10月, 2011 | 前 山形県議会議員 草島進一

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月別ア―カイブ: 10月 2011

山形県議会2011年9月定例会 一般質問


草島一般質問9/27

◆2番(草島進一議員)

草島一般質問9/27 ①草島進一でございます。初の一般質問をさせていただきます。質問の機会をいただきましたことに心から感謝申し上げます。

それでは、早速質問させていただきます。

 日本社会は、全国で年間四十万人ずつ減少する人口減少社会、莫大な国の財政赤字、経済危機、地球温暖化問題、さらに、ことし三月十一日の東日本大震災、 福島第一原発の放射能汚染問題という幾つもの難題に直面しております。私は、犠牲になった方々、そして、不自由な避難を強いられている福島の方々のために も、この三月十一日という日を、これまで持続不可能な道を歩み続けてきた日本を持続可能な社会へ変えるターニングポイントにしなくてはいけないと考えております。

 特に、東京電力福島第一原発の事故では、メルトダウンと水素爆発による大量の放射能汚染を伴うレベル7の大惨事となりました。事故のリスクを想定できて いない無責任な安全神話、活断層が数多く存在する地震国に五十四基もの原発をつくり続けてきた矛盾、電源三法交付金での誘導策による地域自治の破壊、放射 能廃棄物の問題など、政治、官僚、業界、御用学者、時には、報道機関の癒着の利権構造による原子力村といった病理が真実の議論を遠ざけ、問題を先送りに し、ついに大惨事を引き起こしてしまったのだと考えます。

 吉村知事におかれましては、今般の東日本大震災でいち早く福島の自主避難者を受け入れ、さらに、その避難者の立場に立って「卒原発」の表明をされたこと を大いに評価・賛同するものであります。日本社会において、エネルギーシフトは、今後の持続可能な社会への転換の柱と考えます。

 持続可能な社会、持続可能な発展、サステーナブルディベロプメントとは、特に一九九二年の国連地球サミットで中心的な理念としてリオ宣言やアジェンダ21に具体化され、日本では、九三年制定の環境基本法の基本理念となっております。
 スウェーデンの国際NGOナチュラル・ステップでは、これを次の四つのシステム条件で定義づけております。一、地殻から掘り出した物質の濃度がふえ続け ない。二、人間がつくり出した物質の濃度がふえ続けない。三、自然が物理的に劣化しない。四、人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げることをしないと いうことです。

 一番は、化石燃料など枯渇性資源から再生可能資源への転換です。
 二番は、農薬、化学薬品、放射能汚染など化学物質汚染の抑制と循環型社会の構築であります。
 三番は、生物多様性の尊重であり、昨年のCOP10の愛知ターゲットでも示されている年間四万種類もの生物の絶滅をいかに防ぐかということであります。 特に、ここ五十年ほどの開発により水辺の生態系が深刻なダメージを受けております。私は、山形では、指標を最上川に置き、森、川、海の連関とともに生物多 様性を再生させるアクションプランを構築することと考えます。

 四は、人々の基本的なニーズとして、衣食住などの生命維持、保護、愛情、理解、参加、創造、自由、休息、アイデンティティー、この九つのニーズを妨げな いようにするということ。情報公開、説明責任、住民参加を徹底させ、利権のしがらみやなれ合い構造を解体し、健全な民主主義社会を実現していくことであり ます。

ちなみに、原発はこの四つの条件すべてに違反しております。

 二〇〇八年、私が訪れたスウェーデンでは、七十七の自治体が実際にこの定義を公共投資の判断基準にし、二十年後、五十年後の目指すべき社会像を組み立て、バックキャスティング・アプローチにより確実にそれに向かうまちづくりが進められておりました。

 右肩上がりの経済成長の時代につくられた都市や地域の開発志向の考え方を、自然と共生し環境・社会・経済がバランスした持続可能な社会に向けてシフトすることこそ、三月十一日を踏まえ我々山形県が目指すべき道と考えますが、知事のお考えをお伺いします。

次に、広域水道事業であります。

 二〇〇一年十月二十日、鶴岡市民にとっては忘れられない日であります。昭和八年から鶴岡市民がなれ親しんできた地下水一〇〇%の水道水源が、ダムの水源 に切りかえられた日であります。ことし、ちょうどあれから十年になります。改めて、月山ダムに伴う庄内南部広域水道事業について検証します。

 まず、水道料金についてです。

草島一般質問9/27 ② 平成二十二年度の山形県の市町村の水道料金平均は、十立方メートルでは全国で最も高く、二千九十九円と日本水道協会の統計資料にあります。以前、鶴岡は その中では安価なほうでしたが、水道料金は、ダム水移行後、最大で切りかえ以前の一・八五倍、約二倍となりました。計画の際、ダム建設工事費は七百八十億 円でしたが、完成時には一千六百八十七億円になりました。その金額が上乗せになったこと、また、庄内南部広域水道事業の算定の基準となる計画給水量として 定めた基本水量十万九千七百トンが当時の水使用量と大きく乖離していたこと、つまり、水需要予測の失敗のツケが値段の高騰につながったと考えます。

 二〇〇一年切りかえ当時、県は、私が提出した公開質問状に、この乖離について「計画給水量は将来の安定供給を踏まえて長期的な観点から計画された」と、 あたかも将来的にはそれを満たすかのように答えておりました。しかし、現状、鶴岡市地域は年一千人ずつ人口減少する時代となりました。そして、水使用量 は、平成六年度をピークに結局この十七年間減少傾向であります。この減少傾向はさらに続き給水量の増加は見込めない状況と、鶴岡市水道ビジョンにも実際に 記載されております。

