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自死遺族支援全国キャラバンに参加。




山形市でおこなわれた、全国自死遺族キャラバン 山形 に参加。

このキャラバンは、「自殺対策基本法の柱でありながら、著しく立ち後れている自死遺族支援をテーマにしたシンポジウムを47都道府県で開催して回る大規模プロジェクトです。自殺総合対策という新しい枠組みの下、基本法が理念として掲げる「生き心地の良い」社会を目指し、官民合同で取り組んでいきます。」というもの。で、
県主催、ライフリンク共催 日本財団後援。のかたちでおこなわれた。

  
会は、県の福祉課長の挨拶にはじまり、
LIFE LINKの代表 清水氏が特集した NHKの番組の上映。
岩手県盛岡の自殺遺族の藤原君の体験談。
そして、パネルディスカッション。
「自死遺族支援 〜これから私たちにできること〜」
    《パネラー》
     山形県健康福祉部障がい福祉課課長補佐 佐久間正則 氏
     山形県精神保健福祉センター所長 有海清彦 氏
     山形産業保健推進センター 産業保健相談員 東谷慶昭 氏
     自死遺族支援団体代表者 れんげの会 金子久美子 氏
    《コーディネーター》
     NPO 法人自殺対策支援センター ライフリンク 山口和浩氏

というかたちでおこなわれた。
コーディネータは、代表の清水さんにかわって、山口さん。長崎からきた彼は、父親を亡くしている自死遺族と、テレビで紹介されていた。

その後、自死遺族支援準備会設置の説明
     ・自死遺族支援窓口設置に向けた準備
     ・自助グループ育成に向けた準備についての説明

といったところ。県担当者からは山形県の実情、また、精神保健センターからは現在の相談の取り組み状況、そして、総合病院の精神医の経験のある医師・東谷さんや、福島で実際にとりくんでいる「れんげの会」の金子さんからは実際の現場の声をうかがうことができた。

山形県の自殺者数は、平成9年までは230から270名だったが、平成10年に359人となった。全国でも平成10年から3万人を突破している。
昨年の山形県の自殺者数は381人。男女別でいうと男性277人。女性104人。
年代別では男性では50台が74人26.7%。女性は70才以上が49%ということだ。
地域別でいくと村山27.4%、置賜25.6%、最上  庄内 38.4% と、庄内が高い。県の福祉課は、その原因を過疎化が進んでいるとか、医者の数が少ないなどと言っていたが、本当にそうなのかはどうか。いずれにしても、庄内の自殺率は県内でトップ。
なんとか手をさしのべなくてはならない状況にあることを再確認した。

で取り組みといえば、これまでの保健所や精神保健福祉センターの対応ではダメだったから、こんな数字がでているのだろう。何も手がさしのべられていないといった状況なのではないか。と考えることが大事なのだと思った。だから、こうしたキャラバンをわざわざライフリンクが企画しているのだ。秋田だったら、こうした時のステージにはずらりと民間団体の顔ぶれが並ぶ。山形では全くゼロなのだ。ここをナントかしないといけない。更に、医療改革のあおりで、山形サイセイカン病院や、日本海病院では精神診療の医師がいなくなり、そうした治療が受けられなくなったと聞いた。
 
 色々意見交換の後、一応、最後に今後、自死遺族のわかちあいの会を支援するとりくみなどをおこなうことを発表しておわりとなった。
 僕は、正直言って、物足りない想いをすごくもったが、しかしながら、これまで、この「自殺」と言う問題に対して、行政は、ずっと目をつむってきたことを思えば、今回の集会は画期的な取り組みだと思う。

いのちを救うために、一人でも多くの方が動き出さねばならない問題だ。

フォーラムが終わって、コーディネータを努めた山口君と交流。実にまっすぐな瞳の20代。
いろいろ情報交換をしていたら、彼から彼が行動するきっかけとなった一冊の本をプレゼントしていただいた。この中には、彼の亡くなったお父さんに対する手記がのっている。
「これから遺児だけでなく、すべての人々にとって生きていく希望がもてる住みやすい社会をつくっていきたい。」山口君の言葉だ。同感。

「自殺」は語ることができない。社会が手をさしのべることができない、闇の問題として葬り去られてきた感がある。遺族は何か後ろめたい気持ちで、いなければならなかった。でも、今、この問題は、災害支援と同様。大きな社会の問題として、私たちは向き合い、解決にむけて一歩を踏み出す事が法律にも定められたのだ。私もめいっぱい取り組んでいきたいとおもう。

ライフリンクという言葉は、「新しいつながりが、新しい解決力を生む」というミッションから名付けられたものだ。

自殺死亡率がトップの秋田と並ぶ鶴岡。この問題こそ、巨大な課題である。