「環境と経済が両立した、持続可能なまちづくりとは?」
スウェーデンの持続可能な自治体(エココミューン)に学ぶ会議議事録
(●は、パワーポイント映像の変換を表しています。)
来日したスティーグワルター氏、(左より)
小松禮子氏 グンナルブルーンディーン氏、レーナリンダル氏(通訳・コーディネーター)
●スティーグワルター氏 通訳 小松禮子氏
今回のフィールドワークは、参議院議員舟山康江さんにもご参加いただき、多様な職業に携わる参加者とともにおこなわれ、大変充実していました。ツアーを企画してくださった皆様に感謝申し上げます。また、今日のツアーは非常に素晴らしかったので、まだ、フィールドワークに参加されたことのないかたにはオススメいたします。これまで知らなかった素晴らしい様々なことに出会いまして、この地で、すでに新たな出発点をみたような気がしております。
私が環境問題に目覚めたのは、スウェーデンで、特別な種類のお白樺(バーチ)の木を特別な毒で殺していた問題があるのです。ところが今となってこの、特別な家具をつくるには、この全部だめにした白樺の木でなければならない、ということになって、他の国から輸入しているわけでございます。こんな間違いをスウェーデンではいたしました。そのように環境問題に目覚めた私は、1980年にここにいるグンナルさんという人に魂の出会いのような出会いをし、震える思いで、そのときに「持続可能なスウェーデン協会」を設立したのでございます。
そして19年日本にいるレーナリンダルさんは、持続可能なスウェーデン協会のメンバーでいらっしゃいまして、日本、中国に対して精力的な活動をしている方でありまして、今日は通訳でご協力いただきます。
●基調講演 「持続可能なエコ自治体の取り組みについて」
持続可能なスウェーデン協会
グンナルブルーンディーン 講演。通訳 レーナリンダル氏
● スティーグワルター氏
この地図は、今年1月のスウェーデンの平均気温です。ここが、私たちの住んでいるウーメオです。で、60年代から現代に比べては、昔は薄いブルーになったはずですね。
でこの地図は、色で平均の昼間の温度を表しているので、これだけ温かくなってきてしまったということですね。赤いところは7度ほどあがってしまったというところです。
グンナルさんも私も、スキーに行くのが大好きなのですが、今年は、スキーにいける状態ではなかったので、今年は2人で太ってしまいました。鶴岡にきて雪がたくさん積もっているのを観て、私は子供の頃の時を思い出しました。
● グンナルブルンディーン氏
私は、スティーグワルターさんと一緒に80年代のはじめに、スウェーデン緑の党の設立にも関わりました。当時は、北極の氷が少なくなるなどということは考えられない問題でした。。
しかし、30年たった今は、こういうかたちになりました。
そして、ノーベル平和賞を受賞したアルゴア氏は、スウェーデンに着たとき、5年間以内にはこの白い北極の氷はなくなるだろうと私たちに伝えてくれました。。
自己紹介をいたしますが、私は、現在持続可能なスウェーデン協会の理事であり、スティーグ氏とトルビョーン氏と私との3人で、このサスティナブルスウェーデン「持続可能なスウェーデン協会」を立ち上げました。
エーサム社は、1990年に立ち上げた会社です。教育、コンサルティング、環境教育、企業、自治体の管理制度を構築することを使命としています。エーサムという意味は、「エコロジカルな開発」ということです本部はウーメオにあり、支部はストックホルムにあります。
私は、今紹介した活動以外に、パートタイムとして、ISOの環境、労働環境の主任監査役をしています。
「SP」は、国が所有する会社で、第三者認証をする会社であります。
私が一番関心をもっている仕事は、持続可能な包括的な管理制度を自治体すべての部署を含めて、つくることをメインとしており、ロバートフォッシュ市でそれをおこなっています。
●ここで忘れないうちに、2つのイベントをご紹介いたしますが、持続可能なスウェーデン協会の視察ツアーが5月17から31日まであります。これに関連したかたちで、スウェーデンの国際エコ自治体会議は、今年の5月27日から29日まであります。
この会議には、アメリカから必ずやってきます。というのは今、アメリカでは30箇所ぐらいの自治体がエコ自治体を目指す自治体があります。そして、カナダ、アフリカのケニアから参加がある予定です。興味があればウェブサイトにアクセスしてください。
●ではスウェーデンの紹介にはいりたいと思います。ここにヨーロッパの地図があります。上には、スカンジナビア半島があり、これが北欧の国ですね。
首都ストックホルム、そして私たちが活動しているウーメオ、その北50キロのところにロバートフォッシュがあります。
