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2023.12月議会総括質問 1. 総合計画について 2. 観光政策について  


 

2023.12月議会総括質問 1.    総合計画について    2.    観光政策について  

草島進一 

市民の声・鶴岡を代表し、質問をいたします。 まずは、総合計画について。 第2次総合計画後期基本計画の最終段階であ

ります。まずは、ここまでの取りまとめ、大変 お疲れさまでした。広範囲に数々の議論を積み 重ねてきたことを高く評価いたします。ただし、 今後の課題として改めてお伝えをしたいのは、 鶴岡12万市民がこの計画をどれだけ御自分のも のとして受け止め、御自分の可能性にチャレン ジしていただけるかだということであります。 正直言って、これまでの歴代市長の下での総合 計画はほとんどの市民の方は見てもいない。大 方の市民は置いてきぼり、無関係というのが本 当のところだったのではないでしょうか。

しかし、今予算も限られ、人口減少・低成長 時代となって、行政がやる施策・サービスだけ ではもう太刀打ちできない。市民の皆さんとの 共創というのがなければ成り立たない状況にな った。これは、10年も前から言われていました が、いよいよそういう時代が到来しているのだ と思います。行政運営・施策に市民の皆さんが 参加をし、共に課題解決に取り組んだり、新し い仕組みをつくる、こうした共創はもはや欠か せないものとなっております。計画が予定調和 などと言われるようになっていないか、いい格 好に見せたいから、課題があっても伏せておこ うなんていうことになっていないか、市民の意 見が無視されていないか、市民が関わることに 諦めを抱かせるようなことになっていないか、 それらを解消するとともに、さらに市民に積極 的に徹底的に働きかける必要があると思います。

ここにこそ市長が公約で掲げる対話の出番な のだと思います。正直、私自身、対話と言いな がらよく分かっていなかったということを改め て感じる機会がありました。往々にして私たち は、実際にあったことと自分の思い込み、言わ

ばストーリーとごちゃ混ぜにしているというこ とであります。また、よくこういうものだとい うのに陥りがちだということ。話を聞きますと、 「聞いているのに、自分の意見で頭がぱんぱん で、実際は全く聞いていない」とか、これはよ くある話で、実は私もそうでした。もっとあり のままを受け止めて、正直なところを打ち明け 合って、分かち合わないといけないのだと、そ れで初めて対話が成立し、そして初めて共創が 可能になるのだと改めて最近そういう思いに至 りました。

総合計画についても、今後の取りまとめの重 要な段階の中で、この本物の分かち合いを通じ て全市民の目標として受け止められ、市民のお 一人お一人の可能性に火をともすようなものに していただきたいと思います。それには、これ までの常識を超えた情報共有、分かち合い、シ ェアリングの在り方が問われていると思います が、この第2次総合計画を市民全員の自分事に する分かち合い、対話について、市長はどのよ うに考えておられますか、お伺いをいたします。

次に、観光戦略についてですが、市長も説明 で触れられておりますが、先日行われた出羽三 山の精進料理プロジェクトから始まったガスト ロノミーツーリズムのシンポジウム、大変興味 深く、感銘を受けました。特に国連のレセプシ ョンパーティーで日本代表を務められた杉浦仁 志シェフによる食を通じて世界をつなぐ、そし て社会問題を解決し、未来社会を豊かにすると いう内容の御講演がありました。杉浦シェフは、 国際的にサステーナブルな調理人、料理人とし て認められ、またビーガン、プラントベース調 理の日本の第一人者であり、国賓の方への料理 から学校給食の食育の料理の創作までを行って いるという方でありました。私が感動したのは、 その杉浦シェフが「鶴岡はガストロノミーの聖 地である」と明言してくださったことでありま す。また、「今後鶴岡の皆さんと新しい価値創

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造ができたらと思いますので、パワポの画面を どんどんスマホで撮って活用してください」と おっしゃっておられた。この姿勢にも私感動し ました。またこの15日にも、特に給食の発祥地 という御縁でESD学会とも連携したシンポジ ウムも行われるとのことで、大変これも期待を しております。

また、観光についてですが、先日致道大学に いらした北海道観光振興機構の会長だった小磯 修二先生が「観光というものは地域住民の営み 全てが連関する。人口減少する地域にとって最 も重要な産業政策である」ということを改めて お話しされておられました。私思うに、特に食 文化の観光というのは御家庭の食卓から世界に つながる、つまり市民の日常の調理の工夫が世 界につながり、そして経済につなぐことができ る可能性があるということを思っています。

また1つ、致道大学の講師でもあって、私の 20年来の恩師でもある宗教哲学が御専門の京都 大学名誉教授、鎌田東二先生が先日鶴岡にいら して、芭蕉の「おくのほそ道」の「おく」とは どこかという問いに対して、その「おく」の究 極が湯殿山であるということを明言されておら れました。

こうした資源を踏まえてのガストロノミーツ ーリズム、今般聖地とも評価を受けましたが、 市長はどのように捉えておられますか。

また、今直面する課題として、ユネスコ食文 化創造都市も来年10年を迎えます。また、給食 の議論も全国で盛んであります。今後の具体的 な市の政策に市長はどのように反映しようと思 われているか、お考えをお伺いします。

また、観光戦略についても、食文化を中心と して市民全員が参加をし、一枚岩となってみん なで稼ぐ、目標に向かって市民が可能性にみん なでチャレンジする、そんな戦略を求めたいと 思いますが、市長のお考えをお伺いします。以 上です。


○市長 皆川 治 草島進一議員さんからの総括 質問に対して、お答えを申し上げます。

まず初めに、第2次鶴岡市総合計画を市民全 員のものにする分かち合い、対話についての御 質問がございました。第2次鶴岡市総合計画後 期基本計画につきましては、総合計画審議会の 各専門委員会等で最終案を協議いただくなど、 策定作業の終盤となってきたところでございま す。

このたびの総合計画の見直しに当たりまして は、対話や市民目線を重視した計画策定に努め るため、これまで計画の素案作成の段階など、 計画の策定過程において市民参画の場を設けて まいりました。その手法としましては、旧町村 地域単位に設置されております各地域振興懇談 会等から意見をいただいたほか、市民ワークシ ョップや勉強会を開催してきたところでござい ます。

これまでの市民参画の状況でございますけれ ども、令和5年2月に高校生を対象に子育てし やすいまちづくり、交流人口・関係人口の創出 拡大をテーマにワークショップを開催しており ます。また、6月には移住・定住をテーマにし た勉強会を開催し、7月には多文化共生のまち づくりに向けて意見を伺う円卓会議を開催いた しました。さらに、10月には中学生を対象に、 自分と鶴岡の将来について考えるワークショッ プも開催したところでございます。

計画の策定に当たって、市民ワークショップ や勉強会を開催し、対話や市民目線を取り入れ、 取り組んできたところではありますが、議員か ら御提案のありました分かち合う市民参画、そ して共通の理解の下に計画を策定・実施してい くということ、これは共創をしてチャレンジと いうお話がございました。大変重要な視点だと 思っておりますので、引き続き対話の努力を行 ってまいります。

さらに、情報共有、分かち合いという点に関しましては、後期基本計画を市民の皆様に分か りやすく伝え、自分事として捉えてもらうよう に、これまでの普及版の冊子に加えまして、子 供たちにも分かりやすい概要版も新たに作成す る予定でございます。計画内容の周知をしっか り図ってまいります。また、来年度以降も計画 の推進に当たり、中高生を対象としたワークシ ョップなどの手法により計画の理解促進を図っ てまいります。

多様性を認め合い、互いに尊重し合う社会づ くりを推進するためには、対話がますます重要 であると認識をしております。総合計画の推進 方針でも対話と協働による政策推進を掲げてい るところであり、今後も幅広い市民の参画と市 の意思決定プロセスの透明化を図り、対話と協 働による市政の推進に努めてまいります。

続きまして、ガストロノミーツーリズムと観 光戦略についてお答えをいたします。

ユネスコ食文化創造都市の認定から来年で 10周年の節目を迎えます。ガストロノミーツー リズムは、その土地の歴史や気候風土が生んだ 食材を楽しみ、食文化に触れる旅で、収穫体験 や精神文化の体験、四季折々の郷土料理を楽し むものであり、本市は多様な食と食文化を生か した取組、誘客によって国内先進地の役割を果 たしてきたものと考えております。

DEGAM鶴岡では、今年度全国で13か所、 東北地方では唯一、官公庁の地域一体型ガスト ロノミーツーリズムの推進事業の採択を受けま して、鶴岡らしいガストロノミーツーリズムの 可能性を探るサミットを11月に開催をいたしま した。先ほど議員からも御紹介がございました が、日本におけるビーガン料理の第一人者であ り、世界的に御活躍されている杉浦仁志シェフ の講演では、「鶴岡は食の宝庫であり、日本の ガストロノミーツーリズムの聖地である」との 高い評価をいただいたところでございます。

ポストコロナでインバウンドが急拡大する中、訪日外国人旅行者は日本の食への関心が高いこ とから、ガストロノミーツーリズムは食文化創 造都市の次の10年という新たなステージにおい て観光政策の大きな柱になるものと考えており ます。

次に、ガストロノミーツーリズムの具体的な 観光政策についてお答えをいたします。

ガストロノミーツーリズムは、宿泊施設はも とより、地域の農林漁業者や飲食、食品加工、 土産など幅広い分野に経済的な波及効果が期待 できる取組であります。観光案内所における案 内機能の充実やガイドの育成など、観光客の受 入れ態勢の整備を進めるとともに、食に関する 体験メニューのさらなる磨き上げを行い、多く の観光客が鶴岡の食文化を学び、楽しみ、味わ ってもらうことのできる仕組みをつくることで、 ガストロノミーツーリズムによる交流人口の拡 大を目指してまいります。

議員からも言及がございましたけれども、給 食の発祥の地でもありますので、私はこの学校 給食というのはシティープロモーションにつな がるものだと考えております。また、この食文 化と学びという視点では、ESD学会との連携 を、今月一緒になったイベントも予定している ところでございます。

先ほど申し上げましたとおり、ガストロノミ ーツーリズムの取組につきましては、生産者や 料理人、宿泊施設はもとより、ガイドや交通事 業者、地域に伝わる郷土食・行事食に携わる者 など、多くの市民の皆様に参画いただける取組 となります。持続可能な食・食文化が継承され る本市に関心を有する方全てがお客様であり、 その観光消費を高めることで関係する本市産業 の振興にもつながるものでございます。

また、これはエリア的にも農山漁村だけでは なくて、中心市街地でも食文化創造都市である ことの強みを生かすという視点が重要だと考え ております。市民の皆様が鶴岡の食文化、身近な食やその背景にある歴史・文化に誇りを持ち、 全ての市民が観光を支える一員となっていただ くことでガストロノミーツーリズムの聖地鶴岡 の地位が確固たるものになると考えております。

 草島進一議員

ありがとうございました。 まず、総合計画、子供たちの視点でのパンフ レット、これはすばらしいと思います。大変大 きく評価をします。ぜひ頑張って取り組んでい ただきたいし、ウェブサイトもそうだし、これ はこれからの宿題として私投げかけたつもりで すが、しっかりとさらに対話、分かち合いが進 められるように頑張っていただきたいと思いま す。子供たちのパンフレットすばらしいです。

頑張ってください。ありがとうございます。 食文化創造都市、そしてガストロノミーツー リズム、受け止めすばらしいと思いました。私 も本当同感であります。最後のここにいらっし ゃる市民お一人一人が食文化創造都市を支えて いるのだと、その発信そのものが当市の観光に つながっていくのだという力強い表明をしてい ただいたと受け止めさせていただきます。まさ にそのとおりで、本当にこんなに可能性に富ん だ地域はないと思いますので、ぜひこれからも とにかく高い目標を示して、給食についてもぜ ひ高い目標を示して、これ世界一・日本一の給

食です、ここで目指すのは。高い目標を示して、 ぜひ市民と分かち合い、対話の市政で力強くこ の市を進めていただきたいと思います。ありが とうございました。