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田中正造、南方熊楠とナチュラルステップ、そして出羽庄内。


私達はどこに向かうべきなのか。
2013年、年頭。改めて、これからは、刹那的な景気浮揚などの成り行きに任せたフォアキャスト的な発想では立ちゆかず、確実に何を目指すか。そのポイントからバックキャストして今からの一歩一歩を行動して、そのポイントに向かう事でなければならない。

深夜。NHKで田中正造と南方熊楠をとりあげた特集の再放送をやっていた。
明治時代に自然との共生思想を説き、時代に闘った二人の思想や行動は今、ポスト311を生きる私達に重要な示唆を与えてくれる。

田中正造は、足尾銅山の鉱害を国会で訴え続け、後に国会に失望し議員を辞職し、その後、谷中村に入り、渡瀬川を歩き、水害調査途中、71才 倒れている。


水は自由に高きより低くに行かんのみ
水は法律理屈の下に屈服せぬ
水は人類に左右されるものでない。
水は誠に神の如きもので
人類 誠にへぼな人類なぞの
きめた事に服従はしない

真の文明は
山を荒らさず
川を荒らさず
村を破らず
人を殺さざるべし

そして南方熊楠は神社合祀令による村の神社の解体、神木の伐採の動きに反対した。

そもそも日本にエコロジーを「エコロギー」と伝えた方だ。

自然と人の心。自然と神との関係性を説いている。

二人とも、あくまで民の側に付き、敢然と政府の自然破壊に立ちむかっている。

二人の意思や目指す日本型エコロジー思想を受け止めつつ、現実として最上小国川ダムについて絶対建設反対、ダムに依らない治水を叶えることことそ、赤倉温泉や流域地域の真の発展の方策だと改めて訴えたい。
ポスト311を乗り切る僕らは、大いにこの思想、行動を受け止め、今を生きる人、次世代に継承せねばらないと改めて感じた。

では一体 どんな社会を目指すべきなのか。


そして、冒頭のバックキャスティング型で考える目標は「持続可能な社会」だろう。改めてこれも示しておきたいが、これには4つの判断基準がある。

1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない。
3)自然が物理的に劣化しない
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない。

である。この判断基準を満たすのが持続可能な社会だ。その方向を考えていったら、原発やダムは明かに論外ということになる。私は、2008年、鶴岡に訪れ、講演をしていただいたたスウェーデンナチュラルステップ ESAM のグンナルブルーンディーンさんらに、実際にこの4つのシステム条件をまちづくりの基本指針に掲げて、その社会を目指している自治体があり、5月にその国際会議があるということを伺った。そして、その会議に鎌仲監督と一緒に訪れたのだった。実際77のスウェーデンの自治体がその羅針盤を持ち、運営している。そしてカナダのウィスラー市など国際的にその動きが広がっていた。
 僕はそのとき一つの確信を得たのだった。我々が進むべき道はこれだ。と。

2011年3月11日の震災と原発事故を受けて、今、改めてそのサスティナブルな社会への道へ、いよいよ持続不可能な社会を持続可能な社会へと転換する。それを今こそやるべきだと。改めて思っている。

環境の3要素、化石燃料からの脱却、化学物質依存からの脱却 生物多様性の尊重は、実は経済を持続可能なものにするために重要な要素だ。ナチュラルキャピタル(自然資本)は改めてカウントされなければならない。

そして社会のあり方として、多くの方々が平等にチャレンジができる社会にするように、人々の基本的なニーズとは 生命維持の他に保護、愛情、理解、自由、参加、創造、休養、アイデンティティ、と全部で9つのニーズがあり、それを満たすことを妨げないことと、ナチュラルステップでは定義づけしている。この9つのfundamental needs はチリ在住の経済学者、マンフレッドマックスニーフによるものだ。

今、ひたすらに、持続可能な社会への転換を訴えたい。

草島進一 2013.1.3