鶴岡市合併5周年。課題は真の協働のための情報共有。
本日、10月1日で合併から5年たちました。
昨年の議会等でも指摘したことですが、(昨年は平成19年度の資料でしたが)平成20年度の財政比較分析表を提示します。
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020022/zaisei/zaiseizenpan/zaiseihikakubunsekihyoh20.html
これでみても鶴岡市の財政力は0.46で類似団体39団体中38番目です。
合併は行政改革だ。と当局は、合併の際によく言っていたものです。合併によって、事業の削減と、要は職員のリストラをする。それが、改革そのものだとの主張だったと認識しています。
しかし、僕は、合併を通じて、「あれもこれも」から「あれかこれか」の選択をしていくことや、新たな総合計画も行政評価手法を組み合わせたかたちでおこなうなどの事、そして情報公開、共有を徹底的にやって「協働」のしくみを構築をしないと本質的な行革にならないと主張し続けてきました。
この間、人口減少に転じる自治体の多くで、「行政評価」手法をとりいれたり、「事業仕分け」をおこなう自治体がどんどんでてきています。僕も「行政評価」のいいだしっぺの上山信一さんが主宰するフォーラムなどに参加し、そこで学んだ知見から議会で提案をするなどをしたものでした。しかし、富塚市長の下では、今、全国の多くの自治体がチャレンジしている本質的な行革は進まなかったように思えます。
先日、全国オンブズマンでおこなった情報公開ランキングでは、鶴岡市は県内で最下位という不名誉をいただきました。随意契約を結んだ相手の選定理由を「未公表」としています。請求を「住民のみ」とする。など、こうしたことも以前からほとんど改善されずに、今回の結果となっています。
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20100904ddlk06010024000c.html
今、議会では文化会館をどうするか。という課題が提示されています。合併して5年がたち、あと5年の合併特例期間の内に公共投資をどうするか。合併特例債で何を優先順位としておこなうのか。いよいよ迫られてきています。
今般の9月議会を傍聴しても、「相変わらずだな」と思ったのが、当局がそれを問われたときに「庁内で調整する」という発言でした。それを受けた議員も、それで納得するような姿勢だったので僕は疑問をもちました。このことこそ、今、問われなければならないと思うのです。
限りが見えてきた合併特例債で何をするか。相変わらず慶応先端研やバイオベンチャーに市税を注ぎ込み続けるのか。それとも文化会館の改築、改修に投資するのか。持続可能な社会形成のため、また地域で循環する経済をつくるため、低炭素社会のインフラ整備に投資するのか。合併町村の希望をどれだけ叶えるのか。
その優先順位の決定には、今一度、それらをテーブルに全部あげて、その「あれかこれか」の判断は、市民が徹底的に参画して意志決定されるべきだと思うのです。その際には、オープンな場で第三者的な仕分け人もともない、行政側が説明責任をはたしていくような、「事業仕分け」をともないつつ、今後の公共投資を精査する。など、新たな仕組みも必要に思えるのです。
これまで、市の事業は特に、決定についても、プロセスの過程も密室でおこなわれることが多かったと思います。できあがってから「え、そんなところにこんなものが!?」という事業を僕らはいくつも見てきたのではないでしょうか。T氏のモニュメントや橋も然り、つりバカ会館、そして、藤沢周平記念館もいまだに場所の選定などに疑問符がついています。市民参画の議論やプロセスが不十分なまま、進められた結果でしょう。
思えば 、僕らは10年前に「自分たちが支払って、飲む飲み水ぐらい、自分達の声で選択しよう」
と、月山ダムからの受水の是非を問う住民投票運動をおこないました。月山ダムと広域水道事業については、市民への説明責任が十分に果たされずにその事業が遂行された象徴的な事業だと私は感じています。
