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本日、県知事への申し入れ内容。


本日、午後3時30分に、山形県知事宛提出した要望書です。対応は県庁11階の県土整備部で河川課長が対応してくれました。私の仕切りが甘く、申し入れが交渉の場で1時間も費やし、記者会見会場に行くことがなかなかできませんでした。報道機関の皆様、大変失礼いたしました。

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                        2011年12月6日    
山形県知事 吉村美栄子 殿

          最上小国川の清流を守る会
                      共同代表  川辺孝幸
                      共同代表  高桑順一
                      共同代表  草島進一        
  山形県自然保護団体協議会  幹事団体 出羽三山の自然を守る会 
                        大田道徳

   「最上小国川ダム」建設の説明責任と見直しを求める要望書
 
 私達は、11月27日に開催した「県民による緊急検証 最上小国川ダム」において再検証した結果、最上小国川ダム建設に大義なし。治水対策は河川改修を優先すべしという結論に至りました。
 アユ踊る日本屈指の清流 最上小国川は、東日本大震災の津波や放射能汚染でダメージを受けた東北に残る生命の源。山形の宝、日本の宝であると私達は考えます。
 最上小国川、最上川流域住民の生命と財産を守り、持続可能な流域を叶えるためには、穴あきダム建設は清流環境を失うリスクが大きく、不要であり、河道掘削、拡幅などによる河道改修による治水対策を優先するべきです。
 山形県には、以下の新事実たる論点への説明責任を果たすべく、早急なる公開の説明会の開催と、小国川ダム建設計画の見直しを求めます。

論点。
1)県が主張していた「赤倉温泉の湯脈に著しく影響するため、河床掘削はできない」は、実際に県が温泉調査を依頼した川辺孝幸山形大学教授によって完全に否定された。そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討を十分におこなわずに,「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」と、県がダムを優先するために創作した推論でしかなかった。
 河川を掘削しても、対策を施せば全く問題を生じない。現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っている。時々河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになるなど、むしろ河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になる(川辺孝幸)

2)現在、赤倉温泉地域の河床は、県が設置した堰や床止めによる土砂堆積のために上昇し、それが洪水のたびに水害をもたらす原因になっている。一軒の旅館(阿部旅館)の温泉を維持するために、県が設置した堰、床止めによって河床上昇し、危険をもたらしている。県や国はそうした構造物を除去し、それを原因に堆積した土砂を除去する事がダムよりも先決である。
(桑原英夫 大熊孝 今本博健 )

3)「流水型ダム(穴あきダム)は環境にやさしい」「鮎に影響がほとんどない」と山形県は主張し、流域住民に流布し続けてきた。しかし類似の流水型ダムは何れも上流にダムがある流域につくられた島根県の益田川ダムと石川県の辰巳ダムのみであり、小国川のような清流環境につくられた試しはなく「環境影響の実証」はないに等しい。

4)「穴あきダム」は、ダムの上流で斜面崩壊や土石流が発生した場合、流れてきた樹木や土砂・砂礫によって穴が詰まって、「穴あきダム」の機能を失ってしまい、逆に被害を拡大する可能性をもっていることが、山口県防府市の老人ホームの土石流被害などの同様な形状の場所で実証されている。(川辺孝幸 今本博健)

5)県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 (たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。(要旨別紙)小国川のアユの経済効果は、年間22億円、環境悪化で年10億円ずつの損失(2011近畿大 有路研究室調べ 別紙)と推論されている。これについて、県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。それを加味すれば、河川改修のコストがダム建設よりもはるかに低廉である。(高橋勇夫 有路昌彦)

6)年間1億3千万円(2009年実績)の漁獲高を誇る小国川漁協は、組織をあげて穴あきダム建設に反対を貫いている。漁業権をもつ漁協が反対しているダム建設は、本体着工が不可能であることは川辺川ダムで実証済みである。川辺川のように、本体着工の了承がとれぬまま周辺工事を進め、結局本体着工できなければ、公金のムダだけが残る結果となりかねない。
              
              ()内は論証する科学者 承認者 敬称略


以上
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