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2021年3月議会 1)慶応先端研とバイオクラスターについて 2)食文化について(豊かな食の郷土づくり研究会 FOODEVERについて)


◆6番(草島進一議員) 通告に従い質問いたします。

 慶應先端研とバイオクラスターについてであります。

 まず初めに、来年度予算に約6億4,000万円計上されている拡張計画について伺いたいと思います。

 次に、毎年の市からの補助金額3億5,000万円についてですが、合併10年間は財源的に優遇されてきたこともあり3億5,000万円の多額の研究補助金が投資できたと思いますが、来年度、令和3年度からは交付税が一本算定となり、さらに財政的に厳しくなり、より一般財源から研究補助金を投資する負担が大きくなることが想定されます。

 今、バイオベンチャー企業の発展が注目され、多額の資金調達があると思いますし、関連団体を含めた収入があると思いますが、そうした関連企業の成長を見据え、そこからの還元によって研究所を支えることなどはできないものか。3億5,000万円の補助金について、私はどこかで見直し、段階的に補助金を削減し、自立化に向けてのスキームを検討しなければならないのではないかと感じていますが、当局の見解をお伺いします。

   

◎企画部長(阿部真一) 慶應先端研とバイオクラスターに関わる2点の御質問についてお答え申し上げます。

 初めに、今期の鶴岡市先端研究産業支援センターの拡張計画の御質問についてお答え申し上げます。

 同センターの拡張工事につきましては、国の地方創生拠点整備交付金の採択を受け、新たにレンタルラボ棟の増設を行うもので、今年度、建設予定地の地質調査と基本・実施設計を行っております。来年度は、年度初めに業者選定の手続を行いまして、7月以降から本体工事に着手し、令和4年の夏頃の竣工と供用開始を予定しているところでございます。

 この新棟は、鉄骨造2階建ての延べ床面積約2,200平米を想定しており、1階、2階それぞれに10室ずつ、計20室のレンタルラボを配置するほか、会議室、打合せスペースなどを設け、研究機関をはじめ創業を志す若い人材やスタートアップ企業、成長段階にあるベンチャー企業等を支援したいと考えております。また、サイエンスパークに関わる方々が集まり、分野を超えた交流を図ることで新たなイノベーションの種を生み出すため、コミュニケーションラウンジを配置する予定でございます。このスペースは、新棟の新たな特徴として、自由な会話や創造的な打合せなどができる空間として整備していきたいと考えております。

 総事業費は、令和2年度から4年度までの3か年で約11億円を見込んでおりますが、来年度は本体工事として約5億8,300万円、外構工事で約4,200万円、そして工事監理業務委託料で約1,100万円など、合計で6億4,000万円の予算を計上しているところでございます。

 次に、補助金の見直しについての御質問についてお答え申し上げます。

 慶應先端研の支援につきましては、慶應義塾大学の研究教育活動による地域活性化を目指し、慶應義塾、山形県、そして本市による3者協定に基づく慶應先端研を核としたプロジェクトの一環として、県と連携し補助金を交付しているものでございます。現在、令和5年までの第5期協定期間であり、来年度は中間年次となることから、県が中心となり評価委員会を設置し、市も委員として参画しながら慶應先端研の研究成果等に関わる中間評価を実施する予定でございます。また、最終年度にも同様の評価を行うことを想定しており、これらの検証を通して中長期の視野に立った政策のプライオリティー、財政的な観点から支援水準を判断し、議会にお諮りするものと認識しているところでございます。

 議員御案内のとおり、慶應先端研の研究成果を生かしたバイオベンチャー企業が次々と立ち上げられ、多様な資金調達を駆使し、数十億円から数百億円の調達に成功した企業も出てきております。また、サイエンスパーク内で働く人は現在560名を超えるなど、雇用創出に加え、年間約31億円の地域経済への波及効果にもつながっております。議員からは、慶應先端研の補助金の見直しに当たり、これらバイオベンチャー企業の成長を見据え、そこからの還元によって慶應先端研を支える御提案をいただいたところでございますが、資金調達は企業成長や毎年度の事業活動の状況、世界的な景気動向に左右されるものであります。また、ベンチャー企業から慶應先端研への補助金等の支出については、当然ながら各企業の同意が必要であり、それぞれの判断に委ねられているものでございます。

