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穴あきダム ラッシュ ー記事より。


2006年04月03日 朝日新聞 より。
穴あきダム計画ラッシュ 安い建設費、「延命」批判も




 ダム堤体の下部に放流口を設け、普段は水をためない治水専用の「穴あきダム」が各地で次々と計画されている。今月中には島根県営の益田川ダムが初めて完成。国直轄や水資源機構管理の大規模ダムでも、昨年7月に多目的ダムからの転換が打ち出された丹生ダム(滋賀県)に続き、2月には足羽川ダム(福井県)の建設方針が決まった。国交省などは多目的ダムよりも建設費が安く、環境への影響も小さいと利点を挙げるが、「逆風が強いダム建設の延命策だ」と批判的な見方も出ている。

 既存の大規模ダムのほとんどは治水や発電、農業、水道用水などの多目的ダムで、出水時でも一定の貯水をしておかなければならない。これに対し「放流型」「流水型」とも呼ばれる治水専用ダムは、出水時には一時的に水をためるが、流入量の減少とともに水位は低下する。以前から「穴あき」と呼ばれるダムはあったが、取水・放水口が堤体上部にあるなど貯水を前提としており、常時水をためない設計は、益田川ダムが初めてとなる。

 貯水の必要がないため堤体が低く、建設費を軽減でき、水没面積も少なくてすむ。水を完全に遮らないため、魚など生物は堤体の上下流を行き来でき、プランクトンなどによる水質悪化もない、と国交省は説明する。

 不景気や節水技術の進歩で水需要が低迷する一方、台風や豪雨による水害被害が近年も多発していることなどが、計画ラッシュの背景にある。

 福井県の足羽川ダムの場合、67年に多目的ダムとして計画されたが、反対運動で難航。県も水需要が見込めず、利水事業からの撤退を決めた。しかし、04年の福井豪雨で1万戸以上が浸水被害を受けたことで、治水専用ダムとして再浮上した。

 滋賀県の丹生ダムも近畿最大級の多目的ダムとなるはずだったが、大阪府、京都府など利水事業者がすべて撤退し、貯水量の8割の需要が消滅。規模を3分の1にし、5300万立方メートルの穴あきダムに変更された。

 ただ、専門家や住民の間では疑念も残る。

 福井豪雨後、足羽川ダムは総工費620億円で計画され、議論が進められていた。その後、同省は治水容量を約2倍の2870万立方メートルに変更。総工費は1500億円に膨らんだ。専門家が建設の是非を検討した九頭竜川流域委員会のある委員は「治水専用ダムを持ち出すことでまず建設同意を得て、その後、規模を大きくしようとしたのではないか」と話す。

 皮肉な事態も生じている。3月中旬には、滋賀県・丹生ダムの建設を推進してきた人たちが、穴あきダムに反対する住民大会を開いた。

 地元の余呉町は、当初の多目的ダム構想に合わせて、ダム湖岸に桜やもみじを植える公園づくりを計画していた。だが、穴あきダムではダム湖はなくなり、ふだんは石で覆われた堤体がむき出しになる。畑野佐久郎町長は「湖のないダムはいらない。観光ダムに期待してきただけに、方針転換に驚いている。国は我々をだますのか」と憤る。


→よくまとめて書いて下さった。まさに穴あきダムはダムの延命策だ。
水は余っている。そして治水には堤防強化などの方が有効だ。
山形県の最上小国川ダムもこの穴あきダムブームにのっとって造られようとしている。/

山形 最後の清流をなんとしても守りたいものだ。