

自己申告に基づく身体的・精神的な健康影響:
この研究において,Total Health Indexと呼ばれる調査票を用いて調査された健康影響を指します。

「4MWで2Kmの隔離距離が必要」の根拠 

●4MW風車で2Km隔離距離が必要 の根拠 北海道大学 田鎖順太 助教(PDF)

北海道大学 田鎖順太 助教 

根拠論文
Low-frequency noise from large wind turbines  

Henrik Møller 1Christian Sejer Pedersen

要約

風力タービンが大きくなるにつれて、タービンの騒音が周波数で下がり、低周波の騒音が隣人に迷惑をかけるという懸念が浮上しています。最大3.6MWの公称電力を持つ48の風力タービンからの騒音発生を分析し、議論する。低周波ノイズの相対量は、小型タービン(≤2MW)よりも大型タービン(2.3-3.6MW)の方が高く、その差は統計的に有意です。この違いは、オクターブの約3分の1のスペクトルの下方シフトとしても表すことができます。10MWの範囲の将来のタービンには、同様のサイズのさらなるシフトが提案されています。空気吸収により、関連する近隣距離の音圧レベルを考慮すると、低周波含有量がさらに顕著になります。A加重レベルが考慮されている場合でも、ノイズのかなりの部分は低周波であり、調査された大型タービンのいくつかでは、最高レベルの3分の1オクターブバンドは250Hz以下です。 したがって、スペクトルの低周波部分が隣人のノイズに重要な役割を果たすことは間違いありません。


田鎖順太助教 開発のリスク評価ソフト H−RISK
 


風車病 ウインドタービンシンドローム 2009 出版 著者 ニーナ・ピアポント

ニーナ・ピアポント ウインドタービンシンドローム(日本語要約版)(PDF)
(43P 勧告)平地では少なくとも 2 キロメートル、山間部では 3.2 キロメートル民家から離すのです。これは最小限の距離です。カンパーマンとジェイムズの手法は、これよりも長いセットバックを勧告することになりそうです。

ウインドタービンシンドローム(著書)のHP(英語)

●ニーナピアポント 博士 Nina Pierpont, MD, PhD

Nina Pierpont, MD, PhD, earned the MD degree at the Johns Hopkins University School of Medicine, and PhD (Population Biology) from Princeton University. She is an honors graduate of Yale University. She has been Clinical Assistant Professor of Pediatrics at Columbia University’s College of Physicians & Surgeons, Senior Attending Physician in Pediatrics at Bassett Healthcare (Cooperstown, NY), Chief of Pediatrics at a native-run hospital on the Alaska tundra, and pediatrician to the St. Regis Mohawk Nation (NY State). Currently, she is in private practice on the northern boundary of the Adirondack Park (NY State), specializing in behavioral medicine (children & adults). She is licensed in the State of NY and is a Fellow of the American Academy of Pediatrics.

Nina Pierpont, MD, PhD は、ジョンズ・ホプキンス大学医学部で医学博士号を取得し、プリンストン大学で人口生物学の博士号を取得しています。彼女はイェール大学の優等卒業生です。彼女は、コロンビア大学の内科医と外科医の大学で小児科の臨床助教授を務め、バセット ヘルスケア (ニューヨーク州クーパーズタウン) で小児科の上級主治医を務め、アラスカのツンドラ地帯にある先住民が経営する病院で小児科の責任者を務め、セント ジョージ大学の小児科医でもありました。 . Regis Mohawk Nation (ニューヨーク州)。彼女はアディロンダック パーク (ニューヨーク州) の北の境界で個人開業しており、行動医学 (子供と大人) を専門としています。彼女はニューヨーク州で認可を受けており、米国小児科学会のフェローです。


資料映像  

 

★「オーストラリアABC TodayTonightより風力発電の問題点を扱ったニュース映像」2012年

(13分)日本語字幕付き、ゴーストタウンになった町の話

★「カナダ 巨大風車からの低周波音」2013年

(10分半)カナダCBCドキュメンタリー、近隣住民に生じた被害について

★ドキュメント「風力発電の羽根の下で~和歌山における被害の実態~」2014年

(54分)何人かの被害者が実名で訴え。汐見文隆医師がそれに寄り添っている。
風力発電の被害を考える会わかやま  38分位から 汐見先生が語っています。

 

★「風車から発生する超低周波音」2018年

(28分)サイエンスドキュメント「plane e.」 ドイツZDF。字幕は鶴田由紀氏

★「超低周波音による健康被害 マリアナ・アルヴェス・ペレイラ博士講演会」2019年頃

(58分)スロベニアでの講演、字幕付き

 

     Nina piapont 博士のインタビュー映像 
                        
     Nina Pierpont interviews Falmouth, Mass., wind turbine syndrome victims — September 2011 

      ●秋田県由利本荘市議会2022.12.8議会質問 阿部十全議員  由利本荘市 にかほ市などでの低周波音の被害実態などを述べ、質疑がおこなわれています。
       
      