 一方で、協定に基づく慶應先端研支援につきましては、安定的に研究教育活動の展開を支えるもので、これがベンチャー企業を生むなど、サイエンスパーク発展の源泉になってきたものと考えております。そのため、ベンチャー企業の資金調達や収入等の一部を協定に基づく慶應先端研支援の見直しに充てることにつきましては、現時点では難しい面があると考えているところでございます。

 慶應先端研の研究教育活動の取組や成果が拡大している中で、研究活動に必要な研究所の運営規模や補助金による支援の水準については、今後も協定期間ごとの評価検証などを踏まえて検討し、3者で協議されるべきものと考えているところでございます。以上です。

   

◆6番(草島進一議員) 人口減少や一本算定など財政が厳しくなっていく中で、3億5,000万円の補助金というのはこれからも大きな負担となっていくと思います。市民の税金の考え方として、生命科学の研究は住民福祉の増進を図る一地方自治体がすることには限界があると考えるものです。これは今後も説明責任を求めていきたいと思います。

 次に、食文化の取組についてお伺いしたいと思います。

 まず初めに、豊かな食の郷土づくり研究会についてお伺いします。

 当市が新潟市、神戸市などと発起自治体となって呼びかけ、令和元年10月に設立した研究会でありますが、代表幹事となっているようですが、どのような活動状況か、お伺いしたいと思います。

 次に、FOODEVERについてお伺いします。

 駅前商店街の飲食店も軒並みコロナ禍で苦戦していることを伺っております。そこで、FOODEVERの経営状況はどうか。以前問題となっていた未払いなどは解消されているか、お伺いしたいと思います。

   

◎企画部長(阿部真一) 食文化の取組のうち、豊かな食の郷土づくり研究会についての御質問にお答え申し上げます。

 和食をはじめ、日本の食文化について国際的にも関心が高まる中、本市のみならず、多くの自治体や関係団体等が地域の食や食文化に着目して地域活性化に取り組んでおります。そうした中、志を共にする自治体や関係団体が連携し、情報共有等を図ることにより、効果的な地域振興策につなげることを目的に、鶴岡市が代表幹事となり令和元年10月に立ち上げたのが豊かな食の郷土づくり研究会でございます。幹事都市には、本市と縁がある鹿児島市、新潟市に加え、神戸市、志摩市など7市が名前を連ねております。

 また、文化庁、農林水産省、和食文化学会からも賛同を得てアドバイザーとして参画いただいており、現在の会員数は、北は北海道滝川市から南は沖縄県豊見城市まで、自治体を中心に91団体になっております。

 設立2年目を迎えた研究会の活動内容でございますが、運営面につきましては、コロナ禍に配慮し、総会や幹事会をリモートや書面による決議を併用しながら協議等を行っております。

 事業といたしましては、会員自治体が持ち回りで有識者や実践者を招くなどして食文化による郷土づくりカンファレンスを開催することとしており、今年度は11月に神戸市で、また本年2月には大分県佐伯市で開催されました。新型コロナウイルス感染症が拡大しつつある厳しい状況でございましたが、神戸市では、シンポジウムやエクスカーションを規模を縮小して実施するとともに、オンラインによる配信も併用して開催したところでございます。また、佐伯市では、市外からの参加をオンラインに限定しつつアーカイブでも配信するなど、両市ともコロナ禍におきましても工夫を凝らして実施いただき、食や食文化の価値や可能性を共有する機会となりました。

 また、会員間ではメーリングリストによる情報共有を図っており、事務局を担っている本市が起点となりコロナ禍における飲食店等への支援策など複数の情報が共有されたほか、各団体が取り組んでいる特徴的な事例を収集して取組事例集を作成、提供しております。さらに、国の食文化関連施策に関わる関係省庁からの情報を共有したほか、文化庁が取り組む法改正に当たっては、食文化の振興に資する改正内容となるよう幹事団体とともに要望書をまとめ提出するなど、会員団体と連携を図りながら活動を行っている状況でございます。