 庄内南部地域の水の使用量は、二十年度で約五万トン、基本水量の四六%にしか当たりません。使用水量では、例えば二十年の年間の実際の使用量と料金算定 根拠の責任水量とで百二十七万トンの差が発生しております。その分の水代、年間約二千百五十万円は、実際は自治体は使っていないのに県に料金を支払ってい るということになります。人口が右肩上がりの時代はスケールメリットがあると思われた広域水道事業ですが、人口減少に転じた今、大きな矛盾が生じておりま す。

 この事業ですが、今は、末端の市町村の水道料金でつじつま合わせをしている状況ですが、広域水道事業という制度そのものがもう既に破綻しているのではな いでしょうか。であれば、今後、県はどのように見直しをしていくのか、見直すとすれば、県の責任として受水費用の見直しだけではなく基本水量の見直しにも 踏み込むべきだと考えますが、企業管理者のお考えをお伺いします。

草島一般質問9/27 ③ 次に、水質について伺います。

 広域水道への水源切りかえ後、発がん性物質総トリハロメタンの値は、最高値で平成十九年度〇・〇六二ミリグラム・パー・リットルと、基準値内ではあるものの、以前の地下水源の二十三・八倍になりました。今は若干改善されましたが、それでも地下水の五倍であります。

 この夏、路上での意識調査なども行い、市民の声を集めました。切りかえ以前は、ダムの水も十分においしいはずと当時の市長は説明しておりましたが、総サ ンプル数四百八十八人中三百六十七人、七五%の方が、水質が悪化した、水がまずくなったと答えております。実際の声として、浄水器をつけたり、スーパーの 自販機で水を求めたり、飲み水として生で飲まないという水道離れを強いております。 

 また、地下水では、年間十三度前後で安定していた水温が、切りかえ直後から冬二度、夏二十度以上と不安定になり、光熱費が余分にかかっているという声も いただきました。結局、住民は水質の悪化、水温の変化に伴い、水道料金高騰のほかに二重三重の負担をしているのであります。

 当初計画で、鶴岡市水道では一万トンの地下水の自己水をブレンドして供給する予定でした。しかし、今、一滴も地下水が入っていません。見直しの際には、 水質の面でメリットがある地下水のブレンドを認め、住民ニーズをかなえる水道供給に努めてほしいと考えますが、企業管理者の見解をお尋ねします。

 次に、地下水資源と対策についてお尋ねします。

 三月十一日の福島原発事故で、東京都の水道水から放射性沃素二百十ベクレルを検出し、首都圏のスーパーではペットボトル水の品切れ続出が続く水パニック が起こりました。今、放射能汚染で汚染されにくい地下水の水源が見直されております。県内の地下水資源としては、山形、米沢、そして鶴岡の赤川扇状地の地 下水盆の三つが、学会でも認められている良質の地下水盆であります。

 鶴岡市の赤川扇状地の地下水資源について改めて御紹介申し上げますが、昭和五十二年から三年間にわたり、地下水研究の第一人者であられる当時東海大学の柴崎達雄先生らにより、約九十本の井戸データを使い、当時最先端の技術で地下水源の調査が行われました。結果、

 「赤川水系の扇状地一帯は、地下水を含む能力が非常に高く循環の速度も速い。赤川扇状地の地下水は、日量二十五万トンの持続性補給力があり日量五万七千トン程度は十分に取水可能」と報告されております。

 現在、水源地周辺にはミネラルウオーターの工場があり、工業団地には大手半導体メーカーが立地しております。冬になると道路、駐車場などの消雪水として大量に揚水されております。しかし、どの企業が幾ら揚水しているかわからない、まさに秩序のない状況が続いております。

 県は、県条例で山形、米沢の地下水の管理はされてきました。しかし、全国有数の地下水資源と評価されていた赤川扇状地の地下水については、無策のままでありました。今、まさに新たなニーズにこたえた秩序化が必要と考えます。

 鶴岡市は、今、食の都の施策として、ユネスコ創造都市ネットワーク食文化部門への加盟を目指しているところであります。集落の誕生からずっと使い続けてきたおいしい地下水の恵みは、鶴岡の食文化を支えてきた重要な要素であり、今後も持続的に活用すべきものと考えます。

 まずは、赤川扇状地の地下水資源を山形県の宝として認識し直し、地下水を公水としてとらえ、利用者に揚水量の届け出を義務づけるなどして、水収支を把握する。県の水資源政策として一歩進んだ地下水政策を御提案申し上げますが、生活環境部長の御見解をお尋ねします。

 次に、最上小国川ダムの見直しについてお伺いします。

 二〇〇九年の政権交代後、国からの「できるだけダムにたよらない治水」の検討の要請を受けて県が再検討を行い、国が八月に認めたということで、いよいよ ダム建設ができるかとお思いの方もいらっしゃるかと思います。しかし、手続は終わっておりません。この川の漁業権を持つ漁協はダムに反対をしているのであ りますから、熊本の川辺川同様、ダム本体工事は着工できないのであります。議論の余地はまだまだあり、真実の議論はむしろこれからだと考えます。