●日本科学者会議 第24回総合学術研究集会 in 大阪2022年11月19日(土)~12月11日(日)  
での、風車の低周波音と健康被害 の予稿集

▽低周波音被害の歴史 in 2022
▽風車低周波音の高次倍音構造と健康被害
▽国有林保全と風車建設
▽既存の風車による健康被害について (秋田県にかほ市・由利本荘市の聞き取り調査)
▽風力発電と太陽光発電の電磁波問題


低周波音と健康被害についての研究者の講演録

 
 
松井利仁 北海道大学 教授 2017
●環境省・指針が発表された、ほぼ直後のご講演で、環境省の指針の問題が指摘されています。45分ぐらいから。
+5dB が風車騒音以外の研究からと言う指摘はこの頃から確認できます。
 
 
田鎖順太 北海道大学 助教   2020

最新の知見から、風車騒音・低周波音から、睡眠障害、めまい、頭痛が起きるメカニズム、海外事例、環境省の疫学調査、環境省指針の捉え方、などについて学び多き講演 行政担当者、議員は必見です。


H−Risk 2022 による試算結果について
論文(環境制御2022. Vol.46 No4.(pp176-182)

影響図一覧。(Clickで拡大します)

1)加茂風力発電計画 6,000kW 8基 不眠症推定有病者数 39 人 加茂、油戸、菱津、大山一部加茂不眠症

●環境省「参照値」を超える曝露となる人口で 16,808 人。 10%の 1,680 人が入眠妨害を受けると推測される。

加茂参照値

2)三瀬八森山(既存)3400kW×5基 + 三瀬矢引(新)計画 4200kW×7基 

不眠症推定有病者数 71 人。由良、矢引、三瀬、小波渡

三瀬矢引不眠症

環境省「参照値」を超える曝露となる人口 80Hz 41dB で由良、三瀬、小波渡、中山 水沢、上清水、
7,440 名。 744 人が入眠妨害を受けると推測される。

三瀬ー矢引参照値

3)三瀬八森山風力発電 (2021.12から稼働し1年) 3,400kW×5基
 不眠症有病者数13人 環境省参照値 2901人 290人に入眠妨害の恐れ。

三瀬参照値三瀬不眠症

(仮)遊佐沖洋上風力発電事業 500,000kW(9,500~15,000kW を 36~46 基)を踏まえ、秋田由利本庄市で計画されている風車、12,600kW を 36 基入力。    不眠症リスク 129人

遊佐不眠症

(仮)遊佐沖洋上風力発電事業 参照値 107,898人  約1万人が入眠妨害の恐れあり。 

遊佐参照値のコピー

遊佐参照値2

秋田県 由利本庄市沖洋上風力発電 12600kW 65基  不眠症リスク 340人秋田不眠症リスク
環境省 参照値 142,327人 14,232人が 入眠妨害の恐れあり。秋田参照値

結論と提言 2022.12.24

1)加茂地区に計画の風車 6,000kW×8 基

●不眠症推定有病者数 39 人 加茂、油戸、菱津、大山一部

●環境省「参照値」を超える曝露となる人口で 16,808 人。
10%の 1,680 人が入眠妨害を受けると推測される。

●野鳥の国際的特別保護地区 ラムサール湿地 大山 上池・下池に2Kmと異常に近い位置で、野鳥への影響は甚大。
●風車騒音を考慮した際、6MWであれば1基でも2.5Km 隔離距離が必要(北大 田鎖助教) 入眠妨害の影響は観光地、湯野浜、大山全域に及ぶ恐れがある。

●風車建設は論外。建設中止を求めます。


2)三瀬矢引地区に計画の風車 4,200kW×7 基

不眠症推定有病者数 71 人。由良、矢引、三瀬、小波渡
屋外で環境省「参照値」を超える曝露となる人口 80Hz 41dB で由良、三瀬、小波渡、中山 水沢、上清水、7,440 名。 744 人が入眠妨害を受けると推測される。

●既存の三瀬八森山 風車 3,400kW×5基と累積効果で、三瀬地区に双方からの低周波音による健康被害の恐れがある。
海水浴などの観光地 由良地区への影響が懸念される。4MW風車で2kmの隔離距離が必要(北大・田鎖)の指摘からすれば、エリア内に建てる事ができる風車はない。

●ラムサール湿地 から5kmで、三瀬八森山風車との累積影響もあり、野鳥への影響(バードストライク 渡来地の回避 渡りルートの変更)が考え得る。

住民の健康被害を未然に防ぐには、建設中止を求めます。


3)(仮称)遊佐沖洋上風力発電

500,000kW(9,500~15,000kW を 36~46 基)を踏まえ、秋田由利本庄市で計画されている風車、12,600kW を 36 基入力。    
不眠症推定有病者数 129人
●参照値 107,898人  約1万人が入眠妨害の恐れあり。 

