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水道用ダムの破綻ー富山から


富山の熊野川ダムについては、水道問題の時に、ダムをつくっても水を使っていないダムとしてとりあげていた。その熊野川ダムが、水を使わないまま改修されることになったというニュースが届いた。ダムと広域水道の問題。鶴岡の月山ダムの例がとてもわかりやすい悪例であるが、ダムを造ったけれども水需要がのびないために水道に使うことを見送っているケースがこの他にも徳山ダムと大垣市水道、長柄川河口堰と亀山市水道などがある。熊野川ダムの場合、治水専用ダムにするったって、、、、。

ーーーーーーーーーー以下転載。


朝日新聞富山版 2008年06月04日 http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000806040004

改修されることになった熊野川ダム=富山市

給水先延ばし「熊野川ダム」
県「50年に1度の大雨に対応」
新たな負担発生か
 富山市の「水がめ」にもなるはずだった県営熊野川ダムが、水道用水源として一度も使われずに改修される。「いつか必要になる」と給水開始を延ばし続けて、約25年。近隣のダム建設中止を受けて、「50年に一度の大雨」に備えるために「再開発」が決まったが、国への補助金返還や事業費などで、新たな負担が発生しそうだ。(増田愛子)
 同ダムは、富山市南部の山間部にあり、水道用水のほか、治水や発電目的もある多目的ダムだ。再開発は、水の吐き出し口を3メートル下げて洪水調節機能を強化する。08年度に、国土交通省の「ダム機能向上事業」に採択された。
 同ダムは、旧富山市など6市町村(現在はすべて富山市)への水道用水供給などを目的に、1974(昭和49)年度に着工。総事業費は約154億円。水道事業の負担は約71億円で、厚生省(当時)からの補助金約34億円を除く、約37億円は県企業局が起債した。
 旧富山市がオイルショック前の72年度に行った将来予測調査では、95年度の給水人口は約1・5倍の約40万5千人、水需要量は約3倍の1日最大30万立方メートルまで増えるはずだった。だが建設中の79年に、水需要の伸びが見込めないとして、給水開始を85年から89年に延期。その後も2回、延期した。
 事態が動き出したのは02年ごろ。県は、熊野川流域の治水目的で計画した別のダム建設を、多額の費用が見込まれたため中止。代わりに、熊野川ダムの再開発で「50年に一度の大雨」に対応できるようにしよう、と考えた。
 水道事業を中止しても多額の「債務」は残る。企業債は県と市町村が「出資金」という形で、利子も含めて56億円を返してきたが、07年度末で約9億円の残高がある。旧厚生省の補助金も、目的変更で返還しなければならない可能性が高い。厚生労働省水道課は「完成後、一度も水道として利用していない例は聞いたことがない」とする。
 県企業局は「いつか需要が給水開始に達すると考え、先延ばししてきた」。完成から年月がたち、老朽化した施設の補修も必要になった。再開発の事業費は数十億円にも上る見込みだ。
 水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津暉之さんは「バブル崩壊などで、水需要が伸びないことは、もっと前に判断できたはず。大雨の洪水流量の想定は過大になりがちで、再開発の必要性も疑わしい」と指摘する。