人口が900万人でスウェーデンは日本より大きめで45万平方キロです。
県が22あって、289の自治体があります。大体ひとつの地方自治体の平均人口は3万人ぐらいです。その内70がエコ自治体ということになっています。
●まず、スウェーデンの自治体の特色ですけれども、住民に所得税を課税する権利があるので、それで大体15から25%をかけています。
そして、自治体は都市計画の権限を完全にもっていて、また、国のなかで与えられた管轄の範囲では自由にできます。経済的にかなり強く自立しています。分権が確立されている。国からある程度の補助金や規制はあります。
次は、スウェーデンの自治体がどのような役割を果たしているかというのを説明します。
私の見方では主に3つの役割があると考えています。
もともとの役割は権力として、国にかわって、その地方の監視監督をしていたということです。
50年ぐらいから70年ぐらいまで、自治体は、民間企業の考え方をよりとりいれて、住民をお客様という見方、自治体はサービスを提供するものだということが広まりました。
そのサービスの役割は、市場のあり方を意識しているとか住民の希望を意識しそして将来の予測を、例えば自動車の数などを計算して、それに基づいて道路をつくるかつくらないかと言う判断をするようになりました。
3つ目の役割ですけれども、この部分は触媒としているのですが、この部分は私たちが強調しているのですが、これは何かというと、自治体が積極的に住民に呼びかけたりして 民主主義なプロセスに、参加してもらったりとか、将来にむけての発展のあり方について、積極的に取り組むということです。
私がこれから紹介するのは、エコ自治体の概念を、これが、バージョン5.0というかたちで紹介します。
エコ自治体のとりくみは、80年代にはじめたので、やっていく中で、ブラッシュアップされて、5回ほど作り直しており、5世代目のエコ自治体コンセプトだということになります。
● そのモデルを説明する前にまずはじめに、ウーメオ地域で具体的に何が起こっているかということについて、説明をいたします。
先ずこのエコ自治体の取り組みの成果としての「グリーンゾーン」という地域の事を紹介します。
これは、世界的にもユニークなところです。というのは、ガスステーション、車販売会社、マクドナルドが共存し、統合化したシステムによって運営されている地域の取り組みです。
これは、90年代のはじまりに出発したもので、このときは、ルーメオの大手の車の販売者 (フォードの経営者)、また職員に対して環境教育の研修(ナチュラルステップ)をおこなったのです。
その研修をおこなった結果、社員の中からこれをつくるアイデアが生まれました。ここの地区の中に水の循環、熱の循環を確保して、循環型の効率のよい構想を軸としています。
この中には例えば分別トイレというのがあって、尿を分別してトイレの尿は、農家が肥料として使えるようにしています。マクドナルドが廃棄物をきちんと管理をし、また、ガソリン販売所ではエタノール燃料を販売しています。
エタノール燃料は今となっては多くの場所で販売されていますが、この地域が最も販売をはじめるのが早かったのです。この3者は、ルーメオ地域の市場で成功している企業です。ここは、例えば、屋根の上にセダムという植物を使って、日光をとりいれるものもあって、エネルギーの節約につながります。
また、駐車場の地面は、こういう風になっていて、雨の水は 自然に浸透します。
●建物には太陽光発電のユニットがついていて、自然エネルギーを電力に変えてこの建物で使われています。
● 建物の中には、空気清浄に貢献する植物のユニットがついています。
● もうひとつのサンプルは、この学校ですが、スウェーデンの学校開発省がつくった環境認証制度というのがあるのですが、この学校はその認証をとっています。後ほど説明するロバートフォッシュ自治体の行動計画がこの学校の行動計画に組み込まれています、
● これは、32ほどのアパートがはいっているエコ建築で、冬の時でも庭のようにできるように中心に植物が植えられています。ここで例えばゴミの分別とか、コンポスト、分別トイレなどいろいろと面白い取り組みがありますが、一番おもしろいのは社会的なミッションです。すべての部屋がひとつのバルコニーに面している。その私の友達が実は住んでいてそこに行っているのでよくわかります。
● ここで「エコ自治体コンセプト5.0」の紹介をします。
これまで紹介した事例というのは、この、最後のところ、つまり具体的なよい事例が出てくるということです。
まず結果の事を最初に話しそれから5つの柱についてお話します。
● 自治体の持続可能な発展計画は、このコンパスという羅針盤を基本にしているものです。コンパス(羅針盤)を基本としています。このコンパスには、あBCDで表しています。あは、持続可能な自治体をつくるのであればその定義をしなければいけないといういことです。
この定義を理解して、共有して、ロバートフォッシュではそれに5年間かけました。すべての企業とか、住民に巻き込んでそれを理解していただき共有します。
そしてB次は現状を調査します。きちんと今を調査をして、それが理想とするビジョンはどういうものかを考えます。そして、そのビジョンに向けて、どういう対策をとるべきかを考えて、行動計画を作成します。
その行動計画というのが、ロバートフォッシュでの「持続可能な発展計画」になります。
●この行動計画のビジョンには、2050年と2020年とが含まれています。
この計画というのは、自治体でおこなわれている、都市計画、福祉計画、教育計画、など全ての計画の中でプライオリティが最も高い位置に位置づけられているものであります。
● また、経済的にも、予算計画にもとりいれられ、経済計画にもリンクされています。
● この計画の中に20の行動プログラムがあって、それぞれに責任をもったリーダーが定められています。そしてこのプログラムには測定できるような目標があって、更に誰が責任者なのかが明記されています。
● この計画を実施するために「包括的な管理制度」があります。
● この管理制度では、まだ途上ではありますが、自治体、民間企業の管理制度の全てをこの発展計画にリンクさせようとしています。
● また国の設定している環境政策目標がありますが、それにもリンクさせようとしています。
● 実は地蔵可能な構想というのは社会のすべてにリンクされるもものでありますので
● このアクションプランは、地理的な自治体でおこなわれていることを全て包括するものであります。
この計画を自治体行政は、政治家もそうですが、原動力として市民団体やエヌピーオー、企業を活性化する積極的な役割を担っています。
● ロバーツフォッシュの目標ですが、化石燃料依存から脱却しましょう。また、栄養の循環を100%にしましょう。そして2020年までは持続可能な発展のスウェーデンのリーダーになりましょう。と、2050年までには世界的なリーダーになろうというのがロバートフォッシュ自治体がかかげた発展目標です。
はじめは「システム思考」について説明します。
● 次に基本システムについて説明します。
このシステムの根幹としては、まずこの地球の事をいっているのです。今、私たちが管理しようとしている物質の循環というのは、実は、この地球の表面の大気と近くの表面のことで、リンゴにたとえれば、リンゴの薄い皮のところでの物質の循環であるとうことです。
その狭いところでの物質循環の管理というのは、私たちが余計に拡散するものをなるべく少なくして、効率よく物質を使っていく事が必要なことです。
● 私たちが今、おかれている現状ですが、これは明白です。資源がどんどん減り続けていて、地球上の人口は増え続けている。つまりその中での行動範囲が狭くなっているというのが現状です。だんだん世の中が狭くなっていくというのを考えたとき、つまりこうした、ろとの中を進んでいくのに、どうしたら障壁にぶつからなくて未来にむけて進めるでしょうか。
● もうひとつシステムの木について説明します。
先ほどの地球というシステムから木を使って説明をしますが、幹と葉っぱのことについてですが、幹というのは、物質の循環を表しています。そして枝と葉のは4つのシステム条件です。
昨日、根っこは何かというと、私は、文化のことではないか。と思います。山伏とか神道、仏教がこれにあたるのではないかと昨日議論になりました。
葉っぱというのは、新しい車はどれにしようか、洗剤はどのようなものがいいのか。というディテールの事です。
●この4つですけれどもこれは、システム条件ではなくて、これは世界の科学者たちがすべて合意している自然法則ですね。はじめの2つは熱力学の法則です。
1) 物質とエネルギーはなくなることはない。
2) 物質とエネルギーは拡散する傾向がある。
3)物質は物質の濃度と構成だといえる
濃度と構成を
ガソリンタンクが空になったとしても、それがなくなったわけではなく、大気上に拡散されたのだということ。湯船にいっぱいの水にインクをたらすと、ずっと拡散をしてインクとしては使えなくなります。
この法則は自然の法則なので、これを議会が変えようとしても無理であります。
でも世界を見ているとこれが変えられると勘違いしている政治家もみられるようです。
質というのはどうかというと、それは物質が構成されていて、濃度が高くなっていると。それで役に立つ質になっているということです。