●現状の計画での建設は、遊佐町、酒田市の市民にとって、危険であると考えます。

遊佐、秋田、他、日本海沿岸に一体的に計画されている洋上風力発電について、代替案を、提言として示します。


【風車と陸(民家)の隔離距離】
洋上風力発電所の世界の常識と日本の非常識
風車と沿岸の「隔離距離」が全く違います。
欧米は15〜20Km以上 日本は2Km!?
2022.10 宮脇 勝 名古屋大 准教授より、最新研究の論文が発表されました。



●2022.10月発表の「洋上風力発電施設の景観に関わる「海洋計画」と「離岸距離」に関する国際比較 – 洋上景観保護のための風車ゾーニングと最小離岸距離に関する調査 – International Comparison on Marine Plan for Seascape and Distance of Offshore Wind Farm – A Research of Wind Farm Zoning and Minimum Distance to Shore for the Protection of Seascape -宮脇 勝 名古屋大 准教授  

結論の要旨の要旨。(2023.2.13 草島引用 )

 実証実験用の風車を除いた一般海域において、ドイツ、オランダ、ベ ルギーでは、政府が海洋計画を策定し、景観と生態系保護 を目的に、洋上風車の離岸距離として12 海里(約22.2km) を基準にゾーニングし、比較的長い離岸距離を確保してい ることが明らかになった。英国はRound 3 期で12 海里を基 – 552 – 公益社団法人日本都市計画学会 都市計画論文集 Vol.57 No.3, 2022 年10 月 Journal of the City Planning Institute of Japan, Vol.57 No.3, October, 2022 準に、離岸距離を確保していることが明らかになった。デ ンマークは、バッファーゾーンとして 12.5km の離岸距離 を確保していることが明らかとなった。



洋上風力発電は、脱炭素、脱原発で再エネ普及の上で、世界のトレンドであり、日本でも大いに進めるべきです。しかしながら、風車の大型化(10MW以上)に伴って、騒音公害などを踏まえて隔離距離をとる必要があります。

洋上風力発電所と海岸からの距離 その1。風力発電先進地、デンマークの洋上風力発電。

規制値39dB が設定され、風車騒音の安全度を考慮し15dB余裕をみて、15Km海岸から隔離距離をとって建設。
8MW風発×20基。洋上風力、これなら文句なしです。脱原発、脱炭素社会の為にどんどん進めて欲しいと思います。スクリーンショット 2022-12-24 22.20.51

 


洋上風力発電所と海岸からの距離 その2。ドイツではどうか。
以下の図参照。
稼働中のは、18Kmから20km。計画中のは35km以上離れています。(北大・田鎖助教資料)

スクリーンショット 2022-12-24 22.21.37

https://www.windguard.com/publications-wind-energy-statistics.html?file=files/cto_layout/img/unternehmen/veroeffentlichungen/2022/Status%20of%20Offshore%20Wind%20Energy%20Development_Year%202021.pdf

IMG_7575
最近のこのレポート(2022発行 2021年のドイツ国内の洋上風力発電) でも(注意:上記のものと離岸距離と深さのスケールが逆になっています)、ドイツの新しいプロジェクトはそのほとんどは、沿岸から40kmから120km離して計画しています。

日本の洋上風力発電所の計画 1Km〜2kmの離岸距離 は非常識だといわざるを得ません。


●日本の場合、水深50mまでで、安く済む、着床式 モノパイルにこだわってるからではないでしょうか? 60m超えると浮体式の方が安くなるとの試算があります。

12p参照。https://www.nedo.go.jp/content/100758578.pdf

このNEDO資料に登場してくる風発も 19p以降、 ▽デンマーク 15km  3.6MW  ▽イギリス 14〜15km  3.6MW
▽ベルギー 26km〜27km  5〜6MW です 


洋上風力発電への提言

北海道から東北、北陸まで日本海沿岸に計画している洋上風力発電に関して、
浮体式洋上風力発電で、10Km以上、離岸距離をとる。という代替案。

 地球温暖化・パリ協定を踏まえた、脱炭素化・また脱原発を目指し「誰一人取り残さない」SDGsの国民の健康配慮、自然環境保護を踏まえた「真の持続可能な開発」として、提言します。
 

不眠症リスク129人。入眠妨害1万人。沿岸から10km離せば、不眠症リスクは解消できるのではないでしょうか?

