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2023.6月議会一般質問 1)山形道の安全化 2)PFASと下水汚泥 3)県立博物館の分館を!


2023.6月議会一般質問

1)山形道のトンネルでの死亡事故、二度と起きない様に 
2)PFASと下水汚泥コンポスト 
3)鶴岡・荘内に県立博物館の分館を!

 

市民の声・鶴岡、草島進 一です。質問いたします。

1)山形道のトンネルでの死亡事故、二度と起きない様に 

  まず、高速道の安全化について質問いたします。

ようやくコロナ明けのゴールデンウイークで やっと鶴岡にも多くの人が訪れていいなと思っ ていた矢先、5月2日に起きた山形道田麦俣ト ンネル内での正面衝突、炎上による幼児、20代、 70代の女性3名の死亡事故は、全国版でテレビ、 新聞報道され、大きなショックを市民に与えま した。

山形道のような片側1車線の暫定2車線高速 道路での対向車線への飛び出し事故は全国で近 年300件前後発生し、死亡事故のうち対向車線 への飛び出し事故が7割とのことであります。

国土交通省では、平成28年12月より高速道路 の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員 会を開き、暫定2車線高速の正面衝突事故防止 対策として、平成30年度からラバーポールに代 えて鉄製のポールにワイヤを張ったワイヤロー プの設置を進めているとのことであります。

  しかしながら、今般事故が起きたトンネル内や橋梁部ではラバーポールだけになっているのが現状であり、疑問でありました。山形道も先日視察で訪れた四国のしまなみ海道も同様でありました。なぜそうなっているのか。

  この間、芳賀道也参議院議員を通じて国土交通省担当者と意見交換する機会をいただきました。トンネル内にワイヤロープを設置していない理由を尋ねると、トンネルの中央部分は排水溝を兼ねているため、通常の道のようにポールが立たず、十分にワイヤ強度を保つことができないとのことでした。

  聞いていて、国の担当者からはあまり問題意識を感じることができず、人の命よりも排水を優先させた高速道のトンネルなんてそもそもおかしいではないかと私は怒りを持ちながら問題を指摘した次第です。

このトンネルや橋梁の道路の安全化について、 昨年12月の技術検討委員会の第6回では、ワイ ヤロープに代わるものとして新たに開発された センターパイプとセンターブロックの実車衝突実験で基準をクリアした2つの技術を全国6か 所で試行設置し、状況確認が行われているとの ことでした。

  今後設置箇所を拡大させていくとのことですが、このセンターブロック、センターパイプの試行設置区間として、今般死亡事故が発生した山形道のトンネルや日沿道のトンネルを指定して早期の設置を求めてはいかがでしょうか。高

 速道の延伸を求めるだけではなく、言わば殺人

 道路路線を解消するために、早急にこの1年の間にでも間違っても死亡事故を起こさない高速道やトンネルにすることを強く要望し、実現してほしいと思いますが、当局の見解をお伺いし ます。


○建設部長 坂井正則 暫定2車線道の安全化に ついてお答えいたします。

令和5年3月31日現在、県内の高速道路3路 線の供用区間の総延長合計は約284キロメート ルであり、このうち暫定2車線区間の約254キ ロメートルについては長大橋梁、トンネル区間 の25%、約70キロメートルについてワイヤロー プが設置されていない状況にあります。

  従来、暫定2車線区間の安全対策としましては、ラバーポールにより上下線を区分する構造でしたが、その後、強度があるワイヤロープ等の設置や区画線標示による対策を国等で進めてきました。

  長大橋梁、トンネル区間においてはワイヤロープ等による安全対策が進まない要因は、長大橋梁では路面下に床版、トンネル内では中央排水溝の既存設備があるため、ワイヤロープの支柱が固定できず、十分な強度が確保できないといった技術的な課題に加え、トンネル内においては事故や火災が発生した場合、利用者の避難や救助活動、消防活動などの妨げになるなど、ソフト対策面での課題も指摘されております。

  こうした課題を解決するため、議員から御紹介がありましたとおり、国等においては令和3年度から全国6か所で新しい構造の分離柵の設置を試行しております。令和5年度以降は試行箇所を拡大して検証を進め、技術面やソフト面の課題解決に向けて有効であれば全国で設置していく方針であると伺っており、県内での試行設置についても今後進んでいくものと考えております。

なお、今回の事故を受け、県では5月26日に 国土交通省及び東日本高速道路株式会社に対し、 安全対策等に関する緊急要望を行っており、東 日本高速道路株式会社では、田麦俣トンネルの 安全対策として、トンネルに入ることをドライ バーに視覚的に知らせる薄層塗装、トンネル内 の中央線と側線の凸凹の施工、幅広のラバーポ ールの設置、速度注意の看板や標示板の増設等 を今年の秋以降に実施すると伺っており、市も 東日本高速道路株式会社東北支社鶴岡管理事務 所に対しまして、早期の安全対策をお願いして おります。市といたしましては、こうした国等 の対応状況を注視しながら、県や各建設促進同 盟会等と情報共有を行い、県等と連携して早期 に安全対策が講じられるよう国等への要望対応 などを行ってまいります。


○2番 草島進一議員 ありがとうございます。 ラバーポール太くしたところで子供だましみた いなもので、要はしっかりと今設置が始まって いるセンターパイプとセンターブロック、これ 1年以内に設置できるようにぜひ強く要望を入 れていただきたい。これ国会議員の皆さんと一 緒に要望入れていただきたいと強く要望したい

と思います。

 安全度の向上ということで言いますと、先日、私初めて韓国行ったのですけれども、仁川市内、 一般の普通車が昼間全部ライトアップしている のです。これスウェーデンも同様で、スウェー デンはライトを消すスイッチがないのです。昼 間のライトアップというのは、実際に視認度が 上がるということと同時に、意識づけにもなり ます。例えば鶴岡に入ったらみんなでライトを 点灯して交通安全意識を高めましょうだとか、 ぜひハード、そしてソフト両面で交通安全度を 高める工夫をしていただきたい。これは要望し、 次の質問に移りたいと思います。


2)PFASと下水汚泥コンポスト 


 次に、PFAS汚染とコンポスト利用についてお伺いします。

ピーファスというのはPFASと書くのです が、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称 で、4,700種類以上あると言われています。水 や油をはじき、熱に強いという特性があり、 1940年代から産業利用されていて、焦げつきに くいフライパン、また防水服、防水スプレー、 食品の包み紙などの身近な日用品から航空機の 火災などで使われる泡消火剤や半導体の製造、 また自動車の部品にまで幅広く利用されてきま した。

 PFASは産業利用に適している反面、自然界に放出されるとほとんど分解されないまま残り、生物に取り込まれると体内に蓄積しやすいことが分かっており、そのため永遠の化学物質、フォーエバーケミカルとも呼ばれるようになり、管理の在り方が国際的に議論されるようになりました。

現在、PFASのうち有害な化学物質を国際 的に規制するストックホルム条約でPFOSは 2009年、PFOAは19年、またPFHxS、パ ーフルオロヘキサン―1―スルホン酸、これは 22年に製造、使用が原則禁止となっております。

2022年、米国の学術機関、全米アカデミーズ

では、PFAS合計で血中濃度1ミリリットル 当たり20ナノグラム以上あると腎臓がんや脂質 異常症などのリスクが高まるとの結果をまとめ ました。

国内では、沖縄の基地周辺や東京多摩地域の PFAS汚染が知られております。多摩地区で の血液検査では、650人の過半数の方が20ナノ グラムを超えております。そういうこともあっ て多摩地区などでは水道浄水施設の取水停止な どが行われております。

飲料水については、各国が安全の目安となる 数値を示しております。日本は、2020年に毎日 2リットルの水を飲んでも健康に影響が生じな いレベルとして、水道管理の暫定目標値をPF OSとPFOAの合計で1リットル当たり50ナ ノグラム以下と定めました。米国はもっと厳し く、アメリカ環境保護庁は今年3月、PFOS、 PFOAそれぞれ4ナノグラム以下とする値を 示しました。1桁違うのですね。それで、年内 にも法的拘束力を伴う規制値とする見通しです。

国内環境省では、2020年に全国PFAS存在 状況把握調査を行っており、調査を実施した 143地点のうち12都道府県の21地点において水 環境の暫定的な目標値、これはPFOSとPF OAの合算値で50ナノグラムパーリットルの超 過が確認され、県内では酒田市の地下水から合 算値で65ナノグラムパーリットルと指針値を超 えた値が検出されております。山形県担当者に お伺いしますと、今年度から調査を行い、来年、 令和6年、2024年には測定結果を公表するとの ことでありました。

 現在、市は現状の3倍の規模の下水汚泥を活用したコンポストセンターの建設を進めようとしているようですが、このPFAS汚染の懸念が存在します。今年2月まで行われ、当市からも担当者が出席していた国土交通省の下水汚泥利活用推進検討委員会では、PFAS汚染の懸念は全く議論されておらず、識者から問題が指摘されております。

  私は3月の産業建設常任委員会で指摘をし、当局からは下水道成分の調査をしていただきま した。結果は、現行の国の基準では基準値内と のことでしたが、下水汚泥のPFAS汚染は国 内外で知られており、例えばアメリカ、米国メ イン州では土壌のPFAS汚染が明らかになり、 2022年4月、下水汚泥のコンポスト肥料の利用 を禁止ということになっています。

  PFASの国の規制値は欧米の基準の強化によって今後強まる傾向があり、土壌汚染などの規制基準が高まることが予想されます。農業の施肥によってPFASを拡散してしまう可能性が下水汚泥のコンポストにはあるということで す。世界事情に詳しい有機農業関係の識者は、下水道汚泥コンポストによるPFAS、土壌汚染拡大の懸念を明確に指摘し、これはやめておくべきだと意見されております。そこで、伺います。当市としてこのPFASの問題をどのように捉えていらっしゃるでしょうか、お伺いします。

  また、PFAS汚染の懸念が広がる今、現状の3倍の規模の下水道汚泥コンポストセンターの新たな建設は、これ問題なく進めても大丈夫なのでしょうか、市の見解をお伺いしたいと思います。


○上下水道部長 山口幸久 市議から御質問の2 点につきまして順次お答えさせていただきます。

  初めに、PFAS汚染の認識についてお答え

 いたします。

フッ素系界面活性剤のPFASのうちPFO S及びPFOAについては、令和2年に厚生労 働省が水道水の水質管理目標設定項目に位置づ け、暫定目標値としてPFOS及びPFOAの 総量1リットル当たり50ナノグラム以下として おります。また、同年に環境省は人の健康の保 護に関連する物質であるが、公共用水域等にお ける検出状況等から見て、直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべき項目である要監視項目に位置づけ、暫定指針値を同様の基準としております。

 本市の検出状況でありますが、水道水については山形県企業局が浄水場で年4回、鶴岡浄水場で年1回の検査を実施し、また本市においては水質検査計画に基づいて、自己水源給水区域の山添系及び五十川系の2か所で年1回の検査を実施しており、その結果は全て測定可能範囲の低減値である1リットル当たり5ナノグラム未満の値となっております。

 下水道については、法的な規制はございませんが、鶴岡浄化センターの流入汚水について、PFOS及びPFOAの検査を5月に実施しております。測定可能範囲の低減値である1リットル当たり5ナノグラム未満の結果となっております。

このような検査結果に加えまして、議員御紹 介のとおり、既にPFOS及びPFOAの製造、 輸入、使用が禁止されておりますことから、新 たな環境への拡散は考えにくい状況であります こと、本市の下水道については汚水と雨水を 別々に排除する分流式を採用しておるため、雨 水に混じってPFASが浄化センターに流入し ないことなどから、本市上下水道事業において は問題ないものと考えておるところでございま す。

 次に、下水道でコンポストの課題についてお答えいたします。

本市コンポストセンターは、供用開始後37年 が経過し、老朽化が著しいこと、そのため生産 量を施設能力の3分の1に制限しており、農家 より増産を要望されていることなどから、鶴岡 浄化センター敷地内に生産規模が年間1,620ト ンのコンポスト化施設を新たに整備し、令和9 年度から生産開始することを予定しております。

 コンポストについては、肥料の品質の確保等に関する法律に基づいて、農林水産省に肥料登 録し、生産販売をしており、同法においてPFASの規制がない状況でありますが、先ほどお 答えしたとおり、鶴岡浄化センターの流入汚水においてPFOS及びPFOAが検出されていないことから、その汚水処理により発生する汚泥を原料とするコンポストについても問題ないものと考えております。

  一方で、現在国では環境省や内閣府食品安全委員会等において、水質管理上におけるPFASの影響に関して情報の収集、調査、分析を進めている状況でありますことから、引き続き国の動向を注視しつつ、必要に応じて対応してまいります。


○2番 草島進一議員 今お伺いしていて、本当 に大丈夫かなというのが正直なところでありま す。バイオモニタリングという実際に体内にど れだけ蓄積しているかみたいなことなども実際 この問題が起きている多摩地区などでは行われ ておりまして、こういうことがなかなか法的に も定められていなくて、皆さん、市民グループ だとか有志がバイオモニタリングという生態の 調査なんかもやりながら突き止めていたりする のですけれども、一発の下水の流入の水を測っ ただけでその判断をしていいのかというのは私 ちょっと疑問があります。実際半導体工場の周 辺で土壌汚染としてのPFASの汚染が見つか っているところもありますので、この辺はやっ ぱり慎重にしていかなければいけないのではな いかというふうに思っております。

  また、下水道汚泥由来のコンポスト肥料というのは、有機農業としては国際的に認められておりません。当市は、独自に有機認証制度を持って、そして今年3月末にオーガニックビレッジ宣言を行っている。この当市の有機農業の推進の姿勢からは、この汚泥のコンポスト肥料というのは矛盾というか、路線が別の感がやっぱりあります。先日視察してきた有機農業推進のための臼杵市の堆肥センターとはやっぱり別物

だと感じます。

  今回の国の利活用推進検討委員会ですけれど

も、その名のとおり推進の立場の委員だけが集 められていて、有機農業の研究者などが不在で あり、非公開で行われていたため、かなり偏っ た議論になっていたのではないかという懸念を 識者の方々は表明されておられます。これ基準 値はどんどん厳しくなっていくと思います。果 たして今後の持続可能な農業に貢献するものな のか。私は一旦立ち止まって、今回お伝えした 懸念材料について、これは国土交通省、環境省、 農水省の方々ともきちんとしっかりオープンな 議論をして、今後の道を十分に検討してから御 展開をいただきたいと思うものですが、いかが でしょうか。御見解をお伺いします。


○上下水道部長 山口幸久 現在の見解に関しま しては、環境省及び内閣府食品安全委員会等に おいて議論されている最中でございます。とい うことからして明確な基準がないということも ございますし、汚泥に関する基準もない。まし てコンポストの基準もない状況でございますの で、今後の議論の状況を確認しつつ対応を考え ていきたいと思っております。


○2番 草島進一議員 コンポストの利用という のは、今輸入の原材料もそうだし、いろんな意 味で必要な方もいらっしゃると思うのです。た だ、先駆けてここで進めていくにも、今いろん な基準がない中で進めていって、後でやっぱり 問題があったみたいなことになっては、先駆け て進めたところの意味がないと言ったらいいか、 逆に問題になってしまうようなことになります ので、ぜひ今議論が進められているこの基準だ とか規制値だとか、こういうものを注視するこ とや、またうちでは3倍のコンポストセンター 進めるのだけれども、本当大丈夫なのですかと、 これは国の識者もそうだし、あと民間の識者も そうだし、いろんな研究者の方いらっしゃるし、 これは実際は欧州だとか米国にこの関係の研究 者たくさんいますので、そういう最新の知見を基に当市での判断をし、しっかりと進めるなら進めると、こういう理由で進めることができるのだと、確信を持って進めるのだということでやっていただきたいとこれは要望して、次の質問に移りたいと思います。ありがとうございます。


3)鶴岡・荘内に県立博物館の分館を!

