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あまりにも不当な最上流域委員会


16日、最上流域委員会を傍聴。全く議論らしい議論なし。ひととおり委員が見解をのべてすぐさまほぼ小委員会の「穴開きダム案」に集約する姿勢に激怒。

ーーーーーーーーーーーーーーー山形新聞より引用ーーー
穴あきダムで意見集約

最上小国川協議の流域委
最上町赤倉地区の最上小国川の河川整備について、有識者らが協議する最上川水系流域委員会(委員長・高野公男東北芸術工科大学教授)が16日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれ、地元の小委員会がまとめた「穴あきダム」案で意見集約した。
 流域委員会は近く意見書を知事に提出、県はこれを反映させる形で11月中にも河川整備計画を変更する。
 8月の前回には結論が出ず、今月6日の現地視察などを受けて再び協議した。委員からは「治水策として穴あきダムに至った経過を伝えていくべきだ」「計画づくりで終わりでなく、事業プロセスの中での管理も必要」といった提言のほか、現地視察などを踏まえ「デザインによっては温泉街のビューポイントになる」「災害防止の観点から新年度予算に間に合わせるべきだ」との評価や結論を急ぐ必要があり、前回相次いだ異論はほとんどなかった。
 穴あきダムは、堤体下部に放流口を設け、平常時は水をためない流水型ダム。今年1—5月に6回開催された同委員会最上地区小委員会は河道改修、放水路を含めた3案から経済性や環境への影響などを考えて「穴あきダムによるほかない」との結論を出した。県からの要望を受け、国土交通省はすでに穴あきダム建設を前提に、来年度の概算要求を行っている。
 この日の意見集約に対し、市民団体「最上小国川の真の治水を考える会」の押切喜作会長は「小委員会の2番せんじ。住民の声は水害をなくしてほしいであって、ダムをつくってくれではない」と反論。28日に新庄市で菅直人民主党 代表代行らを招いたシンポジウムを開催し、河床掘削・拡幅からなる「市民による代替えプラン」を提示する考えだという。

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小委員会では、小国川漁協組合長沼沢氏が、真摯に「ダムに依らない治水策」を検討することなく、「ダムありき」論しかおこなわない姿勢に疑問をもち、小委員会を離脱している。小委員会の構成は10人の委員中1人沼沢氏だけが、ダムに依らない治水を主張する委員だった。
不当な構成。そして結局ダムありき論者のみだけで「穴あきダム」論が答申された。
  淀川水系流域委員会 委員長の今本博建 京都大学名誉教授は7月24日の現地視察の際、「ダム以前にやれる事はまだまだたくさんある。これまでの小委員会では河道改修案の検討不足。検討に関わっている特に河川工学者の見識を疑う。県も全くの説明不足」と述べている。6回検討する委員会を開いたというが、実際は全く議論不足だったといっていい。
  こうした小委員会の答申を最上川流域委員会の委員が検討するのだが、そこに「議論」らしい議論は皆無だった。小委員会の委員長の大久保博 山形大学教授は「小委員会でおこなった検討を再検討することはやめてほしい」の一点ばりのような主張を繰り返した。漁業権をもつ漁協が途中で離脱しなければならないほど、ダムありき論で展開されていた小委員会だったことを全く反省することなく、県は再度ダムありき論者を大多数集め、アリバイ作り然とした議論を展開させた。県の説明は「ダム、放水路、拡幅3案で議論は尽くしている」などと繰り返ているだけ」 であり、「河川管理者が同小委員会に対して示した治水計画あるいは環境についての調査検討はきわめて不十分であると言わざるを得ない。それにもかかわらず、わずか半年足らずの短期間でしかも実質数回の審議でもって、ダム計画を容認した最上地区小委員会は、まさに「河川法改正の趣旨を反映しなかった」との批判に甘んじざるを得ないであろう」と今本氏は指摘している。
  結局、流域委員会、小委員会、双方とも、この最上小国川の流域住民の参加をなしえていない。 ということである。

   特に小委員会、流域委員会とも、天然遡上する多くの鮎で有名な最上小国川の環境への影響について、県はきわめて無責任きわまりない検討と説明しかおこなっていない。
「穴あきダムであれば河川環境に対する影響はきわめてすくない」と主張しているが、果たして本当にどうだろうか。
「穴あきダム」というものの、堤体高40メートル、幅100メートル以上の巨大構造物。現在微妙なバランスで成立している鮎が遡上する環境に影響を与えないという補償や責任というものを県は全く提示していない。
 「ダムがない河川と穴あきダムがつくられた河川で、一体どれだけの河川環境の影響があるのか」はっきりとしたデータが全く示されていないのだ。

 それもそのはず、最上小国川ダムで計画されている様のダムは、現在数件、それも最近建設されたものだけだからだ。実際環境にどれだけ影響があるのかデータがないのだ。「最上小国川で実験しようとしている」としか思えない。そんな実験する川として山形随一の川が餌食になるのはまっぴらごめんだ。

  新河川法の趣旨を反映していない不当な流域委員会、小委員会によって採用された穴あきダム計画は、全く不当といっていい。

全国屈指の清流、山形県 母なる最上川の水系で随一の清流、最上小国川にダムはいらない! 
記事にもありますとおり、28日、菅直人 民主党代表代行を招き、代替え案を提示するシンポジウムを開催します。みなさん、新庄市市民プラザへ足をお運びください。