●採算優先で、安く済む モノパイル 着床式にこだわりすぎていませんか?
●地震多発地帯という日本の特徴から、損傷のリスクを考慮して、浮体式にしたらいいのでは? 
●陸から離れて行くほど、風はより強くなり、より安定する。浮体式を用いることで、風の状態が最も良い場所に風力発電所を設置し、より高い設備利用率を期待できるとの見解があります。

【浮体式洋上風力発電】2023.2.5テレ朝が五島の浮体式洋上風力発電を取材報道。

テレ朝が五島の浮体式洋上風力発電を取材報道。2023.2.5(リンク)

「急速拡大する浮体式洋上風力発電と我が国の課題 長崎大 海洋未来イノベーション機構 織田洋一 先生 R4年第1回海洋技術フォーラムシンポジウム 2022.6.28

ノルウエー エクイノール社 では浮体式風力発電10年の実績があります
●2010〜2015まで、五島市沖、福島県沖で浮体式洋上風力発電実証事業がおこなわれました。
●国内でも戸田建設が2016年商用運転開始しました。
●環境省でも地産地消型・浮体式洋上風力発電を推奨し、シンポジウムを開催しています。
●ノルウエー Floating Wind 国際シンポジウム2020が動画で公開されています。

画像はスパー型。浮かんでます。
IMG_7589
フロートも商用で使用されています。IMG_7592

000932979

ノルウエーの取り組みの進化。2008年にデモ 2018年から商用プロジェクト建設中のようです。

スクリーンショット 2022-12-24 20.48.54(2)

環境省主催 浮体式洋上風力発電シンポジウム (youtubeで見るをクリックしてご覧下さい
基調講演の東京大学名誉教授 木下健先生のお話の中で、23分ぐらい欧州の風力発電の歴史の中で、「低周波音の健康問題などで、陸上から海へ、海上へ移っていく。」との発言も聞かれます。
 

●ノルウエー 浮体式洋上風力発電 国際カンファレンス 
(最下部に2020開催の動画が見れます)
https://norwegianoffshorewind.no/floating-wind-2022/

参考記事 日本経済新聞 洋上風力「浮体式」海外勢と争奪戦 安定供給に課題も


2023.1.13更新

浮体式洋上風力で、10年の実績を積むノルウェー、エクイノール社から、質問事項への回答がきました。以下、ご紹介します。


Q1: ノルウェーの開発では、離岸距離はどのようになっているでしょうか?

A: 基本的に領海外(離岸距離約22.2km以上)での開発が進められています。

Q:2 浮体式洋上風力のメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

A: 水深の制約が小さく、平均風速の大きい水域に設置可能で一基当たり発電量の増加が見込まれます。

Q3: 地震、津波には強いのでしょうか?

A: 地震の揺れは係留索で吸収されて浮体までは伝わらないため、影響は少ないと言えます。津波の高さは水深が深い沖合では沿岸部と比較して非常に低いため、こちらも影響は少ないと言えます。

Q4: 日本での開発について、どのように考えておられますか?

A: 日本周辺の海域は着床式に適した浅いエリアが少ないため、日本政府が掲げる風力発電の導入目標を考慮するとかなりの規模の浮体式での開発が必要と考えられます。

Q5: パイル打ちが伴わない浮体式の場合、魚類や海洋哺乳類への影響が少ないようにも感じますがいかがでしょうか。

A: 設置工事中に発生する水中騒音は浮体式の方が小さくできる可能性が高いため、水中騒音による魚類や海洋哺乳類への影響は少なくできると考えられます。

Q6: 着床式とのイニシアルコスト、運転コストの差がどのぐらいあるか?

A: 浮体式は着床式と比較してコンポーネントが多いため、発電設備自体のコストや運転にかかるコストは高くなる可能性があります。一方で、浮体式においてはプロジェクトの大規模化によるコスト削減、平均風速が大きい海域を選定する事で設備利用率が向上し売電収入が増える、などの可能性が考えられます。

         Environment & Permitting Manager  Equinor New Energy B.V.


 

 

 

 

 

 


加茂風力発電所計画とラムサール条約湿地 9月一般質問


原稿と書き起こした答弁です。(9/15 1;30更新)


草島 市民の声・鶴岡 草島進一です。
質問いたします。

先ず、加茂地区風力発電所計画について

今回は、野鳥の問題に絞って質問します。この間、ラムサール条約湿地であり、水鳥の集団渡来地としては県内唯一の国指定鳥獣保護区 特別保護地区 の大山上池・下池の野鳥の現況について、環境省の調査員の方にうかがいました。

 コハクチョウ3千羽、マガモ 2万から3万羽の他、

国の天然記念物に指定されている 準絶滅危惧種 オオヒシクイ 1000羽、

絶滅危惧Ⅱ類のヒシクイ200羽 準絶滅危惧種 マガン200羽 

珍しいものとしては、

絶滅危惧ⅠA類ハクガン30羽 まれにIA類 シジュウカラガンが観測されているとのこと。

又、高舘山と荒倉山の中間の建設予定地には絶滅危惧ⅠB類であるクマタカの営巣地があること。又、秋ごろからいずれも国の天然記念物の絶滅危惧ⅠB類 イヌワシ、絶滅危惧Ⅱ類のオオワシ、オジロワシが周辺で頻繁に見られるという事を確認しました。

