ソライ他の無料化に賛成!6月議会報告
榎本(自民系)市政の失政を改め、
未来への投資として、子育て世代を強力に支援する、
重要な一歩を認めないのですか?(草島討論)
●3月に続き、6月も、自民系創生クラブ、公明他が否決!!
子育て支援施設の無料化予算。
キッズドームソライ、コガタランド スパール
無料化の当局提案の原案に賛成! 6月議会報告
6月議会の第一の論点は、屋内大型子育て支援施設、キッズドームソライ関連でした。3月議会で自民系創政クラブ、公明、市民フォーラムによって、原案否決され予算を認められなかった、子育て支援施設の無料化の実証事業について、市は、その際の討論などの趣旨を受けて、「キッズドームソライ」「コガタランド」「スパール」の3施設を対象とする実証事業の再提案をおこないました。
草島は、市民の声・鶴岡の同僚の遠藤初子議員とともに、キッズドームソライ・コガタランド・スパール3施設の無料化の原案に賛成の立ち場で、討論をしました。
以下、討論要旨。です。
- 過去の「失政」の是正と市民財産の有効活用:
- 鶴岡市が榎本市政時代に「キッズドームソライ」を整備した際「失政」があった。2億円という多額の公費が投じられたにもかかわらず、民間運営のみでその後の利用料金が(子ども1500円+付き添い500円)と高額で、多くの市民にとって利用しづらく、県内の天童市、山形市などの無料施設を利用する状況が続いていた。
- 今回の議案は、この過去の失政を正し、市民の共有財産であるソライ等を真に「子どものため」に活用することを目的としている
- 受益者負担の原則」という考え方を超えて、子どもの健やかな育ちが、最終的には市民全体の利益に繋がる「未来への投資」である。つまり、子どもの成長は社会全体が享受する恩恵であるため、公費を投入して遊び場へのアクセスを容易にすることは正当である。
- 群馬県太田市では民間が設置・運営する遊び施設であっても、児童館の補完施設と位置づけ行政が公費を投入してその公益性を高めている。鶴岡市も既存の民間施設を有効活用し、公費で支援することで、より多くの子どもたちが質の高い遊び場を利用できるようになると示唆しました。
- 子育て応援メッセージの発信: 今回の議案が可決されることは、鶴岡市が「子育て世代を本気で応援する町」であるという強力なメッセージを内外に発信する機会となると期待を表明されました。[00:14:32, 00:15:00] これは、市全体のイメージ向上や、移住・定住促進にも繋がるという視点も示しました。
- 実証実験としての性格と将来への期待: 今回の事業はあくまで「実証実験」であることを強調し、この試みを通じて得られるデータを、将来の本格的な遊び場整備構想に活かすべきであると述べました。[00:16:20] つまり、完璧な計画を待つのではなく、まず実行してみて検証することの重要性を訴えました。
私は、これらの論点を通じて、子どもの遊び場利用料軽減事業が、過去の教訓を活かし、未来への投資として子育て世代を強力に支援する、鶴岡市にとって極めて重要な一歩であると主張しました。
【原案賛成議員】3施設無料化の実証事業に賛成。10人
遠藤 初子
草島 進一
田中 宏
南波 純
長谷川 剛
坂本 昌栄
菅井 巌
加藤 鑛一
本間 信一
阿部 寛
【原案反対議員】3施設無料化の実証事業に反対 14人
工藤 博
石井 清則
中沢 深雪
佐藤 麻里
秋葉 雄
富樫 正毅
黒井 浩之
佐藤 博幸
佐藤 久樹
本間 正芳
佐藤 昌哉
五十嵐 一彦
小野 由夫
本間 新兵衛
渋谷 耕一
子育て支援施設への賛成討論 全文 令和7年6月議会最終日
ただいま議題となっております、キッズドームソライ他3施設の無料化の実
証事業を行おうとする、子どもの遊び場環境の充実に向けた議案に対し、市
民の声・鶴岡を代表し、原案に賛成の立場で討論を行います。
●まず、本議案を審議するにあたり、我々はその根源にある問題を明確に直
視しなければなりません。それは、榎本前市政の時代に行われた、キッズ
ドームソライ整備における重大な失政であります。
そもそもこの施設には、約2億円もの貴重な市税が投じられました。これほ
ど巨額の市民の財産を投じながら、運営は完全に民間任せとし、持続可能な
官民連携の制度設計を怠ったのです。悪天候時でも遊べる施設をという市民
の願いに応えるという大義名分のもと、肝心要である運営面での公的支援と
