持続可能な鶴岡ブログ

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月別ア―カイブ: 5月 2005

仮設住宅支援


今回、僕の中越入りの最重要課題が仮設支援の体制をどうするかだ。神戸でも7年間にわたって、重要視した活動が仮設住宅支援だった。緊急通信装置とパソコンのデータベースを結びつけ、システムを開発。ベルボックスと名付けた。じっくりと長期的に親戚づきあいのような関係でかかわっていく方法。それから、どんどん関心の薄れていく被災地の仮設住宅と外とをむすぶプロジェクト。その2本を柱として活動が続いた。

今日は、仮設支援スタッフ3名と行政機関をまわって、現状の課題を伝えるとともに、行政サービスとしてどんな支援メニューがあるのかを尋ねて回った。特に、今回の事例のように50代の男性で実に問題を抱えているケースがある。このケースについて、まずは、行政的にはどんな支援があるのか。

障害者福祉、高齢者福祉、健康福祉の関係の健康センターをそれぞれまわった。
行政的なサービスでは、50代男性へのケアというものについては、なかなか支援体制というものがないことがわかった。精神障害についての公的なメニューは、訪問サービスのみで、金銭的な補助メニューはない。実際、3月22日の孤独死第一号は50代。その現場に立ち会ったボランティアスタッフとともに、晩にそのお兄さんと会うことができた。静岡から毎月通ってくれているkさんが訪問したときに撮った写真の中のその人は一件むづかしそうにも見えたが、完全にそのkさんに心許している感じだった。行政メニューではできない心のつながりがボランティアにはできたのかもしれない。
 ここに共存することの意義はある。


被災地のニュース新潟日報より
FM9局がラジオ活用を陳情

県内のFMコミュニティー放送局9局は6日、県庁に泉田裕彦知事を訪ね、災害時などの情報通信にラジオを積極的に活用することを要望。中越地震や7・13水害を踏まえ県が見直し作業を進める「県地域防災計画」に組み入れるよう求めた。
 陳情書では昨年の地震後、各自治体が設置に力を入れている防災無線だけでは不十分として「ラジオは簡便かつ安価で災害時に欠かせない有力手段」と強調。緊急時にラジオ放送が迅速に利用されるよう、イベント紹介など県広報の際にFM放送を普段から活用することを訴えている。

→FM放送局は、合併を控えている新鶴岡で考えなければならない重要政策の一つではないかと思っています。災害時、細かな支援メニューを発信続けたFM局が大変効果を上げました。また、議会情報や細かな地域密着情報を流すことができるため、「民主化」に貢献するものと考えてるからです。




十二平と塩谷の今。


十二平と塩谷地区に視察に行く。
十二平は12世帯の中山間地集落。川沿いに通じる道にそって集落はある。地震で倒壊した上に豪雪で潰された家屋も多く、雪が解けてそのひどい状況がじわじわと明らかになっていく途中だった。また、新緑の木々と残雪の若干見られるが、それよりも山崩れ、地滑りで山肌の赤い土がむき出しになっている状況が目にまず飛び込んでくる。川の中にはまだ水没した軽トラックがそのままになっていた。
ここは集団移転をしなければいけない集落と聞いた。それだとしても家の中の片づけなどをどうするか。ぺしゃんこになった家屋の片づけはどうするのか。課題は大きい。


その後、車を走らせて木沢ルートから塩谷地区へ。冬の間 屋根に上り、雪堀をしていた民家のほとんどとのところで地面がようやくあらわれていた。「え、こんなに高さのある建物だったの?」と意外におもうぐらい、雪堀の時期にいかに雪が多かったのかを改めて感じたのだった。塩谷地区。地震で4件完全倒壊。その上に雪で民家が12件以上は倒壊してしまっている。今後の解体から住宅再建の問題。集落としての生き残りの問題。など、。いかに復興をサポートしていけるかをみんなで考えなくてはならない。と改めて思った。
後は元気村 本部で仮設のケア隊についてなどの打ち合わせおこなう。3月22日に発生した孤独死の問題から、特に仮設訪問ケアの役割の重要性が高まっている。元気村では今、2人の専従スタッフを仮設住宅ケアにあたらせている。連日訪問をし、時には2時間も話し込む。送迎もする。そんな中で問題がじわじわと見えてくる。神戸でやっていた「ベルボックス」システムを運用すべきかどうかも検討中。今こそ知恵のだしどころだと思っている。

