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最上小国川ダム ーでっちあげられた民意。



でっちあげられた民意。

ダム推進派の集会があることを聞きつけ取材にいった。
そのちらしからして驚く「日本一環境にやさしい穴あきダム」などと堂々と書かれている。これについては昨年から「根拠を示せ」と県に問い、また、今本博健京大 京都大学名誉教授、防災研究所所長は国に問うている。しかし未だに根拠は示されていない。
最新の穴あきダムがつくられた益田川は、工場廃液が流れる川であり、漁業権がない川だった。そして現場の担当者は「このダムは別に環境にやさしい というダムではない」と名言していた。
 それが、何の根拠もなくここでは「日本一環境にやさしい穴あきダム」となっている。高橋町長は15日の推進の集いで「ていねいにていねいに説明してきた」とあいさつをした。県は、立派なカラー刷りのパンフレットを最上町と舟形町に全戸配布した。
 しかし、肝心の「環境にやさしい」根拠は全く示されていないのだ。
15日当日、県の河川砂防課 ダム担当の安倍吉広氏(023-630-2614 abeyoshihir@pref.yamagata.jp)は会場で類似ダムの濁度の調査について報告したが、「濁水が数時間後にピークになる」ということだけだった。
僕はたまらず終わってから安倍氏に「あれで何の環境にやさしい根拠になるの?」と尋ねると「別に環境にやさしい根拠を示しているものではありません」と、答えた。
「はあ?」 僕はあきれてものも言えなかった。

写真のちらしには、国土交通大臣に会いに行って陳情した時の写真が載っている。「ダムが来れば当面の仕事にありつける」利権に集う人たちの陳情要請だ。利権に群がる議員たちと住民。それによって今までどれだけの自然が破壊され、実際には全く役にたたない巨大公共事業がおこなわれてきたか。諫早湾干潟の7kmの堤防。長良川河口堰。月山ダム、、、。数々の失敗例も、数々の愚行も「でっかい工事をひっぱって、国の税金でもうけてやろう」という想いの結集の中で忘れ去られ、あたかも、戦時中のような「生命と財産」という御旗がふられ、大義がかかげられ、動員がなされ、署名をかかされる。町内会からまわってくる署名用紙に署名しないと、「村八分」になり、仕事にあぶれるから、しかたなく推進署名にサインをする。
 こうした図式が未だにまかりとおっている。

 僕は、これを誘導している、本来の「民主主義」「リベラル」とはほど遠い、古い政治家たちにまず「早く辞めろ!」といいたい。

今やダムによる治水には疑問符がついている。先日秋田で起きた水害は、ダム放水の際に住民にお知らせが行き届かなかったために住民が避難所にさえ逃げることができない深刻な状況をつくりだした。現地に行って住民に声を聞くと「ダムの放水でものすごい水位があがった」「なんの知らせもなかった」という声が多数寄せられていたのだ。

こうした事は他の地域でも聞いている。新潟だってダムが2つもある五十嵐川で堤防が破堤し、死者がでているではないか。 今、その地域は数百世帯、川岸から移転する工事がおこなわれていると聞いている。

利権に集う、根拠無き、持続不能な「日本一環境にやさしい(!?)穴あきダム」づくりか、
理念に集う 「真の治水」を叶え、持続可能な地域づくり」か。

あなたは、どちらを支持しますか?