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24年12月総括 1)ESCO事業 2)食文化創造都市 3)ガストロノミーツーリズム


 

 

 

2番(草島進一議員) 市民の声・鶴岡を代表し、総括的に質問します。

 まず初めに、ESCO事業についてであります。

 このエネルギーサービスカンパニー事業、ESCO事業については、平成30年6月の定例会で、マリカ全体のエネルギー効率を上げること。また、令和4年の12月議会総括質問では、今回の道路照明灯のLED化のESCO事業を、福岡市、静岡市などの事例を挙げて提案をしました。市長は当時、ESCO事業の可能性について調査・研究を行っていくとお答えをいただいておりました。今般それが実現したということですが、ESCO採用に至った経緯をお伝えください。

 また、この事業の意義、また先般、役所全体の照明のLED化はリースでしたけれども、今回のESCOとの違いなども含め、お示しいただきたいと思います。

 次に、食文化創造都市についてであります。

 先日は、視察で遠藤議員と福井県小浜市の食文化館の取組をお伺いしました。21年間、食文化に特化した専門職員が次々と施策を繰り出し、最近の取組としては、義務食育として、特に5歳児がタイを包丁でさばく、この現体験を5歳児全員で行い、それが心の発達指標でもあるEQにもよい影響を与えているというプレゼンをいただきまして、脱帽し、食文化の政策の奥深さと可能性を感じてきた次第であります。この辺り詳しくは遠藤議員が一般質問しますので、それに譲ることにし、私はこの7日、8日に開催される、ふうどフェスタについてお伺いをしたいと思います。

 ユネスコ食文化10周年、和食展、学校給食サミットに続く7日、8日のふうどフェスタでありますが、海外のユネスコ食文化創造都市7都市から、料理人や関係者が鶴岡にいらっしゃるとお伺いしております。このふうどフェスタにかける思いと、これからの食文化創造都市の取組の方向性についてお伺いします。

 今回のフェスタでありますが、ぜひ海外からいらっしゃる方々とも可能な限りオープンに市民の皆様に関わっていただき、新しい出会いや関係づくり、創造・共創が生まれることを期待しております。また、しっかりアーカイブも取っていただいて、ぜひ次につながるものにしていただきたいと思いますが、お伺いをいたします。

 次に、ガストロノミーツーリズムについてであります。

 昨年の12月議会では、国際的に活躍する杉浦仁志シェフが言及された「鶴岡はガストロノミーツーリズムの聖地」ということを市長と共に認識を新たにしたところでしたが、今回も市長説明にあるガストロノミーツーリズム、この現在の取組と今後の方向性についてお伺いします。

 

 

◎市長(皆川治) 草島進一議員さんからの総括質問に対しましてお答えをさせていただきます。

 まず初めに、令和4年のESCO事業提案から採用に至った経緯についてお答えをいたします。

 草島議員さんからは、令和4年12月定例会の総括質問におきまして、光熱費高騰対策として、ESCO事業による道路照明灯のLED化を御提案いただいていたところでございます。ESCO事業に取り組んでいる県内外の先行事例や事業費と維持費等の比較、メリットなどを調査しながら検討を重ねた結果、年間の電気使用料金の削減など、今後10年間に係る維持管理費用の削減効果等を踏まえ、道路照明灯LED化改修・保守管理業務にESCO事業を採用することとしたものでございます。

 次に、ESCO事業で行う意義についてお答えをいたします。

 1つ目として、年間の電気使用料金で約2,970万円の削減効果があります。試算では、現在年間の使用料4,070万円が灯具交換後には年間1,100万円と大幅に減る見込みでございます。

 2つ目として、道路照明灯に係る温室効果ガス排出量の削減効果として、年間729トンから175トンへ、マイナス554トンということで、76%のCO2排出量の削減が見込まれます。

 このように第2次鶴岡市総合計画、5つの加速化アクションのSDGs未来都市の実現や、鶴岡市ゼロカーボンシティの推進に向けた取組の一つとして、道路照明灯のLED化は大変有効であり、さらに単年度で全ての灯具交換をすることで、速やかに削減効果が発現できることなど、ESCO事業で行うことには大きな意義があると考えております。