現在 計189種の野鳥の生息が確認される国際的な特別保護地区であります。

風 力 発 電 が 鳥 類 に 与 え る 影 響 は 、2020年3月末時点で国内で580件発生しているバードストライクの問題。  生息地などの放棄。 渡りルートの変更など移動の障壁(しょうへき) と国内でも実例がある、3つの問題が指摘されています。

日本野鳥の会 山形支部からは、

●ハクチョウ類、ガン・カモ類の渡りルートとなっているため、飛行の際のバードストライクが発生する可能性がある。
●風車が飛行の障壁となり、渡りルートが変更になったり、越冬地が放棄される可能性がある。
●ミサゴやオオタカ、オジロワシ、オオワシといった 希少猛禽類が餌場として利用しており、特に猛禽類のバードストライクは、オジロワシで今年3月までで国内で70羽発生しており、クマタカでも国内事例がある。バードストライクや、餌場としての利用が減少してしまう可能性がある。

との見解をうかがっております。

 日本野鳥の会からは、現在計画が進む 矢引風力発電事業に対して、「計画地は5k離れたラムサール条約湿地で越冬する野鳥たちが集結し、採餌する区域にあたり大きな影響を与える」との意見書が提出され、環境大臣 及び 経産大臣意見でも、想定区域の周辺には大山上池・ 下池が存在し、衝突事故など、影響が懸念される。鳥類に関する適切な 調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、鳥類への影響を回避 又は 極力低減すること。と要求されています。

今般の計画は条約湿地から2キロから3.5キロに8本、高さ最大で182m 出力6000kwと、三瀬の2倍の巨大な風車が立ち並ぶというものであります。

矢引の計画よりもさらに近く、更に大型の風車の建設は、バードストライクの発生する可能性が格段に高くなることが懸念され、「どれほど、野鳥に脅威となるか計り知れない」 との見解を野鳥の会の方から頂きました。

国内53箇所あるラムサール条約湿地に近接している風車について、環境省のご担当者に伺いましたが、「3例ほど、2012年に風力発電事業が環境アセス法の対象になる前にはあったものの、それ以降は、条約湿地から5k未満の建設はほとんどない」事を確認しております。

そこで質問します。

●先ず、今般の計画が、条約湿地に全国で最も近い場所での開発計画だという事への、市の認識をお尋ねします。

市民部長  事業の計画予定地につきましては、平成24年3月に公表された、山形県再生エネルギ-活用可能性報告書におきまして、大規模発電の候補地として抽出されているものの、ラムサール湿地が近傍であり、望ましくない。と注意書きを付して公表されております。

本市としても県の注意書きを踏まえ、しっかり鳥類等、自然環境や景観への影響を精査していく必要があると認識しております。

草島  現在、条約湿地から5kで計画が進む矢引の計画で、環境大臣 及び 経産大臣より意見された、条約湿地の鳥類への影響の回避には、どんな環境保全措置が示されたのか、伺います。

市民部長  次に三瀬矢引風力発電事業に関する質問にお答えします。

この計画については、すでに環境アセスメントの手続きが進められています。事業者より国、県、市に対して、環境配慮書が令和2年6月に、環境影響評価方法書が、同年11月に届け出されて、公告、縦覧がなされております。この方法書に対する県からの意見紹介に対して、市では環境審議会や庁内関係者と意見を集約し、県に提出しております。これを踏まえ、県ではラムサール条約湿地の鳥類等への影響の回避について、専門家等の知見、及び最新の情報を参考に調査し、事業による影響を回避又は提言することと、国に意見しております。

国ではこの県の意見を含め、方法書の審査をおこない、事業者に対し、県の意見書を添付して勧告がなされております。この勧告を受け、事業者では更に調査、予測及び評価を実施し、環境影響評価準備書を作成する流れとなっています。鳥類への影響の回避などについての措置については、今後提出されるその準備書において回答されることから、公表された際には市のホームページ等でお知らせすることとしております。

草島 又、加茂の計画の、今般提示した野鳥や、ラムサール条約湿地への影響を市としてどのように捉えているのか、お伺いします。

市民部長  次に、絶滅危惧種を含む野鳥やラムサール条約湿地への影響についてでございますが 当該地の登録基準といたしまして、大山上池下池は、定期的に2万羽以上の水鳥を支える湿地に該当しております。このため、ご指摘のバードストライクの発生や、湿地への飛来ルートへの影響、水鳥などの減少、また、自然環境の影響などについて、国や県にも確認しながら検討していく必要があると考えております。

草島  市では2020年12月に、出羽三山と金峰山に関連する区域の風力発電所の設置を認めないとして、ガイドライン上で制限区域を定めました。私は、ラムサール条約湿地を中核として、自然保護行政を進めてきた市として、予防原則に立って、「ラムサール条約湿地については、野鳥へ重大な影響が及ぶと考え得る 5K半径のバッファゾーンを含めて、設置を認めない」と、ガイドラインに加えること。

