本日8月10日鶴岡新文化会館への住民監査請求の意見陳述をおこないました。 | 前 山形県議会議員 草島進一

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本日8月10日鶴岡新文化会館への住民監査請求の意見陳述をおこないました。


8月10日午前10時より

鶴岡市役所議会 委員会室にて

住民監査請求の意見陳述をおこないました。内容全部です。


鶴岡市長 榎本政規氏に関する措置請求 意見陳述

 

草島進一

  • 現在介護職員、両親の介護のため休職中です。

鶴岡持続可能社会研究会 代表をつとめております。
今般の監査請求について​

  • 鶴岡市条例「鶴岡市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第2条 地方自治法第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格1億5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。」に抵触し、違法または不当ではないか。​

 地方自治法2条14項および地方財政法4条の最少経費最大効果の原則に違反し、市長の予算編成上の裁量権の逸脱濫用にあたり、違法または不当ではないか。というものであります。

 

先ず第一点目、設計変更工事に対する違法、不法の疑いについて述べます。

 

●平成29年6月30日に鶴岡市議会で議決された鶴岡市文化会館改築工事請負契約の変更6億221万7720円の内、設計変更に伴う工事額は4億1515万4160円でありました。この段階で設計変更に係る工事額が確定されたのであります。

 

 私は3月の市議会傍聴をネット等を通じておこない、この間の質疑内容を把握し、答弁に納得がいかないことから3月6日、決定日時、作業着手 日時、契約、仮契約の日時、変更前、後の設計図について、開示請求を提出し、600ページを超える資料、6回にわたる指示書と設計図面を開示いただき、調査分析をすすめておりました。

 

 

公開資料によれば、これは証拠物件として提出しておりますが、この設計変更は、平成27年6月26日から6回にわたる市の指示書によっておこなわれています。

①平成27年6月26日  第1号   33p

②平成27年7月16日  第2号      12P

③平成28年2月2日   第3号      116p

④平成28年7月11日   第4号     129p

⑤平成28年8月25日  第5号    1p

⑥平成29年1月30日  第6号    88p

当初設計図面(2014年8月 平成26年8月) 216P 

それぞれ開示下段階では金額もなくその不当性の証明は困難なものでしたが、

 

金額が確定した今般6月議会の資料から、屋根下地の仕様変更、屋根重量の増加の為の構造変更3億800万円は、多額を要し、構造計算の再計算をともなう構造の見直しや、座席数減(1168席→1135席  通常座席1120席)が伴っていることがわかりました。。これは、大変重大な変更であり、必要が生じた段階で議会に付すべき案件ととらえるものです。

 

鶴岡市長 榎本政規氏は、こうした設計変更を「軽微な設計変更」として議会に付すことなく行政内部で決裁をおこない、業者への指示書が出されておりました。

 3億円超の設計変更にもかかわらず、この設計変更の必要が生じた27年6月時点で議会に諮らず、契約変更の手続きをせず、金額の記載も一切もない、課長決裁の指示書で指示されている事には、改めて甚だ疑問をもつものであります。

 

このことは鶴岡市条例「鶴岡市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第2条 地方自治法第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格1億5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。」に抵触し、違法または不当ではないか。という事が今般の違法性の指摘の第一点であります。

 

これとほぼ同一の質問に対して、先般7月15日、住民への説明会「タクト鶴岡市民懇談会」で一部質疑をおこなうことができ、その際、市から回答がありました。
 

その回答も含め、詳しく述べて参ります。

 

  • 市が今般の判断の論拠としている、設計変更の際の法的な手続きとして、国土交通省が定めている設計変更ガイドラインによれば、

設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度、遅滞なく行う ものとする。ただし、軽微な設計変更に伴うものは、工期の末に行うことをもって足りるものとする。とあります。

 

そして、「軽微な設計変更」とは、次に掲げるもの以外のものをいう。

  1. 構造、工法、位置、断面等の変更で重要なもの

ロ、新工種に係るもの又は単価若しくは一式工事費の変更が予定されるもので、それぞれの変更見込み金額又はこれらの変更見込み金額の合計額が請負代金額の20%(概算数量発注に係るものについ ては25%)を超えるもの。とされています。

 

先日の質疑で市はこのロを適用してこの20%を今般の設計変更工事は超えていないため、「軽微な設計変更の扱い」だとの見解を示しました。

 

確かにこの3億800万円は、当初契約金額78億8400万円の3.9%であり、20%の15億7600万円を超えないため、この国土交通省ガイドラインでは「軽微」ととらえられるということなのでしょう。これはこれで理解をいたしました。


