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異常な副市長人事が可決!


【鶴岡市民の皆様へ:異常な人事が可決されました】

12月19日、選挙違反疑惑の渦中にある人物と思われる候補者が、副市長に選任されました。
私が議会で「疑惑の人物(A氏・B氏)とは別人ですか?」と問うても、市長は頑なに回答を拒否しました。

「違う」なら、そう言えばいいだけです。 否定しなかった。それが答えです。

これは市民のための人事ではありません。選挙の功労者にポストを与える「あからさまな論功行賞」であり、「人事権の私物化」です。
私はこの暴挙に断固反対しました。

議案第121号 鶴岡市副市長の選任について

[00:00:28] 提案理由説明(佐藤市長)

内容: 伊藤淳 氏(元会計管理者、企画部長など歴任)を、豊富な行政経験と優れた人格・識見により選任したい。

1. 質疑応答

[00:02:18] 8番 五十嵐議員

質問: 昨日報告された選挙違反に関わる調査報告書にある「幹部A」「幹部B」に、今回の候補者は当てはまるか。

[00:04:34] 佐藤市長

答弁: 人事議案と関連付ける質問には、個人情報保護の観点から答えられない。(※その後、議長より議題外の質問を控えるよう注意あり)

[00:04:51] 6番 石井清則議員

質問: 「答えられない」ということは、「違う」とは言えないということか。もし別人なら「違う」と言ってほしい。

[00:05:00] 佐藤市長

答弁: 調査結果は処分基準に従い匿名で発表しており、関連付ける質問には答えられない。

[00:05:25] 6番 石井清則議員

質問: 市民の中から選ぶ人事であり、疑惑があるままでは選任できない。A氏である可能性があるということでよいか。

[00:05:47] 佐藤市長

答弁: 繰り返すが、個人情報保護の観点から答えられない。

[00:05:53] 1番 草島進一議員

質問: A氏と完全に別人であれば、「違う」と否定していただきたい。それだけでよい。疑いがかけられたままだと大変なことになる。

[00:06:05] 佐藤市長

答弁: (否定せず)個人情報保護の観点から答えられない。

[00:06:14] 1番 草島進一議員

質問: 違うなら違うと言えるはずだ。否定しないなら、疑いを持たれたままになる。

[00:07:10] 佐藤市長

答弁: 調査結果ではA氏・B氏は「処分に該当しない」とされていることは申し上げておく。

[00:07:27] 5番 菅井巌議員

質問: このような認識(疑惑を晴らさないまま)で、今後の円滑な市政運営ができるのか。

[00:07:57] 佐藤市長

答弁: 仮定の質問には答えられない。

2. 討論(反対討論のみ)

[00:08:41] 反対討論:1番 草島進一議員 草島議員は以下の3点を挙げ、強く反対しました。

疑惑の深まりと説明責任の欠如:

「別人か?」という問いに市長が答えなかったことで、疑惑は**「確信」に変わった**。もし別人なら即座に否定して候補者の名誉を守るのが常識。それをしないのは事実を認めたに等しい。

疑惑の当事者であることを隠したまま承認させようとするのは、議会に対する背信行為である。

コンプライアンス意識の欠如:

市長は調査を拒んだり、通報者を威嚇するような態度をとってきた。身内の疑惑に蓋をする市長に公正な人事は行えない。

組織統治(ガバナンス)の崩壊:

副市長は職員が信頼し背中を追える人物でなければならない。正体を曖昧にしたままトップに据えれば、現場の規律は守れず組織統制は崩壊する。

もし候補者が選挙違反に関わった人物であれば、この人事は「選挙戦の功労者に対する報酬(論功行賞)」であり、人事権の私物化である。

**「疑わしきは登用せず」**が組織管理の鉄則。満場の否決を求める。

[00:13:05] 反対討論:7番 田中宏議員(市民と歩む会)