 自然資本の価値と流域経済に対する影響についてお伺いします。

 アユの漁獲高だけで年間一億三千万円ある最上小国川。先日、舟形町で行われた若鮎まつりは、二日間で二万四千人が訪れ、大変なにぎわいでありました。交 流人口をはぐくむ観光資源として、全国屈指の清流であり、天皇献上品の松原アユとして珍重された天然アユが遡上する最上小国川は、歴史的な評価、社会的な 評価、希少性、固有性、本物性という観光に適した五つの要件をどれも備えている優秀な自然資本であると言えます。

 この小国川の自然資本の価値を、この夏、近畿大学農学部水産学科水産経済学研究室有路昌彦准教授らの研究チームにより調査をしていただきました。小国川 釣り客が支払っている費用を試算した結果、小国川の釣り客によって発生している経済効果は、直接効果だけでも年間約二十一・八億円。何らかの理由で河川環 境やアユ資源の劣化が生じた場合、年間十億円、十年で百億規模の経済損失が流域に発生することが思料されるとのことであります。

 調査に当たった有路先生は、この全国屈指の清流とアユは今後の流域のまちづくりの経済を担う試金石であること、さらに、経済学の見地から見ればダム建設投資は新しい価値を生み出さず、長期的に見れば流域経済にとってマイナスになると言及されました。

 今般の再検証の中で、県は、ダム案による環境破壊が地域経済に及ぼす悪影響について、全く試算に入れていませんでした。これを考慮すれば、ダム案と河道改修案のコスト比較が逆転するのではないでしょうか。

 また、県はこれまで、穴あきダムならば環境に優しい、アユに影響がほとんどないと強調してきました。

 私は、最新型の穴あきダムと言われる島根県益田川ダム、石川県金沢の辰巳ダムを視察しております。益田川ダムのある益田川は、工場廃液が流れ込む川であ り、漁業権はありません。また、辰巳ダムがある犀川は、上流部に大型の犀川ダムがあり、既に天然河川の様相はありませんでした。いずれもダム建設前後でア ユの遡上量の定量・定性的な調査は行われておらず、益田川ダムの管理者は、「穴あきダムは、環境に優しいことを目的につくったのではなく効果的に土砂を排 出するためにつくられたダムである」と私に話されました。

 また、小国川ダムと同様、アユが豊富な川辺川に建設予定だった穴あきダム川辺川ダムについては、蒲島熊本県知事が三年前の九月に、
「人吉、球磨地域に生きる人々にとっては球磨川そのものがかけがえのない財産であり、守るべき宝なのではないかと思うに至った」と、工事進捗率八一%にも かかわらずダム建設を白紙撤回しております。熊本県の担当に伺うと、穴あきダムがアユや環境に影響がないなどということは議論にもならなかったということ であります。穴あきダムでもダムはダムなのであります。

 ダムのない年一億三千万円ものアユ漁獲高を持つ天然河川に、穴あきダムがつくられたためしはないのであり、小国川が初めてなのであります。

 穴あきダムが全国屈指の天然河川のアユや環境に影響を与えないと主張されるなら、穴あきダムをつくって十年、二十年後でもアユの環境に影響がなかったと いう実証データを示してください。また、今般お伝えした自然資本の価値とダムによる流域の経済損失についての県土整備部長の見解をお伺いします。

 次に、治水対策の見直しについてであります。

 二〇〇四年七月の新潟七・一三水害では、上流にダムが二つあり、その一つは穴あきダムである五十嵐川で堤防が決壊し、七千棟以上の床上・床下浸水、死者 九名の犠牲者を出しました。この九月に豪雨災害があった和歌山県では、三つのダムが満杯で治水の役目を果たしていなかったことが報道されております。

 和歌山県日高川に百年に一度の雨に対応する椿山ダムがありますが、はんらんし、家屋五十九棟が全壊、三人も死亡しております。それに対して、新潟の五十 嵐川では、〇四年水害を教訓に、下流部二百戸の移転を伴う河道拡幅を行いました。今般七月末の豪雨では、それが幸いし、下流域で犠牲を出すことはありませ んでした。想定を超える超過洪水の際にはダムは機能せず、それに対して、危険箇所の家屋移転と河道拡幅などダムによらない治水が効果的でした。これは、最 近の実際の現場からの教訓であります。

 傾向として近年広範囲にわたる豪雨が発生している今、治水政策のトレンドは、どのような洪水であっても人命が失われることを避けることであります。その ために、河道内の流下能力を改善するとともに、田んぼダムのような雨水貯留、また土地利用規制や耐水化建築などのはんらん原の減災対策、そして地域防災力 の向上を組み合わせた総合治水の取り組みであります。

 小国川ダム建設の目的は、流域住民の生命と財産を守ることですが、その中でも、月楯地域と瀬見地域は、ほぼ五十年確率の洪水に耐えられる治水が完了しております。つまり、ダムは、ほぼ赤倉温泉地域だけの治水対策であります。

 赤倉温泉地域には、河川管理者である県の責任が問われる幾つかの問題があります。まず、旅館群が河道を狭めるように立地させてしまっていること。中に は、建物が明らかに川にせり出している旅館があります。さらに致命的なのは、県が河道内につくった高さ一・七メートルの堰堤が土砂を堆積させ、流下能力の 乏しい危険な箇所ができているということです。