いう視点が全く欠落していました。
2億円もの税金を投入しておきながら、1500円という高額な利用料を払
わなければ市民が使えない。結果として、多くの市民が利用をためらい、天
童市とか山形市など遠方の無料施設へ向かわざるを得ない状況を生み出して
しまった。これこそが、今日の問題の根本原因であり、計画段階における紛
れもない失政であったと言わざるを得ません。
この事実は、皆川市長が、一筆入魂 令和2年、2020年1月号で、前榎本市
政の平成28年11月までに制度の大枠が決まったことに触れ、「その制度設
計の時点で運営面での公費投入などの官民連携が必要であり、その点が欠落
していた」と指摘されている通りであって。現皆川(みなかわ)市政が、前
(えのもと)市政の事業の構造的欠陥を明確に認め、それを正そうとしてい
るのであります。
であるならば、今、我々議会に問われている責務は何か。それは、この過去
の失政を乗り越え、2億円という市民の財産を、今度こそ真に市民のものと
して、子どもたちの笑顔に繋げることではないでしょうか。前回に続き、今
回提出の本議案は、そのための唯一かつ最善の是正策であると考えます。前
榎本市政の与党で、今般この予算を削る修正案を提出した自民系議員の
みなさんは、過去の失政も認めず、今、子どもの数がどんどん減っているわ
が市にとって大変重要な子育て支援政策を、更に停滞させたいのでしょう
か。
●ここで、一部から聞こえてくる「受益者負担」の原則や、「民設民営」の
施設へ公費を投入することへの疑問について、私たちの考えを明確に申し述
べたいと思います。
確かに、行政サービスにおける受益者負担は、財政の公平性を保つ上で重要
な考え方です。しかし、未来を担う子どもたちの健やかな育ちに関わる事業
は、全く次元の異なる議論が必要です。子どもたちの元気な声、健やかな成
長は、地域社会全体に活力をもたらす未来への投資であり、その真の受益者
は、私たち鶴岡市民全体に他なりません。
私たちは、子どもたちが公園の遊具で遊ぶとき、図書館で絵本を読むとき
に、利用料を徴収するでしょうか。いたしません。それは、子どもたちの遊
びや学びの機会を保障することが、目先の収入以上に、社会全体にとって計
り知れない価値を持つと知っているからです。
キッズドームソライの無料化も、これと全く同じです。利用料という障壁
を取り払い、どんな家庭環境の子どもでも、気兼ねなく、平等に利用できる
環境を保障する。それは、単なる施設の無料化ではなく、「子どもの育ちは
社会全体で支える」という、このまちの揺るぎない価値観を示す政策的決断
であると考えます。
そして、その考え方は、決して突飛なものではありません。先進事例とし
て、この場で何度も述べた群馬県太田市では、民設民営の屋内遊戯施設「こ
ども広場Bのくに」に対し、市の児童館を補完する重要な施設と明確に位置
づけ、実に10年以上も前から料金を低廉化するための補助を拠出していま
す。
『民設民営の施設であっても、それが子どもの育ちにとって重要であるな
らば、行政が公費を投入してその公益性を高め、市民が利用しやすくするべ
き』という、その根本的な考え方にこそ、我々は学ぶべきなのではないでし
ょうか。
●「ソライは高いから、なかなか行けない」「結局、無料の天童市や山形市
の施設まで、時間とガソリン代をかけて通っている」。これらは、私が日々
の活動の中で耳にする、子育て世代の現実の声であり、本議案はこうした市
民の切実な声に応えるものです。
県内の他の自治体では、同様の大型児童遊戯施設は、おおむね8,000万円か
ら1億円程度の公費を投じて無料開放されており、それが標準的な子育て支
援のあり方となっています。今回の約3500万円弱の公費負担による無料
化は、この県内標準と比較しても、決して過大な要求ではありません。
●この議案の意義は、単に一つの施設の無料化に留まりません。鶴岡市の未
来を左右する、極めて重要な戦略的投資であると確信するものです。
先日、私は東京銀座の「ふるさと回帰支援センター」を訪れました。全国の
自治体が移住・定住促進にしのぎを削る中で、子育て環境の充実は、移住先
を選ぶ際の最重要項目の一つとして、絶対的な競争力を持つとのお話を伺い
ました。そして、この鶴岡市の「キッズドームソライ無料化」の行方は、同
センターのスタッフの間でも注目の的となっていたのであります。