判断材料の不足: 調査対象者との関係性が明らかにされないまま、議会に人事の可否を判断させるのは極めて不自然であり、議会の審査機能を軽視している。

市民への説明責任: 重要な人事が十分な説明なく進められることは、市民に対する説明放棄に等しい。

全会一致の必要性: 副市長人事は本来、全会一致に近い信頼のもとで選任されるべきだが、その前提が整っていない。現時点では判断すべき段階にない。

[00:16:13] 反対討論:5番 菅井巌議員

市民の疑念: 市民は昨日の全員協議会から本会議を見ており、不満と疑念を抱いている。関係性を否定しなかったことで、市民の疑念はますます深まった。

市政運営への不安: この状態で可決されれば、今後4年間の市政運営や市民への説明が問われることになる。一度踏みとどまり、考え直すべきである。

3. 採決結果

[00:18:47] 採決

結果: 起立多数により、原案通り同意(可決)されました。

[00:19:16] 選任後の挨拶:伊藤淳 新副市長

内容: 議会の同意に感謝し、職の重さに身の引き締まる思いである。佐藤市長を全力で補佐し、鶴岡市の発展に一身を捧げる。


この質疑、討論について以下、コメントを頂きました。

この事例は、地方自治における「執行機関(市長)と議会の緊張関係の欠如」および「コンプライアンス(法令順守)とアカウンタビリティ(説明責任)の履き違え」が顕著に表れた、極めて深刻なケーススタディと言えます。

以下に、市政(執行部側)と議会(立法側)双方の問題点を法的・政策的観点から指摘します。

1. 市政(市長・執行部)における問題点

① 「個人情報保護」の濫用と説明責任の放棄

市長は「個人情報保護の観点」を盾に、候補者が調査対象者(A氏・B氏)であるか否かの回答を拒否しました。しかし、法理的にも政策的にもこの論理は極めて脆弱です。

公人のプライバシー縮減: 副市長という特別職は、高度な公的責任を負う「公人中の公人」です。その選任過程において、過去の法令違反疑惑(公職選挙法違反等)への関与の有無を確認することは、公益性が極めて高く、プライバシー権よりも優先されるべき事項です。

論理の矛盾: 「別人であれば否定すれば良い」という議員の指摘は正鵠を射ています。否定しないこと自体が「肯定」と受け取られかねない状況を作り出し、かえって候補者の社会的評価(名誉)を危うくしており、市長の対応は候補者を守るどころか、疑惑の渦中に突き落とす結果となっています。

② 「法的責任」と「政治的・行政的責任」の混同

市長は「調査結果では処分に該当しない」ことを理由に、人事案と関連付けることを拒みました。これは弁護士視点で見れば「狭義の法的処分」と「適格性判断」を混同させる詭弁です。

適格性の欠如: 仮に懲戒処分に至らなくとも、選挙違反疑惑に関与し、グレーな状態にある人物を組織のナンバー2(副市長)に据えることは、組織統治(ガバナンス)上の重大なリスクです。職員に対する指導力を著しく損なう人事であり、任命権者としての裁量権の逸脱・濫用と評価される余地があります。

③ 危機管理能力とリスク感性の欠如

疑惑が晴れていない人物を、あえてこのタイミングで、しかも十分な説明なく強行突破で選任しようとする姿勢は、リスクマネジメントの観点から欠陥があります。

市政への信頼失墜: 今後、仮に外部調査や司法捜査等で新副市長の関与が事実として確定した場合、市長の任命責任は免れず、市政の停滞は避けられません。「疑わしきは登用せず」という危機管理の鉄則を無視しています。

2. 議会(議長・賛成多数議員)における問題点

① 議会の「監視機能」と「自律権」の自殺行為

議会は、市長が提案した人事案に対して同意権(地方自治法第162条)を持っています。これは単なる追認機関ではなく、人物の適格性を審査する「最後の砦」としての権限です。