 以前は親子で水泳ができたほど深かった場所が今はひざ丈ぐらいになっているとの証言が住民からあります。県がつくった堰堤が原因で流下能力を下げてい る、その河川管理の失策を棚に上げて、今度はその除去はできないと主張して上流に巨額なダムをつくる、これは大きく矛盾しているのではないでしょうか。

 頻繁に洪水災害になっていると県は殊さらに強調されておりますが、いつも床上・床下浸水で騒がれる箇所約四件は、河川洪水の被害ではなく、内水はんらん による内水被害であります。また、今、赤倉温泉の川辺に新しい建物の建築確認許可を県が平気で出して建設が進んでおります。危険箇所に、また治水策の協議 中に、なぜ新規の建物が建つんでしょうか。治水に土地利用規制の発想のない河川管理の問題であります。

 県はこれまで、湯脈に影響するので河床の掘削ができないと主張し続け、河床掘削案を排除し続けてきました。

 二〇〇八年度に行った温泉調査で、県は、「川と温泉は密接な関係にあることがわかった。温泉に影響するから掘削できない」と、調査を途中で打ち切ってい ます。しかし、この調査に実際にかかわった山形大学の川邉教授は、「あの調査から河床掘削工事が一切できないという結論にはならない」と主張しておられま す。さらに川邉教授は、「岩ぶろ付近の水位を保てば温泉に対する河川改修の影響は避けられる」と言及されております。これは重要な指摘ですが、県は、温泉 調査の真実を曲解し、ダムによらない治水ができない論拠としているのであります。

 さらに県は、今般の検証で、河川改修のみのプランだと安全確保に七十四年かかると試算しました。集落も田んぼも同様に五十年確率の堤防などの整備を下流 から行い、水を閉じ込めるプランになっておりますが、遊水地などを活用した総合治水の観点から見れば全くナンセンスであります。ダムにこだわる旧来の治水 論で思考停止しているようですが、このような姿勢で今後の豪雨や洪水時に本当に県民の生命と財産を守れるのか、逆に疑問であります。

 現在、熊本県では、球磨川方式として基本高水にこだわらず、ダムによらない治水方策を積み上げ方式で流域に施し、治水安全度を上げる努力を行っております。滋賀県も同様に段階的整備を行っております。山形県も熊本や滋賀県の姿勢に倣うべきではないでしょうか。

 赤倉温泉の現状の流域の旅館群の景観は、歴史的とはいえ、改修のたびにだんだんと川にせり出し、結果的に川幅を狭めてしまったと旅館主からもおうかがい しておりますが、旅館が河道内にせり出し、護岸も老朽化し、汚水の垂れ流しも含め、秩序を失った状況にあります。次世代にも引き継げる持続可能な赤倉地域 をかなえるためには、内水害対策、固定堰の可動堰化による砂利除去、河道拡幅や遊水地確保など、ダムに頼らない総合治水を究極まで行いつつ、温泉街を再生 させることが最善ではないでしょうか。

 県は、これを機会に、日本一の清流に面した美しい温泉地域へ、旅館街のリノベーションと組み合わせて治水を完成させる、いわばまちづくり治水への政策転換を提案いたしますがいかがでしょうか、県土整備部長の御見解をお伺いします。

 次に、ダムによらない治水対策の検討について、知事にお伺いします。

 今般の検証は、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進めるとの意向のもとでの検証であったと思います。しかし、県が検証の場とした会議、最上小 国川流域の治水と活性化を考える懇談会には、ダムによらない治水論を主張できる河川工学者が一人も招聘されておりませんでした。さらに、山形県公共事業評 価監視委員会ですが、河川の再評価のはずであるのに、ここには河川工学者の姿がありません。ダムによらない治水論を主張できる河川工学者への意見聴取もあ りませんでした。これが県の検証の実態で、ダムに頼らない治水の検証が全くできていないのであります。

 新潟県での検証会議は、ダムによらない治水を主張できる河川工学者を座長にして、農業土木、河川工学者、経済学、観光の専門の先生方が治水方策について 徹底して議論を行っておりました。結果、二つのダムがこの検証会議で中止になりました。これがダム検証の真実の姿なのだと思います。

 私は、最上小国川ダムの検討が始まった河川整備計画策定の流域委員会小委員会から傍聴しておりました。よく、歴代の部長や地元の首長さんは、「議論は尽 くされた」とか「丁寧に丁寧に説明してきた」と言われておりますが、私は、それは全く事実に反しているととらえております。

 致命的なのは、流域小委員会の中で治水方策を検討する際、議論をリードする河川工学者がダム推進論者二名の参加のみで、ダムによらない治水を主張できる河川工学者は皆無のまま議論が進んだことであります。

 元京都大学防災研究所の所長であり元淀川水系流域委員会委員長である今本博健京大名誉教授は、これまで五回ほど現地調査をされ、「治水対策は全く検討不 足。流域委員会では特に環境面の影響の検討が乏しく、委員の中で特に河川の専門家の見識を問いたい」と、厳しく言及されております。

 川辺川ダム建設計画を白紙撤回した蒲島熊本県知事は、「国土交通省は、ダム建設上生じる問題に対しては熱心に研究・開発を行っているが、ダムによらない 治水は問題点の指摘にとどまり極限までの努力を行っていない。そのため住民の理解が得られてこなかったと考える」と言及しておられますが、私は、山形県に 同様の姿勢を感じております。

