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ダム案妥当の、山形県公共事業評価監視委員会。また、穴あきダム推進への疑問。


ダム案「妥当」の意見書提出 最上小国川の治水対策で知事に
の記事に対して。

ダム案妥当の公共事業評価監視委員会。以前もその委員会の構成などに疑問をもっていた。このダムの件については、以下のようにパブリックコメントを提出した。治水効果が発現するまでの期間について、基本的に行政側の言い分を鵜呑みにするだけで良かったのか。山形県の検証そのものが問われていると考える。

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以下、県に提出したパブリックコメント
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3学識経験を有する者 の意見を聴くこと について

今般の検証について、特に学識経験者の内河川の専門となる河川工学者として「ダムに依らない治水プラン」「総合治水」を明確に主張し、言及される研究者、委員が全く存在しないままの検証になっている。これは、これまでの流域委員会等の議論のプロセスでも欠落していた。そのため、これらの検証手法、対応方針は「ダム推進に」偏ったままで、何一つ本質的な「検証」に至っていない。

 我々がこれまで現地に招聘し、現地踏査をされている今本博健 京大防災研究所元所長、大熊孝 新潟大名誉教授らも検証作業に加えた、偏りのない検証が必要である。検討いただきたい。
 特に2006年に現地を訪れた今本先生は、「たった3案(当時)だけで議論の回数も少ない。この川の魅力を壊さないダムに依らない治水対策は他にもある。議論過程を見ていて特にこの計画に関わる河川工学者の見識を問いたい と意見を述べている。

技術上の観点からの実現性

河道改修案について、河川の水位と温泉との影響があることは解っているが、「影響がある」で思考停止していまいか。影響があるにとどまらず、その関係性のメカニズムを解明することによって、堆積土砂を取り除くことができると考えられる。とはこの温泉調査に関わった専門家の意見である。  
 温泉街の河道に先般「県が設置した」と説明会で言及された床止めがあるが、この工事の際は大胆に河床に触れる工事をしていたと考え得る。
今、河床に全く手が触れることができないような言及を繰り返していることはこうした工事を考えると全く欺瞞性がある。
又、この床止めは何のためにつくられたのか。温泉のお湯を維持するために河の水位をあげるため、この床止めがつくられたのではないかと推測する声が現地にある。この床止めを一旦取り払い、河道の土砂を払うことで相当量の水量を確保できると推測される。こうした事を盛り込んで「国土問題研究会」からダムに依らない治水プランが提案されているが、今般の検証の際、全く検討されていない。

この河川温泉調査に実際に関わった温泉の専門家である山形大学川辺教授の見解は現在完全に無視されている状況である。温泉掘削調査の結果についても偏った報告をしているままであり欺瞞性がある。
 「影響がある」にとどまって思考停止しそれを論拠としことさらに強調するのは、河川管理者の姿勢に疑問を感じる。より深く調査し、温泉と河川水のメカニズムを解明し、温泉湧出に影響を与えることなく河床の土砂除去ができないか、更に十分に検討すべきである。

4.5基本高水流量
赤倉地点での過去の洪水実績である、270m3/s よりも70m3/s多い340m3/sが設定されているが、この基本高水流量については先般国会でも
算定する際のパラメータの欺瞞性が指摘された。最上小国川の基本高水流量についてもダム建設のために過大に設定されていないか、第三者機関での検証が必要である。そのために、算定のためのパラメータ等について、電子データで情報公開していただきたい。


7.2.4効果が及ぶ範囲 の河道改修案について
「最下流から段階的に実施する必要がある」
効果の発現による評価
ダム案での発言は5年。河道改修案の74年
この2点についてだが、赤倉温泉地域の下流部は河道は民家に接しておらず、掘りこみ河道で一定の安全が保たれている。またその下流部は支流の影響が大きいことから、河道改修について必ずしも最下流から実施する必要があるとは思えない。他河川でも、例えば、川辺川などでも、危険箇所の堆積土砂を除去しただけで相当の安全が確保された実例がある。
 この「最下流から段階的に実施する必要がある」には欺瞞性がある。ないとすれば反論を求める。
ゆえに、治水効果の発現の数値には欺瞞性がある。

7.8.1 水環境への影響
7.8.2 生物の多様性の確保及び流域の自然環境全体への影響

「流水型ダムはーー水質は変わらない」また、生態系への影響は小さいとあるが、まず、ダム建設時の河川への影響は甚大と考えられる。益田川でも流域の住民から「建設中の10年は濁りが続き、魚の姿がほとんど見られない状況になっていた」と伺っている。また流水型ダムといっても、巨大構造物であり、副ダムと本体との間のプールに相当量の土砂等が堆積し、濁水の長期化などを引き起こす可能性があり、実際に鮎釣りなどでは相当の影響を生じるおそれがある。

流水型ダムとして「環境にやさしい」と県は広報を続けているが、同様の流水型ダムである川辺川ダムに対して、熊本蒲島知事は、「球磨川そのものがかけがえのない財産であり、守るべき『宝』ではないか」として、白紙撤回をした。通常のダムも流水型ダムもかわりなく、環境に大きく影響を与える巨大構造物としてとらえられている。これが常識的な考え方ではないか。これまでも多くのダム事業で「清流が維持される」と広報されたものの、実際には建設時から河川環境に著しくダメージを与え。清流環境を失ってきた。
小国川ほどの清流環境をもつ天然河川で、流水型ダムがつくられ、生態系は全く変わらないという実例は現存しない。
 慎重に考えるべきであり、ダムに依らない治水をもっと真摯に検討すべきである。
 
8.2 コストによる評価について
ダム建設のコストだが、これまで、建設途中で大幅に建設費用が増えた実例が多い。実際に月山ダムでは780億が1780億円にふくれあがっている。現在のダム事業費が48億円となっているが、これが膨らまない保証はあるのか。

又、現在このコストによる評価であるが、流域全体の長期的な経済をみたときに、現状の清流環境の生態系が生み出している流域の経済効果はいかほどで、ダム建設に依る経済損失の試算はいくらなのか、明確に提示