。市民が直接支払う水道料金に重大な影響を与えかねない要素である水需要予測と実際のズレが大きかったことや、今後の人口減少時代に、訪れる危機について、しっかりと議論されず、説明も十分におこなわれず、根本的な解決策がとられませんでした。そればかりか、自分達が正しいとばかり、主張して疑問の声を寄せ付けないまま、以前からの事業を粛々とすすめたのでした。
結果、料金2倍、水質低下の水道水という事を招いています。そして更に今後、更に人口減少した際には延々と市民の水道料金をあげざるを得ない、大きな矛盾と破綻の危機を孕んだ事業となっています。
あのときの住民投票の署名運動は、今思えば、本当に大変な、しかし、このダムと広域水道の構造的な欠陥問題を全国に提起した、大いに意義のある運動でした。実際に大変だったのは市民と市民との対立と古い体質の政治との闘いでした。署名活動で訪問していると、党の立派な広報カーがあらわれて「署名をしないでください」「ダムの水はおいしい」と宣伝がおこなわれていました。きわめつけは、直接請求署名を集約する受任者の名簿を役所が公開をし、それに自民党議員たちが圧力をかけるという行動です。今も鮮明に覚えていますが、なんとも恐怖さえ覚える事態でした。ちなみにこれと同様の事をおこなった四国の大州市は、裁判で訴えられ違法と判断されました。
住民投票の署名活動を下に開かれた臨時議会の際の市長答弁、運動した市民に対して「反社会的行為」と指摘した言葉には、ああ、この市の民主主義はどこかにいっている。と改めて感じたものでした。
さて、これらの事はあらためて整理してみなさんにお伝えしていきたいと思うのですが、そうした、とにかく鶴岡市政では、「決めるのは役所」「議会は追認機関」「疑問をもつ市民は少数派だから仕方ない」という姿勢がずいぶんとまかりとおっていたように思えます。
合併特例期間を過ぎると30億円予算が減る。合併したとて年間1000人ずつ人口減少。これがわかるようになってきた今になって、財政難をのりきるためにも、官民の協働。という言葉をこの市でも聞くようになってきました
だとしたら、今のような情報共有のままではダメなのだと私は思います。
この市は、市民から住民投票運動をおこされるほど、大型公共投資事業の際の情報公開、情報共有、プロセス開示、説明責任の果たし方、意志決定のあり方に問題があったのだという反省にたって、役所の意識をかえる。そのことが今、必要なのではないかと思うのです。
合併から5年。今こそ、政治がきちんと仕事 を果たす時。
また政権交代をした国、県の政治も、覚悟をもってこれまでのダメなところを変えていかないといけません。
今のままでは持続不能な日本。
真に持続可能な社会づくりを鶴岡で、山形で叶えるために、僕は、政治をあきらめません。
先日、改めて湯殿山の瀧に打たれ、新たな生命力を頂きました。
神戸の3年間、人を救う事に喜びを覚え、その気持ちのまんまで、公共事業の問題、地域の問題解決や活性化に日々取り組んできました。
被災地のがれきの中で、笑顔を生み出す市民の絆の力。社会の問題解決のための全国、世界中とのネットワーク。もちろん、多くの声をお寄せ頂いている市民の皆さん。すべてが私を突き動かす力です。更に一歩。私も根底に今の社会の矛盾や理不尽への義憤をかみしめ、それを変革すべく、前進して参りたいと思います。
我は今、力と勇気と信念とをもって甦り、新しき元気をもって、正しい人間としての本領の発揮と、
その本分の実践に向かわんとするのである。
我はまた、我が日々の仕事に、溢るる熱誠をもって赴く。
我はまた、欣びと感謝に満たされて進み行かん。
一切の希望、一切の目的は、厳粛に正しいものをもって標準として定めよう。
そして、恒に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに、人の世のために役だつ自己を完成することに、努力しよう。
(中村天風 甦りの誦句より)
市制施行記念日 合併5周年に。 草島進一
1万人ヒアリング 始動!