 次に、昆虫標本、植物標本の質問をいたします。

 今NHK朝ドラで4月から牧野富太郎博士の生涯を伝える「らんまん」が放映されております。牧野博士は、小学校教育しか受けていないものの、情熱的な探求心と実際膨大で緻密な調査研究活動により、学閥を乗り越え、東京大学で認める研究者となり、日本一の植物学者となっておられます。何か当市の徂徠学の実践者のように思え、私も大好きな偉人であります。牧野博士は、庄内に3回、鳥海山に2回、飛島に

1回訪れ、山形県立博物館の初代館長の結城嘉美先生、また庄内の加藤元助先生と御一緒していたということを山形県立博物館の山口先生にお伺いをいたしました。

 庄内にも牧野先生と同様の情熱と探求心を持って庄内の植物、また昆虫類の調査を行い、標本にして保存、保管されている研究者の方々がいらっしゃいます。植物では庄内町の加藤元助先生、昆虫類では白畑孝太郎先生、カジワラ先生、オカベ先生らの研究が知られております。

県内では、県立博物館のほか、昆虫の標本保 存展示では米沢市のよねざわ昆虫館が知られ、 私も6月3日に視察をいたしましたが、山谷文 仁博士の昆虫標本10万点が保管され、運営に携 わる民間研究者の方々の標本を中心に展示が行 われておりました。また、庄内町では町立図書 館で加藤元助先生の植物標本を保管し、新図書 館でも引き続き保管が行われるとお伺いしてお ります。

 この昆虫や植物の標本館、ハーバリウムについては、鶴岡市内でも、ほとりあの建設時の計画時から実際に御家庭の1部屋が標本箱で埋め尽くされているというような現状を訴えつつ、鶴岡自然調査会の方々などから要望がありました。

  ところで、出羽庄内国際村の元アマゾン民族館の展示スペースはこの5年ぐらい全く活用されず、塩漬け状態になっております。先日現場を見せていただきましたが、以前天皇陛下も訪れた施設だけあって、すばらしいショーケース

 が並んでおり、標本展示などには最適の施設と感じました。

そこで、提案をいたしますが、この牧野博士 ブームの今、元アマゾン展示スペースを使って 庄内の植物標本や昆虫標本などの自然史を紹介 する庄内自然史博物展と称する展示を行っては いかがでしょうか。こうした展示は、自然が豊 かと言われる当市の自然の価値に興味を抱かせ、 子供たちの探求心、環境教育、また前回もお伝 えしたネイチャーポジティブの施策として大変 意味がある取組と考えます。

  当市ではこれまでも朝日地区や 引地区で昆虫標本展示を行っているようですが、今この牧野博士ブームを捉えて、牧野先生と同様の情熱を持って調査研究に取り組む先生方の業績を紹介し、地域の昆虫や植物に関心を持っていただいたり、また第2、第3の牧野博士をこの地から生み出すようなきっかけにすることを希望するものであります。庄内在住の先生方や山形県立博物館などと連携してぜひ実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。


○教育部長 永壽祥司 ただいま庄内自然史博物 展についてお尋ねがございましたので、お答え 申し上げます。

  まず、本市における状況を申し上げますと、昨年度は、議員御紹介のとおり、いずれも期間を限定いたしまして 引生涯学習センター及び月山あさひ博物村で昆虫展が開催されておりま して、月山あさひ博物村では4か月間で約 5,000人の方が来場しておられます。

 牧野富太郎博士は、植物を知ることの大切さを広く伝え、日本の植物分類学の基礎を築いた一人でございますし、牧野博士につきましては庄内に訪れた際に、本市の植物学者で幕末から明治にかけて活躍しました、大宝館で紹介しております松森胤保氏が記しました両羽博物図譜に感嘆したと伝えられております。その松森氏をはじめ、ほかにも村井貞固氏や山内繁雄氏などが植物学の分野で活躍しており、大宝館で紹介しているところでございます。

こうした本市ゆかりの人物あるいは標本展示 を行うということにつきましては、ふるさと鶴 岡への愛着や地域への誇りを醸成し、また生物 の形態や特徴を実際に見て比較できることから、 子供から大人までより多くの方々の興味を引き 起こし、自然への関心を高める環境教育へとつ ながり、大きな役割を果たすものと認識いたし ております。