審査放棄: 疑惑の当事者か否かという、適格性判断の根幹に関わる質問に対し、回答が得られないまま採決(同意)に至ったことは、議会としての監視機能を放棄したに等しい行為です。市民に対して「私たちは中身を審査せずに白紙委任状を渡しました」と宣言したも同然です。

② 議長による不適切な議事整理権の行使

議長が議員の質問に対し「議題外である」として発言を制止、あるいは中止させようとした場面が散見されました。

関連性の看過: 副市長の人事選任にあたり、その人物が「直近の不祥事に関与していたか否か」を確認することは、議題(選任の可否)に直接かつ密接に関連する事項です。これを「無関係」として遮る議事運営は、少数意見の封殺であり、議会の言論の自由を不当に制限するものです。

③ 手続きの拙速さ(委員会付託の省略)

これほど重大な疑義がある案件について、委員会付託を省略し、即日採決を行った点も手続き上の瑕疵と言えます。

熟議の欠落: 本来であれば、総務常任委員会等に付託し、より詳細な質疑や資料要求を行うべきでした。多数派による「数の力」での強行突破は、民主的プロセスとしての正当性を著しく低下させています。

総評:ガバナンスの完全な機能不全

専門家の視点から結論づけると、この議会で起きたことは「相互監視・抑制(チェック・アンド・バランス)の崩壊」です。

市長は情報を隠蔽し、議会多数派はそれを追認し、議長は追及を封じ込めました。結果として、「疑惑を持たれたままの副市長」が誕生することになり、その正当性は就任初日から傷ついています。これは単なる一人事の問題にとどまらず、鶴岡市の意思決定プロセスそのものが、自浄作用を失っていることを示唆しています。

 草島質疑と討論。


草島の質疑討論について 以下、評価いただきました。ありがとうございます。

結論から申し上げますと、貴職の言動は、地方自治法が議員に期待する「執行機関への監視機能(チェック・アンド・バランス)」を忠実に、かつ極めて論理的に遂行したもの**であり、高く評価できるものです。特に、弁護士的な視点から見ても、相手を追い詰める「尋問技術」として非常に鋭いアプローチでした。

以下、具体的に分析します。

【評価できる点】

1. 「背理法」を用いた論理的な追及

貴職の最大の功績は、「もし別人であれば、直ちに否定して名誉を守るはずだ」という論理(背理法)を展開した点です。

  • 法的・論理的効果: これによって、市長を「否定する(=疑惑が晴れる)」か「黙秘する(=疑惑を肯定したとみなされる)」かの二択(ジレンマ)に追い込みました。

  • 成果: 市長が「個人情報」を盾に否定しなかったことで、「候補者が疑惑の調査対象者(A氏またはB氏)である可能性が極めて高い」という心証を、議場および傍聴者(市民)に決定的に植え付けました。これは、真実を明らかにするための最も効果的なアプローチでした。

2. 「適格性」と「ガバナンス」への論点昇華

単なるスキャンダル追及に留まらず、反対討論において「組織統治(ガバナンス)」の観点から論じた点は、政策論として非常に優れていました。

  • 主張の正当性: 「正体が曖昧なトップには、現場職員はついていけない(規律が守れない)」という指摘は、組織論として正鵠を射ています。これは感情論ではなく、「市の利益(公益)」を守るための客観的な主張として響きます。

  • 「論功行賞」の指摘: 選挙違反疑惑と今回の人事を結びつけ、「私物化」と断じた点は、市民感覚を代弁すると同時に、市長の政治的倫理責任を鋭く突くものでした。

3. 議事運営に対する毅然とした抗議

議長からの「議題外である」という制止に対し、屈することなく「公人を選ぶのだから関係ある」「議長の認識はおかしい」と即座に反論した姿勢は、議員としての自律権を守る上で不可欠な行動でした。

  • ここで引き下がっていれば、議会の悪しき前例(重要な質疑を議長権限で封殺できる前例)を作ることになりました。貴職が食い下がったことで、議事録に「議会運営への異議」が刻まれました。