合併5年、水源切り替え9年、慶応先端研10年。等々 1万人の市民の皆さんの声を伺って参ります。どうぞご協力のほど、よろしくお願いします。
生態系サービス 月尾先生の講義
きょうは環境関連の打ち合わせや講座が午前中から、、夜鶴岡にもどってきておぼ1年ぶりの出羽修験塾、月尾嘉男先生の講義を聞いた。
先生のお話は多岐に渡ったが、特に生態系サービスのところは、昨今の僕の関心ごとでもあり、ずいぶんと興味深く聞き入った。終わってからその算出方法は?と先生に伺いにもいった。
生態系がありのままに維持されていることの価値ということについて、特に日本ではあまりにも「無料」と価値付けがされてこなかった。健全な水域、健全な森林、土壌。そうしたものがいかに私たちに幸せをもたらせてくれているか。ということについて、ほとんどの人々が関心を示さなかったし、政治的にも、それよりも開発のコストによる利権に重きがおかれていた。でもようやく、森林の価値、水田の価値が評価されはじめてきた。
月尾先生のお話では、日本の森林がもつ価値、70兆円。そして水田の価値、8兆2千億円。
10億円で釧路川の湿原でまっすぐになっていた川を、曲がった自然の川にする自然再生工事 10億円。
さらにアメリカでは、8000億円もかけて、エバグレース国立公園を再生しようとする試みがおこなわれている。ということ。
生物多様性年の今年、改めて、この数十年で、日本という国が、そもそも持っていた生態系サービスをどれだけ失ってきたのか。しっかりと把握すべきだ。そして、その反省を元に、デビッドブラウアが唱える
CPR(conservation, preservation, and restoration )をいかにおこなっていくのか。持続可能な社会への転換をいかに果たしていくのか。考えるときなのだと改めて思うのだ。
wikiによれば、現在この生態系サービスを経済的に評価する手法は以下。
代替法
そのサービスを人工システムと置換することができる場合の費用。例:キャッツキル水系の水浄化プラント建設費用[13]
トラベルコスト法
そのサービスを利用するために必要になる移動の費用。例:バードウォッチングやエコツーリズムの移動費用
ヘドニック法
そのサービスに関連して、土地・賃金など特定の商品に反映される付加価値。
仮想評価法(CVM・仮想市場法)
人々が付加価値を感じるかもしれないオプションの価値。通常、そのサービスにいくら支払うかをアンケートなどで調査し、価格を決定する。
Avoided Cost
そのサービスがない場合に必要となる経費として見積もる。例:廃棄物が分解されない場合に必要となる健康対策費
Factor Income
そのサービスが、収入の増加に関連する場合、その金額。例:漁場の水質改善は、漁師の収入増加につながる
どれも何か賛否両論あり、まだまだ確立していないような声も聞く。実際に日本の政策に反映されているという話はほとんど聞かない。
もう、「もったいない」ことをしないために。また、生態系サービスに直に結びつく1次産業を環境の面からも光を当て持続可能なものにするために、こうした評価が今、強く求められていると考える。
こうした生態系サービスの、経済評価の良策、今のトレンドを知ってらっしゃる方はぜひ教えていただきたいと思うのだ。
市村浩一郎衆議院議員 国土交通大臣政務官に ! おめでとう!
市村浩一郎 衆議院議員は、2004年の中越地震の際に最も現場に早く駆けつけた衆議院議員です。市村氏とは阪神淡路大震災の3年の活動の中で、一緒に現場で活動した同士でもあります。中越地震の際は、小千谷市役所で、震度6弱の余震に揺れる、僕の車の助手席で仮眠しながら災害の現地と国とをつなぐ重要な役割をしていました。

写真真ん中が市村氏 神戸以来ひさびさの再開で3ショット @小千谷高校での炊きだしの一段落の際に2004中越地震 後ろには取材を受ける菅さん、、。
羽黒修験道山伏1日体験 参加者募集!
秋の一日、羽黒山の山伏を体験しませんか。9月26日。
庄内、鶴岡の精神文化の基軸であり、庄内の農業、稲作りと密接に関係する出羽三山の修験道文化。
私も事務局を努める庄内農文化交流推進協議会の第一弾の公開ワークショップとして企画するものです。
メニューは本格的。先達は、100日行を積んだ松聖(まつひじり)、ミシュランガイドで三つ星に輝く羽黒山の石段を登り、出羽三山神社に正式参拝。その後、湯殿山に移動して、滝行。その後、坊で南蛮いぶし。
1日1万円。+移動交通費(2000円程度)でご参加になれます。
近くにいながらも、なかなか体験できない山伏修験道の体験です。只今男女、年齢問わず大募集中です。
主催 庄内農文化交流推進協議会