 原発には原子力村という構造があって、それが真実の議論を排除し続けてきました。それと同様、ダムの周辺にも同様の構造で、政官業そして御用学者との セットで住民や世論を情報操作し、反論を排除し、論調をダム治水に有利なように推し進め、ダムをつくり続けてきた構造があるのではないかと私は考えます。

 先日、滋賀県の嘉田知事にお会いしましたが、全国の各県、伝統的に国土交通省から出向している部長や幹部のもとで常にダムによる治水論で知事周辺を固 め、それがこれまでダムに頼らない総合治水の真実の議論を遠ざけてきたのだということを御示唆いただきました。山形県ではいかがでしょうか。こうした構造 のため、総合治水をかなえたい滋賀県では、三年かけて土木部長を国土交通省ではない方にかえたそうであります。長良川河口堰の国民的な反対運動を教訓に、 九七年改正された改正河川法の趣旨は、環境と住民参加であります。発想の転換が必要なのであります。

 小国川の清流環境がはぐくむ流域の釣り客によって発生している経済効果は、年間約二十一・八億円。全国屈指の清流とアユは、今後の流域の農商工観連携ま ちづくりの経済を担う試金石であります。ダム建設を行い自然資本を失えば、損失は一生であります。この環境の価値を改めて踏まえていただきたいと思いま す。

 また、ことし三月の東日本大震災の津波災害、二〇〇四年の新潟水害、九月の紀伊半島豪雨から学べることは、ダムなどのハード対策をしても、想定外の洪水 時には機能しないことであります。ダム放水によって人命が失われてもいます。さらに、穴あきダムの治水能力には疑問の声が多く寄せられております。住民の 生命と財産を守るためにも、超過洪水対策としても有利で、さらに環境に影響の少ない、ダムによらない総合治水を極限まで検討することが必要であります。

 そこで御提案申し上げます。

 まず、ダムによらない治水方策を河川工学の新潟大学大熊孝名誉教授、元京都大学防災研今本博健京都大学名誉教授らを招聘して究極まで検討されること、ま た、今般提示した自然資本の研究成果をもとに、中長期的な流域の持続可能性を検討材料に入れて再検証されることを提案申し上げます。

 また、再検証の際、パブリックコメントでの重要な問いかけが聞きおくだけになっているもの、また、問いかけに対して、逃げ、ごまかし、はぐらかしとい う、つまりは説明責任が果たされていないものがあります。ダムによらない治水、ダム案双方の河川工学者の方、また温泉調査の専門家、自然資本の研究者らに 参会をいただき、住民も交えて徹底議論する公開討論会を開催されることも御提案申し上げます。

 そして、地先の安全度に基づき、段階的整備で治水を実現する総合的な流域治水対策を行っている滋賀県、そして、それに連携している関西連合、ダムによら ない治水を極限まで積み上げ方式で行う球磨川方式の熊本県、二〇〇四年の水害を教訓に隣接した危険箇所の住居を移転させ、水田を遊水地化し、田んぼダムな どの活用によって安全度を上げ実際に治水に成功している新潟県など、志の高い治水政策に学び、ぜひとも嘉田知事、蒲島知事、泉田知事と連帯をして、流域の 経済・環境の持続可能性を政策の判断軸として、全国屈指の清流、天然河川最上小国川の治水対策を検討し直すことを御提案申し上げますがいかがでしょうか、 吉村知事の御所見をお伺いします。


次に、風力などを利用したエネルギーの導入についてお伺いします。

念願の日本版フィードインタリフ、再生可能エネルギー特別措置法が成立し、来春の開始から特に三年間特例的に再生可能エネルギーが促進されることを受けて、県の姿勢をお尋ねします。

再生可能エネルギーの市場は、既に海外では農業革命、産業革命、IT革命に続く第四の革命と呼ばれるほど急成長を遂げ、二〇一〇年末の段階で、世界の風 力、太陽光、バイオマスの御三家の発電量は、ついに原子力発電の三億七千万キロワットを超えたそうであります。革命の先頭に立つのは風力発電で、二〇一〇 年末、一億九千三百万キロワットの設備容量に達しているとのことであります。

風力発電は、自動車産業に近い約二万点の部品による組み立て産業であり、機械系、電気系、素材系の部品産業、メンテナンス、土木・建設工事を含めると、 産業・雇用効果が極めて大きいと評価されております。二〇〇九年末の世界の風力発電産業では、雇用六十万人、一メガワット当たり十四人の雇用効果があると 試算されております。

庄内地域には、昨年末までに商業用として二十八基設置され、現在、効率のいい二千キロワット風車で一基年間五千万円の売り上げがあるということであります。

今、世界のトレンドは洋上の大型風車であり、先日、福島県沖で洋上風力発電の実証実験が行われると報道にありました。日本海沖でも導入は可能であり、本県においても洋上の実証実験事業の誘致を積極的に考えるべきと思います。

昨年度の県による再生可能エネルギーの賦存量調査でも風力発電は最もポテンシャルが高いとのことでありますが、県は風力発電をどのように評価しているのでしょうか。

さらに、風力発電の地域への導入に当たっては、風車建設が確実に地域の経済、雇用にも貢献する、風車が回ればお金も地域に回る仕組みを構築することも重 要な要素と考えます。また、風力発電に適した風が吹く場所については、酒田港湾地域を除くと庄内海浜県立自然公園となっておりますが、その立地可能性につ いて、自然保護団体や地域住民と早急に情報共有をし、景観、渡り鳥の休息場やフライウエーの影響などオープンな協議を行い、立地できる箇所のゾーニングを 早急に行っておくことが必要と思いますが、いかがでしょうか。

