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決算反対討論


9月29日本会議。
以下のように合併当初の10月から3月までの決算議案に対して反対討論をいたしました。
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提案されています。決算議案にたいし、反対の立場で討論いたします。

「改革無くして成長無し」と前首相がメ高言モした「構造改革」は、僅か5年間で10万人もの国民が自ら命を絶つ異常な「格差社会」を生み出しました。
同じく5年間で250兆円も「財政赤字」は増大し、政府債務総計1000兆円と世界一の借金財政国家に陥らせているのがこれまでの小泉政権でした。
 この構造改革をさらに継承する安部新政権ですので、地方自治体にとってはさらに厳しい時代が訪れるものと考えるものであります。

今般の決算審議は合併後の10月から3月までの予算執行についてを問う物であります。交付税の削減や人口減少にいかに対応し、持続可能なまちをつくるか。これが我が鶴岡市の今般の合併の趣旨の一つでもあったわけでありますが実際はどうでしょうか。

今般17年度決算においての当市の財政は実質公債費比率17.9%と18%の一歩手前、委員会での質疑によれば、来年は県に起債の計画書を提出し、許可を得ないと起債できない18%を超えるものと見込まれている状況であります。スケールメリットによる大幅な経費節減を図ることをねらいの一つとして合併を実現したものの、財政状況はなお厳しい状況にあるということであります。


私は、こうした大きな財政的な課題と東北一の広大な面積になった新鶴岡で今までのような行政主導の統治型行政では、住民が住んでいることが誇りに思える地域社会は実現し得ないとこの予算審議の際に述べております。。この統治行政を住民自治のまちづくりに転換するには、行政の政策過程への住民の参加から参画、そして行政も市民も自己革新を伴って新しい関係を結ぶといった意味である「協働する社会」というものをいかにつくれるかということにかかっているものと考えるものであります。新市のまちづくりのビジョンには、一応この協働がうたわれております。実際その取り組みや意識づけはどうだったでしょうか。

さて、今般の決算審議についてですが、統治から協働、団体自治から住民自治へといった観点で、非常に重要な情報公開や住民参加についてでありますが、合併後、新市の構想づくりとして設置されている総合計画審議会をはじめとする審議会、協議会などに、公募制をかたくなにとらず、会議がいつあるかもわからない状況が続いており実質上、原則非公開ということになっております。市長は先日の総括質問の答弁でも、市民をメンバーとするいろいろな協議機関の代表であり、その下部機構にはかなり多数の各階の市民の方々が参画をしておる云々とおっしゃっておりましたが、現在の多様な市民社会、特にインターネットが普及し、WEB2.0時代、オープンソースで水平補完しあうことが主流になりつつある社会構造の中で、あまりにも閉ざされた、行政スタイルであるといえると思います。
 情報公開の姿勢としては、たとえば藤沢修平記念館の構想策定について、議事録などを公開請求すれば、「議事録をとっていないので公開できない」とう姿勢でありました。こうしたことは現在情報公開が進んだ自治体では考えられないことでありまして、全くの非常識であります。
 また、今般、条例案を提案しておりますが、指定管理者制度の導入とともに情報公開条例を改正し、それを規定する自治体が増えてきている中で当局には、それに対応していく積極的な姿勢がみられませんでした。
 積極的な情報公開にもとづく行政情報の共有なくして、協働なしであります。現在のような市の姿勢ではこれからの財政難を乗り越えるための鍵であると考える、多元的な主体としての市民の参加によって担える「新しい公共空間」をつくることはできません。


 又、予算配分として、バイオ研究所関連の投資事業がとても目立つ決算であったという印象であります。
慶応大学のバイオ研究関連事業についてですが、17年度決算では先端研究産業支援センターが約8億8千万円で、建設されました。そしてこの費用の4億7千万円が、今般の合併に伴う合併特例債事業に認定された第一号の事業となっております。
 こうした投資事業に対して、いったい何が市民に還元されるのか、事業の説明を求め続けてきたわけでありますが、この事業を進める過程での市税の投入に対して何ら当局は説明責任を果たしてきませんでした。

 慶応大学の先端生命科学研究所については、市は、将来の若年層の雇用、産業活性化の目玉事業として掲げられ、これまで土地、建物のほかに、先般、慶応大学の助教授に1000万円という算定根拠があったことを指摘しましたが、慶応大学に所属する教授、助教授を含む研究費、人件費までも市税を投入されているといった、あまり他に例をみない投資事業であり、今回新設された支援センターも内訳でいえば29室中10部屋は大学研究所が入居する結果となっており、今年度からの補助金で研究棟の賃借料をまかなっていると推測される現状からすれば、事実上、さらなる慶応大学研究所の拡張を支援する事業であったと解釈するものであります。
 
