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2021 12月議会 一般質問 1)医療的ケア児の支援について


12月一般質問

1) 医療的ケア児の支援策について質問 する。

人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸 引などの医療的ケアが日常的に必要な子供たち である医療的ケア児は全国で約2万人、山形県 内では145名いらっしゃるとのことだ。医療的ケア児の在宅療養は家族の負担が重く、 ほぼ24時間のケアのために保護者が仕事を失う、 新たな就労を断念せざるを得ない。また、社会 とのつながりを失い孤立するなどの状況が生じているようだ。その家族への支援は、 医療、福祉、保健、子育て支援、教育などの多職種連携が必要不可欠だ。

医療的ケア児については、2016年に児童福祉 法の改正で法律の中に医療的ケア児に関する文 言が初めて明記され、自治体に支援の努力義務 が定められました。そして、2018年の障害福祉 サービス報酬改定で医療的ケア児用基本報酬の 新設などが行われてきました。今般、医療的ケ ア児支援法が今年6月に成立し、この9月18日に施 行された。
この法律では、医療的ケア児への支援が、国や地方自治体の努力義務から責務となっている。。今般は、この法制化を踏まえて質問したい。

  まず初めに、医療的ケア児の市の支援の現状をお伺いしたい。
  現在、市では医療的ケア児コーディネーター配置機関として2件の登録があり、あおば学園
の相談支援については、今年度市の予算で増強されているということは伺っている。現在、医療的ケア児について、
市では何名の方がいらっしゃるか。また、現在の市の支援の取組は?

●健康福祉部長 令和3年9月末現 在で15名だ。
現在の支援の取組状況だが、障害者手帳の交付、相談支援や通所支援などの障害
福祉サービスの支給、車椅子、たん吸引器、ストーマ、紙おむつなどの日常生活用具、
補装具等の給付、障害児福祉手当等の支給を行っている。
  今年度から医療的ケア児支援をより充実させるため、障害児相談支援事業を行う市立
あおば学園の相談員を1名増員し、御本人、家族支援の強化を図っているところだ。

保健、医療、福祉、教育、就労等の多分野の 管理機関によるネットワーク組織であります鶴 岡市障害者地域自立支援協議会における取組と しては、こども部会、相談支援部会が 主体となり、医療的ケア児支援の充実の ための検討を進めており、御家族には各種支援制度をまとめた「子ども版障害福祉のしおり」 の配付による情報提供、御家族との意見交換、 現状把握のためのアンケート調査を行い、課題 の抽出を行ってきた。

  しおりについては、医療機関にも配付し、退院時の支援に役立てていただけるようにしている。
  また、今年度は新たに孤立しがちな御家族をつなぎ、介護をなさる方の日頃の疲れをリフレ
 ッシュすることを目的に御家族向けの研修、情報交換会を開催し、福祉制度の説明、
 家族交流、軽運動などを行ったところだ。

草島 医療的ケア児やその御家族が抱えている課題としては、ショートステイの施設
が本市にないなど、レスパイトケアの課題の声を私も伺っているが、現在の医療的ケア児、
また御家族の抱える課題を市はどのように捉えているか、伺う。

健康福祉部長
次に、医療的ケア児、御家族の抱える課題につきましては、令和3年1月に行いました御家 族に対するアンケートの結果を少し御紹介したい。

令和2年度の医療的ケア児17名中11名の方か ら御回答いただいたが、そのうち約8割の 方が食事、排せつ、入浴に全介助が必要となっている。主たる介護者は母親であり、毎日 十分睡眠が取れている方は5%のみで、夜中の 介護などで寝不足の方が大半を占めている。心身の状態では、疲れやすい、いらいらする、 頭痛、腰痛等の不調を訴える方が多く、「体を 休めたい」「レスパイト施設が不足している」 「コロナ禍となりひきこもりがちになった」 「新しい情報が欲しい」「経済的不安がある」 などの意見をいただいたところだ。

 このアンケート結果からは、御家族の介護負担の軽減、孤立の防止、福祉制度等の情報提供、経済的負担の軽減が課題で
あると捉えております。御家族の孤立防止などの点から先ほども述
べましたが、今年度は初めて研修、情報交換会を企画しており、これにつきましては、来年以降も継続したいと考えておりますが、それ以外にも御家族の介護負担軽減のため、休息を目的
として医療的ケア児を預けることができるレスパイト施設、短期入所事業所の不足は重要な課題と捉えている。

草島
連携推進会議はおこなわれているか? 