本議案原案の可決は、「鶴岡市は子育て世代を本気で応援するまちだ」とい
う、具体的で強力なメッセージを全国に発信することに繋がると考えます。
●最後に、本議案が持つ極めて重要な性質について強調したいと思います。
今回の予算は、恒久的な制度を拙速に決めるものではなく、あくまで「実証
実験」を行うための実証事業であります。
ソライ、こがたランド、スパールという特色の異なる3施設で社会実験を行
うことで、どのような効果や課題があるのか、具体的なデータを収集するこ
とができます。
実際に利用していただき、アンケート調査などを通して市民の生の声を伺
う。その貴重なデータをもとに、現在進められている「遊び場に関する協議
会」での議論を深め、将来の本格的な整備構想へと活かしていく。これこ
そ、責任ある行政の進め方ではないでしょうか。特に、「こがたランド」は、
今後廃校などを活用した、新たな遊び場づくりの可能性を広げる、先駆例
としても、大いに注目すべき施設です。
この「まず試してみる」という、慎重かつ建設的な一歩すら認めないとする
ならば、この問題は永遠に解決されず、子どもたちのための遊び場整備は一
向に進みません。
榎本市政の失政のままの、現状維持という名の停滞を選ぶのか、未来のた
めにデータを取るという建設的な一歩を踏み出すのか。我々に問われている
のは、その選択であります。
以上の理由から、本議案は、過去の行政の失政を正し、受益者負担の原則論
を超えて公共福祉を実現し、市民の声に応え、そして鶴岡市の未来を切り拓
くための、必要不可欠かつ、極めて妥当な第一歩であると断言します。
子どもたちの笑顔こそが、このまちの活力の源です。議員各位におかれまし
ても、7年前ソライ建設時、あるいはそれ以前から長年にわたり市民の要望
が大きかった、無料の大型屋内遊戯施設を望む声に応え、10年後、20年後
の鶴岡市の未来像を見据えた、賢明なるご判断をいただけますよう、心から
お願い申し上げ、私の賛成討論といたします
総括質問
子どもの遊び場利用料軽減と今後の整備について
鶴岡市は、子どもの遊び場利用料軽減の実証事業として、キッズドームソライ、こがたランド、スパールの3施設を対象に利用料を軽減する取り組みを実施を提案。この実証事業は、来年度以降に公募による仕組みを構築するための基礎資料を得ることが目的です。
市長は、子どもの成長を考え、事業の早期実施の必要性を強調。また、「遊びに本気宣言!」に基づき、子どもと大人両方が楽しめる、創造性を育む遊び場の整備を、引き続き市民の意見を聞きながら進めていくと表明
学校給食と農業政策について
武蔵野市の先進的な学校給食の取り組みを視察した 草島は、食材の安全性へのこだわりや、添加物を使わない調理方法を高く評価しました。そして、鶴岡市でも、他自治体の先進事例を参考にし、「日本一の給食」を目指すよう求めました。
市長は、新学校給食センターの整備を、農業と学校給食の連携を強化するチャンスと捉え。そして、国が農業政策を転換するこのタイミングで、有機農産物を含む地産地消の推進や、生産者と給食センターをつなぐコーディネーターの設置なども視野に入れ、鶴岡市ならではの「日本一の給食」を目指す決意を表明しました。
持続可能な農業とリーダーシップについて
草島は、現在の国の農業政策の問題点を指摘し、戸別所得補償制度の復活など、根本的な政策転換の必要性を訴えました。そして、米どころ鶴岡市が、小規模農家も安心して米作りを続けられるような農政を確立するため、市長のリーダーシップを求めました。
市長は、自身が農林水産省での勤務経験を持ち、「一次産業と食こそが地方創生の本丸」という考えは揺るがないと述べ、農業政策と学校給食を密接に結びつけ、持続可能な農業と「日本一の給食」のモデルを鶴岡市から作り上げていく決意を表明し、次期鶴岡市長選挙への出馬を表明しました。
草島 一般質問
1. 世界遺産と日本遺産について
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日本遺産: 鶴岡市にある3つの日本遺産(出羽三山生まれかわりの旅、サムライゆかりのシルク、北前船寄港地・船主集落)が統合され、「鶴岡市日本遺産推進協議会」が設立されました。
- 統合の狙い: 3つの日本遺産を組み合わせた新たな事業展開による付加価値の向上、発信力の強化、そしてより一体的・戦略的な活動の推進が目的です。