そして、開発業者に対しては、計画中止を促すなど、早期に意志表明をおこなう事を求めます。 見解をうかがいます。

市民部長 最後に市ガイドラインに制限している対象地域に加えることと、計画の早期撤退を促す意志表明についてお答えいたします。
 本市ガイドラインの制限対象区域として、具体的に例示している区域は、出羽三山および金峰山に関連する区域となっております。同じく、制限対象区域としては、本市の豊かな自然環境や、歴史文化的資源から構成される良好な景観を形成する地域としており、この度の計画区域につきましては、ラムサール条約登録湿地に近接していることなどから、その区域に該当する可能性がございます。したがって、住民の同意や鳥類などの生態系及び景観等への影響について、専門家等にも相談して慎重に判断ていく必要があると考えております。
 本市の計画に対する意志表明といたしましては、先ずは、現在事業者が風況調査と環境アセスメントの実施にかかる住民同意を得るために、住民説明会を開催しておりますので、その動向を注視してまいります。

草島  この風車建設は、認めれば全国初の事例となり、もし影響が生じれば全国、又、国際的に、非難の対象となりかねません。条約委員会が発行する「生態学的特徴を損なうような変化が既に起こっている、または起こりつつある、起こるおそれがある条約湿地のリスト」である、「モントルーレコード」へ掲載される事例になるではないか、と危惧するものです。見解を求めます。

●市民部長   この度の計画区域につきましては、ラムサール条約湿地に近接していることなどから、その区域に該当する可能性がございます。従って、住民の同意や、鳥類などの生態系、及び景観等への影響について、専門家等へも相談して慎重に判断していく必要があると考えております 

草島   先ほど調査が必要というお答えが部長からありました。この調査の考え方として一点、環境アセス上の調査を進める上での判断という見方もあろうかと思います。しかしながらですね。矢引の計画の時点で、環境大臣及び経産大臣の意見書で影響が懸念されるとあり、鳥類に関する適切な調査が求められております。既に業者には、このラムサール条約湿地周辺の生息状況、営巣地、飛行経路など、詳細の調査が既に課せられていると思います。市としては、この矢引の計画段階で、事業者にラムサール条約湿地周辺の調査を十分におこなわせ、その資料を公開することを、要求すべきと考えますが、見解をお伺いしたいと想います。

市民部長 先ほども、環境アセスメントの手続きに関してはお答えいたしましたけれども、評価書の段階、それから方法書、ともに公表をされております。縦覧期間も終えておりますので、そこで一定の説明がなされたものと認識しております。尚、国からの勧告をうけまして、また、更にそれに対する回答がこれからなされますので、その際には住民の皆さんにもその事をお知らせしながら、ぜひその縦覧に対してよくご覧頂けるようにご紹介してまいりたいと思います。

草島   加茂の計画に踏み込む前にですね。矢引の段階でしっかりと調査を求め、判断の基準にしていただきたいと思います。

私は、市全体として、ラムサール条約湿地の認識不足を感じています。
現在、住民に対して開発側の説明はおこなわれていますが、ラムサール条約委員会や野鳥保護の立場での説明はおこなわれておりません。今後、市民や市が検討・判断をおこなうにあたり、環境審議会に環境省のラムサール条約湿地のご担当と、野鳥と風力発電の問題に精通した有識者を招き、審議頂く事。またその方々から市民への説明会を行なって頂くことを求めます。見解を求めます。

●市民部長  ただいま、環境審議会に有識者を招く事、それから市民への説明会についてご質問がございました。繰りかえしとはなりますが、現在開催しております、住民説明会の動向を注視しているところでございますけれども、議員ご提案につきましては、専門家とも良く相談しながら必要な助言を受けて参りたいと存じます。以上です。

草島  この問題は地元住民だけの問題ではなく市全体の環境政策の問題です。

今、提案した説明会も、今後の業者の説明会も、審議会も、多くの市民が関われるよう、完全公開、録画や配信などが可能な形での開催を求めます。

環境アセス上で、開発業者が依頼する鳥類の調査は、長期にわたって野鳥を網羅的に調査するものではなく、決して十分なものではありません。アセスに踏み込むなら、市独自の調査も必要です。又、アセス上の意見に対する配慮には「建設中止」というゼロオプションは想定にありません。所詮、意見書への配慮として、当初からの想定の中で、風車の数を減らすとか位置を変える等というのが常套手段、ということを、長年アセスに関わってこられた有識者に伺っています。

●要するに、環境アセスの前段階で意思表示をおこなわず、アセスに踏み込めば、事業を概ね認めることになる。というのが通例 ということです。

 矢引の計画で湿地周辺の調査報告を提出させ、それも判断材料にしつつ、国際的な保護区としてのラムサール条約の主旨を踏まえ、アセス前に「予防原則」にもとづいて、ガイドラインの制限区域を設定する、いわばゾーニングで判断するということを大原則にしていただきたい。と考えます。