産業で私たちがやっていることはそういうことであって、車をつくろうとしたら鉱山から鉱物をとってきて土をとりだして洗練して製鉄してそれをかたちづくって車を造っているということです。しかし、これらの自然法則によるセオリーは、
人はものを壊したり、拡散する。結局は 人は、何かを消費してしまったという結果にしかならないのです。
それで、その立派な車はできあがるのですけれども、それがつくられる段階で、鉱山から物質をとるときにいらないものが排出されてしまったり、その過程で様々な物質が排出され、それが拡散されてしまうわけですね。
●緑の細胞の特色というのは、消費と拡散というよりも、生産できる事です。新しいものをつくりだせるということです。
緑の細胞は何をしているかというと、太陽のエネルギーを使って、地球上に細胞によって新たな物質を生産することができています。
しかし、動物細胞の私達は、それを消費をしながら物質を残していきますが、それを緑の細胞が新たな材料として使っていくことができます。
これが、物質の循環であって、生態系ですね。この中に人間社会をおいてみると、
4つのシステム条件というのを定義することができるのです。
▽その一つ目の条件は、私たちが生きている温室みたいな生態系に、地殻から物質が多くがでて来るということです。自然に火山が噴火したときに物質がでるわけですが、これを人口的にあまりにも増やしていくことになると、で、自然に沈下とか、一部が地殻にもどっていくこともありますが、私たちがリチウムとか、ウランとかいろんな金属を取り出しはじめる前は、そのバランスがとれていたのですが、現在はそれを大量に取り出す時代になっているのです。
私たちのシステムー生態系には限界があるので、その地殻からとりだしたものが増え続けるとそれが溜まってしまいます。
石油であれば、地殻にもどる量よりも100万倍もの量をとりだしているんですね。
▽ 2番の条件ですけれども人間が社会の中で生産するものが、分解されるようなものであるということ。です。
▽ 3番は、自然が生産をするに耐えうる状況以上に収穫してしまうことのないように。ということです。例えば、地下水の捕り過ぎ、魚の採りすぎ、などをおこなうと生産が間に合わなくなります。今、生物の多様性の問題ですが、この多様性が崩れてしまうと、自然界がいろいろな変化に対応できなくなります。
▽ 4番目のシステム条件は、3つのことを加速させているところで、今の社会では私たちの経済はもっとそれを採りましょうということで、それを加速させています。
それで、一回まとめてみますと、
1)自然の中で地下から取り出した物質の濃度が増え続けない。
2)自然の中で人間社会の創り出した物質の濃度が増え続けない。
3)自然が物理的な方法で劣化し続けない。
4)人々が自らの基本的ニーズを満たそうとする行動を妨げる状況を創りだしてはならない。
●4つ目のシステム条件について、重要ですので説明をします。そこには経済の事、そして人間と人間との関係性についてのことですのでとても重要です。
●ここに人間の基本的なニーズの考え方ですが、ここにマンフレッドマックスニーフというチリの経済学者の考え方を使っています。生命生活の維持、愛情、保護、理解、参加、休み、創造、自由、アイデンティティ。
マンフレッドニーフ は1983年にはスウェーデンの「オルターナティブ・ノーベル賞」を受賞したかたです。チリ人の経済学者ですが、人間の基礎的ニーズは、地球上でどんな文化をもつ国であれ、みんな同様のものを基調としているということです。しかし、文化とか 道具はいつも違うのです。
例えばアイデンティティを満たすには、レクサスやベンツをもつこととか。
別の国ではみんなの長になるということもアイデンティティになるかもしれませんね。
ここで強調したいのは、それらのニーズは、必ず、物質を片っ端から循環させて満たすようなものではない訳です。他のことでもできるということなんですね。
*マンフレッドニーフ:生存、保護、愛情、理解、参加、閑暇、創造、アイデンティティ、そして、自由という9つのニーズしかない。
かも、この9つの基本的なニーズは、文明社会であろうが、未開社会であろうが相違がない。例えば、衣食住や所得も、そのものが目的ではなく、生存というニーズを満たすためのものだし、教育も自分や他人、世界を理解するためのニーズということになる。最高級のブランドを身につけた女性も、腰みのだけしか身に付けていないがボディ・ペインティングをしている「裸族」の女性も、同じことをしているにすぎない。美しくなり、愛され、自分のアイデンティティを実感することが、その目的だからだ」
愛情のところを満たそうとしたときに、成功をしなければ、甘いお菓子を食べたりとか、自分の欲求を満たそうとするかもしれませんね。
例えば、車を必要と思ったときには、実は、その後ろ側に隠れているものが重要なんですね。