 次に、リース事業と異なるメリットについてお答えいたします。

 ESCO事業は、脱炭素化推進事業債を活用できるメリットがあります。具体的には、設備機器、照明灯具が自己所有となるESCOギャランティード・セービングス方式(自己資金型)を採用することで、この起債が活用できまして、起債借入額の50%分が後年度の普通交付税に算入され、財政負担を軽減できるものであります。

 一方、灯具など機器類のリース事業の場合については、ただいま申し上げました起債を活用することができず、財政負担の恩恵が受けられないところが大きな違いとなっております。

 続きまして、つるおかふうどフェスタの開催にかける思いと、これからの食文化の取組の方向性、アーカイブ配信についてお答えをいたします。

 初めに、つるおかふうどフェスタは、本市のユネスコ認定10周年を記念し、これまでの10年を振り返り、本市の食文化を再認識するとともに、取組をさらに充実させ、本市が誇る食文化を次の世代につないでいくことを目的としております。

 12月7日土曜日は、アル・ケッチァーノ、奥田政行オーナーシェフや山形大学農学部、江頭宏昌教授など、これまで鶴岡の食や食文化の推進に貢献されてきた方々によるトークセッションや、スペシャルゲストとして、野菜ソムリエプロの緒方湊氏を招き、講話やみそ汁の作り方の実演等を予定しております。

 また、ユネスコ食文化創造都市との交流の促進を図るため、本事業への参加を56ある食文化創造都市全都市に御案内したところ、本市までの移動費については自費でお願いしているところでありますけれども、それにもかかわらず、ノルウェー・ブラジル・ベナン・ポルトガル・中国・メキシコ・フィリピン・日本の臼杵市、さらには姉妹都市であるアメリカのニューブランズウィック市からも御参加いただき、本市を含む10都市、うち海外は8都市、海外の創造都市7都市による料理の実演や提供を行うほか、笹巻などの食文化体験コーナー、販売ブースを設置する予定としております。

 当日は多くの市民、また地域外からも来客が見込まれており、この機会を生かし、郷土料理や行事食、在来作物等の食文化の発信を一層推進し、創造都市とのさらなる交流の拡大やネットワークを活用した誘客の促進を図ってまいります。

 なお、当日のトークセッション等の様子はアーカイブ配信することとしておりまして、当日来場できなかった方も後日御覧いただけるよう対応してまいります。

 続いて、ガストロノミーツーリズムの現在の取組と今後の方向性についてお答えをいたします。

 その土地の歴史や気候風土が育んだ食材を楽しみ、食文化に触れる旅であるガストロノミーツーリズムの取組として、昨年度はDEGAM鶴岡において、地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業の採択を受けまして、鶴岡らしいガストロノミーツーリズムの可能性を探るサミットを開催したところ、議員からも紹介ありました、鶴岡は食の宝庫であり、日本のガストロノミーツーリズムの聖地であるとの評価をいただいたところであります。

 また、湯野浜温泉地域における持続可能な食の循環型サイクル構築を目指す研修など、付加価値の向上に向けた取組を進めてまいりました。

 今年度は、4つの国民保養温泉地の特徴を生かした誘客促進を図るため、DEGAM鶴岡において各温泉地を特徴づける共通メニューの開発を進めているところです。湯野浜温泉ではカニ、由良温泉ではサザエといった温泉ごとのテーマ食材を設定してメニュー開発に取り組んでおり、12月7日に開催されます、つるおかふうどフェスタにおいて、各温泉の食メニューを発表することとしております。

 また、在来作物の畑の見学、収穫体験、生産者や料理人との交流等の食文化の背景を案内する鶴岡ふうどガイドの取組では、令和6年度は実施済みのものを含めて14件のツアーが組まれており、500人以上の参加が見込まれています。鶴岡ふうどガイドによる案内は、他地域との差別化を図ることができる鶴岡市の取組として、旅行関係者からも高い評価を得ているところでございます。

 今後の方向性につきましては、先ほど説明いたしました温泉地ごとに開発中の食メニューによる特徴づけなどにより付加価値を高め、新たなツアーの造成を旅行会社に働きかけることや、鶴岡ふうどガイドをはじめとした観光ガイドの育成など、観光客の受入れ態勢の整備を進めてまいります。食に関する体験メニューのさらなる磨き上げを行い、より多くの観光客が鶴岡の食文化を楽しみ、味わってもらう仕組みづくりに取り組んでまいります。

 

 