●又、昨年10月に風力発電開発の環境アセス要件が1万から5万Kwに変わり、加茂の全体で4万KWの開発計画には法アセスが適用されません。矢引の計画までのような手順は義務ではなくなり、環境大臣や経産大臣の意見や勧告もなくなり、野鳥への影響調査は簡易になる可能性がある。このリスクも踏まえるべきと思います。

  ●風力発電施設の設置にあたっては、重要鳥類生息地や、鳥類が集まる場所、渡りの経路上、保全上重要な種が生息する場所などの、環境保全上重要な地域を、「事前に避けるべき」、と言う「予防原則」が、国際的な野鳥の保護機関である バードライフ・インターナショナルの勧告であります。

以上、しっかりと受け止めていただくことを強く要望します。


 

2)草島  次にラムサール条約湿地 自治体認証などの取り組みについて伺います。

今般の風車計画問題で再認識された感があるラムサール条約湿地ですが、今年は国内で2つニュースがありました。一つは今年5月スイスで開催された59回常設委員会で「ラムサール条約湿地  自治体認証制度」に新潟市及び 鹿児島県 出水(いずみ)市 の認証が決定した。という事であり、もう一つは、絶滅寸前だったシジュウカラガンを復活させた「日本がんを保護する会」会長の呉地正行 (くれちまさゆき)さんが、日本人で3人目のラムサール賞を受賞された事であります。

私は大山の上池・下池のラムサール条約湿地登録の提案を2001年3月議会でおこなっているのですが、その頃、足繁く現地にいらして情報提供いただいたのが呉地さんでありました。提案後、役所の同意、地元合意まで時間を要しましたが、
2008年に韓国での締結国会議で登録され、あれから12年。

拠点施設ほとりあ も、開設から10年を迎え、又、当市も未来都市であるSDGsの目標15で、湿地の生態系や保全が重要とあり、改めて再価値化する必要性を感じております。
 湿地自治体認証制度は、湿地の保全・再生、管理への地域関係者の参加、普及啓発、環境教育等の推進に関する国際基準に該当する自治体に対して認証されるものであり、「ほとりあ」でこの間実践してきた、湿地環境の保全活動、外来生物駆除による生物多様性の再生として、ザリガニやウシガエルを捕獲し食材として提供するなど、人と湿地の関係性の再構築に務めてきた活動を評価し発信することになると思います。

又、月山のちとうの、高原の湿地環境、西茨新田湿地、又、庄内平野に広がる水田の多面的機能にも新たな価値を与え、新たな国際的な自治体ネットワークの構築の取り組みとなると考えます。 ぜひ湿地自治体認証への登録を提案します。見解を求めます。

市民部長 ラムサール条約湿地自治体認証への登録についてお答えいたします。この自治体認証制度は、議員ご紹介のとおり、ラムサール条約常設委員会が湿地の保全再生、管理の地域関係者の参加、普及啓発、環境教育等の推進に関する基準に基づき認証をおこなうものでございます。国内では2市が日本ではじめて承認され、国外をあわせると13カ国、25都市が認証されております。認証を受けた自治体では自治体のブランド化、地域における湿地の保全や懸命な利用の更なる推進が図られるものと認識しております。本市としては、認証を受けた自治体の取り組みや課題なども情報収集につとめ、地域関係者の意向も確認しながら、ほとりあ等の取り組みも含めまして、今後どのような活動ができるのか、先ずは調査、研究してまいりたいと考えております。

草島 ぜひよろしくお願いします。


●草島 次に西茨新田湿地の保全について伺います。この件は、2016年6月議会で

故 渡辺ひろい議員が質問されています。

西郷地域、平地でミズバショウが見られ、原生のハンノキ林があり、

貴重なチョウ ミドリシジミ がみられる 約4ヘクタールのエリアであり、
植物274種、オジロワシなどの猛禽類をはじめ121種の鳥類、昆虫は137種類、が観察される「庄内の原生風景」をとどめた湿地であります。
 当市議会では平成9年3月にここの湿地林を天然記念物として保護する請願が提出され、全会一致で採択。その後、教育委員会が天然記念物指定に動いたものの

地元地権者の同意が得られず指定を断念、その後、調査報告書を作成するにとどめたとのことでありました。  
 長年にわたり西郷小学校の子ども達が「ミズバショウの里づくり」として、保全活動、環境教育の場として利用し、今も続いていると伺っています。   
 保全施策の必要性が、地元や研究者などから、ほぼ40年前から求められ続けているにもかかわらず、現在も開発危機に直面する民有地のまま、市としての保全施策がとられないままで経過してきました。

改めて市で所得するなどし「庄内の原生風景」を活かした自然公園として、保全、活用がはかれないか。例えば風力発電の開発業者に対し、ミチゲーション手法での代替自然(だいたいしぜん)の回復といった地域貢献、を促すなど、民間資金の活用も視野にいれ、ぜひ再度検討を求めたいと思います。見解を求めます