これらの対応について、生活環境部長のお考えをお尋ねします。


最後に、震災復興に向けたボランティアに対する支援についてお伺いします。

東日本大震災から六カ月。しかし、まだ半年であります。だんだんと関心が薄れつつある時期と思いますが、人間の復興を果たしていくには、最前線のボラン ティアの活動が実に重要であります。そして、被災地隣県の山形のボランティアの活動はむしろこれからが勝負であると考えます。

私は、NPOやボランティアの本質は、行政にも企業にもまねできない方策を繰り広げるクリエーティビティーと革新性だと考えております。

今般の被災地では、私も立ち上げに携わりましたが、三月二十日から百を超えるNGO、NPOと行政、社会福祉協議会との情報交換の会議をほぼ毎日行って いる石巻災害復興支援協議会では、最新の課題をもとに、多様な団体が連携して炊き出しから泥出し、ダニバスターズ、心のケアなど効果的な支援策を繰り広げ てきました。あるNPOは、仮設住宅で車をカーシェアリングする仕組みを立ち上げました。車を失った被災者の足を確保するとともに、被災者同士、また企業 や個人とを結ぶ新たなきずなをつくり出しております。

これから冬。仮設住宅での孤独死や自殺を防止する支援がまだまだ必要であります。復興支援山形県会議は六月以降開催されておりませんが、復興は人と人と のきずなが大事です。現地に通うNPOや自治体職員、県内企業や団体とアイデアを持ち寄れるプラットホームのような場が今こそ必要であります。

それともう一つ、ボランティアを動かすにはコーディネーターが不可欠です。隣県や県内避難者の支援を行っているボランティアの中核のコーディネーター が、今、資金難で困窮しております。県内の多様なボランティアの活動を支えていくために、今、この時期に支援を充実させることが重要であります。千年に一 度の震災被災地の隣県地として、山形の災害ボランティアの文化、新しい公共を進化させる好機ととらえ、県には積極的な支援策を展開されることを御提案申し 上げます。

あったかい県政を掲げる吉村県政。ボランティアの調整役が私の仕事ですと胸張って言える文化を、また、冬に向けてさらに寂しくなる仮設住宅に笑顔をつくるあったかい仕組みを官民挙げて山形からつくろうではありませんか。

生活環境部長の見解をお尋ねします。

以上、壇上からの質問とさせていただきます。執行部からの誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。

草島一般質問9/27 ④

◎知事(吉村美栄子君)

ただいま、議員から二つの御質問をいただきました。

 まず、県政運営についてでございます。

 持続可能な社会に向けた県政運営についてお尋ねですが、本県には、生命の源である水、森、田園など緑あふれる豊かな自然や、先人が築き上げてきた知恵や わざ、さらにはその積み重ねで培われた伝統や文化など、経済的な側面だけでは評価できない多くの資源が受け継がれてきております。今後の本県の発展に向け ては、こうした有形無形の資源や財産を背景に、暮らしや地域社会の活力を高める経済的な基盤を整備するとともに、発展の基本となる人づくりを進めながら、 経済のみならず生きがいや楽しさといった質的に充実した暮らしをつくり出すことが重要であると考えております。

 こうした認識に立って、私は、知事に就任以来、先人たちから受け継がれてきた歴史や風土、伝統を尊重し、それらをもとに、未来の発展の源泉となる命や希 望を県民皆で生み・育て・生かすことを基本に政策を展開してきたところであります。今後とも、「緑と心が豊かに奏であい一人ひとりが輝く山形」を県勢発展 の基本目標とする第三次山形県総合発展計画の着実な推進を図っていくべきであると考えております。

 さらに、このたびの原発事故を機に、あらゆる生命の母体である自然をできるだけ健全な状態で将来に継承していくことの大切さを改めて認識いたしました。 今後の東日本大震災からの復興に向けては、豊かな自然環境と経済成長の調和した日本を目指し、新しい一歩を力強く踏み出さなければなりません。本県は、県 内各地に多様な再生可能エネルギーが賦存しているという高いポテンシャルを有しており、このような豊かなエネルギー資源を循環させる取り組みを積極的に展 開することにより、持続可能な県づくりを進めてまいります。

 次は、ダムによらない治水対策の検討についてでございます。

 最上小国川の治水対策につきましては、私自身、知事に就任当初、白紙の状態でありました。いろいろな方々の意見を聞くため、小国川漁協や自然保護団体の方々などとも直接お会いいたしました。自分の目で確かめるため地元へも足を運び、何が最適なのか熟慮してまいりました。

 この間、平成二十二年九月に国から検証検討の要請があり、国が策定した新たな基準に従って検証を行いました。検証検討におきましては、ダムによる、よら ないの立場に偏らず、流域の活性化とその礎となる治水対策について総合的に検討・提言することを目的とした最上小国川流域の治水と活性化を考える懇談会を 設置し、環境、防災、観光、農林水産の各専門的観点から意見をいただきました。また、関係地方公共団体である最上町、舟形町との検討を行う場となる最上小 国川流域治水対策検討会議を設置して意見をいただきました。こうした意見を踏まえて県の対応方針素案を作成したところです。その後、パブリックコメントの 実施や流域住民への説明会を開催した上で、山形県公共事業評価監視委員会で御審議いただき、流水型ダムが最良とする県の対応方針を決定いたしました。

 国においても、有識者会議の意見を踏まえ、県の対応方針を妥当とし、補助金交付を継続とした国の対応方針が決定されたところであります。

草島一般質問9/27⑤


◎企業管理者(高橋邦芳君)

 私のほうからは、広域水道事業につきまして二点お答えを申し上げます。

 まず、水道料金についてでございます。

 本県の広域水道におきましては、安全な水道水を安定的に供給しますとともに、効率的な事業運営に努めておりまして、水道料金は、広域水道を実施しております二十三の府県の中で安いほうから八番目となっているところでございます。

 庄内の広域水道につきましては、平成二十年四月に、地元からの水道事業の統一あるいは料金の低減に関する要望を踏まえまして、運営費等の経費節減を図 り、二三・九%の引き下げを実施したところでございます。そして、あわせまして責任水量の見直しを行いまして、受水団体の負担軽減を図ってまいったところ でございます。

 今後におきましても、人口減少に伴う給水量の減少等が懸念されますが、お尋ねの基本水量の見直しにつきましては、原価主義を原則とする公営企業にとりまして事業の根幹に影響を与えかねないものでありますので、見直しは難しいものと考えているところでございます。

 そうした中で、企業局といたしましては、県及び市町村の水道事業が将来にわたって安定的に役割を果たしていけるように、給水量の将来の見通しに加え、施 設の耐震化や老朽化による更新等を加味した中長期的な収支を勘案しまして、料金の水準等について、関係市町村と話し合いながら、さまざまな角度から検討し てまいりたいというふうに考えているところでございます。

 次に、水質の確保についてでございます。

県民に提供する水道水の水質確保というものは極めて重要でございまして、企業局では、水道法に基づき浄水場などの水質検査を定期的に実施しております が、水質基準の各項目につきましては良好な値となっているところであります。特に、朝日浄水場における総トリハロメタン対策につきましては、平成二十一年 十一月から従来の浄水工程を見直しまして、水の濁りを取り除いてから塩素消毒を行うこととしまして、対策前の値に比べまして三割から五割の低減を図ったと ころであります。

 また、夏場の水温対策といたしまして、月山ダムの取水深、水をとる位置を下げまして水温の低い層から取水しまして、できるだけ冷たい水を提供できるように努めているところでございます。

 議員御指摘の自己水源と広域水道のブレンドにつきましては、これは関係市町の判断により実施されるべきものと思っておりますが、企業局といたしまして は、今後におきましても、県民のニーズや市町村の意見も十分に踏まえながら、県民の皆様に安全安心な山形のおいしい水を飲んでいただけるように努めてまい りたいと考えているところでございます。


◎生活環境部長(佐藤和志君)

 三つの御質問にお答えいたします。

 最初に、地下水資源対策についてでございます。

 本県には、庄内南部地域を初め各地域に豊かな自然に支えられた地下水資源があり、県民の生活や産業を支える貴重な資源であると認識をしておりまして、過 剰な揚水による著しい地下水の低下や地盤沈下などの問題を引き起こさないように、適正な採取により保全していくことが重要と考えております。

 こうしたことから、県では地下水位と地盤沈下の状況を把握するために、県内各地域で地下水位三十七地点、地盤沈下変動量五地点の観測を行っており、赤川 扇状地に位置する鶴岡市においても、地下水位三地点、地盤沈下一地点の観測を行っております。近年、地下水位の変動は見られず、地盤沈下についても、環境 省公表基準の年間二十ミリ以上の沈下は見られない状況になっております。

 また、昭和四十年代から著しい地盤沈下が見られた山形地域と米沢地域を、山形県地下水の採取の適正化に関する条例に基づく地下水採取適正化地域に指定を して、揚水量等の事前届け出を義務づけております。さらに、庄内南部地域を含む県内七地域に地下水利用対策協議会が設置され、それぞれの地域の特性に合わ せて地下水適正利用対策や啓発活動等が実施されておりますので、今後とも協議会と連携して取り組みを推進してまいります。

 一方、昨年、県内で外国資本等による森林買収等、地下水への影響が懸念される事例が発生したところです。地下水に関する規制は財産権の制限という難しい 課題を含みますが、このたび尾花沢市が県下に先駆けて水環境保全条例を制定するなど、県内市町村の関心も高まっておりますので、県としても、関係市町村と ともに地下水資源の保全・確保について検討を進めてまいります。

 二点目は、風力等を利用したエネルギーの導入についてでございます。

 昨年度県が実施いたしました再生可能エネルギーの賦存量調査によりますと、風力、太陽光、バイオマス、中小水力の順に利用可能量が大きく、風力について は、特に庄内地域のポテンシャルが高いという結果が出ておりますので、今後、再生可能エネルギーの中でも柱となる可能性が高く、大いに期待しているところ です。

 これらのエネルギー資源の導入を促進し、発電事業者などによる事業化に結びつけていくため、今回、風力発電、メガソーラー、小水力発電について、具体的な適地の領域や地点を地図上に示す調査を実施してまいりたいと考えております。

 風力発電の実際の設置に当たりましては、自然公園法や建築基準法などの法的規制や、インフラの整備状況や騒音といった社会的制約、さらには規制緩和の可 能性などの要件を勘案し、誘導エリアとしての適地を絞り込んでいく必要があります。このため、調査に際しては、地元市町村や環境関係団体などの意向を十分 に踏まえるとともに、自然環境等に関する制約の規制緩和や地球温暖化防止の視点など、県の環境審議会で十分御検討をいただいて、これらの結果を総合的に判 断し、速やかに適地を選定してまいりたいと考えております。

 最後に、震災復興に向けたボランティアに対する支援についてでございます。

 被災地におけるボランティア活動につきましては、発災から六カ月が経過をいたしまして、被災当初の被災家庭の片づけや泥出し作業などに加えまして、仮設住宅におけるコミュニティーの構築、生活の自立に向けた支援などに内容が変化をしてきております。

 これらのことに適切に対応していくためには、被災地の皆さんとの信頼関係に裏打ちされた息の長いボランティア活動が重要であり、県としても、このような活動を助長していくことが被災地の一層の復興につながるものと認識をしております。

 このため、NPOやコーディネーターのプラットホームとなる復興ボランティア支援センターやまがたの設置や、コーディネーターと一体的に運行されるボラ ンティアバスなどに対し、これまで、新しい公共支援事業や、やまがた社会貢献基金の活用を図って支援をしてまいりました。

 さらに、被災地におけるボランティア活動、あるいは県内に避難されている方を対象とする活動を応援したいというような新たな御寄附もいただいているところでありますので、これらを活用して、今後とも災害ボランティア活動を支援してまいりたいと考えております。

以上でございます。


◎県土整備部長(鹿野正人君)

 私には、最上小国川ダムに関連いたしまして二点御質問がございました。順次お答えをいたします。

 まず、一点目、自然資本の価値と流域経済に対する影響についてということでございます。

 最上小国川ダムがアユ等の河川環境に与える影響につきましては、平成十五年度より継続的に調査を行っておりまして、平成二十一年一月には、外部の有識者 の意見をうかがいながら詳細に検討するために、魚類や環境等の学識経験者及び地元代表をメンバーとする最上小国川流域環境保全協議会を設置いたしまして、 審議していただいております。

 この協議会におきましては、流水型ダムが河川環境に与える水温、水質、濁り等の項目について七回にわたって慎重な審議をしていただいた結果、平成二十二 年十月に中間取りまとめとして「水環境においては、流水型ダムの特性上、平常時は流水や土砂移動への影響は小さく、洪水時も水温、水質等はダムのない場合 とほぼ同様である。また、洪水時の濁りの程度や継続時間をダムのない場合と比べて若干の差は生じるが、その差異によってアユ等の生育や生態に対して影響は 小さい」との意見をいただいておりまして、県といたしましては、アユ等への影響は小さいという判断をしております。

 また、さまざまな機会を通して、地元の方々から地域振興に関する意見を十分にお聞きしてまいりました。その結果としまして、アユが生育する最上小国川の 自然環境への影響が小さく、現状の温泉の魅力を維持しながら治水安全度を高める流水型ダム事業の推進がこの地域の振興にとって最適であるというふうに考え ております。

 なお、ダムの工事中はもちろん、完成後につきましても調査及び協議会を継続いたしまして、環境保全に十分配慮しながら事業を進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、二点目でございますが、治水対策の見直しについての御質問でございます。

 今回の検証検討におきましては、「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換に基づいて国が策定をいたしました新たな基準に従って、雨水貯留施設や 土地利用規制を含んだ二十六のすべての方策について、赤倉地区で適用可能かを検討いたしました。この際、固定堰の可動堰化も含めて、川底を掘削するという いわゆる河床掘削による河道改修というものは、平成二十年度の温泉影響調査におきまして三名の学識経験者の総意により、河床を掘削することは源泉に対して 著しい影響を与える可能性があるとの意見を受けたことから、適用できない方策であるというふうに判断しております。

 その結果、適用可能な方策として、遊水地と河道改修を組み合わせた案、流水型ダム案、放水路案、河道改修案の四つの案を挙げまして、安全度、コスト、実 現性、持続性、柔軟性、地域社会への影響、環境への影響の七つの評価軸でこれらを総合的に評価したところ、流水型ダム案が最良の治水対策であると決定をし たものでございます。

 このうち、地域社会への影響の評価におきまして、地元から歴史ある温泉街を残すことを望むという意見が多く出されておりますことから、治水対策によって現在の温泉街を大幅に改変してしまうのは望ましくないと評価しております。

 これらの検証内容につきましては、国が、先ほど申し上げましたように「できるだけダムにたよらない治水」を目指して設置をいたしました「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」におきましても個別に審議をされまして、妥当との内容で意見がまとまっております。

 また、県民の方々に対しましては、検証検討以前から機会あるごとに説明会を行っており、さらに、今回の検証検討における昨年十二月の説明会、ことし五月 の新庄・山形の二会場での対応方針説明会など、公開の場で十分に説明を行い、意見もいただき、それに対する県の考えを示してまいりました。

 この対応方針は、さまざまな分野の専門家や一般の方々の意見をお聞きして、新たな基準に基づいて総合的に評価し、丁寧に検証検討を行って決定したもので ありまして、県としましては、決定した流水型ダムによる治水対策を一日も早く進めることが、赤倉地区のまちづくりや流域の地域振興にもつながっていくもの と考えております。