持続可能な鶴岡ブログ

持続可能な鶴岡ブログ
トップページ > 持続可能な鶴岡ブログ > 新春探鳥会と自然保護運動

新春探鳥会と自然保護運動


2016年1月2日。午前6時。大山 下池。毎年恒例の探鳥会にでかける。太田威さんがおられた。1998年帰郷の際太田さんと一緒に行ったのが下池から流れる小川からの生き物救出作戦だった。その後、都沢湿地7haが加茂新トンネルで造成される事を止めるために立ち上げた尾浦の自然を守る会の活動。その活動の中で私達は日本雁を保護する会の呉地さんや岩渕先生と出会い、ラムサール条約湿地指定の情報を知り、それを市議会ではたらきかけたりした。当時は2800羽のオオヒシクイ(天然記念物)と鴨60000羽。などが特筆すべき野鳥の飛来があり環境省重要湿地100選やラムサール条約指定湿地としても申し分ないものだった。その運動の傍らではじまったのが毎年新春の探鳥会。以前はオオヒシクイが明け方直前に飛び立つのを楽しみに集まっていた。僕は何度か力強い飛翔を見て感激したし、時に寝坊してそれを逃してしまった時は実に悔しい思いをした。

 今日は穏やかな日だった。水野さんやいつもの方々が集まり、それぞれ双眼鏡で野鳥を観察。白鳥が湖面全体に拡がっていて鴨がたくさんいた。「鴨の中に、ミコアイサ、カワアイサが数羽混じっていて見ることができた。お、いたぞ、●●●●」という声に一斉にそちらに双眼鏡をむけるとしっかとそれは視界に収まった。昨年はオジロワシが姿を見せた。今年は暖かすぎて厳しい。残念ながら雁類が力強く飛び立つシーンは無理だったが途中、二羽だけオオヒシクイが湖面を横切ってこれは見ることができた。

太田さんと水野さんに昨今の自然の状況を伺う。太田さんは海洋環境の問題を指摘した。鱗がはがれたようになっているクロダイを何匹も発見したとのこと。太田さんは環境ホルモンやマイクロプラスチックの話題を挙げ海洋環境の変化を指摘された。尤もだなと感じた。また大山周辺の森林伐採の中で貴重な草木が伐採されたりしている事も知ることができた。自然豊かな鶴岡であることは確かだ。しかしこの足下の環境も実は昔ながらの姿がどんどん消滅してしまっているということだ。

持続不可能への道は知らず知らずのうちに進んでしまっているのだということ。

そして、太田さんや水野さんのように実態把握をしっかりと行い、行政施策に対してしっかりともの申すことの重要性を改めて感じた。一度失っては二度ともどってこないのが自然環境なのだ。そもそも僕が志した政治の立脚点はそこにある。

数年前に地元の理解者がでてきたのと、行政担当者も学んでくれたようで、大山下池上池のラムサール条約指定は叶った。湿地公園をワイズユース(賢い利用)するための「ほとりあ」も建設され、今いろんなイベントがおこなわれている。県議時代に生物多様性の地域戦略について諸々行政担当者と意見交換してきた。開発行政の前でなかなか規制や縛りをかけることが難しいことを実感した。しかしながら、今、改めて言いたいのは,愛知会議で決議されたようにこれ以上生物多様性が失われないように、むしろ生物多様性が+にはたらくように行動する事が求められているのだからせめてノーネットロスを大原則にしなければならない。太田さんや水野さんのような先輩が庄内にいたから守られてきた自然環境があるということを改めて感じなくてはならないし、そしてそうした方々の偉業を僕は伝え、そしてその継承をしていかなくてはならないその使命を感じた。

持続可能な地域社会を目指す、みどりの政治の一つの柱は、生物多様性の保全 ノーネットロス。ここに僕は立つ。改めて再認識できた本日の探鳥会だった。