 こうした食や食文化を共通の切り口にした全国規模のネットワークはこれまで例がございませんでしたので、ユネスコ食文化創造都市として、引き続き活発な活動をリードしてまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 続きまして、商工観光部よりFOODEVERの経営状況及び未払いなどは解消されているかという点についてお答えをさせていただきます。

 FOODEVERに入居しております各飲食店の売上額など、個別事業者の経営状況についてはお答えを差し控えさせていただきますが、新型コロナウイルス感染症によりまして地元飲食店などへの影響につきましては、議員御案内のとおり、深刻な状況となっております。鶴岡商工会議所、出羽商工会、鶴岡市が5月と7月、1月に共同で実施をいたしましたコロナウイルス感染症の影響に関する調査におきましても、第3波の影響によりまして年末に再び人の流れが停止したことから、12月から1月にかけての宿泊業、飲食業の売上げの低下が顕著であるという結果となっております。FOODEVERや駅前商店街を含む市内の飲食店についても、厳しい状況が継続していると認識をしておるところでございます。

 FOODEVERに入居している各店舗では、国・県・市などの支援策、これを十分に活用いたしまして、さらにはそれぞれの個店において、営業形態の絞り込みやテークアウトメニューの新設など、営業継続に向けた工夫を重ねていると伺っているところでございます。

 また、株式会社Fu-Doの未払い金の解消についてでございますが、これはFu-Do社から市に提出されました納付計画書、これに基づきまして、分割納付が計画どおり履行されておる状況となっております。以上です。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 豊かな食の郷土づくり研究会については、当市のホームページを見てもなかなか最近の活動状況がよく分からない現状にあります。アーカイブをつくるなどホームページの充実をしてはどうかと思います。

 また、今後の活動の方向性についてもお伺いしたいと思います。

   

◎企画部長(阿部真一) 情報不足というような御指摘でございました。

 研究会の今後の方向性でありますけれども、発足後間もないということ、またコロナ禍という特殊な事情もございました。まずは幹事市及び関係する団体の意向をよく聞きながら、食や食文化で地域を盛り上げていけるよう連携強化を図ってまいりたいと考えております。その上で、本市では食を通じた人材育成、鶴岡型ESDを構築したいと考えておりますことから、カンファレンス等を通じて、参考事例の収集や会員団体等の知見をお借りする機会を企画できればと考えております。

 議員御指摘の情報発信につきましては課題と認識しておりますので、費用負担の在り方、それからプラットフォームの構築について、研究会の内部で議論を深めてまいりたいと思います。研究会の知名度向上や活動内容の周知をさらに図ってまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 次に、FOODEVERについてですけれども、今後の見通しについてはどうか、お伺いしたいと思います。

 食文化の情報発信拠点としてさらに活用してはどうかと思いますけれども、お伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 今後の見通しに関しましては、全国的にも新型コロナウイルス感染症による経済への影響が懸念される状況が続いておりますことから、FOODEVERや駅前商店街を含む市内の飲食店の経営状況についても注意する必要があると考えております。市内事業者に対する影響調査を継続しつつ、国や県の動向も確認しながら、支援制度の活用促進や市内事業者向けの支援策の充実を検討してまいりたいと存じます。

 また、FOODEVERを食文化の発信拠点としてさらに活用を図っていくという点につきましては、議員御指摘のとおりでございます。4月よりまた開始されます東北DCや今後の観光需要回復などに備えて、食文化発信拠点としてさらなる活用を図っていくことが肝要であると認識をしておるところでございます。

 今年度は、料理人と連携いたしました市民向け講座の開催など、食に関するイベント実施や食文化に関するパネルの企画展示などを実施しましたほか、新年度においても、食文化情報のコンテンツの整備と充実によりまして、情報発信の強化と来館者の満足度向上を図ることとしております。関係機関とも連携いたしまして、食文化情報発信拠点施設として、機能充実とにぎわい創出に取り組んでまいりたいと存じます。

   

◆6番(草島進一議員) いずれにしても、コロナ禍の中大変だと思いますけれども、施設のさらなる検討と充実を求めたいと思います。ありがとうございました。終わります。