◆2番(草島進一議員) まず、ESCO事業でありますが、御検討いただき、また採用していただいたことを評価いたします。

 今、鶴岡の既存の公共建築物では、エアコンをつけて最大限にしてもなかなか冷えないという学校建築とか、なかなか局所的には暖かくなるけれども、全体が暖かくならないという、これは学校建築もそうだし、庁舎もそうではないかというふうに思います。こうしたところの外壁や屋根の断熱改修、また窓を二重、三重にする、こうした改修により躯体性能を上げる省エネ化というのは大きな課題かなというふうに思います。

 ESCO事業、大抵はLED化など、設備の効率化というのが結構注目されるんですけれども、幾つか断熱性能など躯体性能をアップした実例もあるようです。例えば、筑波大学では外壁に断熱材を吹きつけたり、屋上緑化を含め、これがESCO事業で日本の代表的な事例になっていたり、また相模原病院、病院施設でもこうした断熱改修とかがESCO事業で進められています。今後、我が鶴岡での建築物の省エネ化というのは非常に大きな課題だと思うんですが、これについてもぜひESCO事業を御検討いただきたいと思いますが、お伺いをいたしたいと思います。

 

 

◎市長(皆川治) 今、草島議員さんからお話がございました省エネ対策、またこれは地球温暖化対策ともなるわけでありますけれども、そうしたことと公共施設の長寿命化なども含めて、ESCO事業を活用した建物の断熱改修などの躯体性能のアップということについてお尋ねがございました。建物の躯体改修につきましては、建物の構造ですとか築年数、劣化状況によって大きく工法が異なるということがございまして、改修費用に影響を及ぼすことから様々な観点から検討が必要となってまいります。

 建物のESCO事業については、公共の建築物などの維持管理に係る経費の算定、また電気料金等の削減効果の検証、国の補助制度の活用、他事業の展開なども含めまして、御提案のあったESCO事業の活用の可能性については、さらに調査研究を行った上で、今後の取組を検討していきたいというふうに思っております。

 

 

◆2番(草島進一議員) ありがとうございます。

 ESCO事業の世界の代表例というのは、ニューヨークのエンパイアステートビルです。あの省エネ改修がESCO事業の最たる事例で、あそこの改修に関わったエイモリー・ロビンス博士の研究に基づいて詳細な調査をし、あんな古いビルを最新型の省エネ改修をして、今本当によみがえっているという事例が、まさにESCO事業の本当の代表例というふうに聞いています。ぜひこの鶴岡市内の建物について、省エネ・断熱化というのは非常に大きな課題だと思いますので、ESCO事業の採用なども含め、ぜひまた研究・検討を重ねていただければと思います。

 それから、食文化についてですが、ぜひふうどフェスタ、まさに参加者の方々の力によって、役所の予定調和がいい意味で破壊されるような、新しい出会いや新しい創作が生まれることを期待しております。これぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それと、先日、致道大学もありましたけれども、市長も御参加なさった山根京子先生のワサビの研究、これはゲノム解析から歴史・地理も踏まえて、もう大変な研究成果の発表だったと思うんですけれども、何かお伺いすると、実はああいう研究を発表する学会というのはないそうなんです。やはりこういう学会の場、海外にはあるんですけれども、日本にはないそうなんです。総合的な食文化研究といったら、食文化に伝わる在来作物研究みたいなところ、こういう研究の場というのも、実は食文化創造都市としての使命なんじゃないかというふうにも捉えておりますので、ぜひ今後研究を進めていただきたいというふうに思います。

 また、ガストロノミーツーリズムですけれども、まさに観光の可能性だらけの分野だと思います。先日は、杉浦シェフなんかと共に日本サステイナブル・レストラン協会の取組、またこれに斎館、また地元のレストランの皆さんも関わってのコラボ企画は、大変有意義でありました。

 今回触れていただいたふうどガイドの取組も非常に頑張っておられると思いますし、サスティナ鶴岡さんをはじめ、非常に頑張っている飲食店さんは、たくさんあると思います。本当は季節ごとの名物料理、またラーメンから料亭・精進料理・郷土料理の幅広い分野で市民の可能性に火をつけるのが、このガストロノミーツーリズムだと思うので、ぜひこれからも力を入れて頑張っていただきたいと要望して終わりたいと思います。ありがとうございました。