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高野孟さんの講演会


県内市議会の研修で、インサイダー編集長の高野さんのお話を聴く。

「参議院選挙後の政局」と題して、安倍内閣の問題点を3点として述べていただいた。とても興味深い示唆に富む講演だった。

高野氏は、今般の自民党の敗因を、1)自民党そのものが、全体として賞味期限きれがとっくにきている。2)自民党公明党連立の協力体制が、立ちゆかなくなっている。
3)安倍さん個人のキャラクター問題。
一言でいえば、なんにつけてもぐずぐずしちゃって、ぴしっと決められない。
と説く。

安倍首相の姿勢は「はじめぐずぐず、後でばたばた」の繰り返しだ。と。本間税調会長のスキャンダルに続き、松岡、赤木にいたるまで、の人事の対応の悪さ。昨年6月に指摘されながらもずっと無視し続けてきて、選挙前になってどたばたになった年金の問題。ずっと、それの繰り返しだ。と指摘した。

安倍支持の背景になった、拉致問題についての指摘は実に興味深かった。

安倍氏の任期は、 5人の北朝鮮の埒問題、。5人を返さない。安倍氏が決めた →颯爽たる若きリーダー とテレビにつくられた。
 そのことぐらいしか、安倍の人気を支えたことはない。世論の評価。正しかったのか? 
拉致問題。運動としては返さない ということは運動としてはいい。しかし、政治の3重構造の中の外交の論理ではない。、政治家のやるべきことは、それ一本では今後の交渉がやりとりが成り立たないので、とするべきだった。

自分で人質になって、家族との長い間をかけた話し合い。
「ただ返さない」では、後の交渉がなりたたない。
→ 家族の思うところと、政治家がやるべきことは違うでしょう。 安倍外交の失敗例だ。
これが、「安倍さんかっこいい」ということになった。
家族の怒りとともに、制裁だということになる。その経済制裁ということになると、戦争の一歩手前だ。ふりあげた拳をふりさげれない。
運動の人たちは、「制裁だ!」と叫ぶ。それをうけて、「制裁だ」といってしまえば、政治ではなくなる。

●北朝鮮 横田めぐみさんの骨をだしてきたが、これを政府が早々に、偽物と断定をした。ネイチャー科学雑誌は当時、日本のDNA鑑定へ疑問を呈した。2回目の鑑定までは判明できず、3回目の帝京大学での鑑定結果で、即断定、運動の方も政府も鵜呑みにした。
1200度以上で焼かれた人の骨のDNA鑑定は難しいのに、即偽物と断定してしまった。

●この6月、安倍になって拉致問題だけフォーカスしている。北の核問題に
米国は、途中でころりと態度を変えたが、米国への核テロ問題への危機。
スーツケースにはいった状態で米国に持ち込まれる。数百万人が殺戮される可能性がある。これに真面目にとりくみはじめた。去年から、強い切迫感をもって。
そのときに、日本は、6カ国会議などにも、らち問題だけのことしか言っていたい。
他 の問題とのバランスに欠けている。米国、中国は困っている。
キッシンジャー氏も、 これでは、6カ国協議の足をひっぱることになる。
安倍のらち問題の解決の定義を示せ。と言及している。

●ヒルら米国関係者は、今、 
日朝間の問題は、遺骨のDNA鑑定のところにある。米国が再鑑定するから、骨をわたしてほしい」といっている。
米国のDNA鑑定の技術がとてもすぐれている。帝京大の鑑定は、実は経験不足かもしれない。

本物と判明される可能性が3分の1 そうなったら、日本政府の立場はない。なので、「骨はない。」と応えつつ、外務省は苦慮している。

6カ国協議の第二段階の話し合いは進んでいて、米国は、近いうち、北朝鮮をテロ支援国家のレッテルをはずす。ライスははずすというニュアンスを伝えた。

米国は、テロ支援国家として認定する、必要条件として、 北朝鮮 航空機ハイジャックの犯人を抱えている国。こうした規定。よど号事件の犯人を北朝鮮は出す。
テロ支援国家を規定するアメリカ国内法には、「拉致」などの記述はない。

だから安倍が主張する「拉致があるので、テロ支援国家のレッテルをはずすな」は、通用しない。
このままでは、米国は、そのレッテルをはずす。

外務省は、安倍訪米は成功と発表しているが、裏がかなりある。

安倍の拉致被害者5人を返さない 以降の北朝鮮強攻策は、米国との溝を深めている。
米国は、核テロの脅威の問題。また、北朝鮮の資源開発の問題。

北朝鮮。大変な量の鉱物が埋蔵されている。東側の紅海には海底油田 世界最大級
日本 ウラン、モリブデン、タングステンなど、レアメタル ハイテク産業で取り合いになっている。

運動レベルでは政治も外交もできない。政治は3重底でやらなければ、できない。
安倍は1重底だ。

安倍さんが決断の人というのは、テレビがつくった幻想である。
何についてもぐずぐずと決断ができず、いよいよなるとばたばたとしてしまう。

民主党昨年6月から指摘していた年金問題。ずっとたかをくくっておいて、何をやるかといったら、菅直人が悪いといったビラをつくって、お茶を濁していた。
全部、同じ理屈。

両方、ぐずぐずのあげくのばたばた という安倍政権の構造に国民が怒っているんだということ。を本人がわかっていないが、それが原因だということ、。

党内でも批判をあびているが、続投宣言も、まさに、これまでのぐずぐず、ばたばたと同様だ。

●退陣論をぶっている幹部もいる。8月末の人事をみよう。ということになっているが。

こういう時には電光石火という 絶対ぐずぐずしないとうのは、小泉だった。
それに対して安倍のおぼっちゃまは大きな違いだ。

●議長と議運委員長 をにぎっているので、先手をうって参議院から挙げていく。

11月、12月に安倍政権立ち往生 解散総選挙 いくら長くても、来年6月まで1年間。
国会審議がたちゆかなくなれば、追い込まれて解散総選挙に転がり込んでいく。
公明党が最後まで自民党とつきあうのかどうかが、大きな課題としてのしかかっていくだろう。

ーーーーー以上、当日とったメモより。

最後に高野氏は、健全な民主主義のためにも、一度政権交代が必要。と結んだ。

うむ。おっしゃるとおり。