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淀川水系流域委員会の危機。


月曜日、鶴岡市議会一般質問の質問デイであり、質問をまとめ中。

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今朝のニュース、以下の社説が目にはいった。とても重要なので転載します。
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朝日新聞 社説。

流域委員会 淀川方式が決壊する

 河川計画に住民の意見を反映させるため、国土交通省の地方整備局に設けられている流域委員会。その存続が、関西を流れる淀川で危うくなっている。

 同省河川局から10月に着任した近畿地方整備局長が、委員の任期が切れる来年1月で休止させると表明した。

 住民の参画を徹底させる手法で、これからの河川政策のモデルといえる委員会だ。それが、まだ河川整備計画もできていないのに、仕事半ばで活動を止めるのは納得できない。

 実は似たような出来事が、関東の利根川や四国の吉野川でも起きている。「淀川のような流域委員会をつくってほしい」という住民の要望が退けられた。代わって、住民の意見は国交省が聴取するという方針に変わった。まるで淀川方式の波及を恐れるような対応である。

 97年に河川法が改正され、「住民の意見の反映」が盛り込まれた。それをきっかけに、河川計画を立てる審議に住民を加える流域委員会方式が広まった。

 とりわけ淀川の流域委は、これまでの役所の常識を百八十度変える運営方法だった。河川工学者ら第三者でつくる準備会議が委員を選んだ。一般公募の委員枠も設けた。事務局は民間機関に委託し、会議は公開、傍聴も自由にした。傍聴者の意見も募った。6年間で500回を超える審議を重ねてきた。

 近畿地方整備局は「時間とコストがかかり過ぎる」「流域委の意見を重視しすぎる、と首長から批判がある」と、休止の理由を説明する。

 しかし、それだけではあるまい。流域委は03年に「ダムは原則として建設しない」とする提言を出した。これに対し、河川局は05年、五つのダム計画のうち二つは中止するが、三つのダムは継続するとの方針を打ち出した。

 ダム建設を推進してきた河川局の意向に沿わない提言を出したことが、休止の本当の理由だろう。流域委を存続させれば、ダム建設に抵抗するのは目に見えている。それなら流域委の活動を止めてしまおうというわけだ。

 利根川では、反対運動が続く八ツ場ダム(群馬県)の計画がある。吉野川では、白紙になったとはいえ可動堰(ぜき)問題がくすぶる。淀川を含め3河川に共通するのは、いずれもダムや堰を疑問に思う住民の声が根強いことだ。こうした地域では、住民の声を反映する場をつくりたくないというのが国交省の本音だろう。

 しかし、意見の対立があるからこそ、流域委のような議論の場が必要なのだ。

 改正河川法に基づく1級河川の整備計画づくりはいま、全国でヤマ場を迎えている。淀川では、流域委に住民が参加することで、住民の間で川への関心が高まった。それは住民が洪水時の危険性を知ることにつながり、地域の防災力を高めることにもなる。

 治水を担う国交省が、その地域の住民の声に耳をふさぐ。それは時代に逆行するとしかいいようがない。
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本日の朝日新聞社説より。

97年に河川法が改正され、環境と「住民の意見の反映」が盛り込まれ、まさに理想的な徹底した参加と議論が展開されていた淀川水系流域委員会。ダム推進をストップされたくない国土交通省の官僚とある政党によってこうした民主主義の冒涜がおこなわれているのだと強く思う。朝日新聞、よくこの問題を取り上げてくれたと思う。
 小国川ダムの問題で、代替案を作成してくださったのがこの淀川水系流域委員会の委員長であられる今本博健先生だった。先生曰く「この川は朝まで雨が降っていても午後にはすっきりと澄み渡ってくる特性をもっている。天然遡上の鮎の経済効果も大きい。こんな川を穴あきダムで殺してはならない。温泉街の将来、流域の町の将来を考えてもこの川の魅力をいかせるような治水策にすべきだ」と。山形の土木部長は、これに対してまさに「聞く耳もたず」の姿勢をとった。斉藤山形県知事とて同じ。
 「県民の生命と財産を守る」とかと言って、とにかく「ダムダムダム」この淀川流域委員会で、真摯に議論されていた新しい視点の「治水」を無視してしまっている姿勢というのは、言語道断だ。
 
 治水論、ダム論。淀川水系流域委員会の真摯な議論、また長野県での河川審議会などの議論によって「古い公益」と「新しい公益」、「公益=官益」と「公益=住民の益」という戦いなのかもしれない。