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9/27予算質問2)最上小国川ダムの見直し


2 最上小国川ダムについて
質問をいたします。

この案件については、25日に県に対する行政訴訟の訴状が提出されました。
「近年の赤倉温泉地域の浸水被害はほとんどが、川があふれての洪水被害ではなく、そもそも低いところにある家屋に川以外から流れこむ内水氾濫、被害であり、その対策はダムでは解決できない。また、治水対策はダムに依らず赤倉温泉の河道改修で十分に可能。「孫子(まごこ)のために小国川の清流を手渡したい。」真の流域の発展のために、山形県の発展のために、蛮勇を震い起こして決起された流域住民の意志を受け止めていただきたいと思います。

私は、この夏、最上小国川に建設予定の穴あきダムの先例である、島根県 益田川ダムを6年ぶりに訪れました。見ると、コンクリートのダム本体とその下流にある副ダムというんですが、その間に土砂がたまり、一部はヘドロ化しておりました。通常のダム同様、巨大な構造物には変わりなく、河川環境に甚大な悪影響を与えるダムそのものだ。ということを実感しました。同時にこれを「環境にやさしい」等と流布してきた県当局の欺瞞性に私は憤りを感じるのであります。

更に私は、全国初のダム撤去、荒瀬ダムの撤去工事がはじまった球磨川を訪れました。9月1日から6年、88億円かけ撤去をおこなうものです。球磨川の漁師さんや流域の方からは、「ダムは百害あって一理なしだ。やっと思いが叶ってダムが撤去されることになったその時代に山形でこれからダムつくるっていうのは、時代錯誤でしかない」と苦笑され「そうならないようがんばれ」と激励をうけました。

「ダムの時代は終わった。」これは、1994年にダム先進国だった米国の開墾局総裁ダニエルビアード氏がおこなった宣言であります。ダム先進国だった米国は今や700以上のダムを撤去しています。理由は長期的な流域経済を考慮した際、ダム開発は流域経済にマイナスだと判明したからであります。
 持続可能な発展を目指したら、原発と同様、ダムの時代はとっくに終わっている。これが先進国の政治の潮流、常識であります。「卒原発」発言は大いに支持する。でもその前に「卒ダム」をなぜ言わないのか。嘉田知事とともに「卒ダム」にも舵をきってふるさとの自然を守って頂きたいと私は願い提言を続けて参りました。先日、佐高出身最上にもゆかりのある佐高 信先生も同様にお話されておられました。山形の未来に何を手わたすべきか。持続可能な発展を望む県民の多くはそれを望んでいると私は思います。


(1) 流域における地域振興について(知事)
私は、昨年の質問で年間3万人の釣り客が訪れる最上小国川の鮎の経済効果を年間約21.8憶円、ダム建設で環境破壊すれば、年10億円の損失になると近畿大有路研究室の試算をお伝えをいたしました。 さきほどお伝えした生物多様性の地域モデルである高津川の森里海連環の地域特区、また、国連MAB(マブ)計画のユネスコエコパーク、エコツーリズムなどの振興ビジョンは、ダムをつくらずに、清流を活かした小国川であれば、こそ可能な新しい時代の地域振興の目標の姿でございます。

これらの振興策や地域の未来への可能性はダム開発によって全てを失ってしまいます。

鮎の漁獲高1億3千万円とダントツトップの県内の内水面漁業の要の川が破壊され、昭和60年には生産高10億あった内水面漁業が年々減少し今4億円に落ち込む内水面漁業に、更に深刻なダメージを与えることになります。
清流小国川とともに暮らしてきた最上小国川の暮らしや文化を破壊、消滅させる事になります。また、明治天皇に献上された松原鮎の歴史に終止符を打つことになりかねません。
今、非常に貴重になっている、子ども達が喜んで泳げる川が消滅し、私達の原風景と食文化が消滅する危機でございます。

 私達は、「生命と財産を守る」という時、財産を「個人の家や持ち物、公共の建物や設備」ととらえがちだと思います。しかし、小国川流域に生きる人々にとっては、私は、小国川そのものがかけがえのない財産であり、守るべき宝なのではないかと思うものです。いかがでしょうか。
私は、地方分権の進む今後の社会では特に、「小国川という地域の宝を守りたい」こうしたローカルの価値を重んじることが、自分の地域を自ら守り、発展させたい、発展させようという気概をおこさせることになる。と考えるものです。

知事にお尋ねしますが、この生物多様性に富み、それが県民や訪れる人々にまさに幸福感を与えている小国川の場合、ダム開発による環境破壊での流域の経済の損失、流域の振興策の可能性の消失についてどのようにお考えになりますか。県が唱える人と自然の共生の指針、生物多様性国家戦略の指針と全く整合性がとれないのではないでしょうか。
又、「一部の人は儲かるかもしれないが、多くの流域住民は大損する。」これも経済効果が試算されていますが、この開発は県民益としてまた、県民の幸福感にとって膨大なマイナスになるのではありませんか。
知事として、このダム建設やった場合20年後、50年後までの小国川流域の振興策をどのように考えていらっしゃるのですか。吉村知事におうかがいします。


吉村知事

最上小国川ダムが動植物や鮎などの河川環境に与える影響につきましては、平成15年度から継続的に調査をおこなっております。
平成21年1月には、外部の有識者の意見をうかがいながら、詳細に検討するため、魚類や環境などの各分野の専門家を網羅するようメンバーを選出するとともに、地元代表もふくめた、最上小国川流域環境保全協議会を設置いたしました。この協議会におきまして、流水型ダムが河川環境に与える影響について環境アセス調査項目と同じ項目で調査し、慎重な審議をしていただきました。その結果、平成22年10月に中間とりまとめをいただきまして、流水型ダムの場合、水温、水質等がダムのない場合とほぼ同様であるとかんがえられるところから、鮎などの生育や生態に対して影響は小さいとのご意見をいただいております。また、平成22年3月に設置しました、最上小国川流域の活性化を考える懇談会からは、幅広い視点にたって、専門的な観点からのご意見をいただきました。特に観光部会では、川の両岸に旅館が並んでいる景観と、川にふれあえることが、赤倉温泉の魅力である。また、赤倉温泉は、源泉が川床にあるため、河川改修にともない、温泉街に手をかけることは、温泉や観光の存続にかかわる。そしてまた、できるだけ早期に治水対策をお願いしたい。等のご意見をいた