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一般質問1 県政運営について 持続可能な社会について


一般質問について、項目ごとに当局との質疑内容を掲載します。
なお、これは議会ホームページの録画中継から自分で書き起こしました。

1)県政運営について 知事へ。

1 県政運営について(知事)

 日本社会は、全国で年間40万人ずつ減少する人口減少社会、少子高齢化、莫大な国の財政赤字。経済危機、地球温暖化問題、更に今年3月11日の東日本大震災、福島第一原発の放射能汚染問題。と言ういくつもの難題に直面しております。
私は、犠牲になった方々、そして不自由な避難を強いられている福島の方々のためにも、この3月11日という日を、これまで持続不可能な道を歩み続けてきた日本を、持続可能な社会へ変える、ターニングポイントにしなくてはならないと考えております。

特に東京電力福島第一原発の事故では、メルトダウンと水素爆発による大量の放射能汚染を伴うレベル7の大惨事となりました。事故のリスクを想定できていない無責任な安全神話。活断層が数多く存在する地震国に54基もの原発をつくり続けてきた矛盾。電源三法交付金での誘導策による地域自治の破壊。放射能廃棄物の問題など、政治、官僚、業界、御用学者、時には報道機関の癒着の利権構造による「原子力ムラ」といった病理が、真実の議論を遠ざけ、問題を先送りし、ついに大惨事をひきおこしてしまったのだと考えます。
 吉村知事におかれましては、今般の東日本大震災でいち早く福島の自主避難者を受け入れ、更にその避難者の立場にたって「卒原発」の表明をされたことを大いに評価、賛同するものであります。日本社会において、エネルギーシフトは今後の持続可能な社会への転換の柱と考えます。


「持続可能な社会」「持続可能な発展」サスティナブルデベロップメントとは、特に1992年の国連地球サミットで、中心的な理念として「リオ宣言」や「アジェンダ21」に具体化され、日本では93年制定の環境基本法の基本理念となっています。

スウェーデンの国際NGOナチュラルステップではこれを次の4つのシステム条件で定義づけています。
1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない
3)自然が物理的に劣化しない
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げることをしない。ということです。

1番は化石燃料など、枯渇性資源から再生可能資源への転換です。

2は、農薬、化学薬品、放射能汚染など、科学物質汚染の抑制と   循環型社会の構築であります。

 3は生物多様性の尊重であり、昨年のCOP10の愛知ターゲットでも示されている、年間4万種もの生物の絶滅をいかに防ぐかということであります。 特にここ50年ほどの開発により水辺の生態系が深刻なダメージを受けています。私は山形では、指標を最上川におき、森、川、海、の連環とともに生物多様性を再生させるアクションプランを構築することと考えます。

 4は、人々の基本的ニーズとして、衣食住などの生命維持、保護、愛情、理解、参加、創造、自由、休息、アイデンティティ、この9つのニーズを妨げないようにするということ。
情報公開、説明責任、住民参加を徹底させ、利権の「しがらみ」「なれあい」構造を解体し、健全な民主主義社会を実現していくことであります。
ちなみに原発はこの4つの条件全てに違反しています。
2008年、私が訪れたスウェーデンでは77の自治体が実際にこの定義を公共投資の判断基準にし、20年後、50年後の目指すべき社会像を組み立て、バックキャスティングアプローチにより、確実にそれに向かうまちづくりが進められておりました。

 右肩あがりの経済成長の時代につくられた都市や地域の開発指向の考え方を、自然と共生し、環境・社会・経済がバランスした「持続可能な社会」にむけ、シフトすることこそ、3月11日を踏まえ、我々山形県が目指すべき道と考えますが、知事のお考えをうかがいます

●吉村知事
ただいま議員より質問をいただきました。 まず、県政運営についてでございます。

持続可能な社会形成にむけた、県政運営について、お尋ねでですが、本県には全ての源である水、森、田園など、緑あふれる豊かな自然や、先人が築きあげてきた知恵や技、更にはその積み重ねでつちかわれた伝統や文化など、経済的な側面からでは評価できない多くの資源が受け継がれていると思います。
  
 今後の県の発展に向けては、こうした有形、無形の資源や財産を背景に、くらしや地域社会の活力を高める、経済的な基盤をつくるとともに、発展の元となる人づくりを進めながら、経済のみならず、生き甲斐、楽しみといった、質的に充実した暮らしをつくりだすことが重要であると考えております。
こうした認識にたって、私は知事に就任以来、先人達から受けつがれてきた、歴史や風土、伝統を尊重し、それらをもとに、未来の発展の源泉となる命や希望を、県民皆で、産み育て、活かすことがを基本に政策を展開しております。今後とも緑と心がかなであい、一人一人が輝く山形を、県政発展の基本目標とする第三次山形発展計画の着実な推進をはかっていく事であると考えております。
更にこのたびの原発事故を基に、あらゆる生命の母体である自然をできるだけ、健全な状態で、将来に継承していくことの大切さを改めて認識しました。今後の東日本大震災からの復興に向けては、豊かな自然環境と経済成長の両立した、新しい一歩を力強く踏み出さなければはなりません。

本県は、県内各地に 多様な再生可能エネルギーを保存しているという深いポテンシャルを有していると思います。このような豊かなエネルギーを循環させる取り組みを、積極的に展開することにより、持続可能な県づくりをすすめてまいります。