医療的ケア児支援のための連携推進会議についてお答え申し上げる。

本市では、平成30年度から鶴岡市障害者地域 自立支援協議会におけるこども部会、相談支援 部会を医療的ケア児支援の協議の場と位置づけ、 各支援事業に取り組んでいる。

 相談支援事業所、障害児通所施設、行政を中心にして支援内容の検討を進め、研修会、情報交換会においては、広く医療機関、教育関係機関の皆様からも参加をいただいている。
 協議内容としては、家族支援のための現状把握と課題の共有、家族交流事業の開催、支援者側である関係機関
のネットワークづくり、他市における医療的ケア児支援の事例研修等を行っておるところだ。
 
 

また、今般、医療的ケア児支援法の成立・施行により、これまで地方自治体の努力義務だっ たものが責務となりました。保育所へ看護師や喀たん吸引などを行うことができる保育士、保 育教諭の配置が保育所の設置者の責務とされ、また小・中学校へ保護者の付添いがなくても適 切な医療的ケアなどを受けられるようにするための看護師の配置が学校の設置者の責務として 明文化されている。また、日常生活における支援として、必要な支援を受けられるようにす るため必要な措置を講ずるとされています。 ほか、これは県の施策になると思いますが、医療的ケア児支援センターの設置が明記されて いる。
 これら法施行を受けて、当市の今後の支援の方向性についてどのように考えているか、伺う。

健康福祉部長  法施行後の市の今後の支援の方向性ということだが、県の取組と連携しながら、現在の本市の取組を継続しつつ、 アンケートの結果から把握した孤立防止、情報提供、経済的負担も含めた家族の負担軽減といった課題への対応を 検討していく。

また、御家族の困り事をお聞きする相談支援が基本となるので、あおば学園を中心に御 本人及び御家族からの御相談に丁寧に対応していく。 また、多分野にわたるサービスを総合的に調整し、御本人と御家族を支援する医療的ケア児等コーディネーター の資格取得につきましても、各相談支援事業所に働きかけを行っていく。

  保育所、学校における看護師等の配置につきましては、当面の対応としては、相談支援の中で、事前に児童
と保護者の意向を伺いながら、保育所と学校との調整が必要になると考えている。
  市としては、看護師不足といった課題がある中、看護師確保の取組と保育所、学校における受入れ態勢
の構築を検討してまいる。以上だ。

草島進一議員


御答弁ありがとうござい ました。今の現状などがよく分かった。
県の支援センターについては、伺ってみたところ、来年度中には立ち上げる予定と御担当の方から伺った。

  また、今ありましたけれども、医療的ケア児 が通常の保育園や小・中学校に看護師さんのケアを受けながら
通うことができるインクルーシブ教育についても、今回の法施行を受けてその受入れの態勢、ガイドラインなど
を構築していただいて、当市でも児童の教育の選択肢が増えるようになることを望みたいというふうに思い
 ます。
  今回伺っていて、やはり医療的ケア児の保護者が介護から解放されるレスパイトについて大
 きな課題だなと感じた。
  現在、通所できる施設は存在するわけだが、ショートステイ、言わば短期入所ができる場は、荘内病院のレスパイト
入院に限られるということである。これはしょっちゅう気軽に使えるものではないということだ。
また、短期入所施設を事業所が立ち上げるには、かなり困難を伴うと思う。
  そこでいろいろ調べてみました。そこで、今般提案したいのが、医療的ケア児在宅レスパイ
 ト事業だ。
  医療的ケア児の看護、御家族のレスパイトとして、訪問看護ステーションを2時間から4時間など長時間利用して
いただき、その利用に係る医療保険の適用を超える経費を自治体が助成するというものである。
  短期入所では体調を崩す子も多く、本人と家族の移動の負担も大きいとのことであり、在宅レスパイト事業は、
全国的にも医療的ケア児支援で要望の強い福祉サービスということである。
  東京都江戸川区、府中市などの東京都内、また福岡県福岡市、糸島市など福岡県内の自治体、長崎県佐世保市
などで現在行われているサービスでもあります。ぜひ参考にしていただき、本市でも率先して取り組まれること
を御提案申し上げます。見解をお伺いします。

○健康福祉部長 渡邉 健

ただいま草島議員さんから御案内いただきました医療的ケア児在宅 レスパイト事業につきましては、福岡県内では 健康保険の適用対象となる訪問看護を除き、訪問看護事業者が医療的ケア児を訪問して、家族 の負担軽減のために看護や介護を行う際の経費を自治体が補助するといった制度である。 家族の介護や看護の負担軽減、また経済的負担 の軽減といった点から見て有効な制度と存じる。

  家族の負担軽減のためどのような取組が求められているのか。この医療的ケア児在宅レスパイト事業も参考にしながら、
財源確保の点も併せて検討してまいりたいと思う。以上。

草島進一議員
ぜひ御検討をお願いしたいと思う。

  このレスパイト事業についても、医療的ケア児をケアできる看護師の養成も課題のようであ
 ります。岐阜県などでは研修制度が充実していると伺っておりますけれども、これが県ととも
に充実されるようになったらいいなというふうに思う。
  今回の新法の施行により、自治体の責務となった医療的ケア児への支援である。「誰一人取り残さない」を掲げている鶴岡市での支援策として、一歩でも前進されることを希望いたしま
 す。さらに検討を求めたいと思う。私も研究していくので、よろしくお願い申し上げる。