主管 出羽三山大聖坊山伏修行 星野塾
詳細ちらし: http://ecomu.info/000031/103.pdf
お申し込みは 090-4388-3872 まで。
メール:shonaiecomuseum@gmail.com まで、お気軽にお問い合わせを。
慶応先端研への公共投資について
先週からの市議会を傍聴しつつ、慶応大先端研への市税投入について、改めて問題点、検証すべき点を考えています。
今年度の22年度で、1期5年、2期5年、あわせて10年間の支援のひとくぎりとなります。焦点となるのは、これまでの成果をどのように分析をし、来年度からの支援のあり方をどのようにするのか。ということです。
当局は、研究のクォリティを落とすことなく今後は地元企業との連携などを模索していくため、相応の支援を考えている、などと答弁をしました。そうしながら、具体的にどのような支援をおこなうかは現段階では示せないということです。そして、これまでの成果、今後の支援の検討については県のほうで、検討委員会を識者をいれておこなう。その結果を受けて判断する。とのことでした。
「識者による検討委員会」 これ、以前の第一期でもそうした委員会が設置されながらも、いくら聞いても委員の名前もその検討の内容も明らかにされないままだったな。と思い、今週、山形県庁を訪れ、担当に話しを聞いてきました。県の担当は学術振興課から、「産業」のほうに移っていました。
伺ってみると
検討委員会はおこなれている。現在検討中で、五名ほど、担当が選任した有識者に集まって頂き協議しているとのこと。僕が、メンバーリストはいただけますか。と尋ねると、メンバーについては非公開です。で、
議論内容については公開されるのですか? と尋ねると、協議終了後、その資料を公開するかどうかの判断をします。議論の過程では公開しません。とのこと。
結局、検討検証委員会は開かれていますが、その委員は誰で、どんな議論がおこなわれているか。私たちは知ることができないのだということです。第一期目については、その検討結果についても明らかにされないまま、第2期に突入していました。役所では「成果について権威といえる方に一定の評価を得た」という事で応えが済まされておりました。
こんなことで、市民のそれも高額な税金の投入の妥当性について本来の検証ができるんでしょうか。僕は疑問をもちます。
それと、これまでの役所の答弁も、こうした委員会の検証も、学術的な評価と、公共投資としての政策的な評価は、別々に考える必要があるのではないかと思います。
今回のこれまで10年の市税、県税投入についての評価ですが、今の「誰が検証しているかわからない」。「どんな議論がおこなわれているかわからない。結果も十分に県民、市民に知らされない。そんなことでは、市民、県民が納得のいく検証とはいえないと思うのです。
いろいろな成果はあがっていることは認めた上で、しかし、今のままでは大政翼賛的なかたちで、ろくなチェックもされずに、さらなる公共投資が進められていくのではないかと、思えてなりません。
今、国までも今の事業のあり方についての検証を、議論の過程を徹底的にオープンにして、「事業仕分け」をおこなう時代です。戦略的な投資事業だという位置づけだとしても、今のような密室の「検証」のみで、よいしょっ とやられるのでは、あまりにもガバナンスが効いていないと思うのは、僕だけではないのではないでしょうか。
特例債も限りが見えてきて、更に合併特例期間後の30億円の税収減も明らかになってきている。そして、僕が思うに、地域の自然エネルギーなどの環境分野での新しいインフラ整備もやっていかねばなりませんし、それこそ地域の資源を活かし地元の産業にできる。また、地域でお金が循環するしくみをつくることができる可能性があるのではないでしょうか。より優先順位が高いのではと思える社会的ニーズも発生してきています。文化会館だって、やるとすれば今のタイミングで検討しなければ間に合わない状況。今後の大型公共投資をテーブルの上にのっけて、市民、県民参加の下で納得詰めで決めることができる新たな仕組みが必要と思いますし、そのためには、まず、これまで同様の「密室」で何かが決まるなどということを排していかねばならぬと思うのです。
こうした投資事業については、「公開すると、企業秘密のようなものもオープンになり損失が考えられるため、非公開にしている」と以前も議論過程で市の企画部長などがよく言ったものでした。今般お会いした担当の方もおっしゃっていたのですが。思うに、ならば、いよいよ公共投資になじまないのではないのか。と言いたくなります。市民の税金、県民の税金の巨額が投入されているのですから、その税の投入が適切かどうかについては、学術的な検証の他に、公共投資として適切な金額なのかどうかの検証が必要なのだと思います
