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検討不足のダム建設、ストップ!知事に申し入れ。


以下、午後3時に申し入れしました。
この建物は、約2Mの耐水壁を設置し、治水対策をおこないつつ、建設がなされております。以前、赤倉温泉地域の目標となる340トンの基本高水水量が流れた際、基準点で1.42Mの水位上昇すると県は示しました。
 この壁はそれを想定して2Mにしているかのように見えます。要するに、こうした壁をつくるなど、建物の耐水化をはかることによって、治水対策は十分可能なのではないでしょうか。

よく県は浸水被害と強調しますが、たとえば21年水害で、3 件の浸水被害といわれていますが、この時は川はあふれたのですか?
これは明らかに内水氾濫による浸水被害ではないでしょうか。
 これまでの水害浸水被害において、どの被害で溢水などがおこっているのか。明らかに示して頂きたいと考えます。

また、知事は、歴史ある温泉街を現状のまま存続させると答弁しました。しかし、現在、明らかに河道に迫り出したままの温泉旅館があり、危険を自らつくりだしているように思えますが今般の治水事業でこうした河川管理者として不適切と思える箇所について工事をおこなわないのでしょうか。
 また、河川占有許可の表示がある電信柱よりも川に張り出して立地する温泉旅館があります。これについても「そのまま存続」ということでしょうか。
 更に、河川管理者である県の事業で明らかに川を狭め、流下能力を下げている護岸がありますが、これもそのままにするのでしょうか。

生命と財産を守る治水対策についてですが、なぜ県は最近の実例や3.11の教訓から学べていないのでしょうか。
2004年7月の新潟 7.13水害では、上流にダムが2つあり、その一つは穴あきダムある五十嵐川で堤防が決壊し、七千棟以上の床上床下浸水、死者9名の犠牲者を出しました。昨年9月の豪雨災害があった和歌山県では、3つのダムが満杯で治水の役目を果たしていなかったことが報道されています。和歌山県日高川に「100年に一度の雨に対応する」「つば山ダム」がありますが、氾濫し、家屋59棟が全壊、3人も死亡しています。

 それに対して新潟の五十嵐川では04年水害を教訓に、下流部200戸の移転をともなう河道拡幅をおこないました。昨年7月末の豪雨ではそれが幸いし、下流域で犠牲をだすことはありませんでした。
 想定を越える超過洪水の際にはダムは機能せず、それに対して危険箇所の屋移転と河道拡幅など、ダムに依らない治水が効果的でした。これは最近の実際の現場あるいは、3.11の潮止め堤防を越えた津波被害からの教訓であります。
 傾向として近年広範囲にわたる豪雨が発生している今、治水政策のトレンドは、「どのような洪水であっても人命が失われることを避ける。」ことであります。そのために、ダムにたよる以前に、まずは段階的に河道内の流下能力を改善すること、雨水貯留(うすいちょりゅう)、また、土地利用規制や耐水化建築などの「氾濫原の減災対策」、そして「地域防災力の向上」を組み合わせた「総合治水」対策を極限まで、とりくむべきであります。これは兵庫県、滋賀県などが率先してとりくんでいます。

更に質疑で指摘したように、温泉湯脈の影響について、川辺山形大教授の見解が全く排除されたままになっております。河床掘削のリスク回避のための集中管理の検討も十分におこなっていないことが解りました。

山形県は、治水に他に有効な手段あるにもかかわらず、そうしたダムだけに頼らない治水策等を唱える河川工学者や温泉研究者などを排除したかたちで、検討を進めた結果、ダム治水に偏重していると考えます。全くの検討不足であります。
 

2)環境への影響について。

 穴あきダムの環境影響について、全国的に小国川のような清流域に造られる穴あきダムは初ケースであります。これまでこうした清流域で穴あきダムが造られたケースがないため、「環境に影響が少ない」の科学的実証根拠は全くないといっていい状況です。
 清流環境として小国川と匹敵する河川は、九州熊本の川辺川でありますが、蒲島熊本県知事が「清流こそ守るべき宝」と白紙撤回した「川辺川ダム」も穴あき(流水型)ダムでありました。
 小国川ダムと同様の穴あきダムの先例は、島根県益田川ダムであります。
直接今年視察してみると、コンクリートのダム本体とその下流にある副ダムの間に土砂がたまり、一部はヘドロ化しておりました。通常のダム同様、巨大な構造物には変わりなく、河川環境に甚大な悪影響を与えるダムそのものだ。ということを実感しました。また、工事期間中には白濁し、釣りや漁業が全くといっていいほど、できなかったことを、流域住民から確認しております。これまでのダム計画等でも国土交通省などが、環境に影響がないといって、影響がない事例はなく、今般の流水型ダムも同様ととらえます。
 先行事例の島根県益田川ダム、石川県 金沢の辰巳ダム上流には大型のダムがあり、新規ダムが造られる以前に大型ダムで環境がすで破壊され、清流とはいえない環境でありました。
 県は県が招聘した環境影響委員会のみの判断で、どこから見ても浅はかな検討だけで「環境に影響が少ない」などと結論づけております。
高知県「たかはし河川生物調査事務所」の高橋所長は、この検討プロセスを全くの「検討不足」と指摘しています。この判断は極めて危険なものだと考えます。
 生態系に影響するかどうかは、最低20年の実証がなければ判断できないことは、現在国交省でおこなっている自然再生事業の元になっている「近自然学」等河川生態学の分野では当然なのですが、この穴あき流水型ダムは、全く科学的な実証もされていないのに「環境に影響が少ない」などと県によって勝手に判断されています。大規模な環境破壊を行う前に、この新型ダムによる影響の徹底的な再検証、再検討を求めるものであります。
 

3)総合的な検討について
観光面、水産業への影響など、総合的な検討が全く不十分であります。
私は、昨年9月の一般質問で、「鮎釣り効果」を年間21.8億円の経済効果を専門の研究者により現地調査をしていただいた上で科学的に試算し、昨年の9月議会より問題提起をし「自然資本の価値」を失った場合の流域経済への影響と指摘をしてきました。そしてこのたびの質問でも、こうした資本の損失についての影響を知事に尋ねましたが、それに対する答えが全くありませんでした。
このことは、今般の商工労働観