合併後の特例債の使い道は、合併した新市住民が最も注目するところでありまして、合併新市の合併メリットが発揮される一要素と考えますが、これは自治体よって異なりますが、新市全域の情報の利便性光ファイバーをめぐらすところもある。学校の耐震化工事が遅れているところでは特例債を活用して耐震化工事をおこなう例もあります。それが当市では真っ先に研究所の支援で使われたということであります。合併した後の住民の一体感やメリットを発揮するはずの特例債事業として第一号が果たしてこの事業でよかったのか、私は疑問であります。

 このバイオ研究所関連事業については、これまでの投資旧鶴岡市市民でも疑問をおもちの方もあります。ましてや合併した旧町村の住民の方々はどうでしょうか。
 今回、一般質問の席でも述べましたが、これまでも今回も、当局の説明、答弁では、研究所自体の経過説明しかおこなわれておりません。また、17年度までは約60億円億円投入された5年間、当初の第一期事業だったわけですが、研究自体の成果は認めるものの、市民には何ら還元がされておらず、公共投資としての成果は未だ認めることはできませんし、当局は、この投資事業に対して、説明責任を果たしてきたとは考えられ ないのであります。
 長期にわたり巨額の市税をする公共事業であり、まさに行政、議会ともに結果責任が大いに問われることから「マニュフェスト」を示すべきと今般問うたわけですが、マニュフェストになじまないという姿勢でありさらに疑問をもちました。
 こうした、住民サービスへの効果がわかりにくい事業であればあるほど、市民に明確な達成目標や手段を示し、成果や進捗状況について、市民、議会とともにチェックし管理するといった仕組みが必要であり、当局の見解は論外であると考えます。又、特例債事業といても借金にかわりありません。これから行われる特例債事業や大規模事業についてはすべてにその達成目標を明確に示しマニュフェストをたてることを提案し、強く要望するものであります。
 また、当局は研究所の予算の全体像は、把握する必要はないという姿勢を示されましたが、これまでも補助される側の予算の全体像も正しく認識しないで、市民の血税を使っているとすればきわめて重大な問題が生じていると考えるものであります。
 次に行政顧問制度についてです。私は設置の際に、その金額の正当性や、不透明性を助長する仕組みから反対を述べて参りました。実際6回の招集だったとのことでありますが、その招集の際に話し合われた内容について情報公開を求めても、内容について開示されることはありませんでした。結局、何について話し合われたかもわからず、何に役に立ったのかわかりません。合併効果として、経費削減としながらも、準特別職扱いでこうした行政顧問を設けたことには私はおおいに疑問をもつものであります。


農業部門については、遺伝子組み換え作物についてこの間、議論しているわけでありますが、実際に組み替え作物が植えられた事を教訓に、徹底した予防原則を貫かれている旧藤島町の、人と環境にやさしい町条例に盛り込まれた遺伝子組み換え作物の栽培規制の志からすれば、合併後の現在の新市農政の主張として、国が認めているものは安全だ。国の法体系が整ったから、この条例はあまり意味がないのだという姿勢は、現場の農家の方々の視点にたった実質的な安心安全の農業という観点では後退しているとも思います。国の法体系成立後も栽培実験をめぐって訴訟問題などがおこり自治体で規制条例をつくる動きも高まっているので、改めて検討を強く求めるものである。

次に土木費では、鶴岡公園に新しくできた公衆トイレについて、随意契約で128万円の設計費が計上され、1460万円のトイレができました。随意契約先はアートフォーラムをデザインされた東北芸術工科大学の先生です。この事業については、地元業者から「トイレのデザインも地元でおこなわせていただけないのか」という声もあり、当局判断で、この周辺施設の景観策定委員でもいらっしゃる先生に随意契約する姿勢というのは、公共事業をおこなうプロセスとしておおいに疑問であります。今後この地域に藤沢周平記念館も構想されているわけだが、建設デザインなどについては、コンペやプロポーザル方式などを取り入れ、市民が納得の行く設計形態、プロセスを踏んでいただく事を強く望むものであります。
 また水道事業でありますが、広域水道の政策的失敗の根本解決を図ることなく、また水源切りかえを強要しながら、「まずくて高い」といった住民の苦情に真摯に耳を傾けることなく、住民の水道料金でつじつま合わせをし、運営されている水道事業という姿勢は以前のままであり、こうした姿勢の改善をつよく求めるものであります。

以上、真に協働するまちづくりのための行政の意識改革と説明責任、情報公開を求め、決算に反対するものであります。