- 今年度の具体的な取り組み: 旅行プラン造成支援、市内高校生による活動支援のほか、新規事業として手ぬぐいスタンプ帳企画や土産品開発支援などに取り組みます。また、9月に東北初開催となるアドベンチャーウィークで、海外旅行会社向けの体験ツアー商談会を企画し、インバウンド拡大を目指します。
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出羽三山の世界遺産登録: 議員から出羽三山の世界遺産登録に向けた運動を開始するよう提案がありました。
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提案理由:
- 京都大学名誉教授の鎌田東二氏の「遺言」として、出羽三山の普遍的な価値を再認識し、国際的に認めてもらうこと。
- 松尾芭蕉や岡本太郎氏、フランスのユーチューバーなどのエピソードが示す、出羽三山の持つ普遍的な価値。
- 修業体験プログラムの多様性や即身仏の存在、死と再生の巡礼体系など、他の修験道にはない特徴。
- ユネスコ食文化創造都市としての精進料理や在来作物などの食文化、豊かな自然資本も登録要素となりうること。
- 世界遺産登録を目標とすることで、地域住民の再認識や連帯を強めることができること。
- 市長の見解: 世界遺産登録には長期にわたる準備と多角的な検討が必要であり、文化財の保護措置や他との差別化など課題があることを認識しています。まずは庁内で勉強会を行うなど調査研究に取り組むとの考えを示しました。
-
提案理由:
2. しな織り
- 現状と課題: 鶴岡市関川地区のしな織り(国の伝統的工芸品「羽越しな布」)は、担い手の不足と生産者の高齢化により存続の危機にあります。組合員は設立当初の48名から29名に減少し、特に糸づくりに携わる人が減少しており、需要に見合った供給ができていない状況です。
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提案:
- 担い手育成: ベテランの織り手を「伝統工芸士」や「しな織りマイスター」として認定し、指導者としての収入を確保。その指導の下で技術を学ぶ市民向けの研修プログラムを設ける。
- 新たな担い手の確保: 国の地域おこし協力隊制度を活用した「令和の織姫研修生」制度や、副業・兼業としての「マイクロしな職人制度」を導入する。
- 販路拡大: 東京青山にある「伝統工芸青山スクエア」での展示販売を提案。
- 温海庁舎支所長の見解: 高齢化や担い手不足は重要な課題と認識しており、市では「地域まちづくり未来事業」の補助金などを活用して後継者育成や技術研修会への支援を行っています。今後も、本市唯一の伝統的工芸品であるしな織りを後世につなぐため、産地と連携して課題解決に取り組んでいくとしました。
3. 庄内自然史博物展と月山ゾウ
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庄内自然史博物展: 昨年度、庄内地域で初となる山形県立博物館との共催事業として開催されました。
- 成果: 期間中約600人が来場し、9割以上が「よかった」と回答するなど高い評価を得ました。県立博物館に足を運ぶことが難しい市民にとって貴重な機会となりました。
- 今後: 県に働きかけ、今後も同様の機会を設けていきたい考えです。
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月山ゾウ: 1995年に旧朝日村田麦俣地区で化石が発見された約1600万年前のゾウ。2025年で発見から30周年を迎えます。
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提案:
- 新朝日庁舎などの公共スペースでレプリカや資料を展示する。
- 発掘の地に看板を設置し、広報などで周知する。
- 専門家を招いた市民向けの講演会を開催する。
- 朝日庁舎支所長の見解: 新朝日庁舎のデジタルサイネージを活用し、発見30年を紹介する予定です。また、今後開催される古代ゾウをテーマにした企画展の機会を捉え、講演会も実施する方向で検討します。
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提案: