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6月一般1)出羽三山を世界遺産へ 2)しな織り 3)月山ゾウ


 

2025.6月議会一般質問

1)出羽三山を 世界遺産へ

草島進一です。質問いた します。 

まず、世界遺産と日本遺産に関する質問をい たします。 

まず、日本遺産から。今年4月から3つの日 本遺産が統合され、新たな協議会・事務所体制 が始動したと伺っております。それぞれの特色 を生かしつつ、出羽三山をはじめ、松ケ岡、加 茂と全体として総合的な取組が進むことを大い に期待しております。この統合の狙いと現状、 そして今年度の具体的な取組についてまずお伺 いします。 

○商工観光部長  日本遺産についてお答えいたします。 

本市が保有する出羽三山生まれかわりの旅、 サムライゆかりのシルク、北前船寄港地・船主 集落の3つの日本遺産につきましては、個別の 推進組織を統合し、本年4月17日に鶴岡市日本 遺産推進協議会を設立いたしました。これまで の目的である文化財の保存・継承と観光誘客、 交流拡大による地域活性化に加え、統合により 3つの日本遺産を組み合わせた新たな事業展開 での付加価値の向上、発信力の強化、加えて委 員の重複を解消し、より一体的・戦略的かつ効 果的に日本遺産を活用していくべく活動を開始 しております。 

令和7年度の具体的な取組としましては、旅 行プラン造成支援や市内高校生による日本遺産 をテーマとした活動支援など、これまでの個々 の取組を3つの日本遺産全体に拡充する取組の ほか、新規事業として日本遺産と市街地の観光 を促す手ぬぐいスタンプ帳企画や日本遺産にち なんだ土産品の開発支援などにも取り組んでま いります。 

また、関連事業として、DEGAM鶴岡では、 日本政府観光局や東北観光推進機構が主催し、 今年9月に東北初開催となるアドベンチャーウ イークにおいて、海外の旅行会社を招いて本市 日本遺産の体験ツアー商談会を企画しておりま す。5月に行われた事前視察では、羽黒山の石 段トレイルや出羽三山の精進料理、加茂水族館 で提供している北前船寄港地ゆかりの料理の体 験などをPRしており、インバウンドの拡大に 向け、引き続き発信してまいります。 

こうした取組により、地域ごとの魅力のさら なる向上と本市の強みである食と温泉を組み合 わせ、地域一体となった鶴岡ならではの観光振 興につなげてまいります。 

○草島

 ありがとうございました。 この当市の3つの日本遺産登録というのは大変 価値があることで、これを合同で戦略を立てる ということは大変重要なことだと思います。ア ドベンチャーウイークについても期待したいと 思います。 

しかし、今インバウンドで来日する世界の方 々にとって、出羽三山や鶴岡市は国際的な目的 地、ランドマークにはなっていません。世界遺 産に登録された東北の平泉、そして昨年登録さ れた佐渡、修験の場としては熊野や石見銀山遺 跡のような目的地にはなっていないのでありま す。ユネスコ食文化創造都市も、一般の外国人 旅行者にはなかなかその価値が捉えにくいとも 伺っております。こうしたこともあって、今般 は出羽三山の世界遺産登録に向けた提案をさせ ていただきます。 

去る5月30日、鶴岡致道大学の講師として 2011年11月講演された京都大学名誉教授の鎌田 東二先生が御逝去されました。鎌田先生は著書、 これですけれども「聖地感覚」というこの著書 に、1980年に湯殿山の滝行と御神体への参拝が 御自身の滝行の始まりとされた体験を書かれ、 その著書や鶴岡市での講演会などで、松尾芭蕉 の「おくのほそ道」の「おく」とは出羽三山、 特に湯殿山であるという説を提唱されました。 先生は20回近く月山を登拝され、コロナ禍前ま での約10年間ほどはほぼ毎年松例祭にいらっし ゃり、年越しをしながら取材・研究をされてお られました。1999年から8年間にわたり、8月 13日の柴燈祭に合わせて開催された月山炎のま つりでは、実行委員長のお一人としても御参画 いただきました。 

鎌田先生は、今年の4月20日、21日と東北で の最後の旅として鶴岡を訪れ、月山遥拝をされ ましたが、その際に出羽三山を世界遺産にしよ うと私と言葉を交わされました。今回の私の提 案は、まさに先生の遺言でもあります。松尾芭 蕉が湯殿山で詠んだ俳句「語られぬ 湯殿にぬ らす 袂(たもと)かな」は、そこでしか語れない感動の 涙を表しております。前述した「聖地感覚」に 先生は、滝行の後の参拝について「温泉を噴出 する巨岩の上をはだしで歩いて参拝できる夢の ような幸せ、神聖、グレートフル、崇高、どん な言葉もそれには及ばない。名付せ難い尊さを 感じ、心から敬虔な気持ちになった」と書いて おられます。 

かの芸術家の岡本太郎氏は、1997年発刊の 「出羽三山紀行―羽黒山・月山・湯殿山」で、 湯殿山の御神体について「透明なだけの空間、 しかしぴいんとこちらの胸に響いてくる。神秘 の直感である」と表現をし、その強い感動を 伝えていました。 

そして、昨年DEGAMで現地案内をした、 フランスの600万人視聴者を持つ20代のユーチ ューバー、イノックスタグ氏は、日本での体験 をまとめた1時間の動画で出羽三山の旅に40分 もの時間を割き、滝行、山掛け、火渡り、即身仏との出会いを映像化しました。同行した方か らお伺いすると、滝行の後、御神体を越え、直 下を見渡せる場で友人と共に涙されていたとの ことです。こうした事実こそが、出羽三山の持 つ普遍的な価値を明確に示しているのではない でしょうか。 

現在、出羽三山神社では、歴史的に羽黒修験 の修業の中核である秋の峰入りに加え、開山 1,400年を記念した女性のためのみこ修業、六 十里越街道回峰行などの新しい修業が一般公開 されております。また、明治以前の内容のまま と言われる荒澤寺の秋の峰入りや宿坊主催の山 伏修業なども存在しています。さらに、羽黒町 観光協会が主催する山伏修業体験塾、インバウ ンド向け山伏修業体験の山伏堂、子供向けの山 伏と行く出羽三山子ども巡礼など、修業をテー マにした多彩な体験プログラムが存在しており、 女性も子供たちも参加できる修業の場が提供さ れている修験の場はほかにはありません。出羽 三山の修験道は、特に即身仏17体を輩出し、現 代まで信仰の対象として残っている点や、現在 ・過去・未来という時間軸、死と再生を設定し た巡礼の体系がほかにはない特徴となっており ます。 

昨年2024年10月16日に、世界の持続可能な観 光地トップ100選、グリーン・デスティネーシ ョンズ・トップ100に選ばれた羽黒・手向地区 は、2019年から手向地区に通い、研究を続けて いる北海道大学、天田顕徳先生の2022年の論文 によると、明治15年には368軒の宿坊があり栄 えていましたが、2021年には27軒にまで減少し、 現在は24軒と伺っております。霞や檀那場にお ける講や信者の時代から、今手向地区では新た な取組が行われております。宿坊の数をこれ以 上減らさないことが手向の真正性の維持、そし て観光による好循環を生み出すための基盤とな るとして、手向地区ではまちづくりのビジョン を掲げ、取組が行われています。これもすばらしいことだと思います。 ユネスコの食文化創造都市としての精進料理 や鶴岡市民の日常の催事食、出羽三山信仰と呼 応する農業や在来作物などの食文化も、もちろ ん世界遺産を構成する重要な要素であると考え ます。また、月山は東北随一と癒える高山植物 の多様性やブナ林帯があり、周辺もアカショウ ビン、ヤマセミをはじめ野鳥の宝庫でもあり、 この豊かな自然資本も保護すべき有用要素と感 じます。 

世界遺産登録では、世界遺産という絶大なブ ランド力による観光振興、経済効果が期待され るのは言うまでもありませんが、私はこの世界 遺産登録は出羽三山が育んできた山岳信仰の文 化が、出羽三山信仰の普遍的価値の再認識、ま た人類全体にとって価値のあるものであると国 際的に認められること。また、世界遺産登録に よって国内外の研究者の関心が高まり、出羽三 山信仰や修験道に関する学術研究がより一層活 発になり、情報の真正性が高まる可能性に期待 をするものです。 

もちろん世界遺産登録への道のりは、現在暫 定リストにも載っていない状況でありますから、 様々なハードルを乗り越えていかなければなり ません。しかしながら、それを目標としたベク トルを持った運動を展開することによって、地 域住民の再認識、専門知識を持つ人材の育成、 羽黒の手向地域、また朝日の湯殿山信仰の地域、 黒川能、また鶴岡市全体の市民の連帯を高める ことができるのではないかと考えます。 

この秋、この地に滞在し、調査研究をしてい た、トロント大学で博士号を取り、ハーバード 大学で博士研究をしているシェイン・エーピー ダール博士が出羽三山の修験道について、「ザ ・シークレット・ワールド・オブ・シュゲンド ウ」という著書を出版すると伺っています。岩 波書店「出羽三山 山岳信仰の歴史を歩く」著 者の山形大学の岩鼻通明先生、また先ほどお伝えした北海道大学の天田顕徳先生、鶴岡市を起 点としてこうした今活躍中の先生方や今全国で 修験道の文化を伝えていらっしゃる山伏の大先達などのオープンなネットワーク会議などから スタートできないかと考えました。 

以上の点を踏まえ、ぜひ市長にこの鶴岡市か ら出羽三山の世界遺産登録に向けた運動を開始 し、主導していただきたいと提案をいたします が、見解をお伺いします。

 

○市長 皆川 治  草島進一議員さんから、出羽 三山の世界遺産登録に向けた運動の立ち上げに ついてのお尋ねがございました。 

私、学生時代に熊野古道を歩いたことがあり ますけれども、まだ世界遺産になる前でありま して、その後紀伊山地の霊場と参詣道として、 平成16年に世界遺産に熊野古道が登録されてお ります。この世界遺産につきましては、人類全 体の遺産として保護・保存するための国際的な 制度であり、現在国内では熊野古道を含む文化 遺産21件、自然遺産5件の計26件が登録されて おります。 

登録に当たっては、まず顕著な普遍的価値を有し、保存の体制が整っていることなどが文化 庁の推薦要件となっており、この段階から市民 や文化財所有者との合意形成、関係団体との連 携、文化保全と観光振興の両立など、長期にわ たる高度な準備と多角的な検討が求められると 認識をしております。
 本市の各種施策に関わる 専門家の方から担当のほうが御意見を伺ったと ころ、出羽三山は世界レベルで極めて高い文化 的価値を有すると、一方で他の世界遺産との差 別化や文化財の保護措置の充実、活用に関する 広範な議論の必要性などの課題が出されている ところでございます。 

先ほど草島議員さんのお話の中にもありまし たけれども、鎌田東二先生、京都大学の名誉教 授が平成23年11月13日、鶴岡致道大学の第6講 におきまして「縄文文化と神仏習合の底力」と 題した講演を行われておりますが、私もこの講演記録読ませていただきまして、大変重要な点 が指摘されているというふうに認識をいたしま した。 

昨年10月、出羽三山は地元、手向地区が世界 の持続可能な観光地トップ100選に選ばれ、今 年3月にはイギリスのインディペンデント紙に よる高い評価も受けるなど、国内はもとより、 インバウンド観光客も増加傾向にあります。こ うしたことも踏まえ、今年度出羽三山の自然・ 文化の保全と観光振興、歴史的風致の維持向上、 次世代育成に寄与するため、持続可能なまちづ くりに関する連携協定締結に向けて、関係者と 意見交換を重ねているところでございます。 

世界遺産登録につきましては、議員御案内の とおり、過去には山形県が暫定リスト入りを目 指したものの実現に至らなかった経緯もござい ます。本市といたしましては、そうした経緯や 熊野古道のような登録事例をよく研究すること が必要でありますので、まずは庁内の関係部署 で勉強会を行うなど調査研究に取り組んでまい りたいと考えております。 

○ 草島進一議員
ありがとうございます。 先ほど市長も述べられていた熊野の田辺市は、 世界遺産になってからこの世界遺産を生かす観光戦略をしっかりとDMOと連携して組んでい て、非常にいいモデルになっているとお伺いし ております。ぜひ熊野などとも、田辺市さんと もぜひ連携して研究をしたりしながら、ぜひ深 めていただきたいと思います。私自身も、羽黒 山伏の端くれとしてこの世界遺産への運動を展 開してまいりたいと思います。どうぞよろしく お願いします。 

 

2)しな織りについて

次に、しな織りについて質問いたします。 

鶴岡市関川地区を含む羽越地域で生産される しな織りは、2005年9月22日に羽越しな布とし て国の伝統的工芸品に指定されました。今年で 指定から20周年を迎えます。しな織りの歴史は 一説には縄文時代までに遡るとされ、沖縄の芭 蕉布、静岡の葛布と並び日本三大古代布の一つ であり、鶴岡市が誇るべき貴重な生きた文化財 であり、かけがえのない伝統的工芸品でありま す。 

1985年、関川集落の方々が設立した関川しな 織協同組合は、集落みんなで原料採取から製品 化までを分業する体制を組み、これは中山間地 の地域づくりのモデルとして高く評価されてき たと思います。私も以前取材をして、ルポを書 いたことがあります。温海町時代には、長年に わたる2年間の研修生制度があり、合併後も一 定の支援策が講じられていると認識をしており ます。 

しかし、現在担い手の不足と生産者の高齢化 により、このしな織りが今存亡の危機ではない かという懸念を抱いて今回の質問に至りました。 

 近隣では、村上市の雷は組合が休止状態で、個 々で生産されていると伺っております。山熊田 のさんぽく生業の里企業組合も今年解散された と聞いております。関川しな織センターにおい ても、織り手は昨年まで2名と伺っておりまし た。温海庁舎の皆様の御尽力により、事務員兼 務で3名に増えたとも伺っております。 

まずは、今抱えている課題についてお伺いし たいと思います。また、現在の課題を踏まえ、 この羽越しな布を持続可能にするための提案を させていただきます。 

まず、現在いらっしゃる2名のベテランの織 り手の方々は10年以上の製造経験を有しており ますので、伝統的工芸品産業振興組合が行う認 定試験に合格すれば伝統工芸士に認定できると 思います。まずは、そうした取組はいかがでし ょうか。また、織り手、へそ玉づくりができる 関川の組合員など、高度な技術を持つ職人を市 としてしな織りマイスターとして認定してはい かがでしょうか。そして、そのマイスターの指 導の下で市民が集中的に技術を学べる研修プログラムを設けることを提案いたします。そのマ イスターの方々には、研修講師としての費用を 市が拠出し、技術に見合った所得を保障するこ とを提案いたします。 

次に、令和の織姫研修生として、国の地域おこし協力隊制度を活用し、かつての2年間関川 地区に滞在して行っていた研修制度を復活させ、 新たな担い手確保・育成策を検討してはどうで しょうか。また、3万円ビジネスのような副業 ・兼業としてのマイクロしな職人制度を導入し てはいかがでしょうか。まずは、糸づくりの要 であるへそ玉づくりから始め、全市民の中から 将来的にはマイスターや伝統工芸士の仲間入り を目指す方を募集してはいかがでしょうか。 

また、販売について1つ提案したいのは、東京青山にある一般財団法人伝統的工芸品産業振 興協会が主催する、全国の伝統的工芸品を約 130点ほど陳列販売する伝統工芸青山スクエア での一ブースでの1年間の展示販売であります。 年間7万人訪れる国内唯一の伝統的工芸品のギ ャラリーなのですけれども、先日伺ってきまし たけれども、年間1平米12万円。今半分が外国 人観光客で、国のお墨つきの伝統工芸品を求め る欧米の方々がたくさん集まっているというこ とであります。 

以上、提案をいたします。見解をお伺いしま す。 

○温海庁舎支所長 

国の伝統工芸品、 羽越しな布並びに関川集落におけるしな織りの 現状と課題についてお答えいたします。 

関川集落では、しな織りの振興と村おこしの 拠点として関川しな織センターを建設し、全世 帯が加入する関川しな織協同組合を設立、皮剥 ぎから織りまでの22の工程を要するしな織りの 加工販売の生産体制を整えております。関川集 落のほか、議員紹介ありましたとおり、新潟県 旧山北町の雷、山熊田の各集落でしな織りによ り生産された布のことを羽越しな布としており 