 しかしながら、鶴岡市条例「鶴岡市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第2条 地方自治法第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格1億5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。」に照らせば、

 この3億800万円はという金額は、1億5千万円の2倍を超える額であり、とても「軽微」ととらえることはできないのあります。

 例えば、米沢市では、「1億5千万円以上で議決した事業で増額補正が伴う設計変更は、「軽微」ではなく「重大」な設計変更とされ、工事を一時中止し、議会で議決しなければならないと設計変更ガイドラインを定めております。

 

 又、私と交流のある市長経験者の方々から次のような見解も寄せられています。

「大幅に増額になる設計変更をした工事(とくに1億5千万円以上)を議会で予算を通す前に、契約変更もせず、工事着手するのは少なくとも『不適切』である。」これは千葉県我孫子市長 元市長 元消費者庁長官 福嶋浩彦氏の見解であります。

又、「私は市長の裁量権の範囲であっても、市民の関心事ましてや多額の予算を使う時には、議会や市民にすべて報告するのを原則としていましたので、貴市のようなことは、あり得ないことです。」これは、元国立市長、上原公子(うえはらひろこ)氏の見解であります。

 

 

米沢市のガイドラインや、このお二人の市長経験者の見解から明らかなことは、この1億5千万円という金額が、鶴岡市規模の自治体では「軽微」か「重大である」かの判断基準であるということではないでしょうか。

こうした他自治体の先例や解釈からすれば

 鶴岡市のこの3億800万円もの設計変更は「重大」なものであり、、「軽微」とする扱いは鶴岡市条例「鶴岡市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」第2条 に反し、違法、もしくは不当であるとの解釈は適切であると考えるものであります。

 

 

●また、先ほど述べた国土交通省ガイドラインには、イ、構造、工法、位置、断面等の変更で重要なもの 以外のものを軽微とするとあります。

 

この3億8000万円の設計変更は、屋根下地を変更するもの等ですが、これにより屋根重量が変更となるため、構造計算をやりなおし、構造体の変更などを伴う大規模な設計変更工事をともなっていると、この図面から読み説く事が出来ます。

また、全体を覆う屋根の工法の変更ですから、重要なものととらえる方が通例ではないでしょうか。これは、このガイドラインでいう「構造、工法の変更で重要なもの」にあたらないでしょうか。

この指摘にあたらないとすればその論拠を明確に示して頂きたく存じます。

  •  

この指摘にあたらないとすればその論拠を明確に示して頂きたく存じます。

 

更に今般、この設計変更において、座席数の変更もおこなわれておりました。この座席数の件は後に中村さんにお話いただけると思いますが、1168席から1120席への40席を超える変更であります。本来的な文化会館の機能を損なう、これも「軽微とはとられない」大変重大な変更であると考えます。


今般の設計変更は、ガイドラインでいう構造、工法の変更で重要なものであり、よって、 設計変更の国土交通省のガイドラインを以てしても。この設計変更は軽微ではなく重大なものであり「設計変更が生じると分かった時点で仮契約を結ぶなりして市議会に諮らなければならない案件と考えるものであります。

 

以上を以て、今般の文化会館建設事業の 設計変更において市議会にはからず発注をおこなったことへの違法、不当への説明といたします。

 

 

 

 

次にもう一点の違法性不当性について申し上げます。

地方自治法2条14項および地方財政法4条の最少経費最大効果の原則に違反し、市長の予算編成上の裁量権の逸脱濫用にあたり、違法または不当ではないか。というものであります。

 

この事業は、当初計画の40億円から、2倍以上増額し、総額96億8千万円となっております。

 

この2倍以上の建設費増大の主な原因は、一体何でしょうか。

 

市側の説明は、広報などを見てもインフレスライドや物価の上昇、工事費の上昇などをまっさきに挙げ、デザインによる難工事の事を避けているように思えていますが、私はこう考えます。

●40億円が96億にまで膨れたのは、大震災後、オリンピック前の、通常の建設費も上昇するご時世に、あの難易度の高い工事を強いる曲線の屋根など、デザイン重視の建築物を選択し、難工事が相次ぎ、特殊な工事費用を生じさせたからではなかったでしょうか

 というものです。

この論拠としてとりあげたいのは、まず一点、この建設工事の入札の経過の中で、入札不調が3回も続き、しかもその過程で、「(新文化会館の)設計は私どもの技術力では到底及ばない」として「一同の意志として、地元業者企業体での参加を見合わせたい」と地元の建設業者が16社連名で辞退を市に申し入れた事件であります。

