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古い河川行政に戻すなー京都新聞社説よりー


以下 転載します。

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京都新聞社説 2011年12月25日

八ツ場ダム再開 古い河川行政に戻すな

無駄な公共事業の代表として、民主党が2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で建設中止を掲げた八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設工事再開が決まった。

「コンクリートから人へ」の理念はどうしたのか。あまりに明白な「変節」にあきれるしかない。

前田武志国土交通相は「マニフェスト通りの結果が得られなかったのは残念だが、苦渋の決断をした。代替案のないまま中断するのはよくない」と説明した。

すでに立ち退きを強いられた住民や流域6都県の反発は当初から予想されていたことだ。ダムに代わる地元振興策と治水策を示し、説得することこそ、政権党がなすべき一貫性のある態度だ。

2年前に国交相として建設中止を宣言した前原誠司党政調会長が頑強に抵抗したが、最後は決定を政府に委ねて容認した。筋を通したかに見える前原氏だが、自らが決めた事業検証の手順を逆手にとられる形で建設再開に道を開いたことは大きな失策と言えよう。

前原氏が設置した有識者会議の提言を受けて実施されたダム事業の検証は、国交省が実務を担い、コストの比較に重点が置かれた。その結果、すでに着工され、追加工費が少なくて済む既存事業の多くがコスト的に有利とされ、追認されたのは自然だ。こうした官僚主導の「検証」に基づく今回の再開決定は、民主党が目指す政治主導とは程遠いはずだ。

今後の河川行政への影響も大きい。全国で見直し対象のダム事業83のうち「検証」が終わったのは八ツ場を含む20事業。中止は6カ所にとどまり、14カ所は継続となった。八ツ場を突破口に、未検証の事業についても継続方針が続出する可能性がある。

国交省による「検証」には、今本博健京都大名誉教授ら河川工学の研究者らが異議を申し立てている。水需要の減少を無視しているうえ、局地的豪雨に対する効果は未知数というわけだ。自民党政権時代の政府答弁でも八ツ場ダムの治水効果は否定されている。

こうした問題を認識していたからこそ、民主党は「脱ダム」をマニフェストに盛り込んだはずだ。公共事業は止まらない、という象徴的な意味での痛手にとどまらず、今回の決定が「治水はダムで」という古い河川行政に逆戻りさせるのろしとならないか、懸念する。

国交省は、凍結していた東京外郭環状道路(外環道)の建設工事を再開し、整備新幹線の未着工3区間の着工を認可する方針だ。これでは「コンクリートから人へ」どころではない。

これ以上、時計の針を逆回転させてはならない。さもなくば、国民が政権交代で期待を託した民主党の存在意義が消えてしまう。

http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20111225_2.html

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古い河川行政をしっかと認識しているところに、関西のメディアの常識があります。
こうした認識、東北、山形はどうなんでしょう。

もう時代は変わっているのです。