ます。 3つの産地ともに、従事者の高齢化、後継者 不足、あと原材料の確保などの共通課題を有し ていたため、産地が連携して産業振興に取り組 むことを目的として、平成17年7月に羽越しな 布振興協議会を設立しております。同協議会が 羽越しな布として国の伝統的工芸品指定の申出 を行いまして、山形県内では5品目め、庄内地 域では初めての指定を受けておるところであり ます。 

 

関川集落の課題といたしましては、議員御案 内のとおり、高齢化による後継者不足がありま す。設立当時48名だった構成員が現在29名とな っており、当時の6割に減少している現状です。 特に高齢化により糸を作る工程に携わる方々が 減少しており、地域外の方も含め、関わり合い を持った糸づくりの技術研修会を開催して取り 組んでいるところでありますけれども、それで も需要に見合った供給には至っていない現状で ありまして、原材料の仕入れ量が令和元年度比 で2割強の落ち込みとなっておる状況です。製 品として販売される主力製品の帯などの生産が 追いつかず、組合としても収益が上がらないと。 いう要因になっていると伺っております。 

御提案いただきました持続可能な生産体制に 対しまして、現在の市の支援体制、あと今後の 方向性についてお答えいたします。 

市では、産地が抱えている高齢化、あと担い 手不足の課題を解決するため、羽越しな布振興 協議会に対しまして、地域まちづくり未来事業 の温海地域伝統的工芸品振興事業補助金を交付 し、織り手の後継者育成、シナの木の皮剥ぎや 糸づくり等の技術研修会の開催への費用を支援 しております。また、協議会では県の地場産業 等振興補助金も活用しており、市の補助金は県 補助金の補助率への上乗せと、あと県補助対象 外である継続的に取り組む展示会等への出展、 あと販路の開拓に関わる費用に対して支援する 形となっております。 糸づくりの工程など、原材料の製作工程を担う体制の構築について、産地と連携して課題解 決に取り組みながら、本市唯一であります伝統 的工芸品、羽越しな布を後世につなげていくた めに、引き続き支援をしていく必要があるとい うふうに考えております。 

○草島進一議員 

今の支援体制についてお 伺いをしました。ですが、年間県と合わせても 68万円ぐらいというふうにお伺いしていて、こ れ温海庁舎だけの問題ではなくて、市全体のカ ンブツの在り方、これ唯一の伝統工芸品ですの で、これに対してやはり市全体としてきちっと 予算づけをして、先ほど私が提案したようなこ ういった仕組みが構築できるようにぜひ頑張っ ていただきたいと思うのですが、見解をお伺い してよろしいでしょうか。 

○議長 

指名はできないので、質 問をしていただいて、あとは当局が判断します。

 

○2番 草島進一議員 では、いいです。要望にとどめておきます。ぜひしっかりと受け止めていただいて、今日の提案どうやったら実現できるか、可能性から考えてぜひ実現をしていただきたいと思います。



3)月山ゾウについて


 次に、庄内自然史博物展の成果と今後の構想、 また月山ゾウについてお伺いします。 今年1月から3月にかけて、市として初めて 山形県立博物館と連携した少

 

年自然史博物展が 開催されました。                                                             今回そのときのギャラリート ークでも話題になった月山ゾウについて伺います。 月山ゾウ、学名ステゴロフォドンは、約 1,600万年前の日本列島に生息していた象です。 旧朝日村の大網小学校教頭であった高橋先生が 1995年に田麦俣地区の川でこの化石を発見され てから、本年2025年で節目となる30年というこ とであります。 

 1,600万年前という時代は、現在の日本列島 の姿がまだ形成されていないということで、こ の象の化石が見つかるということは当時の田麦 俣周辺が象が生息できる陸地であったことを示 すなど、大変貴重な情報が得られると伺ってお ります。 

この30年という記念すべき年に当たり、3つ 提案をしたいと思います。 

●まず、この6月30日にオープンする新朝日庁 舎などの公共スペースなどにおいて、月山ゾウ の化石のレプリカや全身模型、発掘時の写真・ 資料などを展示すること。

●また、田麦俣の入り 口付近に発掘の地の看板を設置したり、市の広 報やケーブルテレビなどで周知を図ること。

●ま た、昨年有志で講演会を出羽商工会ホールで行 いましたが、ミュージアムパーク茨城県自然博 物館名誉学芸員である国府田良樹先生をお招き し、この月山ゾウの市民向けの講演会を開催し、 最新の研究成果や発見の意義を学ぶ機会をつく ること。以上3点、市としての積極的な取組を 期待し、見解をお伺いします。 また、山形県立博物館との連携事業ですが、 成果と今後の見通しについてもお伺いします。 