市民部長 それでは西茨新田湿地の保全、活用について、お答えいたします。

西茨新田湿地は現在、民間所有となっておりますが、議員ご紹介のとおり、西郷小学校の六年生が、自然環境学習の場として活用しているとうかがっております。本市といたしましては、当該湿地について、市が所有して自然公園として管理することは考えておりませんが、地域住民の意向を伺いながら、地域での保全や活用方法、また、議員ご紹介の地域貢献としての民間活力の活用などについて、現状の把握と課題整理を先ずはおこなって参りたいと考えております。以上でございます。

草島 生物多様性の全体量が減らないようにする、NO NET LOSS というのがあるんですけれども、どこかで開発をおこなわれたら、どこかで回復する。そういった発想の地域貢献を求めていく、新しい発想での取り組み、期待しております。


●草島 今年12月には国連生物多様性条約第15回締約国会議COP15がカナダで開かれます。2010年の愛知ターゲットの次の生物多様性の目標として、2030年までに損失をくい止め、陸と海の30%以上を保全、保護を目指す目標 30BY30(サーティバイサーティ)が決議される見通しであり、

国内でも、更に保護地域の拡充、生物多様性に貢献する場所の新たな認定、

が求められます。

高山帯から里山、湿地、海浜砂丘など、多様で豊かな生態系を有する当市として、こうした新たな目標も踏まえ、絶滅危惧の動植物の消滅を回避することは重要と考えますし、その為の基本的な計画である「生物多様性地域戦略」は必須だと考えます。

ぜひ自然度の高い各地域庁舎でも担当を決めるなどして調査をおこなうなど、策定に取り組んで頂きたいと考えます。見解を求めます。

市民部長 生物多様性地域戦略の策定、市民調査、情報収集などについてお答えいたします。 生物多様性の保全に取り組んでいくためには、市民の方に本市の多様な植生や課た、について知って頂き、身近な問題として理解を深めていただくことが、重要であると考えております。生物多様性地域戦略につきましては、現在策定中の第二次環境基本計画におきまして、一体的に策定することとしており、大きな柱の一つに位置づけることとしております。具体的なとりくみといたしましては、本市の生物多様性を身近に学ぶ事ができる、自然学習交流館 ほとりあ を最大限活用し、体験を通した自然学週を推進していくとともに、地域固有の希少種生物などの多様性の保全に取り組んで参ります。今後とも地域調査とも連携をはかり、地域の資源調査や、情報収集につとめるとともに、幅広い世代の皆様により本市の生物多様性について、触れて学ぶ機会を創設し、市民への意識啓発や醸成を図って参りたいと考えております。以上でございます。


 

草島 ぜひ、しっかりと取り組んで頂きたいと思います。1と2 ここまでの議論もふまえて、市長にお伺いしたいとます。

風力発電事業ですが、上池・下池から5Kmの矢引の計画の時点で、環境大臣も経産大臣も野鳥への影響を懸念し、調査を求めていますし、私も懸念しています。でも矢引までは、ぎりぎり認めたいと思います。再エネは進めたいですから。でもその先は絶対NGです。地域還元の薄い植民地型開発、という点でも、矢引までにしていただきたい。と思います。
 国際的な保護地域であるラムサール条約湿地と半径5kmのバッファゾーンは、30 By 30を踏まえた新たな保全地域として認定登録するなどをおこない、善寶寺から高舘、荒倉、由良までを結ぶ ブナ林の自然豊かな14Kmを散策できる 通称 「庄内海岸アルプスロード」を、新しいハイキングトレイルとして認め、発信するなど、「ラムサール条約湿地がある鶴岡」だからこそできる生物多様性戦略を前に進めて頂きたいと思います。市長の見解をうかがいます。

 

市長 今、草島進一議員さんからご質問をいただいた点でございますけれども、今、議員が2001年3月議会でラムサール条約の指定について、提案をされていたということ、について、改めて敬意を表する次第でございます。国際的な動向、30by30のお話もございましたけれども、この生物多様性戦略、大変重要だと私も受け止めております。この度の計画はラムサール登録湿地の大山上池・下池自然休養林の高舘山に近接しておりまして、多様な動植物の生態系が活用されている大変重要な場所でございます。また、環境大臣、経産大臣についてのお話もありましたけれども、山形県におきましても、平成20年3月の報告書におきまして、ラムサール湿地が近傍であり、望ましくないというような注意書きを付して風力の候補地の抽出がおこなわれております。この現在ですね、地元の説明会、住民説明会がおこなわれているところでございますので、先ず住民の合意のゆくえも注意しつつ、そして、国や県、そして専門家にも十分ご意見を頂いて、この生物多様性ということに十分配慮した取り組みを推進していく必要があると認識をしております。

  •