ここで希望があるわけで、資源とかエネルギーをより効率よくつかみながら、根っこのニーズを満たすようにすればいいのだ。と。
で、これらのニーズは私の見方では経済の基本です。これを満たすのは経済のねらいだし、企業であれば、サービス、開発、製品を生み出すための基本的な考え方であると思っています。もちろん自治体の場合も、自治体が提供すべきサービスは、すべてこうしたニーズを満たすということです。
経済のねらいは、企業も自治体も、こうした根っこのニーズをうまく満たすことがねらいです。利益を満たし、お金も満たすことも大事なのですが、それは生き残りのためであって、本来のニーズではないと考えます。
●国連によって、持続可能な発展の定義が定められていますが、3つの柱があり、エコロジー的、人間的な社会的、そして経済的という3つの柱です。
まず環境面での持続可能を実現するために、はまず、今、紹介した4つのシステム条件の範囲内で進めなければなりません。
4つ目のシステム条件の意味は、経済面には効率よく公平である。と、そして、社会的にも人間社会が良い形になっていて公平であるということです。
経済というと実質経済とお金の経済がありますが、お金でない経済のところが私が非常に興味があるところです。
この出費ということでありますが、「資源の消費」ということになります。
資源というのは、エネルギーだし、物質だし、人々の能力ということでもあり、こういうものが消費されていくということです。収入と考えるのは、先ほどの基礎的ニーズをいかに満たしているか、それが、収入ということになります。
そして、このよい元気な経済になるためにはまず公平さが必要で、この地球上のすべての人々がすべてにおいて平等に効率よく限られた資源を使うことができる権利があるということだと考えます。
例えば先進国では、アフリカの国に比べて、一人あたり排出しているco2が20倍ほどあるのでの炭素の利用率が高い。国連では京都議定書の後のしくみの議論で、その基本的な考え方は、すべての国で、人口を計算した上で、排出権を与えるという、そういう、一人あたりに同じくしようという動きです。
● 2つ目の柱は民主主義、と参画です。
その民主主義と参画の意味ですが、個人と個人のグループの間にきちんとした尊重があって、民主主義がなりたつということです。文化によって、違いや矛盾があるかもしれませんが、このバランスを意識することはとても重要です。
エコ自治体の中でとても重要なのは、これを実現するための民主的なかたちがあって、それぞれの文化を育む、自治体の中の人、すべての人に参加の機会をつくって、すべての人たちを誘い込むということです。
●3つ目は、自治体の中での横の統合化です。
子供、若者、企業、市民団体も誘って、この民主主義なプロセスに参加してもらうということです。
産業でいえば、自治体が積極的にいろんな産業の人を誘い込んでその間の連携ができて、それが、ネットワークができるように努力すべきですね。
例えば、この食料のプログラムだとすれば、職業の例だとすべての利害関係者をリンクして、例えばロバートフォッシュでは学校もはいっていてその生徒が、工場に見学にいくとか、これは、以前紹介した計画にフローがあるのですが、これが行政がやるということではなくて企業が解決するかたちでかかわったりしているのです。
4つ目が全てのレベルの間の縦ネットワークということです。
学校、企業、NPOのネットワークではなくて、自治体とか、県、国レベルで交流したりして、地域でいえば、ヨーロッパではEUという組織があるし、 日本の環境自治体会議という組織があります。そうした間の意見交換が必要と思います。
5つ目は、プロセスリーダーの機能が書いてありますが、このプロセスが成功するための鍵となっているものです。
今度来週には、アフリカ、ケニアのマチャコス自治体からリーダを招いて、プロセスリーダ研修をおこないます。
毎年、こうしたプロセスリーダー研修というのをアメリカ、スウェーデンでもおこなっています。
よいプロセスリーダになるためには、4つのシステム条件をもちろん良く理解している必要があるし、また、自分を客観的にみて、どのようなリーダーなのかを確認する必要があります。私は、そうしたリーダー研修のためにストックホルムとウーメオを夜行列車で往復しております。
こうした提携のあるプロセスリーダの研修によって、キャパシティセンターの基礎的な要素が整うということです。キャパシティセンターではそうして、他のところと連携が可能な素養が整っていきます。
他のところと学びあい連携する必要があります。持続可能になるためには一つ小さな自治体だけではできないことなので、連携が必要なのです。。