中越。塩谷地区の方のミーティング


GWの中越。元気村では専従スタッフ含め20名のボランティアが活動している。GWを活用してずーっといて支援活動をしている人もいる。3月22日に孤独死第一号の第一発見者になったKさんは、静岡の高齢者福祉施設で仕事をしている人だ。この連休29日から10日まで元気村に寝泊まりし、孤独死防止のための仮設住宅の訪問活動を続けている。10月当初にボランティアで中越にやってきて、避難所の体育館フルート今の仕事は、解体作業のお手伝い、家の片づけ、田んぼの修復のお手伝い、などだ。晩の7時30分から、塩谷地区の人たちの今後の解体関連の体制についての住民会議に参加をし、情報交換。特に14,15日、21、22日に100人体制でおこなうボランティア支援の作業の打ち合わせをおこなった。
 その後、懇親会がおこなわれ、11時ぐらいまで盛り上がったのだけれど、やはり、住宅復興支援制度のややこしさは住民を苦しめている。この会には、鳥取県のボランティアネットの方や静岡県のボランティアコーディネーター、が参加。鳥取県の300万円ほとんど無条件に支援する制度のようなもののほうが実際に役に立つだろうなあという声は多い。今回の支援制度、まず、国の支援制度は、所得制限の500万円以下という条件からして、とても被災地を支援しようとしているのかどうかさえ疑わしい制度と皆さん口々に言う。また県の制度も住宅の解体費用にいくら。そして生活関連物資に70万円などと、細かく規定されていて、なかなか把握するのがむづかしいとの事。
 
 個人個人の事情は様々多様性に富んでいるわけなので、使用用途について、柔軟に自由裁量という風になっていればいいのに。という声を多く聞いた。

こうした制度はたとえば他の国ではどうなっているのだろう?


ニートとひきこもり


ニートとひきこもり講演会が酒田でおこなわれた。参加者 約30名。
ニュースタート代表の二上さんの話に熱心に聞き入った。

ニートのほとんどが、次の未来が見えないところに起因している。サポートする側がやることは、要するに本人の自分がみえるように、リードしてやること。

それから家庭内で何とかしようと思ってもなかなか、解決にいたるのは難しい。要するに環境をかえる。社会的なサポートとして何をやるかを考える時期にきているということ。

また、参加者にむけて、「皆さんいったい、いくつの職業がうかびますか」と問いかけた。今、厚生労働省の職業分類ではいくつあるかというと、3万5千もある。
いろんな生き方はあるんだということ。親の職業イメージがせますぎるところにも原因はあるのかもしれないということ。

これまで、なるべくいい学校、安定した仕事ということにのせようとだいたい の親はしてきたと思う。だいたいそうやってやってきた。
でも現実には崩壊している。たいていは、その道ではなく、外にでていく。
不登校のこどもには学校にもどそうとするけれど、不登校 学校にもどれた例は25%
75%の人は学校にもどれなかった。もどされようとしてかなり傷ついた。
要するに、はみでた子ははみでたなりの生き方をすればいい。


それから、会話についてだが、暗い話は、やりたくない。親には。だから、はなせることがあったとき、しゃべる。はなすべきことが何もない。時は、呆然とする。親には彼らは、希望を語りたい。でもそれがなければ、話すことができない。
本人は一生懸命かんがえても答えが出てこない。そこに、「どうするんだ」といわれると、かちんとくる。

などなど、諸々示唆に富んだ話を聞かせていただいた。
ニュースタートは、ひきこもりやニートの子供達を受け入れて今まで700名社会復帰させている団体だ。千葉県行徳に本部があり、宿泊施設があって、そこで集団生活をしたり、様々な社会復帰にむけたプログラムをおこなっているNPO。
http://www.new-start-jp.org/

中越元気村ではこの団体とパートナーシップを組み、ニート、ひきこもりの子たちを受け入れ、一緒に作業をしたりしてきた。二上さん曰く「30人ぐらい参加して、5名は完全に変わった。」こうした体験は宝物だ。との事。

聞いていて思ったのは、こうしたニート、ひきこもりといった人間再生の場として、まさに死と再生の場でもある出羽三山、月山をもつ庄内をいかすことはできまいかという事だ。

講演会が終わって、二上さんを囲んでファミレスで懇親会。3名で囲んで話しをしたが、その一人は、どうも自信なげな28歳。それじゃ、元気村で作業するか。ということになり、次の日の中越の出発に合流することに。

ひとつの出会い。


今日は、一日中、原稿書きと片づけ。晩に明日、酒田で講演するNPO ニュースタートの二上さんと懇談。「雑居福祉村」の構想は相当おもしろい。イタリアでは、精神病院を廃止したのだとか。そして何をやったか、農園でひきとって、青空の下で療養することにしたのだそう。そこに雑居福祉村の構想の原点がある。ニュースタートは現在専従スタッフ50名をかかえ、今までニートやひきこもりといわれてきた人たちを700名も再生させてきた実績をもつNPO だ。明日はその講演会。サポートをする。

庄内の宝。


今日はメーデー。9時から11時まで役所前でつじ立ち。17年度予算の問題について訴える。メーデーの2つのデモ隊にむけて、メッセージを送る。さて、そろそろ終わろうかとおもったら、観光自転車で寄ってくる人。あれあれ。と思ったら、20年ぶりの予備校で一緒だった親友と再会。横浜に住み、リクナビのディレクターをやっているh氏。せっかくだから鶴岡のいいところをまわろうと、まずは近くの海坂でお茶を飲む。そしてひさびさに三昧庵の麦きり。そして、そうだ。と思い、湯殿山へ(写真)112号線沿いのブナは新緑。湯殿山の参道には水ばしょう。まだまだ積雪。今年は開山1400年のご縁年ということもあり、記念の足湯がご神体の近くにできていた。