更に、議会での当局答弁には「施工困難度の高い建物」という文言が散見されます。

今年、3月議会での答弁では、「とりわけ今回の工事のように施工困難度の高い建物につきましては施工性や施工精度、耐久性、調査的な維持管理などさまざまな観点から施工者、専門業者、メーカー等の知見を生かし、設計者、ゼネコン、市担当課でさまざまな検討、さらには机上では確認しがたい場合には現場内に実物大模型を製作し、設計段階では困難な実験と検証を繰り返し行い、より維持管理しやすく、安全で美観にもすぐれた建物となるよう必要な変更等を行っております。」とありました。

 又40億だったはずの予算が78億円までに跳ね上がった26年8月の臨時議会では、市が市内の業者にアンケート調査した結果として、以下のように述べています。

「鉄骨工事に関しては、大変難易度の高い工事になるため、施工計画においても材料をつり上げる構台の位置、その構造、クレーンの位置など、きめ細かい作業工程などが重要な課題になることや、屋根及びガラス工事においても、転落防止を図るための足場の設置や荷揚げ、建て込み工法など、施工計画や施工方法を綿密に検討する必要があるとのことでございます。
 施工においては高い技術力が必要であり、積算上、単純に数量掛ける単価では賄えないところがあるとの意見や、曲線や曲面が多く、施工図作成や施工管理をしていく上で、三次元CADの採用による全部材寸法確認等の対応が必要であると意見があります。と市は認めています。

 

 

  • 私がお伝えしたいのは、この難工事というものが、この文化会館の本来の目的のためである、市民の舞台鑑賞の機能を高めるもののための難工事なのか。それともその本来機能とは別の例えば、本来不必要かあるいは優先順位が低いと思しき建築物の「デザイン」を重視するための難工事なのか。ということも考慮すべきであり、本来機能からかけ離れたものを求めるための難工事であるとすれば、それの為に発生するコストは、地方自治法2条14項および地方財政法4条の最少経費最大効果の原則に反するコストと言わねばならないと考えるものです。

 

市は、改めてこの2倍もの建築費、96億8千万円への増大の原因について、特にこの建築家、妹島氏によるデザインを踏襲した為に行った難工事、専門技術によって発生しているコストについて割り出し、市民にあきらかに示して欲しいと思います。これまでの市の説明では、今般8月1日に折り込みされた広報特集号でもそれが全くないままであります。

 

こうした、そもそも本来の目的から外れたデザインのために莫大なコストが発生し、更に設計変更に伴う予算増、維持管理費の増加、又、会館機能を損なう座席数の減少等を強いたとすれば、これは、地方自治法2条14項および地方財政法4条の最少経費最大効果の原則に違反し、市長の予算編成上の裁量権の逸脱濫用にあたり、違法または不当であると考えます

  

以上2点が違法または不当の主な論点であります。

 

 こうした、市条例に反して議会を軽視する姿勢や、最少経費最大効果の原則の逸脱、行政裁量権の逸脱濫用と思しき公共事業が行われることは、行政への市民の信頼を損ね、人口減、予算減の厳しい時代に直面する鶴岡市の行政運営に次世代に渡るまで悪影響を与えかねない。と考えます。

 

 当事業について、設計変更工事に係る内部決済、6回の指示書による発注指示の見積金額、経緯等、又、デザイン重視故の難工事に起因する予算増の金額等、事実関係を全て明らかにし、指摘した2点の違法または不当の疑いに対し、十分な説明責任を果たすとともに、是正のための必要な措置を求めるものであります。

鶴岡市議会ではこの案件の教訓として設計変更の際のガイドラインを定めたとされ、その文書も拝読いたしましたが、設計変更の際に議会に説明することは明記されているものの、米沢市のように1億5千万円の議決案件の際に増額補正が伴う際には議会を止めて議会に諮らねばならないなどの規程なく、現状を容認するような規程が並んでおり、甚だ手ぬるいと感じます。


議会軽視の今回の法令違反ともとれる不祥事からの教訓としては米沢市並みの設計変更ガイドラインを新たに策定される措置を求めます。

 

 又、現在1億4千万円(年額)と試算されている今後の維持管理費用に更なる増額がないか、当該施設に特化した管理費コストの詳細計算をおこない説明責任を果たすとともに、増額に伴う違法または不当な支出の防止のために必要な措置を求めるものであります。

 

以上であります。