ロバートフォッシュの管理制度について簡単にふれたいと思います。
持続可能な発展計画というのは、政治的な文書で市議会で採択したもので、それを実施するために、3つの規格にもとずいてつくられていて、環境は、ISO14001、労働環境は、9000シリーズとスウェーデンの規格にもとずいてやっています。
● これは、ロバートフォッシュ自治体の中でおこなわれているいろんなすべてのプロセスを1枚におとしてみたものです。ですから政治的な民主的なプロセスは、自治体の中の各社、企業、などの人をつなぎ、自治体が積極的に連携してやっていくプロセスです。
左は、自治体の年間の予算づくりとか、11月に毎年計画の見直しをして計画に反映させることに決まっています。
右上のほうは、国の法律とか、国連、地域の制度を全て反映されています。つまり政治的な課題。何をすべきかということですね。
この線の下のところは行政で、全部実施していくところですね。
この中に自治体行政だけではなくて企業の計画もあるのです。
●最後のスライドは、実施についてです。
実施をすると、市民に対してサービスを提供するときにはサービスを提供する自治体の役割を果たせますね。ここに自治体の全体の事業がはいっているんですが、39のプロジェクトがあるんですが、その39にプロセスリーダーが決められて進んでいます。この全てのプロセスリーダーが目標を自分で設定しないといけないのです。環境目標、品質管理目標、労働環境目標、経済目標です。もちろん、それらの目標を達成するために行動計画を定めなければいけません。
ですから、こういった39のプロジェクト含めて、全てが、従来の自治体の仕事の中でおこなわれているわけです。外のどこかの部署でおこなわれているわけではありません。
ですから、この管理制度も外でおこなわれているものはなくて、政策の全てその中に盛り込まれているということです。
年間のスケジュールとして、1月にプロセスリーダーたちが自分たちでプロセスを評価します。2月には、各部署の部署の管理職の人たちが評価をして、3月には、トップレベルの評価をおこないます。それで市議会に報告をします。
これが、私の最後の説明になります。なにか、ここまでで質問はありますか? 鶴岡市でもできるのでしょうか。たぶん、たくさんだったので、考えていっぱくしてから、質問がでるでしょうね。
会場から質問。
●質問
酒田市議をやっています。佐藤と申します。最近議会の仕事をしている
市民と行政の合意形成というプロセスがが希薄と感じます。将来予測を踏まえて道路計画をつくるとか、と言うことをいわれていましたが。なぜ、スウェーデンでやれて日本でできないのでしょうか。
● グンナル
佐藤さんはどういう風に思いますか?
昔の首相で、1986年に暗殺された、パルメ首相という政治家が、スウェーデンにいたのですが、彼の言葉を伝えたいと思いますが、「政治は意志をもつことだ」といっていました。まずそれを答えとします。
●川村氏
私の質問は、スウェーデンは、地方分権が世界で最も進んだ国だと思います。それを4つのシステム条件の民主主義、参加ということがありましたが、その地方分権が進んでいるということをそのシステムの中にいれないといけないのではないかという問題意識をもっています。
日本の場合は、政治家が政策執行しないんです。。スウェーデンの政治家は、漆黒委員会をつくって、政策執行をする。市民のニーズと、政治家の政策執行が密着している。そこに大きな違いがある。
それで、たとえば、民主主義の参画の中にですね、対話可能な範囲で政治的な決定をするということも付け加えていかないと難しいのではないかと思います。
● グンナル
それに対してコメントしますが、政治家が、実施に近いと、住民のニーズを満たすことに実際にかかわっていると。私から観れば、スウェーデンでは、ちょっと近すぎるところもあって、この政治の部分があってそこで決めてから 行政に実施の指示をするんですけれども、そこでは、あきらめないで、実施までと、手を入れてしまいそうな政治家もいるので、これは、余り良くないんですね。
やはりそこで、線をきめているんですね。決めるところと、実施期間と政策立案はしっかりと分けているんですね。というのは、行政で働いている人たちは専門家ですね。こういった仕事をするために専門的な教育を受けている人です。それに対して、政治家というのは全体をやっているゼネラリストというか、素人なんですね。素人と、専門家に任せなければ鳴らないと言うこととを、下手に混ぜないのがいいところです。だから、政治家がいろいろできないということではなくて、優秀な政治家はいるんですけれども。
ありがとうございました。
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