それがこの10年間、ほとんど行われてきませんでした。
来年度からどのようにするのか。今年度、内輪の検証だけでなく、しっかりと市民、県民みんなで検証、検討しなくてはならないと思います。
こうした情報について、これからも調査して参りますのでどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
デビッドブラウアーの遺言と生物多様性 なぜ僕は川を守りたいのか。
9月15日、某環境関係の学校の講師として、一時間半、ダムと公共事業の話をしました。
月山ダムのと鶴岡の水問題、埋められた井戸の事。日本のダムの問題。世界のダムと治水の事、ダム撤去の話などなど、前日まで、資料を手繰っていって一冊の本と再会しました。そして、1遍の詩に出会いました。
川の音楽に 耳を傾けなさい
あなたの目で 川を見て
あなたの手で 川に触れ
そして
ふたたび、人間になってください。
D ブラウアー
本は 岩波ブックレット、長良川から見たニッポン 天野礼子 Dブラウアー
この本は、1992年に長良川を訪れた当時八〇才のデビッドブラウアー氏が、当時、長良川河畔でおこなった講演をまとめたものです。
ブラウアー氏は、当時の講演で、四五億年の歴史の、天地創造と破壊の文脈の中で長良川問題をとらえていました。そして、1938年からのダムとの戦いについて語っています。当時二三才の彼は、一人でその闘いをはじめ、ついにはグランキャニオンにダムをつくることを止めさせることに成功します。
ダムによってどれだけの川が破壊されたか。堆砂で結局機能しないダムの問題。文明が続く限り、ダムは無用の長物と化してしまうということが明確に述べられています。そして我々はどのような成長をおこなうべきか。又、当時、リオのサミットで主流となった「持続可能な発展」「サスティナブルディベロップメント」についても彼は、「発展」というのは矛盾していないか。これまでの破壊の状況を考えたら、持続可能な社会を求めて「回復」「RESTORE」の時代なのではないか。と。問いかけています。
そして、二〇〇〇年にドイツ、ハノーバーで開かれようとしている万博の事について話し、その時に 「開発を持続させる」のではなく、人類と社会を持続させる事を目的とした万博としてハノーバー原則を唱え、その原則が、日本の当時の社会や未来に、そして長良川にどのように適用できるか考えてみて欲しいと問うています。
このハノーバー原則が、その後どのような扱いになって世界に広がったかはわかりませんが、このことは「ナチュラルステップ」の持続可能な社会の定義を僕に想起させてくれました。
そしてデビッド氏は、生物多様性の事に触れて講演をしめくくっています。
彼が唱える生物多様性の節は、とても心惹かれるところがあり、重要と思われますのでここで引用しておきたいと思います。
生物の多様性は、私たちの生存を可能にし、また私たちが祖先から敬称してきた遺産でもあります。日本もそうですが、人類は、生物種の多様性を重視しなくなってきています。しかし、あなた自身の中にこういった野生、多様性があることを認識しなけれななりません。
あなたは、今、私の話を耳で聞いておられます。あなたは、人間の耳の構造を見れば、その複雑さや優れた機能に驚かれるでしょう。あなたの口、ここには一億二〇〇〇万もの電極があります。朝食を食べると、無意識のシステムによって消化されていきます
貴方が食べた食物は、何兆もの細胞に送られて、消化されていくのです。実にすばらしい流通システムです。考えたり、人を愛したりする能力、二つの目が絶えず計算して物を立体的に見る能力、 このような能力をふくめて、私たちの身体のどんな小さな一部分をとってみても、そこには、生命の誕生に始まる三五億年の地球の歴史が刻まれているのです。三五億年前に誕生した生命の奇跡、生命のマジックが現在まで引き継がれて、みなさんが今日あるのです。他の生物もそうです。あなたに引き継がれている遺伝物質が、この事を可能にしたのです。どのような科学技術でもなしえない奇跡が、この歴史のなかに脈々と流れているのです。
そして彼はゲーテの言葉を引用し、講演を終えています。
誰しも夢を見ることができる
夢から始めよう。
大胆さこそ力であり、
天才であり
奇跡の源である
この宇宙のなかで、奇跡が起こったのはこの地球だけです。私たちは、この地球に新たな責任を負っています。あらゆる努力を方向けて、地球を回復させなければなりません。それを可能にしてくれるのは、皆さんの誇りと技量なのです。
