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金子勝 さんの講演を聴いて


ちょっと遅れての報告となりますが、22日、酒田市新田産業奨励賞授賞式に引き続いておこなわれた、記念講演、慶応大教授、金子勝先生の講演を拝聴しました。
テーマは「食とエネルギーによる不況脱出」。現状の経済危機。環境エネルギー革命、東アジア市場、社会保障制度の一元化、子供を社会で育てる政策、雇用制度の再構築、農政の転換を掲げ、実に明快に今後の不況を脱する方策として特に新エネルギー革命、日本の「食」、農業の6次産業化についてお話頂いた講演でした。
なんと講演予定時間が1時間オーバー。でもそのおかげでじっくり聴くことができ良かったです。

「今日本を含むこの閉鎖的な世界情勢の中で、世界中が戦争に変わるような「大義」で同じ方向を一斉に向くことが大事。」
「そしてこの100年に1度の経済危機を抜け出すには、環境エネルギー革命しかない。」
不況を克服していく、閉塞感を打破していくために、公共投資、公共事業の今後のあり方として、それこそ戦争のような「大義」として何を掲げるのかという意味合いで、地球温暖化問題の解決、ピークオイルの対処を大義として、公共投資をおこなう、グリーンニューディールの真意を説いて下さった講演であったと思います。また、TPPについても、マスコミ報道なのでは取り上げられない、真意を伝えて下さったように思えます。

   実際にスウェーデンではこの10年、8.7%co2を真水で減らつつ、44%の経済成長を遂げています。「持続可能な社会をつくる」ことを大義として、北欧、ドイツはグリーンニューディールに成功しています。講演の後、アメリカのグリーンニューディールの頓挫の状況についてや、また日本のグリーンニューディールを阻んでいるものは何か、何を変えなければならないのか。を質問させていただきました。
   米国では強烈な石油メジャーなど既存のエネルギー産業界が相当大規模なロービーイングをおこない、羽交い締めされている。しかし、おもしろいことに米国防衛省の艦隊がグリーンエネルギーシフトしている。日本のそれが進まない訳は、やはり経済界、産業界の重鎮たちの問題がある。。。。と。政権交代はそれを転換させ、まさに本来的な「ニュー」ディールをおこなう大きなチャンスなのになかなか思うように進んでいない。と。
   
不況脱出、雇用創出のためにも、従来型の公共事業、公共投資のかたちを「持続可能な社会」をつくるインフラへの公共投資。公共事業へのシフトさせていくこと。これは私自身も研究し、訴え続けてきたことですが、その方向の重要さを改めて確認できたような、講演でした。