 このたび庄内自然史博物展を開催するお尋ねでございましたが、県立博物館あるいは庄内町立図書館及びよねざわ昆虫館に確認いたしましたところ、庄内に関する植物等の標本の貸出しは可能とのことでございますが、多くの収蔵品の中から関係する標本の選別に時間を要すること、また展示物によっては温度や湿度管理など

会場に制約が求められる場合があること、そういったお話でございました。

 加えて、県立博物館では出張展示による移動博物館事業を行っているということで、年度当初の予算措置の状況を受けまして開催計画を立てている旨の回答をいただいているところでございます。

 また、旧アマゾン民族館につきましては、今後の利活用につきまして庁内で検討を進めているところでございます。

  教育委員会といたしましては、まずは県立博物館による植物あるいは昆虫標本の移動博物展につきまして、会場など当方の受入れにつきまして調整した上で、県に対して移動博物展の開催の要望ができるか検討してまいりたい、このように考えているところでございます。以上でございます。


○草島進一議員

いろいろ確認をしていた だいて本当にありがとうございます。今山形県 立博物館については一昨年から、以前の教育委 員会から山形県観光文化スポーツ部の傘下に替 わりまして、次の博物館の構想づくりのために 昨年度から広範囲のジャンルの方から意見聴取 を行っているとのことであります。庄内も食文 化関係に携わる方からの意見聴取が行われてい るということでありました。

昆虫標本や植物標本など、地域の財産を保全 し、未来につなぐためには、目指すべき今後の 目標は庄内に県立の自然史博物館の分館を造る ことではないかと思うものです。自然史系博物 資料は、内陸よりも海と山があり、酒田ではジ オパークも成立しているこの庄内のほうが理が あるという識者の見解もありまして、これは今 後酒田市や庄内地域全体として連携した取組が 必要かと思います。この分館の施設については、 ぜひ来年度あたりから県への重要要望に加える ことを希望するものであります。これまでこう した県立博物館の分館の誘致などについて検討 したことはあったのでしょうか。1つお伺いし たいと思います。


○教育部長 永壽祥司 ただいまお尋ねのありました検討についてでございますが、事実関係といたしましては、教育委員会としてこれまで県立博物館の分館、その誘致につきまして検討は行っていないという状況でございます。ただ、先ほど申し上げましたが、博物展示の意義につきましてはさきの答弁のとおりでございますし、また移動博物展の開催につきまして検討してい ○

 



○2番 草島進一議員 なかなか県立の箱物とい うのも庄内全く、ほとんどないみたいなことの中でこれまで進んできて、やっぱり大きな課題だと思いますし、この自然史博物館というのは今全国的にもいろんな地域で新しい見せ方を開発して、観光の拠点にもなっている。うちも加茂水族館頑張っているわけですけれども、加茂水族館と自然史博物館が一緒にあってなんていう展示があったら最高かなというふうに思って

 いるのですけれども、ぜひこれは鶴岡だけではなくて庄内一円として、この県立博物館の分館というのを目標にして、これ要望をぜひ上げて いただきたいというふうに思います。

また1つ紹介をいたしますが、庄内の植物研 究者で酒田出身の方なのですが、川上瀧彌とい う博士がいらっしゃいます。この先生は明治時 代活躍した、阿寒湖のマリモを発見して、マリ モということを命名した人物であります。この 川上博士は、台湾の国立博物館の初代館長でも あるのです。令和7年には没後110年というこ ともありまして、これ市長も最近訪れたインバ ウンドのターゲットでもある台湾との交流展示 なども考え得ることでありますので、ぜひもろ もろ御検討いただきたいと思います。これ最後 にこの自然史博物館などについて市長の見解な どをお伺いしてよろしいでしょうか。お願いし ます。


○市長 皆川 治 今ほど草島進一議員さんから 県立博物館、また庄内自然史博物展について、 庄内の偉人のお話も交えて様々な御提案をいた だいたところでございます。先ほど教育部長か ら答弁をさせていただきましたとおり、今後の 移動博物展の展示なども含めて、今日いただき ました様々な提案 についてよく検討させ ていただきたいと思います。

2番 草島進一議員 ありがとうございます。