ここに居る誰しもが大胆さをもっています。現在ほど、それが求められているときはいまだかつてありません
あなたがた一人一人が、奇跡を起こす力を持っているのです。
出典 「長良川から見たニッポン」天野礼子 Dブラウアー 岩波ブックレット 313
僕は、当時、カヌーデモの現場で、遠くから、熱心にビデオカメラを回しながらデモに参加しているデビッドさんを見ているだけでした。でも、この美しい一本の川ぐらいは守りたいという思いは共有していたと思います。
その後、デビッドさんとは1998年、私が米国のInternational rivers network にインターンしている時に再会しました。
ブループラネット賞受賞で来日されたとき、「世界最強の環境保護活動家」と紹介してニュース23に取り上げて頂き、映像にして頂いた物が残っています。www.youtube.com/watch?v=cZdestjQwmI
2000年の年末に彼は天国に召されました。
僕らが地球のために動くとき、いつも彼が天国から見守っていてくれる。いつも彼のスピリットが胸にある。そんな思いでこれまでも運動をしてきました。そして、今取り組んでいるナチュラルステップについても、実は彼がブループラネット賞の受賞記念講演で触れていたものだったのです。
改めて今、彼の想いに再会し、私も原点をかみしめることができました。
長良川のカヌーデモで知り合った仲間達と、デモの前日や終わってから、中流域をカヌーで下りました
その時の透き通った川。川面と空の合間がわからないようになって、空中遊泳しているような錯覚に陥るような瞬間をカヌーの上から、体感しました。大量のアユがザッとのぼってくるのが川面から見えました。
郡上八幡の吉田川の川ガキたち。漁師さんからうまいアユをたくさんいただきました。
楽しかったなあ そうだ。当時は野田さんや、椎名さんら、あやしい探検隊なる怪しい大人たちもいたんだっけ。
長良川の事を思い出すと、今でも心躍りますし、僕は、あの清流での体験が原点となって、これが本来の川の姿なのだ。んじゃ、このうすら汚れた川はなんなん
本日より鶴岡市議会9月議会
本日より、鶴岡市議会9月議会がはじまります。
決算議会。特に大型の補助金が投入し続けられている慶応大の先端研の成果と検証、説明責任が今般の議会でもどのようにおこなわれるか、また、来年度以降の補助金、支援のかたちがどのようになろうとしているのか、注目したいところ。
今週末、ムッレ教室開催!
今週末の9月12日(日)、朝日村 ブナの森で親と子のムッレ体験教室を開催します。ただいま参加者募集中です。

真に持続可能な社会へ。 田中優さんの講演を聞いて。
9月3日。だだちゃ豆収穫を午前9時で切り上げMさんの葬儀。その後、カヌー2艇を車にのせて庄内町。東北環境教育ミーティング会場へ。田中優さんの講演会。「環境教育 善意の落とし穴」という題名。
せっかく市民活動としてがんばっても、企業サイドを甘やかす政策により、本質的には解決できていないといった問題。ダム開発、原子力発電。一向に発展途上の自然エネルギー政策。
優さんとは、10年前ぐらいに足温ネットメンバーで庄内を訪れていただいた際、牛渡川でカヌーをしてからのおつきあいをさせていただいている。講演を聴くたびに、進化をし続ける、常に世の中をいかに良くするか、希求する姿勢に毎回感服させられる。
今回も、要は政策の問題なのだということを実感。講演会後、諸々意見交換す。技術は一流。でも政策がダメすぎる。要は政治の問題。判断規準が「利権」になってしまっていて、そのバリアが解かれないまま。だから変な常識がまかりとおっている。それが今の日本ということ。 そこをなんとかしなければいけない。ということ。庄内町 月の沢温泉で宴会宿泊。
9月4日。最上川 本合海から古口、船用売店があるキャンプ場までカヌートレッキング。栗駒自然学校の佐々木さんら、スタッフの皆さんとともに私もガイドの一人としてカヌーで下る。なかなか壮快。
その後、妻と山形。明日は、明治大のOB会山形全国大会。朝から。
いよいよ明日です。ミツバチの羽音と地球の回転 鶴岡上映会
いよいよ明日です。「ミツバチの羽音と地球の回転」鶴岡上映会
予告編:http://www.youtube.com/watch?v=OgNjOjvkx-s
環境問題を考える上で、今、最も重要なエネルギー問題。
持続可能な社会に舵をきり、2020年までに脱石油を果たそうとしているスウェーデンで、何がおきているか。
これから私たちの社会が、地域が、目指すべきゴールの姿を観ることができます。
鎌仲監督と、ソーラーハウスの日本の第一人者、酒田在住の建築家 井山武司先生との対談もあります。
ぜひともみなさん、お見逃しなく!