 

     

○朝日庁舎支所長 

初めに、月山ゾウについてお答えいたします。 月山ゾウの頭蓋骨の一部の化石は平成7年に 発見され、本物は発見者御本人様が所有されて いると伺っております。月山あさひ博物村文化 創造館では、月山ゾウを広く知っていただくた め、毎年開催している企画展に平成21年度から 月山ゾウの発見された化石のレプリカも展示し ており、展示期間中は市内外から約3,500人の 入館者がございます。 

市といたしましては、この6月30日に開所す る新朝日庁舎の多目的スペースに設置するデジ タルサイネージを活用し、月山ゾウが発見され て30年になることを紹介したいと考えておりま す。また、ケーブルテレビなども活用しながら 広く周知を図ってまいります。 

 文化創造館では、来年度マンモスなどの古代 象に焦点を当てた企画展の計画もあると聞いて おりますので、そのような機会を捉えまして、 月山ゾウの化石発見当時から御指導いただいて いる絶滅長鼻類における我が国の第一人者であ り、茨城県自然博物館名誉学芸員の国府田先生 のお話を伺う場を設け、広く市民の皆様への周 知に努めてまいります。 

○教育部長 

次に、庄内自然史博物展 についてお答えいたします。 

教育委員会では、市民の自然への関心を高め、 ふるさとへの愛着や誇りを醸成させることを目 的として、昨年度庄内地域では初となる、山形県立博物館との共催事業として、庄内自然史博 物展を開催いたしました。この博物展では、庄 内地域の豊かな自然と生物の多様性をテーマと して、県立博物館が所蔵する標本約100点を展 示し、期間中約600人の御来場をいただきまし た。来場者アンケートによりますと、9割を超 える方がよかったというふうに回答され、大変 高い評価をいただきました。 

本事業は、県立博物館になかなか足を運ぶこ とができない市民にとりまして、将来の自然に 関わる博物資料に触れる大変貴重な機会となり ましたので、今後もこのような機会をいただけ るよう県に働きかけてまいります。 

○2番 草島進一議員 ありがとうございます。 まず、月山ゾウについてですけれども、今日私 がお伝えするまで、えっ、そんなのあったのと いう方もたくさんいらっしゃると思うのですけ れども、これは自然史的に非常に大きな宝物だ と思います。こういうものをぜひ田麦俣の皆さ んだけではなくて、市民全体の方々が何でこう いうものが、1,600万年前の象がここにあるの かということを考えつつ歴史的にはも う自然史の本当に私たちのスケールを超える歴 史ですけれども、そういうものに思いを巡らす、 そんなことになったらいいなというふうに思っ ておりますし、講演会など企画していただける とのこと、ぜひよろしくお願い申し上げます。 

あと、(化石の)本物についても、ちょっと扱いを今博物館などで検討しているみたいなので、できれば 本物を展示する機会なんかも将来的に設けるこ とができたら非常にいいのではないかというふ うに思っております。 

あと、県立博物館との連携事業でありますけ れども、非常にいい形でスペースで展示されて おられたなというふうに思っていて、こういっ た機会を……今回非常にいろんな要素を総括的 な感じで行ったわけですけれども、植物だった ら植物、昆虫だったら昆虫、そういうテーマを 設けてやっても非常に価値ある資料が展示でき るのではないかというふうに思っております。 

この提案は、以前山形県立博物館の分館を、 自然史だったら庄内のほうが全然資料がたくさ んあるので、山形県博、新しい県博を今検討し ているのですけれども、自然史だったら庄内だ と先生方もおっしゃっておられるので、この山 形県博の自然史の博物館については分館を庄内 に造れということを市全体としてもぜひ提案を していただきたいというふうに思っております。 今後のこの県博との連携事業また期待をしてお りますので、今後ともどうぞよろしくお願い申 し上げます。 

以上です。ありがとうございました。