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もはや恥ずかしい。ダム固執の斎藤知事と、悪質な県の河川行政。


京都のシンポジウムで、淀川流域委員会の真摯な議論の過程や、嘉田知事、山田知事のダムに依らない治水にいたる考え方を聞いた。滋賀県の河川行政の質が、山形の河川行政とは比較するのがはずかしいほど優れている事を強く感じた。京都で「山形では、最上川を世界遺産にという運動しながら、流域随一の清流に穴あきダムをつくろうとしている。そして県は「日本一環境にやさしい穴あきダム」などと推進大会のビラにうたい。私が昨年抗議したら「そういう風に努力する」などと言った。と発表した。会場で一笑されたし、懇親会などでで、「山形、なんとかしないとなあ。県のレベルが低すぎるねえ、流域委員会もひどかったそうだねえ」と研究者や関係者の方にいわれた。相当恥ずかしいと僕は思った。
 「でも救いは漁協の姿勢だね。それは立派だ」ともいわれた。川辺川でも、強固な漁協な姿勢、そして清流をなんとしても次の世代に手渡したい流域住民のおかげで、あの樺島知事の発言がある。漁協をはじめ、志ある市民のおかげで、なんとか山形の面目がたったという思いに至った。

先般、田中康夫さんにお会いしたときに、「そんな知事だったらやめさせたらいい」と一言いわれた。そもそも 住民の真意に耳傾けることなく、ただダムの利権構造のしがらみを温存したいがために、「日本一環境にやさしい穴あきダム」などとビラをつくって、町内会長に推進署名を集めさせて、民意をでっちあげる。つまり情報操作をおこなう。そして公聴会や、これは県知事と語る会でも尋ねたが「ダムによって、流域の自然環境が破壊される経済的な損失はどのくらいと考えるか?」と尋ねると「穴あきダムだから環境に影響はない」などと根拠も示さずに誤魔化してきた。そして、おまけに漁協の内部個人情報を漏洩していた事件もあった。
 それから、「湯脈の影響があるから河床掘削できない」とずっと言い続けていたが、その温泉のメカニズムについては、河床掘削しても源泉に影響するものではないということが研究者から指摘され、今般ようやくにして県は調査をおこなった。
 これはマスコミの皆さんも慎重に扱っていただきたいと思うのだが、僕らは、河床岩盤をがんがん掘ることで治水をやれといっているのではない。
 今回の岩盤調査の際も、また、11月の9日のシンポジウムの際に河川工学者の今本 元京都防災研所長にご覧いただいた際も、わかったのは、この河川流域に相当量の土砂が堆積しているということだ。
 元、相良村村長の矢上さんもシンポジウムで指摘していたが、「今のこの小国川の状況は、特に赤倉温泉流域。ほとんど、河川整備がされていない状況だ」ということだ。
 土砂が溜まりに貯まって、それが、洪水時に水かさを上げることになっている。
そうしたことに全く手をつけず、ダムダムといっている。土砂を取り除く。そしてパラペットなどを活用する。嵩上げも一部おこなう。そうした事で相当量の水量が流れるようになる。ということである。
 

そして「生命と財産」というが、この川の洪水災害で何名の人命を失った過去があるのだろうか。

実際に、滋賀県では、県内で治水必要度のランキングを作成していることを聞いた。洪水があってもその洪水が真に川によるものなのか、それとも川に起因しない、単に地盤が低いためにバックウォーターで水につかってしまうのか。人命は失われたのか。洪水時に氾濫源はどうなのか。などなどの項目で見直しているそうだ。するとダムをつくらねばならない場所は、なくなってしまったというのだ。

小国川の場合、赤倉の治水対策がメインなのだが、県が強調する洪水災害で、水がつく商店は、あきらかに、川に起因しない、単に地盤が低いためにバックウォーターで水につかってしまうケースだった。これは地域の人たちはみんな知っていることだ。それを
ダムをつくる理由に操作していることをぼくらは知らなければならない。

 とにかく、レベルが低すぎるのだ。今の山形県の河川行政におまかせにしてはいけない。こんな日本有数の清流が、穴あきダムの実験台になるなどということは絶対に許せない。
 2010年、生物多様性年を迎える。そして、改めて地域の持続可能性を考える意味で、地域ならではの宝物は何かを考え、交流人口をいかに促すか。という視点をおいて、住民は考え、末端の村や市から、反対が表明された。そして、樺島熊本県知事は苦渋の「ダム白紙撤回」をおこなった。そして11日、滋賀県、京都府、大阪府、の3県知事と三重県副知事が大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)を整備計画に盛り込まず、白紙撤回するよう求めることを正式に表明した。

 嘉田由紀子・滋賀県知事は「今は国が決めた計画に従うだけの時代ではない。今回の合意は地方自治の試金石になる」と強調し橋下徹・大阪府知事も「責任を取るのは我々政治家だ」と地元知事として国に反旗を翻した合意内容の重みを訴えた。

と言うご時世である。

最上川を世界遺産にといいながら支流にダムをつくる。
流域委員会はダム推進派の御用学者と県民代表でのみ強行に決定した。
「穴あきダムは日本一環境にやさしい」などと情報操作甚だしい。
漁協内の個人情報を漏洩した。
現場をみず、国土交通省のいいなりである。

どこが、「4つの府県の事情とは違う」なのか。政治家としての認識を疑う。地域ならではの自然資本の価値がわからないのだと思う。それより、従来の「しがらみ」が大事なのだろう。「地方自治の試金石」と嘉田さんが言っている。こうした姿勢は斎藤氏にはまったく感じられない。

そもそも、「市民派」のふりをして選挙戦で当時長野県知事だった田中康夫を呼び、田中氏は、演説の後、自民党の事務所に案内されて「だまされた」と怒って帰った野田と聞いている。選挙にうかったら、まさに、なんとなく マネごとをして、肝心のところは、旧態然としてしがらみ温存であり、その最も顕著な姿勢がこのダム事業に表れている。

田中康夫氏にいわれたように、こんな県知事は、辞めさせるしかないし、これ以上、県の河川、ダム担当の不正といえる行為は絶対に許せない。

いいかげんな情報操作はもういいかげんにやめてほしいものだ。